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2013年8月16日

水素大国 日本の夜明け その3

企業はすでに水素社会を睨んだ商品づくりを急いでいる。例えば燃料電池を使った家庭用発電機(エネファーム)は国の補助で2009年から普及が進み、設置台数は現在5万台弱。規模の拡大と材料の技術革新で最近は本体の価格が当初の4分の1程度(200万円弱)になりつつある。 そして燃料電池車。日本には現在、実験用で約50台が走っているが、価格はいずれも1台1億円前後する。だがトヨタ自動車が15年n発売する燃料電池車は500万円程度となり、日産自動車やホンダも同水準の価格で17年までに新車を発売する見通しだ。

2013年8月15日

水素大国 日本の夜明け その2

発電、熱利用、貯蔵。水素の活用法は多数ある。例えば、使う時間帯を分散して余った電力で水素をつくり、保存すれば家庭用発電機や燃料電池車に回せる。太陽光など再生可能エネルギーで水素をつくれば、さらに二酸化炭素を出さない循環が生まれる。 自治体などが主導するこうした実験場は国内に4カ所あり、石油会社や重電、自動車、鉄鋼メーカーが技術開発を競う。 実は、日本は水素大国で。製鉄などの複生成物として大量に発生するほか、ガソリンなどを精製する際、硫黄分を取り除くためにつくる大量の水素が今後は製油所の縮小で余剰になる。日本の生産能力は年間約360億立法メートル。これに対し、石化や産業ガス、ロケット燃料などで使われる総需要は約半分だ。 余剰の能力を生かせないか。これを使えば例えば水素で動く燃料電池車が年間1500万台動かせる計算だ。日本は厳しい二酸化炭素の削減目標に挑み、東日本大震災の後は天然ガスの輸入増加で貿易収支の改善が課題になっている。

2013年8月14日

水素大国 日本の夜明け その1

ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)が提携した。注目されている燃料電池車。だが、水素に立脚した社会を先取りする企業の動きは自動車の世界でけでない。実は水素が豊富な日本。新しい時代には最も近づいている国かもしれない。 3年前にできた福岡県北九州市のスマートコミュニティー実証実験場。最近始まったのは車から住宅に供給する実験だ。 使っているのはホンダが開発した燃料電池車。車で起こした電解を地域のエネルギー管理システムと連携させ、家庭に宮殿しながら電力をよく使う時間帯の分散が可能かどうかを調べている。 実験場に入居するのは230世帯と50の事業所。隣接する新日鉄住金の八幡製鉄所とパイプラインでつながっており、製鉄のプロセスで生じる水素を燃料電池による発電や燃料電池車に使う。 生成過程では二酸化炭素が発生しているが、通常は捨てられてしまう水素を電気にして使えば地域全体としては余計な化石燃料を使わずに済む、とのコンセプトだ。

2013年6月21日

燃料電池車 国際基準に

燃料電池車の安全性に関する国際基準に日本案が採用されるのは、日本車メーカーにとって有望な成長市場の獲得に向け追い風になる。 燃料電池車の世界市場は2025年度に2兆9100億円になり、11年度の3億円から急拡大する。販売台数も40台から130万台超に増える見通しだ。 次世代自動車では、電気自動車が先行して普及しつつある。ただ、走行距離が200㌔~300キロメートルと短いほか、充電に時間がかかり販売が伸び悩んでいる。 燃料電池車はガソリン車並みの走行距離を誇る。トヨタ自動車は15年までに水素を一度の注入で東京電力と大阪の間を走行できる水準を目指している。燃料注入にかかる時間も3分程度と、数時間かかる電気自動車に比べ短い。タンクの軽量化などで課題だったコスト削減のメドもたってきた。 課題は水素の補充拠点になる水素ステーションが未整備な点だ。建設コストは標準的な場合で、5億~6億円。ガソリンスタンドの7000万円~1億円に比べコスト負担が大きい。15年までに100ヶ所の水素ステーションをつくる方針。

2013年6月18日

外資系太陽電池メーカー

ハンファグループ(韓国) 13年の日本向け出荷を前年比8倍の50万kwに拡大。 カナディアン・ソーラー(カナダ) 住宅用を強化し日本向け出荷を13年に45万~50万kwに。 トリナ・ソーラー(中国) 13年の日本向け出荷は10万kw以上を計画。 インリーグリーンエナジー(中国) 年内にも九州と北海道に営業所を設け国内4拠点。 REC(ノルウェー) 12年実績の5万kwから13年は25万kwに拡大。

2013年6月17日

太陽電池、外資系が攻勢

海外の太陽電池メーカー大手が日本への攻勢を強める。韓国中堅財閥のハンファグループは2013年に前年比で8倍、中国で生産するカナディアン・ソーラーは同6倍の出荷を計画する。太陽電池の国内出荷量は12年度に過去最高となり、外資系企業のシェアは割安な価格を強みに2割を超えた。各社の積極策により13年度は3割を超える可能性があり、国内大手との競争が激化しそうだ。

2013年6月16日

太陽光電池 ソーラーワールド

独太陽電池大手のソーラーワールドは経営再建策の一環としてカタール政府系ファンドがソーラーワールドの株式の29%を持つ筆頭株主になると発表した。欧州の太陽電池メーカーは市況悪化のあおりで経営不振が続き、昨年には破綻した独Qセルズが韓国企業の傘下に入った。数少ない欧州資本のソーラーワールドもカタールの支援で再建を進める。

2013年4月26日

太陽光発電所 ブームの裏側 

太陽光や風力など再生可能エネルギーの全量買い取り制度が始まって10ヵ月。太陽光は売電市場への参入が相次ぎ、風力も洋上大型プロジェクトが動き出す。 活況の陰では打算に走る企業の動きや制度面の課題も見えてきた。再生可能エネルギーのブームの舞台裏。 建設は後回し 「設備の認定だけ受て、着工は2年後というメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業者がいる」。建設を遅らせれば、競争激化の太陽電池など部材の価格下落は必至。建設費下げを狙ったしたたかな戦略。少なくても全体の4割強にあたる約16万キロワットが未稼働だったことになる。資源エネルギー庁は苦い顔だ。 太陽光の買い取り価格は4月から1割下がった。それ以前に認定を取れば、1キロワット時42円で20年間売電できる。絶好の条件を逃すまいと企業は参入に走る。 買い取り価格は下がっても、今なおドイツの2倍超と世界的にも高水準。投資リターンを示す内部収益率(IRR)は6%を確保できる。 メガソーラーの建設計画は1月末で1024ヶ所。小規模計画も含めると発電能力は計575万キロワットと、原子力発電所6基分に相当する。総投資額は土地代を除いても1兆5000億円以上とみられる。 北海道では売電申請の4分の1しか買い取れないと送電容量不足を理由に表明。メガソーラー建設ラッシュが進む北海道での事業リスクが表面化した。 建設候補地も足りなくなりつつある。太陽電池メーカーはエネルギー変換効率の向上で競っており、省スペースでの発電量向上には技術革新が欠かせない。

2013年4月23日

太陽光パネル 供給過剰

昭和シェル石油は太陽電池など「エネルギーソリューション事業」で、2013年12月期に黒字転換を目指す。国内販売は堅調に推移しているが、一方で大手の中国メーカーが事実上破たんするなど収益環境の先行きは楽観できない。 サンテックが事実上破綻したがどんな影響があるか: 淘汰の時代の中で起きるべき事が起きた。これまではシリコン結晶を使う太陽電池メーカーはとにかく規模を拡大し、販売単価を下げるという競争だった。その結果、需要は伸びたが供給過多の状況を招いた。いまの世界の供給能力は需要の約2倍もある。 これからは生産規模を適正に保ち品質を高める競争になる。昭和シェル石油の太陽電池は金属化合物を使うCIS薄膜型で、曇りの時でもシリコン結晶型と違って発電性能が落ちにくいなどの特徴を持つ。技術的に参入障壁が高いので簡単に追随できない。 さらに主力生産コストを昨年比で約5割引き下げる。調達契約の見直しで原料費を引き続き減らすはか、パネル1枚当たりの出力を高めていく。

2012年3月18日

再生可能エネルギーに託す未来

宮城県南三陸町の戸倉漁港。屋根には出力10キロワットの太陽光パネルが光る。漁港は余った電力を売ることを検討中だ。再建中の住宅や事務所の屋根にも太陽光パネルが載り、車はエコカーへの切り替えが加速する。

福島県南相馬市でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設に向けて現地調査を進める。出力は2万キロワット。

日本は再生可能エネルギーの技術集積が進んでいる。カナダの太陽光電池最大手、カナディアン・ソーラーの最高経営責任者ショーン・クゥは被災地を含め国内での太陽電池工場の建設を検討し始めた。

再生可能エネルギーの利点は国富の流出が少ないことだ。LNG火力発電の場合、燃料購入費などコストの大半を海外に払うが、風力などはコストを国内に還流できる。

風力発電は部品まで含めた産業の裾野が自動車産業にも匹敵する。
7月には再生可能エネルギーで作る電気を電力会社が全量買い取る制度も始まる。

だが再生可能エネルギーの普及・定着は一朝一夕にはいかない。太陽光の場合、発電効率に課題がある。

2012年3月14日

省エネハウス

JX日鉱日石エネルギーは、5月から集合住宅版の次世代省エネ型住宅「スマートハウス」の実証を始める。築40年近く経過した社宅を改修し、新タイプの家庭用燃料電池太陽電池、蓄電池を設置。家庭の使用電力の約7割を自給する。戸建住宅での実証は進むが、生活パターンの異なる家庭が集まる集合住宅での実証は珍しい。

実証は横浜市の社宅の一部で実施し、16戸を対象に家族持ちの社員を募る。「エネファーム」の名称で展開する個体酸化物型燃料電池(SOFC)4代のほか、出力計20キロワットの太陽電池、空気熱を利用する電気給湯器「エコキュート」容量30キロワットの蓄電池を設置する。

システムの投資額は1億3000万円程度の見込み。投資負担の少ない空調・電気設備を含む改修にとどめ、全体コストを抑え実用的な実証データを集める。

発電効率が45%と高いSOFCの特徴を生かし、SOFCを常に稼働する状態に保ち、全戸に常に電気を送り、送電線を通じ電力会社から買う電力を減らす。
エコキュートを組み合わせ、風呂に使うお湯などもすべて自給できるようにする。

2012年3月13日

太陽電池

パナソニックは2013年度をメドに、世界最高の発電性能を持つ太陽電池を発売する。太陽光を電気に変える効率を現状より2ポイント以上高め、ライバルを上回る24%台に引き上げる。付加価値の高い製品の生産に力を注ぎ、日本を中心とする住宅向けなどに拡販する。12年度に国内シェア首位を奪取し、15年度の売上高を約3千億円と11年度見込みの2倍強に増やす計画だ。

現在、太陽電池の中核部材「セル(発電素子)」の変換効率は米サンパワーの22%台が最高とされる。パナソニックはそれに続く21.6%。両社は世界の太陽電池の技術開発でしのぎを削る。

変換効率が高まれば、狭い面積でもより多くの電力を生み出せる。パナソニックは今後、独自構造の太陽電池「HIT」を改良し、まず12年度末に変換効率が約22%の製品を投入する計画だ。マレーシアの新工場で生産する。

2012年3月11日

風力・太陽光相次ぎ増産

小型の発電装置を製造するベンチャー企業が東日本大震災を受け、非常用電源の増産や新製品の投入に相次ぎ乗り出す。ネクストエナジー・アンド・リソースは太陽光発電による独立電源システムの供給を5倍近くに拡大。ループウイングも小型風力発電機の月産台数を倍増する。被災地などでのライフラインとしての需要を見込む。

ネクストエナジー・アンド・リソースは、太陽電池の電気だけで照明や音響設備などを動かせる独立電源システムの供給を大地震前の5倍近くに増やしている。

太陽光発電パネルに鉛蓄電池と周辺機器を組み合わせてセット販売する。

ループウイングは現在製造委託先の韓国の工場などで、出力500ワットの蓄電池付き小型風力発電装置を月約40台生産している。震災後、被災地の工場などから夜間の照明用電源などとしたいとの申し込みが急増しているため、月産100台程度に引き上げる。

2012年3月 2日

蛍光灯の光で発電可能

大日本印刷は室内の蛍光灯の光で電力を作り出せる太陽電池を4月に発売する。「色素増感型」と呼ばれるタイプで、電子機器の電源への利用を想定。電池交換の手間が省けるようになる。太陽光発電の活用法が広がる可能性がる。

色素増感型の太陽電池は植物の光合成の仕組みを応用する。植物の葉と同様に色素が光を吸収すると電子を放出する仕組みを使う。色素を吸着させた酸化チタンや電解質などで構成する。

光のエネルギーを電力に変える変換効率は一般的な太陽電池では15%程度だが、色素増感型は家庭やオフィスの蛍光灯の明るさでも約10%を実現した。

同型の太陽電池は複数社が開発しているが、酸化チタンや電解質を基板となるガラスで鋏込む構造を採用している場合が多い。大日本印刷はガラスの代わりに透明フィルムなどを使い軽量化した。

2012年2月24日

太陽光発電と蓄電池連携

パナソニックは23日、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を連携させる住宅用のシステムを開発したと発表した。3月21日に受注を始める。太陽電池で発電した電力をためることができ、停電時には照明、冷蔵庫など最低限必要な設備を2日間ほど維持できる。計画停電など電力不足に備えた需要は大きいとみており、2012年度に1500セットの販売を目指す。

「住宅用創蓄連携システム」は容量が4.65キロワット時のリチウムイオン蓄電池と、太陽電池と蓄電池の電力を制御する装置で構成する。太陽電池と蓄電池を連携する住宅向けシステムは珍しいという。昼間発電した電力を蓄電池にためておき、夜間に使えるようになる。

太陽光の発電量が多い場合には家電を動かすと同時に充電できるため電力の利用効率が向上。電力会社からの電力供給が途絶えた際に分散電源としての実用性も高まる。