メイン

2013年8月 1日

再生可能エネルギーを息長く育てるには その2

政府は13年度の太陽光の買い取り価格を約1割下げた。競争の活発化で太陽電池の価格は下がっている。今後も電池の普及にあわせて買い取り価格を適切な水準に見直していく必要がある。 事業者の中には有利な買い取り条件で認定だけ受け、実際は建設に着手せずに建設費の低下を待つ例もあるとされる。制度上、こうした行為が可能になるなら問題だ。悪質なら認定を取り消すことはやむえまい。 太陽光発電の申請が集中する北海道では、つくった電気を受け入れる送電線が不足する問題が起きている。風力も発電事業に適した風が吹く地域の6割以上が北海道と東北に集中している。再生可能エネルギーを関東などの大消費地に届ける送電線の増強が必要だ。 太陽光や風力で発電した電気を一時的に蓄える大型蓄電池も導入したい。多額の資金が必要となるインフラ整備は企業だけでは限界がある。国が企業と連携し、早急に仕組みを整えるべきである。 規制緩和も重要だ。風力や地熱設備の建設に必要な環境影響評価(アセスメント)は現在、3~4年かかる。阿部政権は成長戦略でアセスメントの期間短縮など手続きの迅速化を掲げた。これを着実に実行しなけらばならない。

2013年7月31日

エネルギー原単価

一定量の生産に費やすエネルギーの効率を示す値。エネルギー原単価が小さいほど省エネ効果が進み、温暖化ガスの排出量も少ない。国内総生産(GDP)当たり、車1台当たりなど様々な指標がある。「エネルギー白書2013」によると、10年の国内総生産に対して消費する1次エネルギー量は日本を1とすると、中国5.5、タイ5.2、インドとインドネシアは5.1。アジアの新興国は大きな値になる。日本は新興国だけでなく、米国や欧州などと比べても低い。 日本は1970年代までの高度成長期には、エネルギー消費の伸びがGDPを上回っていた。ただ、2度のオイルショックを契機に産業部門を中心に省エネ対策が進み、世界でもトップクラスのエネルギー効率を獲得した。90年代以降は省エネ投資の一巡などの要因により、下げ止まりの傾向がみられる。 日本に温暖化ガスの排出量削減が課さられるなかで、国内での原単価の改善余地は少なくコスト負担も大きくなる。一方、アジアをはじめとした新興・途上国に日本の高度な石炭火力、太陽光、洋上風力発電、地熱などの発電施設、工場の省エネ化、次世代交通システムなどの技術を導入するえば、地球全体で温暖化ガスの削減効果が大きくなる。

再生可能エネルギーを息長く育てるには その1

再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が買い取る制度が始まって1年たった。供給量が大きく増えたが大半を太陽光が占め、風力の安定供給には再生可能エネルギーを息長く育てる必要がある。 太陽光、風力などをバランスよく伸ばすのには制度を適切に見直し、規制緩和や送電線などのインフラ整備を進めなければならない。 買取制度は発電設備を設けた企業や家庭が一定の利益を得るようにして再生可能エネルギーの普及を後押しする。経済産業省によると2012年度は2月までに大型火力発電所で数期分にあたる166万キロワットの設備が発電を始めた。 買取対象として国から認定を受けた段階の設備は1300万キロワットに達する。制度を設けた成果があがったものと評価したい。 ただ、認定を受けた設備は9割超が太陽光で、風力や地熱はわずかである。太陽光設備は風力や地熱はわずかである。太陽光設備風力や地熱に比べて設置が容易で、建設期間が短い。加えて太陽光発電の買い取り価格が1キロワット時42円と高めだったために、応募が集中したとみられる。

2013年6月12日

地熱発電に潜在力

アフリカ開発会議(TICAD)に参加したカガメ・ルワンダ大統領は3日、日本から地熱発電分野の投資を期待する考えを明らかにした。 電力とエネルギーが必要だ。たとえば我々には地熱発電の潜在力がある。観光やサービス産業の投資も期待している。 中国のアフリカ向け投資は「とても賢くやっている。資源がほしいし、お金もある。軍事力で資源を採掘しているわけではない。あなたは私がほしいモノを与え、私はあなたがほしいモノを与えるという態度だ」。

2013年6月 5日

大雪山国立公園地熱発電を調査

Jパワーは北海道新得町の大雪山国立公園内で地熱発電所の建設に向け調査を始める。地表調査や掘削調査で蒸気量や周辺環境への影響などを調べ、数年かけて事業化の可否を判断する。国立公園内の地熱開発の規制が昨年緩和されたことを受、再生可能エネルギーの加発を加速する。

2013年5月25日

神奈川県愛川メガソーラー

神奈川県は14日、愛川町に建設していた初の県営大規模太陽光発電所(メガソーラー)「愛川ソーラーパークさんたらすTOBISHIMA]が完成し、15日から営業運転を開始すると発表した。 県発電課によると、同発電所は県有地約3.2ヘクタールに約7900枚の太陽光パネルを並べた施設で、最大出力は約2メガ・ワット。年間発電量は一般家庭520戸分に相当する188万キロワット時に上るという。

2013年1月24日

太陽光発電 買い取り30円後半

茂木経済産業相は21日、2012年度に1キロワット時42円としている太陽光発電の買い取り価格について、13年度は「30円台後半に引き下げることができる」との見解を明らかにした。経産省は同日の調達価格等算定委員会で、13年度の買い取り価格の議論を始めた。

太陽光発電の価格は設備の値下げを反映して小幅に引き下げ、風力や地熱発電は据え置く方針で大筋一致した。

再生可能エネルギーでつくった電力は電力会社が固定価格で全量買い取るしくみだ。買い取り価格は施設の設置費用や、発電業者の利益をもとに決める。茂木経産相は日本記者クラブの講演で「実態調査をすると太陽光の発電設備の価格は相当下がっている」と指摘。太陽光パネルなどの値下げ分を反映して13年度の買い取り価格を引き下げることができるとの意向を示した発言だ。

経産省が委員会に示したデータによると、住宅用の太陽光発電設備の設置費用は直近の12年10~12月は1キロワットあたり42.7万円だった。12年度46.6万円を想定していたが、市場拡大を受けて下落した。

住宅以外の大規模太陽光発電でも32.5万円から28万円に下がった。土地代や修繕費は据え置く見通しで、これを反映した場合の買い取り価格は「1キロワット時38円か37円を中心にその前後に絞られる」という。

2013年1月19日

再生可能エネルギー価格維持へ

再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度で、経済産業省は2013年度も今年度の買い取り価格を据え置くことを軸に検討に入る。事業者への配慮を優先して高めの価格を続け、普及を促す。急拡大している太陽光発電に対し小幅に下げる案もあるが、世界的にみて高めの価格を日本が維持するのは確実だ。

買い取り価格は有識者からなる調達価格等算定委員会(委員長は植田京都大学教授)の案をもとに茂木経産相が正式に決定する。算定委は21日の会合で来年度に向けた議論を始める。

装置の設置費用や発電業者の利潤が焦点で、2月中にも案をまとまる。

経産省が価格の維持に動く背景には原子力発電所の停止が長引く中で、エネルギー供給の多様化や温暖化ガス削減を進める狙いもある。東日本大震災の被災地で再生可能エネルギーの関連事業が広がりつつあることにも配慮する。

今年度に太陽光の設備を整えた場合は、そこで作った電気を1キロワット時42円で20年目まで買い取ってもらえる。風力(20年間23.1円)、地熱(15年間27.3~42円)など発電の種類ごとに設定している。太陽光は欧州の30円前後に比べ高めの水準にある

経産省はどの発電方式でも事業者の要望を踏まえていると判断し、これ以上の引き上げをしない方針だ。

2013年1月 4日

設置容易な太陽光発電に偏重

経済産業省が昨年11月末までに再生可能エネルギーとして認定した発電設備は合計364万キロワットワット。稼働率の低さなどを考慮せずに発電容量をみると、原発の約3.5基分にあたる。設置のしやすさや政府が打ち出した買い取り価格の高さが追い風となり、太陽光が約9割を占めた。

再生可能エネルギー
は長年にわたり環境省があの手この手で導入を促してきたが、なかなか進まなかった。福島第1原発の事故を踏まえ昨年から経産省が本腰を入れ、高めの買い取り価格で動機づけをしたところ急速に普及した。

太陽光は民家の屋根への取り付け工事であれば2~3日で済む。工場の敷地内や屋上などのメガソーラーでも1ヵ月程度でくみ上げる。出力1000キロワット以上のメガソーラーも好評で、九州では80万キロワットに上る認定を受けている。


比較的大規模な施設が必要な風力は全体の10分の1以下にとどまる。世界第3位の資源量があると政府が見込む地熱発電はほぼゼロだ。地熱は建設計画から発電開始まで10年ほどかかるこたが普及の壁になっている。環境アセスメントの簡素化などの規制緩和を進めないと、太陽光だけに偏った電源構成になる可能性も残っている。

昨年7月に設定した固定買い取り価格は毎年4月に改定する。太陽光の買い取り価格は、日本に先行しているドイツなどよりも割高との指摘がある。比較的安価な風力、水力、地熱などがバランスよく普及しなけらば電気料金は高くなる見通しだ。

2012年11月19日

再生可能エネルギー設備原発1基分に

今年4月から10月末までに運転を始めた再生可能エネルギーの発電設備は115万キロワットとなり、原子力発電1基分ののぼった。経済産業省が16日発表した。発電設備の9割以上が太陽光発電となっている。

電源別では住宅向け太陽光が88.6万キロワット、工場やメガソーラーなどの住宅以外の太陽光が24万キロワット。一方、風力は1.4万キロワット、中小水力は0.3万キロワットにとどまった。地熱は開発から運転まで10年程度かかるため、導入量はゼロだった。

経産省は同日、11年度のエネルギー需給実績もまとめた。国内のエネルギー供給量の内訳をみると、原子力は前年度比で64.5%減った。

2012年7月 3日

再生可能エネルギー 買い取り

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度

太陽光発電など再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が10~20年間にわたり固定価格で買い取る制度。太陽光や風力、中小規模水力、地熱発電、木くずなどを燃料に使うバイオマス(生物資源)発電が対象。メガソーラー(大規模太陽光発電所)などでつくった電気の場合、1キロワット時あたり42円で20年間買い取る。再生可能エネルギーの普及を促すため買い取り条件を事業採算が十分に合う水準に設定したことから、発電所の建設増が見込まれている。

2012年6月26日

再生可能エネルギー新設 6000億円超

7月以降の稼働を計画している事業を合計すると出力1千キロワット以上のメガソーラー計画が110件以上、出力合計は130万キロワット強。風力発電は約20件、出力約75万キロワット。建設費(土地代除く)は総額6000億円以上になる見通し。大半のメガソーラーは2014年度までに稼働する。

全量買い取り制度は太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスが対象。日本は地熱資源は豊富だが、開発に時間がかかるため、当面はメガソーラーと風力発電が再生可能エネルギーの中核を担う。発電コストに適正利潤を上乗せしたことから「メガソーラーへの投資が進んでいる」。

NTT、京セラ、ユーラスエナジーホールディングスなどが発電所建設を計画している。

2012年5月31日

自立型の供給必要 再生可能エネルギー

政府は29日、2012年版「環境・循環型社会・生物多様性白書(環境白書)」を閣議決定した。原子力発電所の停止に伴って節電社会が根付くなか、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入で、災害やエネルギーリスクに強いまちづくりを実現するとした。環境への負荷を抑えながら経済成長する「グリーン成長」の重要性も指摘した。

白書のテーマは「震災復興と安全安心で持続可能な社会づくり」。地域再生や自然災害リスクの軽減、エネルギー需給問題など、深刻で長期的な課題が山積みしていると指摘。震災対応では、がれき処理や放射性物質の除染対策、原子力の利用と規制を分離する原子力規制政策の転換の重要性を記述した。

災害やエネルギーリスクを回避するため、自立分散型のエネルギー供給システムが必要とした。特に東北地方が風力や地熱発電の導入可能量が多いことに着目。被災3県(岩手、宮城、福島)に太陽光と風力を導入した場合、可能な量の1%を達成した場合でも、経済効果は83億円5200万円に上るとの試算を示した。

2012年5月24日

石炭火力、省エネで協力

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、石炭火力発電所の効率を上げて環境負荷を抑える「クリーンコール技術」で中央アジア諸国と協力する。このほどカザフスタン、キルギスとそれぞれ協力文書を締結。省エネルギー技術を通じて関係を強化し、両国が産出するレアメタルなどの資源の安定調達につなげたいとの思惑もある。

カザフには旧ソ連製の旧式の石炭火力発電所が多くある。日本企業は環境への負荷が少ない石炭火力発電を得意としており、6月に開始する調査を通じて日本製の装置導入の可能性を探る。石炭から水分を抜いて二酸化炭素排出量を削減、燃焼効率を高める「クリーンコール技術」の導入を検討。現地でセミナーを開くほか、技術者約20人を日本に招いて研修させる。

キルギスでは低品位炭「褐炭」の埋蔵量が約20億トンあり、水分が多い褐炭を乾燥して燃焼効率を高める日本の技術のニーズが高い。レアメタル埋蔵量も豊富である。

2012年5月16日

再生可能エネルギー

太陽光風力など自然の力を利用するエネルギーのこと。資源の枯渇を招かず、半永久的に使うことができる。石油や天然ガスなどと異なり、二酸化炭素をほどんと排出しない。全量買い取り制度は地熱、中小水力、バイオマスを加えた5種類が対象となる。

日本の発電量全体に占める再生可能エネルギーの比率は約9%(2009年度)。このうち8%を水力発電が占める。太陽光風力などは発電コストが比較的高く、普及の足かせとなってきた。国内の原発の新設が難しくなるなk、日本でも普及を目指す機運が高まっている。

2012年5月15日

富士電機 米で地熱発電

富士電機は米国で地熱発電所の開発運営事業に参入する。カリフォルニア州で建設予定の地熱発電所の開発運営会社に約1割を出資し、経営に参加する。富士電機は蒸気タービンや発電機など地熱発電設備の世界シェア最大手。地熱発電事業への参加で最先端の開発技術やニーズを蓄積し、米国や新興国での今後の設備受注拡大につなげる。

米国の独立系発電事業者(IPP)であるエナジーソースLLDに資本参加する。エネルギー社は総事業費300億円を投じてカリフォルニア州のインペリアル・バレーに「ハドソンランチⅡ地熱発電所」を建設する計画。富士電機は運営会社の資本金のうち、1千万ドル(約8億円)を出資する。

米国は環境負荷が小さい再生可能エネルギーに対する税制優遇措置を背景に地熱発電所の新設や設備の入れ替えが進む。
資源エネルギー庁が11年11月にまとめた統計によると、米国の地熱発電設備容量は2015年に10年比7割増の540万キロワットに拡大する見通し。

富士電機は世界10ヶ国で地熱発電設備を納入しており、世界シェア約4割を占める最大手。資本参加を機に今後、地熱発電設備の世界シェアを5割まで高める方針だ。

2012年5月11日

サウジ・中国の太陽熱発電

東京工業大学はサウジアラビアと中国で、現地の太陽熱発電プロジェクトに参画する。従来より2~5割効率のよい中核技術を提供、2013年にも実証プラントを稼働させ、14~15年の商業運転を目指す。日照量の豊富な南欧や中東では太陽熱発電の事業化が相次ぐ。国産技術の優位性を検証、産業界と協力し新たなインフラ輸出につなげる。

東工大の玉浦教授らは、太陽熱を効率よく集める技術を開発した。鏡の設置方法や動かし方を工夫し、従来に比べて同じ面積で夏は約20%、冬は約50%多く電気を作れるようにした。

サウジアラビアでは太陽熱発電で作ったエネルギーの活用法を探るプロジェクトに参画する。海水から1日60トンの淡水を作る実証プラントを建設する。投資額は約20億円。

中国では日中の中小企業約100社や、天津市など9都市と連携、太陽熱発電で石炭を液化する事業に取り組む。まず、発電能力換算で約5千キロワットの実証プラントを建設し、15年から稼働させる。20年までには中国政府が数千億円を投じ、原子力発電所30基分を代替えできる太陽熱発電所を作る計画だ。

太陽熱発電の中核技術は欧米勢が主導している。

2012年4月27日

復興需要 力強く

東日本大震災の被災地で港湾や住宅などの再建スピードが徐々に上がり、工事・資材など関連需要が動き始めた。恵まれた風や地熱資源を生かした再生可能エネルギー開発構想も各地で浮上。復興を通じて安全や省エネの「先進地」をめざす挑戦が進む。一方、東京電力福島第1原子力発電所の周辺住民の帰還や廃炉作業など重い課題も抱えている。地域再生に向け、長い道のりが続く。

2012年4月26日

丸紅、小水力発電を強化

丸紅は再生可能エネルギーの需要拡大を見込み、小規模の水力発電所(小水力)を2020年までに国内で20ヵ所以上新設する。小水力発電は河川や用水路の水の流れを活用して電気を起こす仕組み。
山が多く、降雨量も豊富な日本では小水力発電所の適地が十分あるとみている。

山梨県北杜市で3ヵ所の発電所の稼働をこのほど開始し、25日に竣工式を開催。国内で合計6ヵ所になった。新発電所は北杜市と丸紅全額出資子会社の三峰川電力の官民連携で手掛けた。発電能力は3ヵ所合計で650キロワット。

天然の水や用水路など既存設備を利用する小火力発電は、周囲の環境に優しい再生可能エネルギーとして注目が高まりつつある。再生可能エネルギーの代表格である太陽光発電と比べ、24時間発電できる利点がある。

2012年4月16日

地熱発電、低コストに

東芝は高効率の地熱発電システムを開発した。一度使った地熱のエネルギーを再度、発電に利用することで従来より発電量を3割増やせるので、長期運転すれば発電コストを1~2割削減できる。地熱発電は7月からの再生可能エネルギー全量買い取り制度の対象になるほか、開発規制が緩和される方向にある。地熱発電の技術革新によって日本の地熱普及に弾みがつきそうだ。

2012年4月14日

日本で最も有望な再生可能エネルギーは

太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス(生物資源)のうち日本で最もも有望な再生可能エネルギーを日本経済新聞電子版の読書に尋ねたところ、

地熱   :48%
太陽光  :23%
バイオマス:12%
小型水力 :9%
風力   :8%

地熱が48%と圧倒的な支持を集めた。「天候に左右されず安定的」「火山国として活用すべき」との意見が目立った。
太陽光は23%。「どれかに頼るのでなく、地域特性に応じ最適なものを生かすべき」との指摘があった。

再生可能エネルギー普及によるコスト増は68%が「受け入れる」と回答。「原発が危険な以上やむ得ない」といった声の一方で「発送電分離など電力業界の競争促進が必要」との注文が相次いだ。「受け入れない」と答えた読者は「再生可能エネルギーならすべて良しという風潮は疑問」などを理由に挙げた。

発電技術開発担い手にも注目
再生可能エネルギーをめぐる議論は、発電コストをはじめとする数字が前面に出ることが多い。しかし、数字に劣らず重要なのが「担い手」論だ。ソフトバンクのよな新興企業が主役になるのか、既存の電力会社が手掛けた方が普及が進むのか。
技術開発についても、従来は政府系の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の存在感が大きかったが、カネを使うわりに成果に乏しく、主役交代が必要という声もある。今後再生可能エネルギーをめぐる「だれが」にも注目したい。

日本経済新聞より

2012年4月12日

福島県の地熱発電計画

出光興産などが福島県で計画する大規模地熱発電に地元で期待と不安の声が上がっている。国立公園内での採掘を認める規制緩和で増加が見込まれる地熱開発の試金石となるが、地元の温泉旅館などから慎重な声が相次ぐ。再生可能エネルギーの利用拡大と雇用増への期待もあるなか、開発側と地元がいかに共存を図るかが進展のカギを握る。

11日、出光などが組織する「日本地熱開発企業協議会」が福島市内で説明した。「温泉の枯渇や成分変化が本当にないのか」「温泉側の意見が反映されていなのは不公平だ」
原発も安全だという触れ込みだった。悪影響がないと言われても信じられない。

地熱発電所は2020年頃の稼働を目指す。将来的には原発4分の1基分に相当する発電容量27万キロワットの大規模開発となるだけに参加者からは厳しい意見が相次いだ。

脱原発を掲げる福島県は40年に再生可能エネルギーで県内の電力をあまねく賄う目標を掲げる。地熱は有望な候補だ。

環境省は3月にまとめた地熱開発の指針で、地熱開発業者は自治体や住民、温泉事業者との合意形成が必要と決めた。

2012年3月29日

再生可能エネルギー

主な規制・制度改革項目

太陽光:売電施設を工場立地法での適用除外に
    敷地の25%を緑地などにする義務が不要となり、屋上発電が容易に

小水力:河川法の区分を大規模ダム発電とは区別
    国交相の許認可や煩雑な書類提出が不要

風力:風車の審査基準を建築基準法から電気事業法に変更
   高層ビル並みの構造審査が不要に

地熱:自然公園法の見直し
   地熱の有望地域が多い国立・国定公園での垂直掘りが可能に。

全体:電力会社が持つ送電網の情報開示を促進
   事業計画時に接続可能地点や費用、工期などの把握が可能。

2012年3月23日

国内最大の地熱発電

出光興産、国際石油開発帝石、三菱マテリアルなどは福島県内で国内最大の地熱発電所を建設する方針を固めた。環境省が地熱開発について国立・国定公園内での掘削を条件付きで認める規制緩和を実施するのを受けたもので、新設は1999年以来。2020年ごろの稼働を目指す。発電容量は27万キロワットになる見通しで、原子力発電プラント4分の1基分に相当する。総事業費は1千億円規模になるとにられる。再生可能エネルギーの中でも安定した出力が見込める地熱発電の本格利用が日本でも始まる。

火山国の日本は地熱資源量が2347万キロワットと世界3位の規模を誇る。しかし資源の8割が国立・国定公園にあるため、出力規模は約54万キロワットにとどまる。規制緩和を受けて福島県のほか、秋田県湯沢市の栗駒国定公園内、北海道釧路市などにまたがる阿寒国立公園でも地熱開発が進む見通し。地熱発電が新たな電源として普及する可能性が広がった。

地元合意を前提に、各社は6か所程度で試掘を開始。国立公園では実際の地熱資源量のデータは乏しい。複数企業が組むことで、リスクを抑え効率的に開発する。

2012年3月 7日

地熱開発余地大きく

住友商事がインドネシアで地熱発電事業に乗り出すのは、地熱が世界的に有望な電源とみられているからだ。日照量や天候に左右される太陽光や風力発電と違い、熱エネルギーの変化が少ないことから年間を通じ、安定的に設備を稼働できる。

地熱発電は地中にあるマグマの膨大な熱エネルギーを使い、蒸気でタービンを回して電気を生み出す。地熱資源が豊富なのは、マグマだまりが地下に多く存在する地域。産業技術総研によると、首位の米国やインドネシアなど主要8ヵ国で合計1億598万キロワットの資源量がある。

日本も2347万キロワットと、第3位の資源量がある「地熱大国」だが、自然公園内にある場合が多く、規制の制約などで開発が進んでいない。温泉地では湯量や温度への影響を懸念し、反対する声もある。このため、発電設備容量でみると全国で約54万キロワットにとどまり、開発余地は大きい。

地熱発電プラントは東芝と三菱重工業、富士電機の3社だけで世界市場の約7割のシェアを持ち、日本が得意とする分野。国内では7月から再生可能エネルギーで作った電気を割高な価格で買い取り、普及を促す制度が始まる。地熱発電でつくった電気も買い取り対象に入っており、地熱発電所建設を後押しする効果が期待されている。