« 2016年6月 | メイン

2016年7月15日

オゾン層の保護 その2

主要国首脳会議は、環境相会合での議論を踏まえて、代替フロンの生産規制で合意した。7月下旬にはウイーンで、10月にはルワンダで批准国の会議が開かれ、途上国を含めた197カ国での合意を目指す。 議定書はもともとオゾン層保護のために作られた。きっかけは74年、後にノーベル化学賞を受賞する米カリフォニア大学教授、フランク・S・ローランドさんが、エアコンの冷媒などに使われる特定フロン、クロロ・フルオロ・カーボン(CFC)がオゾン層を破壊すると指摘したことだ。太陽の紫外線が地上に届き、人や生物に悪影響を与えると警告した。

2016年7月14日

オゾン層の保護 その1

有害な紫外線を遮るオゾン層を破壊するフロンガスを規制するため1980年代につくられた国際的な取り決め「モントリオール議定書」が再び注目を集めている。フロン規制が功を奏してオゾン層は回復しつつあるが、代わって普及した代替えフロンによる温暖化が問題になっている。議定書を批准した国々が10月に開く会議で、代替えフロンの生産規制を盛り込んだ新たな議定書が採択されそうだ。

2016年7月13日

藻から燃料 その5

福島県相馬市では昨夏、藻類のエネルギー活用に向けた新たなプロジェクトが始まった。主導するのは、こちらも藻類研究40年のベテラン筑波大学の渡辺教授だ。 藻類の研究は現在、特定の藻を培養するのが基本。対して渡辺氏は環境にあった藻を育てる。土着の藻類50種ほどを南相馬市のため池から採取し生育する。効率の良い濃縮方法も開発し、ジェット燃料などへの活用を目指す。 企業も独自の研究を進める。DICはもともと、食用色素の原料としてもの一種「スピルリな」を大量培養してきた。2010年からこの経験を生かし、別種類の藻の大量培養技術を確立するため奔走する。まずは本業のインキ原料の油として利用する予定だ。 Jパワーは海水でも育つ藻の研究を進める。藻濃縮し、油を分離する。30年に1㍑500円くらいのコストを目指す。

2016年7月12日

藻から燃料 その4

藻研究の第一次ブームは1970年代の石油ショック直後に打ち出された「サンシャイン計画」とされる。その後90年代前半からの「ニューサンシャイン計画」では地球環境問題の観点から再び藻類に注目が集まった。中野氏はこの第2次ブームの頃からミドリムシの大量培養研究をしていた超ベテラン研究者だ。 出雲氏と鈴木氏に中野教授はミドリムシの知見を惜しみなく授けただけでなく、全国のミドリムシ関連の研究者たてに2人への協力を呼びかけた。

2016年7月11日

藻から燃料 その3

ミドリムシで飛行機を飛ばす。この未知の事業への参入を後押しした要因の一つが、顧客候補となるANAホールディングスの参加。ユーグレナにジェット燃料の管理方法などを助言する。同社の久野氏はバイオ燃料の候補の中で、藻は最も将来性があると評価する。トウモロコシのように食糧と競合することがなく、土地と太陽さえあれば育てることができるからだ。ユーグレナの恩人の1人が大阪府立大学の中野名誉教授。出雲社長と共同創業者の鈴木取締役は、起業前に中野氏を訪ねた。

2016年7月10日

藻から燃料 その2

東京五輪・パラリンピックを開く2020年にミドリムシの油を使うバイオ燃料で有償フライトを実現する。ユーグレナの出雲社長は意気込む。2005年に出雲社長らが設立したユーグレナは世界で初めてミドリムシの屋外での大量培養に成功。ミドリムシは食物繊維やビタミンなどを多く含み、栄養価の高い健康食品として普及させてきた。次に目指すのがミドリムシから取った油をバイオジェット燃料として使う技術開発だ。約30億円を投じて横浜市に実証プラントを建設する。

2016年7月 9日

藻から燃料 その1

燃料や食料として利用できる藻の研究開発が盛り上がっている。1970年代、90年代に続く第3次藻ブームの到来ともいわれる。バイオベンチャーのユーグレナは今夏、横浜市に藻の一種であるミドリムシから抽出した油などから、ジェット燃料をつくる実証プラントを着工する。福島県では土着の藻類を育て、油を取り出す研究プロジェクトが動き出した。三度目の正直として花開くか。

2016年7月 8日

代替フロン その7

HFOやHCFOが分解した物質は水に溶けると強い酸性を示す。大量に大気中に排出されると、河川や湖沼の汚染、酸性雨など別の環境問題が浮上しかねない。 これとは別にCO2を冷媒に使う動きも広がる。パナソニックが自動販売機や冷蔵庫向けなどに実用化した。動かすのに高い圧力が必要で、機器の耐久性を高めるためのコストがかさむ。 「代替物質には地球環境への影響の小さいことが求められている」と旭硝子は説明する。国際的な規制に合意しても、実施されるまでに10年以上かかる見通し。時間は残されているとはいえ、ベストな代替物質を探すという冷媒メーカーの苦闘は続く。

2016年7月 7日

代替フロン その6

HFCに代わる物質の開発も盛んだ。米化学大手のデュポンやハネウェルはハイドロ・フルオロ・オレフィン(HFO)という物質を開発、、カーエアコン向けの冷媒として欧米で使われ始めている。旭硝子は大型冷凍機向けにヒドロ・クロロ・フルオロ・オレフィン(HCFO)を開発した。いずれの物質もオゾン層を破壊せず、温暖化への影響はCO2よりも小さい。 共通するのは大気中の活性酸素と反応しやすい分子構造をしており、数週間で分解することだ。その後、大気中の水分と結合し、雨となる。オゾン層を破壊せず、温暖化への影響が小さくなった。

2016年7月 6日

代替フロン その5

分子は種類や構造によって特定の波長の電磁波を吸収、放出する。HFCは赤外線を非常に吸収しやすく、1分子あたりの温暖化への影響が二酸化炭素の数百倍から1万倍もある。CO2の排出量は最近ほぼ横ばいなのに対して、HFCは毎年7%ずつ増えた。現在の大気中にはCO2の数百分の1程度しかないが、温暖化への影響が深刻になると予想される。 昨年合意したパリ協定によって、途上国も含めた世界全体でHFCの削減に取り組むことになった。

2016年7月 5日

代替フロン その4

フロンは2009年末までに全廃された。破壊力が小さいハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン(HCFC)も30年までに原則全廃する。規制の結果、オゾン層は回復しつつあり、50年までに1980年の水準に戻る見通しだ。 オゾン層保護が成功した背景には、優れた代替物質の開発があった。塩素を水素に置き換えた代替フロンHFCだ。しかし、今度は地球温暖化への影響が問題として浮上してきた。HFCは他の温暖化ガスと同じように、太陽の光をほぼ素通りさせるが、温まった地表から出る赤外線を吸収する。そして赤外線を大気に放出する。これを繰り返すことで大気中に熱がこもって温暖化が進む。

2016年7月 4日

代替フロン その3

排出されたフロンは大気中を数十年以上も漂う。一部が上空の成層圏に到達、強い紫外線を浴びると塩素原子を出す。これがオゾンの分解を促す。次々と壊してしまう。特に南極では穴状に極端に少なくなる「オゾンホール」ができ、大きな問題になった。 有害な紫外線を遮るオゾン層の破壊が進めば、皮膚がんや目の病気の増加、生態系への悪影響が懸念された。保護の機運が高まり、フロンの生産や使用を規制するモントリオール議定書が87年に採択され、89年に発行した。

2016年7月 3日

代替フロン その2

5月に日本で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、代替フロンのハイドロ・フルオロ・カーボン(HFC)の段階的な削減を進めることで合意した。HFCは温暖化への影響が大きいからだ。 20世紀前半に開発されたフロンは1980年代に入ると、オゾン層を破壊することが問題になった。当時使われていたフロンは分解しにくいうえに燃えにくい。「非常に高い安定性が地球環境問題では大きな欠点になった」。

2016年7月 2日

代替フロン その1

冷蔵庫やエアコンの冷媒に使われる代替フロンの規制が地球環境問題の焦点となっている。フロンはオゾン層を破壊することから国際的な規制が進み、代替フロンに切り替わったが、今度は地球温暖化を加速させることが懸念されている。国際交渉でも重要なテーマとなり、代替品の開発も手探りで進み始めた。

2016年7月 1日

バイオマス燃料

伊藤忠はヤシの実の殻と木くずなどを固めた木質燃料を15年度に合計約12万トン輸入している。これを19年度に120万トンに引き上げる。複数のバイオマス発電所事業者と交渉を進めており一部は既に販売契約を結んだ。 現在はインドネシアとマレーシアでヤシ殻の回収業者から、中国・ベトナムでは木質燃料の製造業者から買い付けている。提携業者を順次増やして調達力を拡大。自社工場の設立も検討する。 住友商事は20年以降をめどに、サトウキビの搾りかすを使った燃料の輸入を始める。ブラジルの発電燃料会社に20%を出資。25年までに年間生産能力を現在の約18万トンから200万トンに高め、2割程度を日本に輸入する。現在はカナダから木質燃料を輸入している。