« 2012年5月 | メイン | 2012年7月 »

2012年6月30日

南鳥島沖にレアアース

東京大学などの研究チームは、レアアース(希土類)を大量に含む可能性が高い泥を、小笠原諸島・南鳥島周辺の海底で見つけた。昨年、公海でレアアースを含む海底鉱床を発見していたが、日本の排他的経済水域(EEZ)内で見つかるのは初めて。国内の年間消費量に換算して200年分以上に相当する量が存在するとみている。

企業と組んで海底から泥を吸い上げる実証実験の検討に入った。電化製品や電気自動車のモーターに欠かせないレアアースを将来、自給できるようになるかもしれない。

2012年6月29日

都 原発1基分 

都が15億円ずつ計30億円を出資し、メガバンク系と独立系の投資ファンド会社がそれぞれ運営する。国内外の機関投資家から出資を募り、400億円規模の資金を確保する計画だ。

発電所を新設する湾岸地域の環境アセスメントは10万キロワット級であれば不要で、建設から稼働までの期間を2年以内に短縮できる。1基目の発電所は2年以内の完成を目指す。10万キロワット級の発電所約10基は、原子力発電所1基分の出力に相当する。

都は東京湾岸の企業が自家発電用に保有する火力発電設備の買収も進める。自前の設備を持っている企業でも、燃料の高騰などで採算が合わず、稼働していないケースも多い。設備を更新して再稼働させる。

2012年6月28日

東京湾岸に火力10基

東京都は今後3,4年で出力10万キロワット級の天然ガス火力発電所を東京湾岸に約10基新設する。投資ファンドを設立して約400億円を確保し、首都圏での電力の安定供給につなげる。28日午後にも発表する見通し。東京電力による地域独占の供給体制を切り崩す狙いもあり、他の自治体も追隋する可能性がある。

2012年6月27日

自動車運搬船に太陽光発電搭載

商船三井と三菱重工業は25日、三菱重工業の神戸造船所で船内電力の一部を太陽光発電で賄う自動車運搬船「エメラルドエース」を公開した。船舶に搭載する太陽光発電装置としては世界最大の出力約160キロワットで、2200キロワット時の蓄電能力のリチウムイオン電池を搭載する。

従来のディーゼル発電機も併用するが、航海中に太陽光で蓄えた電力を港湾内での停泊中に消費し、湾内や沿岸部での二酸化炭素の排出を抑える。

エメラルドエースは29日に完成予定。全長約200mで、小型車換算で約6400台の自動車を輸送できる。

両社とパナソニックグループが共同開発したハイブリット電力供給システムを搭載することで、発電時の排ガスを従来より4%程度削減できるとみている。

2012年6月26日

再生可能エネルギー新設 6000億円超

7月以降の稼働を計画している事業を合計すると出力1千キロワット以上のメガソーラー計画が110件以上、出力合計は130万キロワット強。風力発電は約20件、出力約75万キロワット。建設費(土地代除く)は総額6000億円以上になる見通し。大半のメガソーラーは2014年度までに稼働する。

全量買い取り制度は太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマスが対象。日本は地熱資源は豊富だが、開発に時間がかかるため、当面はメガソーラーと風力発電が再生可能エネルギーの中核を担う。発電コストに適正利潤を上乗せしたことから「メガソーラーへの投資が進んでいる」。

NTT、京セラ、ユーラスエナジーホールディングスなどが発電所建設を計画している。

2012年6月25日

再生可能エネルギー新設 原発2基分

再生可能エネルギーの全量買い取り制度の7月1日導入を受け、メガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電所の新規事業計画が全国で計200万キロワット超に達することが分かった。出力では原子力発電所2基分に相当し、メガソーラーを風力発電合計の発電容量は一気に6割増える。ただ、再生可能エネルギー急増は電気料金を押し上げる懸念もある。

2012年6月24日

家庭から排出枠買い取り

日本生活協同組合連合会は7月から、家庭の太陽光発電による二酸化炭素の削減分を排出枠として買い取る。まずコープかながわなど3生協が参加。買い取り金額は1トン当たり約2000円の見通し。

経済産業省が運営し、温暖化ガスの削減分を排出枠として取得できる「国内クレジット制度」を活用する。同制度で小売業がCO2の排出枠を個人から買い取るのは初めて。日生協が太陽光発電の保有者の会員組織を発足。コープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなしが7月2日から参加組合員を募り、2008年度までさかのぼり買い取る。

家で消費した太陽光発電が対象で、1世帯のCO2削減量は年間約0.5~0.6トンと見込む。太陽光発電の消費量のデータを加盟生協に送り、これを日生協がまとめ、国の認証を受ける。3生協では5万世帯前後が太陽光発電を保有しているとみられる。2%が参加すると、1500平方メートル規模の店舗の年間排出量に相当する500~600トンの排出枠を得る。新規出店などで排出量が増えた場合などに排出枠を活用する。

2012年6月23日

シェールガス

大阪ガスは22日、米国でシェールガスの権益を約200億円で取得したと発表した。液化天然ガス換算で約2千万トンとみられる総産出量のうち35%を販売できる。年末までに生産を始める計画。当面は米国内で販売するが、米政府の許可が得られれば日本への輸出も検討する。国際的に割高とされるLNG調達コスト低減につながる可能性がある。

プロジェクトを主導する米キャボット・オイル・アンド・ガス社と22日付けで契約した。鉱区は200平方キロメートル。7月中に掘削を始める。地中の岩盤層に含まれるシェールガスのほか、総産出量約2億バレルの原油など約30年にわたって産出できる見通し。

2012年6月22日

東海大、工場排熱で発電

東海大学は工場などの廃熱から高効率で電気エネルギーを生み出す動力装置を開発した。廃熱を音波に変え、装置内のコイルを振動させることで電磁誘導を起こし発電する。京浜臨海部を中心に工場が集積している神奈川の特性を生かし、企業に連携を呼びかけ5年後の実用化を目指す。

「熱音響エンジン」は工学部の長谷川助教授らが開発した。装置はパイプを円状につないだもので、熱を音波に変えるフィルターを3ヵ所に設置した。フィルター部分を加熱すると熱が音波に変わりパイプの中を移動し、コイルを通じて発電する。低コストで生産できる。

熱音響発電は雷鳴の原理を応用したもの。雷は空気の一部分を急速に加熱、膨張させ強い音波を生み出す。「パイプには100機以上のジェット機が離陸時に出す音波を循環させ、高いエネルギーを生産することができる」という。

2012年6月21日

中国のレアアース輸出規制

日米欧は中国によるレアアースの輸出規制を問題視し、世界貿易機関(WTO)の紛争処理手続きに入る方針を固めた。週内にもWTOに対し、一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請する。

日米欧は規制の撤廃を求めてきたが、中国が応じていない、日米欧は不公正な措置が続くことを警戒し、多国間の枠組みで解決を目指す。

レアアースはハイブリット車の高性能モーターなどのハイテク部品に欠かせない元素の総称。世界的に埋蔵量が少なく、現在は中国が世界的な供給源になっている。一方で中国は輸出割り当ての制度で海外への供給量を制限しており、高率の輸出税を課している。

中国が二審の上級委員会でも敗訴すれば、輸出規制の撤廃が求められる。

2012年6月20日

原発発電量、世界で減少

世界の原発による発電量は既にピークを越え、減少に転じた可能性があると分析した報告書を、米環境シンクタンク「アースポリシー研究所」が19日までにまとめた。

中国やインドでの建設ラッシュという増加要因はあるものの、昨年の東京電力福島第1原子力発電所事故を機に脱原発に踏み切った国もあり、老朽化で廃炉を迫られる原発が増えるなど、減少へ向かう流れの方が強いという。

ブラジルでの国連持続可能な開発会議(リオ+20)の会場でも、原発事故を受けて市民団体が再生可能エネルギーへの転換を訴えるなど、脱原発を求める声が高まっている。

報告書によると、世界の原発の発電量は2000年以降、ほぼ横ばい傾向だったが、11年は日本やドイツ、英国で計13基が閉鎖、新規の運転開始は中国やインドなどの計7基にとどまった。年間発電量は、過去最大だった06年比で5%減の2兆5200億キロワット時だった。

現在、中国で26基、ロシア11基、インド7基など世界で62基の建設が進んでいるが、運転開始予定日が具体的に設定されたのは15基だけだ。

2012年6月19日

佐渡沖で油田調査へ

経済産業省は18日、新潟県・佐渡島の南西沖で来年4月から石油と天然ガスの掘削調査を実施すると発表した。埋蔵の可能性がある面積は約135平方キロで、埋蔵が確認されれば中東の中規模油田並みみとなり、国内最大級となる可能性もある。

2013年末まで掘削調査を進め、10年後の23年以降の商業化を目指す。事業費は98億円。試堀は来年4~6月の3ヵ月間の予定で、政府がJX日鋼日石開発と、独立行政法石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に委託する。

新潟県佐渡の南西約30キロ、水深約1100mの下の地層が石油と天然ガスが眠る有望な地形と判断した。「椎谷層」「寺泊層」と呼ばれる海底約2700mの砂岩層まで掘削する。

3次元物理探査船「資源」による調査で、石油や天然ガスのたまりやすい「おわん型」の地層であることあがわかっている。


2012年6月18日

小型風力発電機

出力が20キロワット未満の風力発電発電機。設置済みでは出力1キロワット未満が75%を占める。従来はつくった電気を自家消費したり、環境配慮をアピールしたりする目的で導入する地方自治体や企業がほとんどだった。

余った電力を電力会社に売電できる「余剰買い取り制度」があるが、自家消費してしまうため、ほとんど売電できず普及が進まない要因でった。国内の累計設置台数は2010年度で約9500台、そのうち電力会社の電力網への接続比率は2.5%にとどまる。

小型風力と太陽光の発電比較

発電の特徴       一日中発電可能      日中のみ発電

出力1キロワット    1460キロワット時     1000キロワット時
の年間発電量

出力1キロワット     150万円          52万円
の設備費用

7月からの買い取り   57.75円/キロワット時    42円/キロワット時
価格(案)

2012年6月17日

英の風力発電機、日本参入

英国の小型風力発電機メーカーのエヴァンス・ウインド・タービンスは日本の風力発電機市場に参入する。小型風力発電発電機のゼファーと提携し、地方の企業、農魚村の需要を開拓する。再生可能エネルギーでつくった電気を全量買い取る制度の7月導入で、日本でも小型風力発電発電機の需要が増えると判断した。

エヴァンスは英国の小型風力発電機市場で約3割のトップシェア。主力の小型風力発電機「R9000」をゼファーにOEM供給する。出力は5キロワット、価格は未定だが数百万円。風車の翼を動かす構造が簡素で故障が少ないのが特徴。日本の他アジア地域でも販売、今後3年間で200~300台を見込む。

日本の小型風力発電機は買い取り制度が未整備だったため高出力の製品開発が進まず、自家消費向けの1キロワット未満の低出力機種が主流。導入は環境意識をアピールしたい一部の企業などにとどまっていた。

小型風力は出力1キロワットあたりのコストは太陽光より高いが、風量豊かな地域では太陽光に比べて発電量に勝る小型風力が利用者にとって有利な場合もある。小型風力の買い取り価格が太陽光より高い全量買い取り制度が導入されると、敷地に余裕のある地方の企業や農村・漁村などで太陽光の代わりに高出力の小型風力を導入する機運が高まる可能性がある。

日本小型風力発電協会小型風力発電機の設置台数は2020年度に10年度の15倍に拡大するとみる。

新興国の無電化地域では携帯電話基地局に小型風力発電機を導入するケースが増えている。こうした新興国需要も取り込む。

2012年6月16日

コ―ヒーかす使い発電

信号・制御技術のファインテックは栃木県足利市でコーヒー豆の搾りかすを使ったバイオマス発電事業に乗り出す。コーヒーかすを水蒸気と反応させガスを発生させる。発酵させる一般的な方式に比べ発電効率が高いという。7月に再生可能エネルギーの全量買い取り制度がはずまるのを受け、今秋に売電事業を始める。

同社は飲料メーカーなどから回収したコーヒーの搾りかすを粉末化し、一部を燃やして水蒸気を加熱。残りの粉末と水蒸気を反応させると、水素などで構成される合成ガスが発生する。このガスを使うと、発電効率は20%以上になる。

発電所の敷地面積は約6500平方メートルで、発電能力は250~300キロワット。利根川流域には飲料メーカーが集積しており、原燃料となるコーヒーかすを調達しやすいと判断し栃木県に発電所を建設した。投資額は約10億円で、6億円を農林水産省の補助金を充てた。

同発電所は年2400トンのコーヒーの搾りかすを処理できる。飲料メーカーのコーヒーかすは再利用の用途の乏しく、ほとんどが廃棄処理されている。処理費用を圧縮したいメーカー側からの引き合いも大きいという。

同社は横浜市の「横浜知財みらい企業」などに認定され、事業展開などの支援を受けている。小型振動モーターなど精密機器の開発を手掛けていたが、制御システムのノウハウが温度や化学反応の管理に生かせるとして2009年にバイオマス事業に参入した。エネルギー関連事業を拡大し、3年後に売上高を10億円と12年9月期見通しから倍増させる計画だ。

日経新聞より

2012年6月15日

放射性物質 除染研究進む その3

筑波大学の守友教授はプルシアンブルーと構造が似た物質を使い、違った角度から研究している。あらかじめ作っておくのではなく、セシウム溶液に原料を加え、液中で結晶を作る。

プルシアンブルーは原料の一つが鉄イオンだが、実験では代わりにマンガンイオンを使ったとき効果が高く、セシウムを10万分の1に減らせた。「セシウムがあると、積極的にセシウムを捕まえながら結晶ができていく」と教授は考える。そうでないと10万分の1にもさがらないという。逆にセシウムがなく原料だけの場合は結晶がほどんどできない。

処理を重ねて高濃度に集めたセシウムのほか、事故原発の汚染水が含むストロンチウムも、最後は厳重に処分する。吸着材はセシウムが二度と出ないように固定するわけではない。そこで長期間閉じ込めて漏れ出ないようにする吸蔵の技術も重要になる。

物質・材料研究機構は高性能な酸化チタンの吸蔵材料を開発した。セシウムとストロンチウムを別々に取り込めるのも特徴で「それぞれに適した処分が可能」と阿部主幹研究員は期待する。まずストロンチウムを12個の酸素のかごのような構造でしっかりと囲む。次いでセシウムを酸化チタンのチューブ状の構造に詰め込む。

除染関連の技術は幅広く、ほかにも様々な研究開発が活発だ。すでに一部は国の事業で実証試験が進んでおり、研究室レベルの新たな成果も相次いでいる。今後除染作業が本格化するのに向けて、順次実用化が進む見通し。ただ、効果とコストの兼ね合いなど課題もあり、安全で迅速な除染には一層の研究開発も期待される。

2012年6月14日

北極圏で原油・ガス開発

政府が月内に新たな資源確保戦略をまとめることが13日、明らかになった。北極圏をはじめ日本の進出が遅れている地域で原油・天然ガスの開発を加速する。「シェールガス」のような新たな資源の開発や韓国との共同購入で価格交渉力も強める。停止した原子力発電を代替えする火力発電用の燃料費が高騰。電機料金の上昇で日本経済の重荷となっており、資源輸入のコストを抑える。

海外の資源権益確保を積極的に進める方針を確認。5年程度の新戦略をまとめる。

新たな資源開発の重点地域として北極圏や東日本大震災シベリア、東アフリカ、イラクを選ぶ。政情不安や地理的な遠さから日本企業の権益確保が進まなかった地域だが、外交交渉を通じて関係を強化、権益確保につなげる。特に北極海には未発見の原油・天然ガスが多く分布しているとされ、米国やロシア、中国が関心を強めている。権益確保競争に出遅れないようにする。

新たな資源の開発もテコ入れする。北米で生産が急増している頁岩層の中のシェールガスやシェールオイルが主な対象。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の金融支援を強化し、国際石油開発帝石と日揮がカナダで参画するシェールガスの開発を支援する。JOGMECも数百億円程度の出資を検討している。

2012年6月13日

NTTが太陽光発電

NTTは太陽光発電事業に参入する。グループの遊休地などを利用して2014年度までにメガソーラー(大規模太陽光発電所)を約20ヵ所稼働させる。総発電能力は6万キロワット以上で単独企業としては国内最大級。再生可能エネルギーでつくった電気を電力会社が全量買い取る制度が7月に始まる。異業種から大手企業参入が相次ぎ、再生可能エネルギー普及に弾みがつきそうだ。

子会社のNTTファシリティーズが発電事業に乗り出す。同社は太陽光発電システムの設計・施工などエンジニアリング事業で国内トップ。まず今夏から来年1月にかけ、千葉県佐倉市や山梨県北杜市など6ヵ所で発電所を順次稼働させる。合計の発電能力は約1万1000キロワットになる。

さらに14年度までに少なくても合計20ヵ所程度まで増やす計画。総投資額は約150億円を見込む。メガソーラは雨天や夜間は発電しないが、6万キロワットの発電能力は一般家庭の2万世帯が消費する電気を賄う発電量の相当する。

NTTの売電収入は年間20数億円となり、投資を6~7年程度で回収できる計算だ。

2012年6月12日

放射性物質 除染研究進む その2

産総研は低濃度の酸で土壌から抽出する技術や、青色顔料のプルシアンブルーのナノ粒子で吸着する汚染装置を開発した。今後、汚染現場で装置の実証試験をしたいと考えている。

このプルシアンブルーはセシウムの吸着材として注目を集め、最近よく使われている。当初は事故原発の汚染水処理で鉱物のゼオライトが話題になったが、様々な物質を吸着しセシウムには効率が悪い。

プルシアンブルーはセシウムを選んで吸着する。仕組みははっきりしないが、ジャングルジムのような結晶構造の隙間にセシウムがうまく収まるらしい。

水に溶けたセシウムはイオンになっており、半径はナトリウムなどのイオンより大きい。だが、水中では周りに複数の水分子がつき、この状態の半径は逆にセシウムが小さい。水分子の数が他よりも少ないからだ。この半径が「小さいおど入る」。セシウムの場合は隙間より少し小さく、入らないナトリウムは大きい。入ると安定して出にくくなるとみられる。

2012年6月11日

放射性物質 除染研究進む その1

東京電力福島第1原子力発電所の事故で広がった放射性物質を処理する除染の研究が進んでいる。特に問題となっている放射性セシウムについて活発で、吸着では青色顔料の働きが有望と注目されている。ほかにも新たな材料が開発されており、安全に素早く処理する技術の確立が求められている。

除染対象は膨大な量になる。燃やせるゴミは灰にして量を減らせる。国立環境研究所の大迫・資源環境・廃棄物研究センター長によると「一般にごみを燃やすと重量は10分の1、容積はそれ以下に減らせる」。

燃やすと2種類の灰が出る。燃えカスの「主灰」と、ばいじんの「飛灰」だ。条件によって、それぞれの灰にセシウムがどれぐらい移るかは変わってくるという。主灰は水にされされてもセシウムが溶け出しにくい。飛灰は水にセシウムが溶け出しやすく、灰の処理にはそれを考慮した対策も必要という。国環研では埋立地を模擬した実験にも取り組んでいる。

セシウムは様々な状態で環境中にとどまっている。産業技術総合研究所の川本徹グリーンテクノロジー研究グループ長は「粘土や有機物に吸着されたり、塩化物や酸化物といった化合物になったりしている。水に溶けてもいる」と解説する。

セシウムを取り出したり、水に溶けたセシウムを吸着したりする工夫がいる。

日本経済新聞より

2012年6月10日

放射性物質

原子炉ウラン燃料を燃やすと、核分裂反応で放射性のセシウムやヨウ素、ストロンチウムなどが生まれる。原発事故で大気中に放出された放射性物質は風に乗って遠くまで広がり、雨で地上に落ちて汚染したと考えられる。汚染された土壌や草木などを取り除いてもその場所をきれいにしても、除去物の中に放射性物質が消滅するわけではない。

除去して集めた放射性物質は安全に処理や管理をする必要がある。放射性物質は最終的に非放射性の物質に自然に変わる。この変化で量が半分に減る期間が半減期。

ヨウ素131は半減期が8日と短い
セシウム134は約2年
セシウム137は約30年と長い。

2012年6月 9日

ソロモン諸島で太陽光発電参加

半導体検査装置のインターアクションは、南太平洋の島国のソロモン諸島の民間住宅に太陽光発電システムを設置するプロジェクトに参加する。電線網が整備できない島しょ部や過疎地域での電力供給モデルを構築する狙い。周辺諸国にも発電システムを供給する。神奈川県での展開も視野に、国内外でのノウハウ蓄積を進める。

同社は1月、ソロモン諸島の電力インフラを整える「過疎地域の電力化」プロジェクトへの参加が決まり、4月に現地法人を設立した。電線を設置できない地域がある同国の島しょ部に太陽光発電装置を導入する。

7月から毎月200戸の家屋に設置し、約10か月かけて設置戸数を2000戸に増やす。

同社の太陽光発電システムはパネルとリチウムイオン電池の一体型。2年間で3億円の収益を見込んでいる。カメラモジュールなどの撮影用半導体の検査装置で世界シェア6割を握る。安定的な収益が見込める事業の柱を探していた。

昨年6月には耕作放棄地を使った太陽光発電による売電事業に参入。12月から静岡県内などで実証実験を実施している。今期は太陽光発電関連事業の売り上げ高を5億~6億円に引き上げる。

2012年6月 8日

温暖化ガス削減 2020年に5~15%

中央環境審議会が政府のエネルギー・環境会議に報告する2013年以降の温暖化対策の選択肢の最終案が7日、明らかになった。国内対策による20年の温暖化ガス排出量の削減目標は6案で、1990年比5~15%とした。「20年に25%減」とした国際公約の撤回は避けられなくなった。

最終案は総合資源エネルギー調査会が示した原子力発電への依存度をベースに6通りで試算した。20年の原発比率が21%の時に最も多く削減できるとしたが、それでも90年比で15%減にとどまった。原発比率0%の場合は5%減になった。

国内対策以外には、途上国への技術協力を含む海外排出権取引がある。最終案では、京都議定書の第1約束期間の目標を後退させることなく、最大限努力する必要があるとした。

また排出量は、森林が二酸化炭素を吸収する分を計算に入れるかどうかでも違いが出る。25%減の国際公約は排出権取引や森林吸収分を含めた数値だが、最終案にこうした対策を加味しても最大20%前後の削減にとどまる見通しだ。

2012年6月 7日

水利権 中東・アフリカ 紛争

中東やアフリカ諸国で水資源の争奪戦が激しくなっている。複数の国をまたぐ大河川では、発電用や生活用水の水利権を巡り国家や民族間の対立に発展する例もある。人口増加と工業化に伴い水の需要は急増しており、資源管理の新たな枠組みを築く必要があるが、関係国の利害調整は難しそうだ。

アフリカの54か国の水資源担当相がカイロに集まり、水の資源管理やインフラ整備を包括的に話し合う。アフリカに水問題は年々深刻になり、各国の利害調整が急務となっているが、会議は紛糾しそうだ。

エチオピア政府はナイル河支流の巨大な発電用ダムを計画中だ。出力は5250メガワット。エジプトのアスワン・ハイダムの2倍以上の規模だ。

ダムが完成するれば下流域の水量減少を招き、紛争に発展しかねない。

水資源の不足は各国の経済成長の足かせとなるだけに、各国間の妥協を見出すのは難しい。エジプト制すは水資源不足により国内総生産が約1%縮小していると試算した。

アフリカ西部、パレスチナのヨルダン川西岸地区でユダヤ人入植者が水源を独占する問題。

中東・アフリカの水資源を巡る対立の背景には、水資源の需要増加に各国が国際的な協調の枠組みを築けていないことがある。米政府は40年には水の需要が供給を大幅に上回ると予想、国際社会に民間資金の活用を含む根本的な対策を早急に協議するよう求めた。

2012年6月 6日

深海油田開発 技術進歩

北米で低コストの新型エネルギーであるシェールガスの生産が増えるなどエネルギー需給の緩和要因もあるが、深海油田の開発意欲は依然として根強い。ブラジルなど新興勢が深海油田開発でエネルギー自給率向上を目指しているほか、欧米メジャーも中東依存度を下げるために深海油田開発を急いでいる。

英BP統計によると2010年の世界の原油生産にしめる中東比率は30%。イラクの油田開発などが進むとさらに高まる可能性がある。ただ、政治的に不安定な中東への依存度を高めると安定的に供給を受けられないリスクも抱える。シェールガス大国となった米国も輸出には慎重姿勢だ。

このためブラジル、ナイジェリア、マレーシアなど新興国はエネルギー自給率向上に向け、深海油田開発を積極化。技術開発も進み、1バレル60~70ドルの原油価格であれば十分に採算が確保できるようになった。

BPなど欧米メジャーもメキシコ湾やインド洋などで深海油田を開発。採掘しやすい陸上や浅海は産油国にすでに押さえられたり、中国の国営大手資本との競合が激しかったりで難度の高い深海に向かわざる得ない状況もある。深海油田開発には原油流出事故のリスクもあるため、掘削会社には高度な技術力が要求される。

2012年6月 5日

深海油田開発

石油資源開発や三菱マテリアルなどが出資する日本海洋掘削は、海底の石油・天然ガス生産に使う移動式の巨大掘削装置(リグ)の運用数を2014年秋までに4基増やし15基体制にする。12年度の設備投資は11年度比5倍の約250億円と過去最高の見通し。ブラジルや西アフリカで大型の深海油田での受注機会が拡大することから、大型投資に踏み切る。

シンガポールで総額約170億円を投じて巨大掘削装置「HAKURYU-11」の建造に着手、13年春に完成させる。この装置は最大で水深130メートル地点で脚部を海底に固定し、海底から深さ6000メートル超まで掘削できる。150人が居住可能で、脚部が海底に接するタイプで世界最大級。大型油田開発工事の受注につなげる狙いだ。

日本海洋掘削は日本唯一の海洋資源掘削会社。マレーシア、スペイン、イランなどで操業し、日本の政府系機関が保有する資源探査船「ちきゅう」の操業の担う。同社は運用リグ数で世界12位の規模。ブラジルなど各地で広がる深海油田の受注を増やすなどで、将来は世界10位入りを狙う。

2012年6月 4日

地下水浄化や工場排出物測定

地下水浄化、大気汚染物質測定、廃油処理など環境関連のニッチ分野で独自技術を持つ中堅企業が中国でビジネル拡大に動き出した。環境対策が一巡した国内では需要が限られる技術も、水不足や環境汚染問題の深刻化で政府が対策に取り込み始めた中国では「稼げる技術」になる。電機、プラント大手が省エネ設備などで新興国進出を加速しているが、中堅企業にも商機が広がっている。

水処理装置のナガオカ:年内にも中国東北部の瀋陽市で工場を稼働させる。資本金約3億円で、地下水をくみ上げる取水装置や、地下水に含まれる不純物を取り除装置を生産する。今後は上水施設の整備が見込まれる。

工場廃液などの処理装置製造:大和化学工業は工場が排出する揮発性有機化合物の測定を始める。光化学スモッグの原因の一つだ。7月にも中国南部の広東省に環境計測会社と合弁会社を設立する。現地では家具工場の塗装工程からVOCが大量に出る。測定した濃度のデータを環境省保護局に逐次送信する。

自動車の使用済みエンジンオイルを回収・再生する東亜オイル興行所。瀋陽市郊外にプラントを建設する計画だ。回収後に油と水分を分離、微細なゴミを取り除いて重油などに再生。ボイラー燃料などとして販売する。

2012年6月 3日

石油代替え燃料 事業化へ一歩

新型天然ガス「シェールガス」ブームに沸く米国で、安価で豊富なガスを原料にした石油代替え燃料「ガス・ツー・」リキッド(GTL)の生産を目指す動きが広がってきた。南アフリカのエネルギー大手サソールが米南部で事業化調査に着手。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルも検討を始めた。GTLは有害物質が少ない燃料としても注目されており、普及に弾みがつく可能性がある。

GTLは天然ガスを化学変化させて軽油や灯油、ナフサなどの液体燃料を製造する技術・製品を目指す。世界最大の石油消費国である米国では、特に輸送部門の石油依存度が高い。米国でGTLの生産が本格化すれば、自動車燃料の選択肢の多様化につながるだけでなく、原油の海外依存の低下に貢献するとみられている。

サソールはルイジアナ州で事業化調査を始めた。生産能力は日量4万8000バレルか同9万6000バレルの2案を検討している。

シェルはテキサス州かルイジアナ州を候補地として検討に入った。日量14万バレルの生産能力を想定。

2012年6月 2日

太陽電池 日本市場争奪

太陽光など再生可能エネルギーでつくった電気を割高な価格で買い取る制度が7月に始まり、太陽電池の国内市場が急拡大する。シャープをはじめ電機大手は数少ない有望分野に期待するが、コスト競争力に勝るサンテックパワーなど中国メーカーは日本勢以上の成長を狙う。多数の新規参入が予想されるため、利用者にとっては品質やサービスの見極めが重要だ。

新制度では太陽光発電1キロワット時あたり42円と割高な価格で買い取る。太陽光発電協会の代表理事は「2012年度の太陽電池の国内出荷量は前年度の2倍弱の250万キロワットに増える」と予想する。

パナソニック:太陽光で発電した電力を蓄えて使うシステム販売。13年3月期の国内販売量を前期比6割増の45万キロワットに増やし、国内シェアを15ポイント増の35%と首位を目指す。

シャープ:メガソーラ(大規模太陽光発電所)建設や保守管理を手掛ける部署へ約120人を異動させたほか、太陽光の大規模発電システムの人員も増員。

京セラ:太陽電池の世界生産量を前期比3割増の85万キロワットに増やす。

中国:各メーカーは低コストを武器に日本市場を開拓しようとしている。日本製より3割安いこともある。

サンテックパワー:世界最大手は発電事業に乗り出す企業向けなどに販売を強化する。

欧米では中国メーカーによる低価格攻勢によって、一時は世界トップだった独Qセルズが4月に経営破たんした。日本メーカーは買い取り制度特需に依存するだけでなく、コスト削減や海外での販売拡大など生き残りに向けた中長期の戦略も問われる。

2012年6月 1日

ブラジル バイオ燃料技術先行

エタノールで飛ぶかつてないジェット機を目指しています。ブラジルの国立工科大学「航空技術研究所(ITA)」は誇らしげに話す。

ブラジルは、サトウキビを原料とするバイオエタノールを自動車燃料として他国に先駆けて普及させてきたことで知られる。ITAでは、それを航空燃料にも応用する研究で世界をリードする。

将来は地元の航空機メーカー、エンブラエルの旅客機をエタノールで飛ばすことを目指す。

ITAは航空学科以外の5学科も、建築では飛行場建設、コンピューターでは飛行機の制御といった具合に、何らかの形で航空にかかわる最先端の研究や教育を展開。航空エンジニアを専門に育てているのが最大の特徴だ。