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2013年1月31日

ドイツ再生可能エネルギー制度見直し

そもそも、EEG(再生可能エネルギー法)の制度設計に無理があったとの指摘は根強い。00年に導入されたEEGでは、地域の電力会社は太陽光で発電した電力を無制限で買い取らねばならない。再生可能エネルギーが普及し続ける限り、コストは青天井で増えていく。 独政府も事態を放置していたわけではない。太陽光発電設備の値下がりに合わせ、買い取り価格を順次引き下げてきた。 しかし、買い取り価格引き下げの見通しが強まると、消費者の駆け込み需要が発生し、結果として負担金が増える悪循環に陥っていた面もある。 再生可能エネルギー設備業界はEEGの見直しに反発を強める。ただでさえ、中国勢などとの価格競争が激化。12年には太陽光発電設備大手のQセルズが法的整理に追い込まれ、「勝ち組」とされたソーラーワールドも業績が急速に悪化している。 独国民の多くはメルケル政権が決めた原子力発電の廃止を支持する。再生可能エネルギーの普及戦略が行き詰まったとしても、脱原発路線を転換するのは難しい。 独経済に失速懸念が強まる中、コスト増を避けながら、再生可能エネルギーの普及をどう進めるか。年内に連邦議会選挙を控えるメルケル政権は難しいかじ取りを迫られる。

2013年1月30日

ドイツ再生可能エネルギー普及正念場

ドイツ政府が再生可能エネルギーの普及制度の見直しに動き出した。家庭や企業の電気料金に上乗せしている普及コストの負担金が際限なく増える現行制度を抜本的に見直す方針。制度見直しで再生可能エネルギーの普及にブレーキがかかる可能性もあり、安定した電力供給に向けてドイツの苦闘が続きそうだ。 アルトマイヤー環境相が28日の記者会見で明らかにした。現在の再生可能エネルギー法(EEG)では、一般家庭などが太陽光などで発電した電力について、地域の電力会社に買い取りを義務付けている。買い取り価格が欧州電力取引市場の価格を上った場合は、差額を国民や企業に負担してもらう仕組みだ。 割高な太陽光発電の急速な普及のため、負担金はここ数年、急増。電力業界の計算では、2013年は1キロワット時あたり約5.3ユーロセント(約6円40銭)と、12年比で5割増える。13年に約200億ユーロ(約2兆4000億円)を見込む負担金総額が、原稿制度のままでは20年に2倍膨れ上がるとの試算もある。 環境相は「国民負担も限界にきている」とし、14年の負担金は13年実績の横ばいとする考え。15年以降は2.5%の上昇にとどめるという。企業など大口需要家に対する負担金の軽減措置は縮小していく考えだ。 ドイツ政府は8月にも関連法案を成立させ、見直しを実現したい考え。しかし、野党は反発しており、思惑通りに進むか微妙な情勢だ。再生可能エネルギーの普及制度の見直しに動くのは、国民や企業が負担金の増加に不満を募らせているためだ。独メディアの世論調査では、国民の過半数が負担増に反対。産業界でも「これ以上の負担増は国際競争力にとってマイナスだ」との声が強まる。

2013年1月29日

国連の排出枠に登録

日本通運がマレーシアで実施している省エネ運転の取り組みが、12月末に国連のクリーン開発メカニズム(CDM)に登録された。トラック45台の運転手に省エネ運転を指導し、搭載したデジタルタコグラフ(運行記録計)で二酸化炭素(CO2)の削減効果を検証。2010~11年比で1台あたり7%(5トン9削減し、年間239トン、10年間で2390トンの排出枠を取得する。 省エネ運転が国連の排出枠に登録されるのは初めて。昨年12月29日にCDMの登録を完了した。 マレーシアで急ブレーキや急発進を防ぐ「エコドライブ」を推進する取り組みを始めており、効果が出始めたことからCDMの登録を目指して昨年9月に国連に申請した。 有効期間は12年10月29日~22年10月28日までの10年間。この間、半年ごとに10~11年比で7%減という目標通りにCO2が削減されているかを繰り返し検証し、認められれば半年ごとにクレジットが発生する。

2013年1月26日

独再生可能エネルギー、日本参入

太陽光世界2位 自然電力と合弁

太陽光風力発電を手掛けるドイツの再生可能エネルギー事業大手ユーイは24日、自然電力と合弁会社を設立し、日本市場に本格参入すると発表した。昨年7月に始まった全量買い取り制度を受けて、今後も市場の拡大が続くと判断した。新会社名は「juwi(ユーイ自然電力」で資本金は4000万円。両社が折半出資する。

新会社は再生可能エネルギーの発電所の土地探しから設計、施工、施設の運営まで田が手掛ける。当初は太陽光発電を中心とし、将来は風力発電などに広げる計画だ。2013年に10万キロワット規模の発電所を建設することを目指す。

ユーイは太陽光発電の設計・調達・建設(EPC)に特に強く、同分野では世界2位の導入実績を持つ。

2013年1月24日

太陽光発電 買い取り30円後半

茂木経済産業相は21日、2012年度に1キロワット時42円としている太陽光発電の買い取り価格について、13年度は「30円台後半に引き下げることができる」との見解を明らかにした。経産省は同日の調達価格等算定委員会で、13年度の買い取り価格の議論を始めた。

太陽光発電の価格は設備の値下げを反映して小幅に引き下げ、風力や地熱発電は据え置く方針で大筋一致した。

再生可能エネルギーでつくった電力は電力会社が固定価格で全量買い取るしくみだ。買い取り価格は施設の設置費用や、発電業者の利益をもとに決める。茂木経産相は日本記者クラブの講演で「実態調査をすると太陽光の発電設備の価格は相当下がっている」と指摘。太陽光パネルなどの値下げ分を反映して13年度の買い取り価格を引き下げることができるとの意向を示した発言だ。

経産省が委員会に示したデータによると、住宅用の太陽光発電設備の設置費用は直近の12年10~12月は1キロワットあたり42.7万円だった。12年度46.6万円を想定していたが、市場拡大を受けて下落した。

住宅以外の大規模太陽光発電でも32.5万円から28万円に下がった。土地代や修繕費は据え置く見通しで、これを反映した場合の買い取り価格は「1キロワット時38円か37円を中心にその前後に絞られる」という。

2013年1月19日

再生可能エネルギー価格維持へ

再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度で、経済産業省は2013年度も今年度の買い取り価格を据え置くことを軸に検討に入る。事業者への配慮を優先して高めの価格を続け、普及を促す。急拡大している太陽光発電に対し小幅に下げる案もあるが、世界的にみて高めの価格を日本が維持するのは確実だ。

買い取り価格は有識者からなる調達価格等算定委員会(委員長は植田京都大学教授)の案をもとに茂木経産相が正式に決定する。算定委は21日の会合で来年度に向けた議論を始める。

装置の設置費用や発電業者の利潤が焦点で、2月中にも案をまとまる。

経産省が価格の維持に動く背景には原子力発電所の停止が長引く中で、エネルギー供給の多様化や温暖化ガス削減を進める狙いもある。東日本大震災の被災地で再生可能エネルギーの関連事業が広がりつつあることにも配慮する。

今年度に太陽光の設備を整えた場合は、そこで作った電気を1キロワット時42円で20年目まで買い取ってもらえる。風力(20年間23.1円)、地熱(15年間27.3~42円)など発電の種類ごとに設定している。太陽光は欧州の30円前後に比べ高めの水準にある

経産省はどの発電方式でも事業者の要望を踏まえていると判断し、これ以上の引き上げをしない方針だ。

2013年1月15日

メガソーラー

三菱商事と中部電力は出力7万7000キロワットのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を愛知県田原市に共同で建設する。

一般家庭約2万5000世帯の電力需要を賄える規模で、総事業費は200億円超。今春に買い取り価格が下がる見通しが強まるなかで、規模の大きい発電施設の建設でコストを下げ、採算性を確保する。

三菱商事と中部電力子会社のシーテックが太陽光発電所の運営会社を共同で新設。愛知県が保有する工業団地の約100ヘクタール分を賃借してメガソーラーを建設し、2015年1月に稼働させる。資本金は30億円強で、三菱商事が過半を出資する。

新会社は親会社2社の出資金のほか、銀行融資で事業費を賄う。発電した電気は全量を中部電力に売電する。

太陽光や風力など再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が固定価格で買い取る制度が昨年7月にスタート。日本IBMやソフトバンク、IHI、丸紅などが相次いぎ大規模計画を打ち出した。

電力会社はもともと、出力が不安定として消極的だったが、地球温暖化問題への対応として導入機運が徐々に高まっている。原子力発電所の停止で電源の多様化が求められていることもあり、再生可能エネルギーへの取り組みは大きな課題になっている。

中部電力は自ら2ヵ所でメガソーラーを運営するほか、子会社のシーテックを通じて太陽光発電風力発電を手掛けてきた。太陽光では三井化学、三井物産などが愛知県田原市で進める出力5万キロワットのメガソーラープロジェクトに参画するなど、6ヵ所で合計5万6500キロワットの計画に参加している。

2013年1月14日

太陽光パネル 太陽電池と一体

東芝は太陽電池と一体となった屋根材を開発する。住宅メーカーと製品化などについて協議しており、早ければ今年夏にも開発が完了する見通しだ。太陽電池については国産より3割以上安いアジア製を調達して、一体型となった屋根材の価格を抑える。2013年度に住宅向けの太陽電池の出荷量を前年度比で2~3割増やすことを狙う。

民間調査会社の富士経済によると、一体型の太陽電池の市場規模は12年が6万キロワットで、15年には10万キロワットに拡大する見通しで。標準的な戸建て住宅で3~4キロワットの出力の太陽電池が屋根に搭載されるケースが多い。単純計算すれば、15年には2万5000世帯を超える住宅が太陽電池と一体となった屋根材を採用する可能性があり、、太陽電池大手の京セラやシャープなども力を入れている。

東芝は太陽電池を自社生産しておらず、米サンパワー(カルフォニア州)の高級機種をOEM調達して販売してきた。住宅用の太陽電池市場でのシェアは約10%と、シャープなどに比べて低い。低価格の一体型で攻勢をかけ、3年後にシェア15%を目指す。これまでは太陽電池の導入は改築が中心だったが、今後は新築向けが増えると見て攻勢をかける。

太陽電池は「産業用」とされるメガソーラー向けの市場が急拡大しているものの、価格の下落が激しく利幅が薄くなっている。太陽電池メーカーにとっては収益確保のためにも住宅向けの販売拡大が急務になっている。

2013年1月11日

扇島太陽光発電所の1周年

国内最大のメガソーラー東京電力扇島太陽光発電所が19日、運転開始1周年を迎えた。1年間の発電電力量は当初想定の1.1倍にあたる1510万キロワット時で、二酸化炭素排出削減量は約7000トンだった。同社は「順調に稼働している」としている。

同発電所は23ヘクタールの敷地に約6万4000枚の発電パネルが並び、最大出力は1万3000キロワット。月別発電電力量は8月が最大で191万6000キロワットだった。

日照時間の短い11月でも94万3000キロワット時を発電した。昨年8月に稼働を始めた浮島太陽光発電所(最大出力7000キロワット)も順調という。

2013年1月 4日

設置容易な太陽光発電に偏重

経済産業省が昨年11月末までに再生可能エネルギーとして認定した発電設備は合計364万キロワットワット。稼働率の低さなどを考慮せずに発電容量をみると、原発の約3.5基分にあたる。設置のしやすさや政府が打ち出した買い取り価格の高さが追い風となり、太陽光が約9割を占めた。

再生可能エネルギー
は長年にわたり環境省があの手この手で導入を促してきたが、なかなか進まなかった。福島第1原発の事故を踏まえ昨年から経産省が本腰を入れ、高めの買い取り価格で動機づけをしたところ急速に普及した。

太陽光は民家の屋根への取り付け工事であれば2~3日で済む。工場の敷地内や屋上などのメガソーラーでも1ヵ月程度でくみ上げる。出力1000キロワット以上のメガソーラーも好評で、九州では80万キロワットに上る認定を受けている。


比較的大規模な施設が必要な風力は全体の10分の1以下にとどまる。世界第3位の資源量があると政府が見込む地熱発電はほぼゼロだ。地熱は建設計画から発電開始まで10年ほどかかるこたが普及の壁になっている。環境アセスメントの簡素化などの規制緩和を進めないと、太陽光だけに偏った電源構成になる可能性も残っている。

昨年7月に設定した固定買い取り価格は毎年4月に改定する。太陽光の買い取り価格は、日本に先行しているドイツなどよりも割高との指摘がある。比較的安価な風力、水力、地熱などがバランスよく普及しなけらば電気料金は高くなる見通しだ。