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2013年6月 9日

メタンハイドレート

政府は次世代ガス「メタンハイドレート」が海底にどれだけ眠るか、北海道から島根の日本海沿岸6地域で3年かけて調べる。8日には上越と能登半島の沖合で分布地域と量の探査を始める。2014年度には秋田・山形沖と隠岐周辺で、15年度には北海道でも調査する。音波を使って海底の地形を探り、調査結果をもとに上越沖では14年度に試掘を始める予定だ。 メタンハイドレートは「燃える氷」と呼ばれ次世代エネルギーとしての期待が高い。3月には愛知・三重県の沖合で世界で初めて海底メタンハイドレートからのガス産出に成功した。太平洋側はメタンハイドレートが海底深くに層で存在しており、埋蔵量が把握しやすい。一方、日本海側は海底の表面近くに塊で散在するため、総量の把握や採取が難しいとされる。 12年夏以降に明治大学などが網走沖や秋田・山形沖で試料取得に成功。原子力発電所の停止に伴い液化天然ガス輸入が増え国産資源の開発を急ぐ必要もでてきたため、大規模調査に踏み切ることを決めた。

2013年3月10日

太陽電池素材 淘汰の波

国内の素材大手が太陽電池事業の大幅縮小に動いている。 JX日鉱日石金属:共同事業解消。130億円の特別損失を計上。 トクヤマ:国内総生産力を3分の1に削減。 世界的には太陽電池市場は急拡大しているが、中国メーカーなどの価格競争が激化し収益確保が難しい。 世界の太陽光発電能力は2012年末に1億キロワットの大台を突破。11年末に比べ4割増加。増加分だけでも原子力発電所30基分程度相当する約3000万キロワットである。16年までに12年比で2.5倍の500万キロワット超になると予測される。 2010年ごろから中国メーカーの参入が続き、シリコンの価格が大きく下落。現在の市況は2008年比10分の1以下の1キログラム当たり15ドル程度。

2013年1月19日

再生可能エネルギー価格維持へ

再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度で、経済産業省は2013年度も今年度の買い取り価格を据え置くことを軸に検討に入る。事業者への配慮を優先して高めの価格を続け、普及を促す。急拡大している太陽光発電に対し小幅に下げる案もあるが、世界的にみて高めの価格を日本が維持するのは確実だ。

買い取り価格は有識者からなる調達価格等算定委員会(委員長は植田京都大学教授)の案をもとに茂木経産相が正式に決定する。算定委は21日の会合で来年度に向けた議論を始める。

装置の設置費用や発電業者の利潤が焦点で、2月中にも案をまとまる。

経産省が価格の維持に動く背景には原子力発電所の停止が長引く中で、エネルギー供給の多様化や温暖化ガス削減を進める狙いもある。東日本大震災の被災地で再生可能エネルギーの関連事業が広がりつつあることにも配慮する。

今年度に太陽光の設備を整えた場合は、そこで作った電気を1キロワット時42円で20年目まで買い取ってもらえる。風力(20年間23.1円)、地熱(15年間27.3~42円)など発電の種類ごとに設定している。太陽光は欧州の30円前後に比べ高めの水準にある

経産省はどの発電方式でも事業者の要望を踏まえていると判断し、これ以上の引き上げをしない方針だ。

2012年11月19日

再生可能エネルギー設備原発1基分に

今年4月から10月末までに運転を始めた再生可能エネルギーの発電設備は115万キロワットとなり、原子力発電1基分ののぼった。経済産業省が16日発表した。発電設備の9割以上が太陽光発電となっている。

電源別では住宅向け太陽光が88.6万キロワット、工場やメガソーラーなどの住宅以外の太陽光が24万キロワット。一方、風力は1.4万キロワット、中小水力は0.3万キロワットにとどまった。地熱は開発から運転まで10年程度かかるため、導入量はゼロだった。

経産省は同日、11年度のエネルギー需給実績もまとめた。国内のエネルギー供給量の内訳をみると、原子力は前年度比で64.5%減った。

2012年7月15日

WH、中国で原発保守

東芝傘下の米原子力大手、ウエスチングハウス(WH)は年内にも、中国に原子力発電プラント保守の合弁会社を設立する。原子炉など中核機器の供給から保守まで手掛ける体制で、原発設備の受注拡大を目指す。

福島の原発事故を受け日米欧では原発見直しの動きも広がるが、新興国では今後も新設が相次ぐ見通し。WHはインドやブラジルでも受注活動を積極化し、新興国市場を開拓する。

2012年7月 8日

発電能力 原発30基分

計画する発電能力は原子力発電の約30基分に相当し、火力や原子力など従来の発電設備が老朽化する問題に対応する。主要各国の20年までの洋上風力の開発計画は、中国3000万キロワット、米国1000万キロワット、ドイツ900万キロワットなどとなっており、現時点の計画では英国が世界トップだ。

政府の補助金や民間企業の投資を合計した事業規模は1000億ポンド(約13兆円)。英シンクタンクの経済ビジネス・リサーチ・センターは、10万人の雇用と、国内総生産の0.4%の押し上げ効果を見込む。

エネルギー対策としてだけでなく新規産業としての期待もかける。風車の部品は1万~2万点と裾野が広い。「日本で1970~80年代に広がった自動車産業のように一大産業を形成する」(英国周辺の海域を管理するクラウン・エステート)考えだ。

既に英国本島の周辺海域に9つの地区が設定され、デベロッパーの入札が終了。デベロッパーが機材などの発注先の選定に入っている。

2012年7月 2日

再生可能エネルギー買い取り始動

太陽光や風力などの再生可能エネルギーでつくった電気を固定価格で全量買い取る制度が1日に始まり、各社は一斉に発電を開始した。メガソーラー(大規模太陽光発電所)の発電を始めたソフトバンクは全国11カ所で発電設備を設ける方針を表明。今年度末までに全国で昨年度未時点の6割に当たる50万キロワット程度の事業用太陽光発電設備が増設される見通しで、関連産業にも商機が広がっている。


再生可能エネルギー
の導入量と予測

         2011年度時点の導入量   12年度の導入見込み
太陽光(住宅)      400万           150万
太陽光(メガソーラー    80万            50万
など住宅以外)

風力           250万           38万
中小水力         955万            3
バイオマス(生物資源)
      210万            9万
地熱            50万            0万
総合計                  1945万          250万

単位:発電能力キロワット  経済産業省調べ 

2012年6月25日

再生可能エネルギー新設 原発2基分

再生可能エネルギーの全量買い取り制度の7月1日導入を受け、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電所の新規事業計画が全国で計200万キロワット超に達することが分かった。出力では原子力発電所2基分に相当し、メガソーラーを風力発電合計の発電容量は一気に6割増える。ただ、再生可能エネルギー急増は電気料金を押し上げる懸念もある。

2012年6月20日

原発発電量、世界で減少

世界の原発による発電量は既にピークを越え、減少に転じた可能性があると分析した報告書を、米環境シンクタンク「アースポリシー研究所」が19日までにまとめた。

中国やインドでの建設ラッシュという増加要因はあるものの、昨年の東京電力福島第1原子力発電所事故を機に脱原発に踏み切った国もあり、老朽化で廃炉を迫られる原発が増えるなど、減少へ向かう流れの方が強いという。

ブラジルでの国連持続可能な開発会議(リオ+20)の会場でも、原発事故を受けて市民団体が再生可能エネルギーへの転換を訴えるなど、脱原発を求める声が高まっている。

報告書によると、世界の原発の発電量は2000年以降、ほぼ横ばい傾向だったが、11年は日本やドイツ、英国で計13基が閉鎖、新規の運転開始は中国やインドなどの計7基にとどまった。年間発電量は、過去最大だった06年比で5%減の2兆5200億キロワット時だった。

現在、中国で26基、ロシア11基、インド7基など世界で62基の建設が進んでいるが、運転開始予定日が具体的に設定されたのは15基だけだ。

2012年6月12日

放射性物質 除染研究進む その2

産総研は低濃度の酸で土壌から抽出する技術や、青色顔料のプルシアンブルーのナノ粒子で吸着する汚染装置を開発した。今後、汚染現場で装置の実証試験をしたいと考えている。

このプルシアンブルーはセシウムの吸着材として注目を集め、最近よく使われている。当初は事故原発の汚染水処理で鉱物のゼオライトが話題になったが、様々な物質を吸着しセシウムには効率が悪い。

プルシアンブルーはセシウムを選んで吸着する。仕組みははっきりしないが、ジャングルジムのような結晶構造の隙間にセシウムがうまく収まるらしい。

水に溶けたセシウムはイオンになっており、半径はナトリウムなどのイオンより大きい。だが、水中では周りに複数の水分子がつき、この状態の半径は逆にセシウムが小さい。水分子の数が他よりも少ないからだ。この半径が「小さいおど入る」。セシウムの場合は隙間より少し小さく、入らないナトリウムは大きい。入ると安定して出にくくなるとみられる。

2012年6月11日

放射性物質 除染研究進む その1

東京電力福島第1原子力発電所の事故で広がった放射性物質を処理する除染の研究が進んでいる。特に問題となっている放射性セシウムについて活発で、吸着では青色顔料の働きが有望と注目されている。ほかにも新たな材料が開発されており、安全に素早く処理する技術の確立が求められている。

除染対象は膨大な量になる。燃やせるゴミは灰にして量を減らせる。国立環境研究所の大迫・資源環境・廃棄物研究センター長によると「一般にごみを燃やすと重量は10分の1、容積はそれ以下に減らせる」。

燃やすと2種類の灰が出る。燃えカスの「主灰」と、ばいじんの「飛灰」だ。条件によって、それぞれの灰にセシウムがどれぐらい移るかは変わってくるという。主灰は水にされされてもセシウムが溶け出しにくい。飛灰は水にセシウムが溶け出しやすく、灰の処理にはそれを考慮した対策も必要という。国環研では埋立地を模擬した実験にも取り組んでいる。

セシウムは様々な状態で環境中にとどまっている。産業技術総合研究所の川本徹グリーンテクノロジー研究グループ長は「粘土や有機物に吸着されたり、塩化物や酸化物といった化合物になったりしている。水に溶けてもいる」と解説する。

セシウムを取り出したり、水に溶けたセシウムを吸着したりする工夫がいる。

日本経済新聞より

2012年6月10日

放射性物質

原子炉ウラン燃料を燃やすと、核分裂反応で放射性のセシウムやヨウ素、ストロンチウムなどが生まれる。原発事故で大気中に放出された放射性物質は風に乗って遠くまで広がり、雨で地上に落ちて汚染したと考えられる。汚染された土壌や草木などを取り除いてもその場所をきれいにしても、除去物の中に放射性物質が消滅するわけではない。

除去して集めた放射性物質は安全に処理や管理をする必要がある。放射性物質は最終的に非放射性の物質に自然に変わる。この変化で量が半分に減る期間が半減期。

ヨウ素131は半減期が8日と短い
セシウム134は約2年
セシウム137は約30年と長い。

2012年6月 8日

温暖化ガス削減 2020年に5~15%

中央環境審議会が政府のエネルギー・環境会議に報告する2013年以降の温暖化対策の選択肢の最終案が7日、明らかになった。国内対策による20年の温暖化ガス排出量の削減目標は6案で、1990年比5~15%とした。「20年に25%減」とした国際公約の撤回は避けられなくなった。

最終案は総合資源エネルギー調査会が示した原子力発電への依存度をベースに6通りで試算した。20年の原発比率が21%の時に最も多く削減できるとしたが、それでも90年比で15%減にとどまった。原発比率0%の場合は5%減になった。

国内対策以外には、途上国への技術協力を含む海外排出権取引がある。最終案では、京都議定書の第1約束期間の目標を後退させることなく、最大限努力する必要があるとした。

また排出量は、森林が二酸化炭素を吸収する分を計算に入れるかどうかでも違いが出る。25%減の国際公約は排出権取引や森林吸収分を含めた数値だが、最終案にこうした対策を加味しても最大20%前後の削減にとどまる見通しだ。

2012年5月29日

福島原発 内部を視察

細野原発事故担当相は26日、東京電力福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋内を視察し「(使用済み核燃料プール)の水平性や底部の補強の状況について健全性を確認した」と述べた。事故を起こした原子炉建屋に閣僚が入ったのは初めて。

原発相は「震度6強の地震でも4号機は健全性が維持されると分析している」と語った。東電が目指す廃炉の工程では、来年から最初に4号機で燃料を取り出す計画。4号機のプールはは第1原発で最も多い1535本の燃料を収めるが、建屋が傾いたり崩落したりする懸念が出ていた。

原発相
は仮設階段を使って2階に上がり、プールを補強するコンクリート壁を確認。最上階の5階では白いシートに覆われたプール脇で、東電社員による水位やゆがみの検査などを見て回った。

視察後に(廃炉作業)30~40年続けていかなければならない。どう人材を確保し、技術を伝承して新たなものを導入していくのかが課題」と話した。

4号機のかれきの半分は撤去され、全てを取り除くのは今秋以降になる見込みだ。

2012年5月23日

火力発電 安価な新燃料

日揮は火力発電用の新しい低価格燃料を開発し、2015年から生産を始める。これまで使えなかった低品質石炭を加工して液化した燃料で、約300億円を投じてインドネシアに生産設備を建設。日本やアジアで販売し、3~5割安い価格で石油火力向けの重油の代替えを目指す。世界の石炭埋蔵量の約半分を占める低品質炭の活用が進めば火力発電コストの低下につながりそうだ。

福島第1原発
の事故以降、火力発電燃料の需要が急増している。利用しにくかった資源を技術革新によって有効活用し、エネルギー資源の安定確保に生かす。世界の火力発電設備能力は30年に08年比6割増の約50億キロワットに拡大する見通し。低品質炭は水分の比率が高く、燃えにくいためそのままでは使えない。

インドネシアは低品質炭の埋蔵量が多いため、生産設備の建設を決めた。15年までに年産100万トン規模の大型プラントを完成させる。

2012年5月22日

関電 夜間の6倍の電力料

電力各社が今夏、節電策の一環として家庭向けの新料金メニューを相次ぎ導入する。関西電力は21日、電力使用量のピーク時間である午後1時~4時の電力料金を夜間(午後11時~翌午前7時)の約6倍に設定するメニューを発表。東京電力も導入を決めたほか、九州電力は実証試験を始める。時間帯で電力料金が大きく異なれば、家庭の電気の使い方も変わることになりそうだ。

関電大飯原子力発電所の再稼働いかんにかかわらず新メニューを7月1日に導入する。これまで一般家庭の基本的な電力料金は時間帯に関係なく1キロワット時あたり19.05~25.55円だった。新制度ではピーク時間、オフピーク時間(午後4~11時)、夜間の3つに分類。ピーク時間の電力料金を52.82円とする一方、夜間は8.19円と安くする。

2012年5月21日

中部電力 CO2排出最大

中部電力の2011年度の二酸化炭素排出量が10年度に比べ8%増の約6700万トンと、過去最高に達したことが分かった。昨年5月の浜岡原子力発電所の全面停止を補うため、原発よりもCO2の排出量が多い火力発電所の稼働をふやしたことが響いた。

中部電力は当初、11年度の排出量は約5400万トンと見込んでいた。その後に政府要請で浜岡原発を停止したため、実際の排出量は想定を24%上回った。顧客の使用電力量1キロワット時当たりのCO2排出量は約0.52キログラムと、10年度実績よりも約10%増えた。

2012年5月10日

火力で代替えできる?

原子力に代わる電源として火力発電の存在感が増している。東京電力の火力発電の比率は、東日本大震災前の2010年夏の65%から、今夏は80%にまで上昇する見込みだ。ただ、燃料費の増加が家計や企業の負担増につながる負の側面も見逃せない。

政府の需給検証委員会が原発の停止に伴う影響を試算したところ、燃料価格が横ばいで推移しても、12年度の燃料費は前年度実績より0.8兆円増えることがわかった。原油価格が2割上昇すると、増加額は1.5兆円に膨らむ。これは日本全体の電気料金の約1割に達する。

燃料費の増加は電力会社各社の経営を圧迫する。政府の試算では、電力9社合計の最終赤字は13年3月期で約2.6兆円に上がる見込み。電気料金の引き上げを示唆する声が出る。

火力発電には別の弱点もある。設備の故障などのリスクがつきまとうことだ。
東電も深刻な電力不足に直面していた昨年7月末、予定外の運転停止により約400万頃ワット分の供給力が落ちた。ボイラー設備から燃焼ガスが漏れた鹿島火力発電所4号機が急きょ点検に入るなどしたためだ。

主力のガス火力は通常に稼働しても、夏場は10~20%の出力が下がってしまう。気温の上昇で空気の密度が下がると発電するタービンの出力が落ち、発電量が細る。原発の不足を補える機動性は火力の魅力だが、安定性を欠く面もある。

2012年5月 2日

復興需要 その2

インフラ工事の本格化を受け、3月の国内セメント販売量は前年同期比8.7%増と、4か月連続で前年を上回った。東北地方ではほぼ倍増した。

一部の被災者が住宅再建に動き出し、木材需要も高まっている。宮城県石巻市の製材会社、山大は今春から生産量を震災前の2倍にした。同市では通常、新設住宅の着工戸数は年間600戸程度だが、震災による全壊戸数は約2万2000戸にのぼる。山大社長は「当面は高水準の受注が続く」とみる。

震災で下水処理場が停止した宮城県気仙沼市では、水道事業最大手のメタウォーターが再建に向けた新たな提案を始めた。下水と水産廃棄物を一括処理し、発生させたバイオガスを発電などに使うバイオガスで、実証事業に着手した。

原発事故で電源の見直しが進むなか、再生可能エネルギーの基地となる可能性も膨らんでいる。東芝は南相馬市で出力2万キロワット規模のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の事業化可能性調査を始めた。

2012年4月28日

原発で浮かぶ目標の虚構 ①

「2020年の温暖化ガス排出量を1990年比で25%削減」という政府が09年9月に打ち出した目標の撤回が時間の問題となってきた。東京電力福島第一原子力発電所の事故で二酸化炭素の排出量が少ない原発の新増設が難しくなり、温暖化対策も見直しを迫られているためだ。
政府は国際公約でもある目標撤回の時機を見極める段階に入っている。

25%は①家庭や企業などの自助努力で減らす国内削減分②森林吸収分③海外からの排出枠購入分ーーーの合計値。政府は原発の依存度などのレベルに応じ計12通りのシナリオを試算。20年時点の自助努力による削減分は最大でも10%程度にとどまることがわかった。

目標設定に最も熱心だった環境省が10年末に作った温暖化対策の工程表では、国内削減分が15%、20%、25%の3つのケースを示した。それからわづか1年5か月。原発事故による影響が大きいとはいえ、今や15%減という最低減のシナリオすら達成できないと暗に認めるほど「もろい試算だった」

2012年4月27日

復興需要 力強く

東日本大震災の被災地で港湾や住宅などの再建スピードが徐々に上がり、工事・資材など関連需要が動き始めた。恵まれた風や地熱資源を生かした再生可能エネルギー開発構想も各地で浮上。復興を通じて安全や省エネの「先進地」をめざす挑戦が進む。一方、東京電力福島第1原子力発電所の周辺住民の帰還や廃炉作業など重い課題も抱えている。地域再生に向け、長い道のりが続く。

2012年4月19日

CO2回収貯留

IHIは2015年にも石炭火力発電所から排出される二酸化炭素の回収・貯留事業を海外で始める。原子力発電所の建設に逆風が吹く中、世界で石炭火力の計画が相次いでいるが、CO2の排出削減が課題だった。この技術は各国で規制強化が進む温暖化対策の切り札として市場が拡大する見通し。世界初の実用化をめざし、まず欧米の発電会社などへ技術や設備を売り込む。

国際エネルギー機関(IEA)によると50年までに削減できる世界のCO2排出量のうち回収・貯留は19%を占める。排出の減少分は温暖化ガスの排出量取引に使える。

世界の石炭火力の設備容量は30年に08年比2倍の14億キロワットに増える見通しで、CO2の有効な削減策が求められていた。

IHIが事業化するのは、発電所から出てくる排ガスに含まれるCO2の最大9割を分離・回収し、パイプラインで地底深くへ送り込んで貯留させる仕組み。相生事業所に「化学吸収法」などの実験設備を作った。

課題はコストで、普及には現状でCO2 1トンあたり5千円~1万数千円するのを2千円以下に減らすことが必要。そうなれば、太陽光などの自然エネルギーよりCO2回収装置を付けた石炭火力装置をつけた石炭火力のほうが発電コストは低くなるという。

2012年4月14日

日本で最も有望な再生可能エネルギーは

太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス(生物資源)のうち日本で最もも有望な再生可能エネルギーを日本経済新聞電子版の読書に尋ねたところ、

地熱   :48%
太陽光  :23%
バイオマス:12%
小型水力 :9%
風力   :8%

地熱が48%と圧倒的な支持を集めた。「天候に左右されず安定的」「火山国として活用すべき」との意見が目立った。
太陽光は23%。「どれかに頼るのでなく、地域特性に応じ最適なものを生かすべき」との指摘があった。

再生可能エネルギー普及によるコスト増は68%が「受け入れる」と回答。「原発が危険な以上やむ得ない」といった声の一方で「発送電分離など電力業界の競争促進が必要」との注文が相次いだ。「受け入れない」と答えた読者は「再生可能エネルギーならすべて良しという風潮は疑問」などを理由に挙げた。

発電技術開発担い手にも注目
再生可能エネルギーをめぐる議論は、発電コストをはじめとする数字が前面に出ることが多い。しかし、数字に劣らず重要なのが「担い手」論だ。ソフトバンクのよな新興企業が主役になるのか、既存の電力会社が手掛けた方が普及が進むのか。
技術開発についても、従来は政府系の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の存在感が大きかったが、カネを使うわりに成果に乏しく、主役交代が必要という声もある。今後再生可能エネルギーをめぐる「だれが」にも注目したい。

日本経済新聞より

2012年4月12日

福島県の地熱発電計画

出光興産などが福島県で計画する大規模地熱発電に地元で期待と不安の声が上がっている。国立公園内での採掘を認める規制緩和で増加が見込まれる地熱開発の試金石となるが、地元の温泉旅館などから慎重な声が相次ぐ。再生可能エネルギーの利用拡大と雇用増への期待もあるなか、開発側と地元がいかに共存を図るかが進展のカギを握る。

11日、出光などが組織する「日本地熱開発企業協議会」が福島市内で説明した。「温泉の枯渇や成分変化が本当にないのか」「温泉側の意見が反映されていなのは不公平だ」
原発も安全だという触れ込みだった。悪影響がないと言われても信じられない。

地熱発電所は2020年頃の稼働を目指す。将来的には原発4分の1基分に相当する発電容量27万キロワットの大規模開発となるだけに参加者からは厳しい意見が相次いだ。

脱原発を掲げる福島県は40年に再生可能エネルギーで県内の電力をあまねく賄う目標を掲げる。地熱は有望な候補だ。

環境省は3月にまとめた地熱開発の指針で、地熱開発業者は自治体や住民、温泉事業者との合意形成が必要と決めた。

2012年4月 7日

放射能「見える化」

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、目に見えない放射性物質による汚染状況を可視化できる特殊なカメラを開発した。人工衛星に搭載する高性能なカメラを改良、放射線の強弱によって画像上に色分けして表示する。2月に福島県飯舘村で実証実験をし、今後の効率的な除染に活用できることを確認した。

2014年に打ち上げ予定のエックス線天文衛星に搭載し、宇宙空間で降り注ぐガンマ線をとらえる「半導体コンプトンカメラ」を地上用に改良した。視野角が180度と広く、東京電力が福島第1原子力発電所内で利用している機種を大きく上回るという。

特殊カメラでとらえた画像を、通常のデジタルカメラで撮影した画像と重ね合わせると、放射性物質お分布が一目で分かる。ガンマ線量が高いと赤色で表示する。

2月に日本原子力研究開発機構などと協力して計画的避難区域になっている福島県飯館村で実証実験した。20メートル程度離れた場所からもガンマ線を検出できた。

放射性セシウムなどがたまりやすい側溝や森の周辺などで、汚染が深刻な状況が確認できた。

JAXAは実用化に向けた研究を進める方針で、今後、福島県内で本格化する除染に生かす。

2012年4月 1日

太陽光発電

太陽光発電の国内導入量が年内に500万キロワットを超え、600万キロワット近くまで伸びる見通しになった。原子力発電所6基分に相当する。再生可能エネルギーでつくった電気を割高な価格で全量買い取り制度が7月に始まるほか、家庭での需要が伸びる。企業によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)建設も今後数年で150万キロワットが導入される計画だが、買い取り価格が安く設定されれば投資が見送られる可能性もある。

2012年3月31日

独太陽光発電に暗雲

ベルリンから60キロ北にあるフィーノー・タワーは欧州最大級の太陽光発電所だが、おそらくドイツで最後の大規模施設となりそうだ。29日にも議会で可決される補助金引き下げで、この規模の太陽光発電所の経済性が悪化する恐れがある。

タワーの建設などを行った太陽光機器メーカーのソーラーハイブリッドは先週破産申請し、ソロンなど独同業他社に続いた。

4月からの補助金引き下げで10年間続いた時代が終わるとみている。この期間に原子力発電所17基分に相当する発電容量と13万人分の雇用が生まれた。

メルケル政権の計画では、新設の小規模発電所への補助金を約3分の1削減し、大規模発電所向けは全廃する。この決定は2022年までに原発を段階的に廃止し再生可能エネルギーで代替えする意向の政府にとり間が悪いように思える。

だが、太陽光発電所の建設ラッシュを引き金に電力価格が上昇し、再生可能エネルギーへの国民の支持を失いかねない懸念からレトゲン環境相も補助金引き下げを支持。

独政府は太陽光発電に対する優遇措置廃止で電力価格の上昇に歯止めがかかると期待している。

2012年3月23日

国内最大の地熱発電

出光興産、国際石油開発帝石、三菱マテリアルなどは福島県内で国内最大の地熱発電所を建設する方針を固めた。環境省が地熱開発について国立・国定公園内での掘削を条件付きで認める規制緩和を実施するのを受けたもので、新設は1999年以来。2020年ごろの稼働を目指す。発電容量は27万キロワットになる見通しで、原子力発電プラント4分の1基分に相当する。総事業費は1千億円規模になるとにられる。再生可能エネルギーの中でも安定した出力が見込める地熱発電の本格利用が日本でも始まる。

火山国の日本は地熱資源量が2347万キロワットと世界3位の規模を誇る。しかし資源の8割が国立・国定公園にあるため、出力規模は約54万キロワットにとどまる。規制緩和を受けて福島県のほか、秋田県湯沢市の栗駒国定公園内、北海道釧路市などにまたがる阿寒国立公園でも地熱開発が進む見通し。地熱発電が新たな電源として普及する可能性が広がった。

地元合意を前提に、各社は6か所程度で試掘を開始。国立公園では実際の地熱資源量のデータは乏しい。複数企業が組むことで、リスクを抑え効率的に開発する。

2012年2月22日

太陽光発電 技術開発国が支援

電力の安定供給やコスト抑制に向け、経済産業省は官民で新技術の開発を急ぐ方針だ。再生可能エネルギーや化石燃料の効率利用、省エネ素材の分野を中心に、産業構造審議会が企業向け支援策を検討。2050年までの工程表に沿って、浮体式の洋上風力発電や軽量素材などに必要な技術の開発に取り組んでいく。福島第1原子力発電所の事故などに伴う電力不足への対応に加え、新エネ・省エネの技術開発で中長期的に国内の産業空洞化を防ぐ狙いもある。

審議会の議論に沿って経産省が支援を検討している分野の1つが再生可能エネルギーの推進だ。より幅広い波長の太陽光を吸収することで中長期的に発電効率を現在の約3倍に引き上げる。太陽光発電システム、軽量プロペラや浮体式構造を使う洋上での風力発電などが支援対象となる見込みだ。高性能の製品開発を企業に促すことで新技術の普及を加速し、電力供給全体に占める再生可能エネルギー比率の向上につなげる。

2012年2月17日

原発賠償、和解わずか5件

政府の原子力損害賠償紛争解決センターは16日、東京電力福島第1原発事故の損害賠償で、和解仲介の申し出があった948件中、和解の成立が5件にとどまることを明らかにした。2011年8月の発足時、3ケ月での和解成立を目指したが、仲介の大幅な遅れが鮮明となった。センターは人員を増強して手続きの迅速化を図る考え。

センターが和解仲介の実績を公表するのは初めて。センターによると、和解の仲介を申し立てているのは事故で自宅からの避難を強いられた福島県民ら。損害の内容は避難費用や、精神的損害、運営店舗などの営業への損害が中心という。

センターは仲介の遅れについて、「損害を証明する証拠の再確認などに時間を要した」と説明。弁護士など専門家を介さない住民本人の申請が約8割に上ることも要因の一つに挙げた。

また東電側が損害賠償額の目安を示す政府の指針を超えた請求について「和解交渉に消極的」と批判した。

2009年11月12日

温暖化対策で日米連携

環境・エネルギー分野での日米の協力内容
スマートグリッド

○ 沖縄県と米ハワイ州での実証実験の成果を共有する作業部会を設置

○ 米ニューメキシコ州での共同実験

二酸化炭素の地中貯留

○ CO2の回収技術の高度化

○ CO2を地中に埋めた場合の環境への影響評価

原子力発電

○ 耐震性の強い発電所などの研究開発

○ 米国での新規建設や第三国への導入を支援

先進的技術分野の研究開発

○ 燃料電池車用の水素をよく吸収する材料の開発

○ 新たな水素製造技術の確立

再生可能エネルギー、省エネルギー ○ 省エネルギービルや次世代自動車の分野で協力

2009年3月 3日

素材 CO2排出 1割削減

国内素材産業の二酸化炭素排出量が減少している。各企業の減産で、鉄鋼、化学など主要5業種の2008年度の排出量は前年度比約1割減となり、3,400万トン分が減る見通し。これは07年度実績から京都議定書の目標水準までの削減必要量のおよそ3割に相当する。景気変動で生産量が増減しやすい素材産業の動向次第で、国全体の排出量が左右される構図が浮き彫りになった。

CO2排出量は生産量とほぼ比例することを前提に、鉄鋼、化学、石油、製紙、セメントの5業種について、業界団体による生産見通しなどから日経新聞が試算した。

5業種の08年度の排出量は前年度より3,400万トン超少ない3億2千5百万トン程度となる見通し。自動車や家電などの需要が世界的に急減したことを受け、鉄鋼などが大幅減産に踏み切ったことに伴い排出量も落ち込む。

家庭なども含めた国内の温暖化ガス排出総量をみると、07年度は四分の一を素材5業種が占めている。素材産業の生産動向が日本全体の排出量に与える影響は大きい。

09年度も各業種の生産見通しなどから試算すると、07年度比で5,700万トンの削減が見込まれる。5業種の減少だけで、07年度時点の超過分の半分が賄える計算となる。

日本は今後、低迷している原子力発電所の稼動率向上によるCO2削減も見込む。国内原発の設備稼働率は07年度は60.7%だった。06年度の69.9%に戻れば3,600万トン分が削減できるとみられる。

2009年2月11日

グリーンメジャーの世紀

世界を覆う経済危機。金融の動揺を収まらず、世界需要は蒸発し、米国一極の政治経済体制も転機を迎えている。歴史を刻む変化が幾重にも押し寄せるなか、企業も産業構造も大転換を迫られる。これまでの百年が終わり、これからの百年を決める興亡が始まった。

シェルの未来像

西暦2050年、世界のエネルギー源に占める石油の割合は00年の35%から20%まで低下。逆に14%の太陽光バイオ燃料など新エネルギーが30%を占める。

「石油の世紀」の終わりを示すシナリオを描いたのは、オイルメジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルだ。「太陽大地を使って自動車を動かし、工場を稼動させる」時代にもメジャーであり続けるために、シェルは脱石油へとひた走る。

 米国では原子力発電所1基分に相当する風力発電設備を建設。欧州では二酸化炭素排出量を9割減らすバイオ燃料を開発し自動車会社と実用化実験に入った。

シェルが英蘭資本の合併で産声を上げたのは1907年。翌08年、米国ではゼネラル・モーターズが誕生し、フォード・モーターが量産車の先駆け「T型」を発売する。

2008年12月27日

原子力発電 安全の確保を大前提に

政府はエネルギー基本計画の中で、自立した環境適合的エネルギー構造を実現するために、適切な安全確保を大前提とした原子力発電の推進や新エネルギーの導入拡大などの施策を掲げている。電力消費量が増大する中でCO2排出量を削減するには、燃焼で直接CO2を排出しない原子力発電のメリットを生かし技術革新が必要だ。

課題である使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルの確立では、青森県六ヶ所村で建設が進められてきた核燃料再処理施設が近く稼動する。使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混合したMOX燃料を軽水炉で使用するプルサーマルを実現することで、限りある資源であるウランの使用量の節約にもつながる。

安定稼動実現へ注力

また、ウラン・プルトニウムの再利用では、高速増殖炉により、ウラン238をプルトニウム239に連続的に変化させる研究が進む。安定稼動が実現すると、消費した以上の核燃料を生成することができる。

国内で使用済み核燃料の再処理施設が稼動することにより、各電力会社のプルサーマル計画が本格化すれば、ウランの使用量削減とCO2排出量の継続的な削減につながる。

2008年11月28日

原子力発電 炉型の二刀流で大きな戦略描く

フィンランドの電力会社が4月に同国議会に出した原子力発電所建設の申請書。そこに記された複数のタイプの選択肢に東芝改良型沸騰水型軽水炉が入った。

フィンランドで6基目の原発。「フィンランド・シックス」と関係者が呼ぶ計画は、東芝が米ウエスチングハウスを傘下に収めたことのシナジー効果を問う案件とみられている。

世界の商用原発のほとんどは水を冷却などに使う軽水炉と呼ばれる原子炉だ。其の軽水炉には沸騰水型と加圧水型がある。日本国内では沸騰水型が多いが、世界はほぼ三対一で加圧水型が優位。大市場に成長が確実な中国も加圧水型を選択した。

2005年まで、加圧水型では米WH・三菱重工業連合、仏アレバの二大グループがあり、沸騰水型では東芝、日立製作所、米ゼネラル・エレクトリックの三社が組む形。

06年に東芝がWHを買収。業界再編の後に生まれた東芝・WHグループは二つの炉型の両方を手にした。巨額を投じて二刀流になったからには、より大きな構図の世界戦力を描くことが求められる。

2008年11月26日

原子力ルネサンス その2

06年から07年にかけて、後藤氏は本社生産調達部長として、米テキサス州で進行していたABWRの商談を早くから耳にする立場にあった。営業部門で立ち上がった原子力ルネサンスに対応して「製造部門である事業所が対応しなくてはならないことをまとめて経営計画に上げる」のが仕事。それが今年4月の異動で所長になり「計画を実行する側になった」と笑う。

今、後藤は言う。「設備や人員だけで能力を2倍にすrのではない。いかに効率を上げるかが本当に大事なところ」

10月から「KPI(京浜プロセス・イノベーション)活動」と名づけた生産性向上活動を事業所全体でスタートさせた。一言で表現すれば、トヨタ生産方式の考え方を入れる。「自動車の量産で磨かれた手法が一品もの主体の重電で効果があるのか疑問視する意見もあるが、私は効果があると信じる」

4月から製造現場にある不要なものを捨てて整理・整頓を心がける運動をスタート、働く人たちにものづくりに対する意識を深めてもらう機会を設けた。

東芝は原子炉の中核部品の一つ、圧力容器そのものは内製せず、日本製鋼所から供給を受ける。重要部品のサプライチェーンを築いて、必要なタイミングで必要なモノを確保できる仕組みを作るのも後藤の重要な使命だ。

2008年11月25日

原子力ルネサンス

2015年までに33基の原子力発電所を受注済みか、建設中になることを見込んでいる。東芝社長の西田氏は今年5月の経営方針説明会でこんな見通しを示した。

33基は、06年に傘下に収めた米ウエスチングハウス社の受注を含めての数字だが、東芝がこれまで日本国内で建設にかかわってきた原発の数(22基)を上回る。東芝にとって「原子力ルネサンス」は当面、この規模に達する。

そのうち、東芝製の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の割合は決して多くはない。多くはウエスチングハウス社製の加圧水型軽水炉(PWR)になる公算だ。しかしどちらにしても前例のない仕事量を抱え込みそうなのが、東芝、電力システム社・京浜事業所だ。

現在すでに水力や火力発電用の蒸気タービンが好調。そこね一回り巨大な原子力用タービンの新規受注を抱え込む。

「タービン部門を含む京浜事業所全体で2倍の清算能力を目指す」と事業所長の後藤氏は言う。投資額は10年までに約500億円を見込む。

出力130キロワット級の原発用蒸気タービンの回転軸は重量600トンにもなる巨大な鉄の塊から削りだす。大型旋盤をはじめとした設備増強に加え、人員も大量採用し、事業所の現有1800人強を2000人を超える水準まで増やす。

2008年11月13日

京都議定書達成遠く

環境省が12日に発表した2007年度の国内の温暖化ガス排出量は、二酸化炭素換算で13億7千百万トンと過去最高を記録した。温暖化ガスを出さない原子力発電所が停止した影響が大きかった。京都議定書の実行期間がスタートした08年度は景気減速によって排出量が抑制されるとみられるが、原発の運転再開など不透明な要素も多く、議定書の目標達成へのハードルは高い。

07年度は7月の新潟県中越沖地震で東電柏崎刈羽原発が停止。この分をCO2排出量の多い火力発電で代替したことで温暖化ガス排出量京都議定書の基準となる1990年度比で8.7%増となった。

日本は京都議定書で08-12年度平均の温暖化ガス排出量を90年度比で6%減らす目標を課されており、07年度比では13.5%の削減必要になる。政府は必要削減量の一定部分を海外からの温暖化ガス排出枠の購入や森林吸収などで満たす計画。これにより07年度比で5%分減らす計算になるので、実質的には残る8.5%分の削減が課題になる。

今後の排出量を左右する第一の要素は原発の稼働率向上だ。国内原発の07年度の稼働率は60.7%と前年度比で9.2ポイント下がった。環境省によると、原発稼働率が過去最高だった98年度の84.2%を維持していたと仮定すれば、07年度の排出量は実績値より5%程度押し下げられるはずだという。東電の原発が今後、再開すれば大きな削減効果をもたらす可能性が強い。