« 2012年2月 | メイン | 2012年4月 »

2012年3月31日

独太陽光発電に暗雲

ベルリンから60キロ北にあるフィーノー・タワーは欧州最大級の太陽光発電所だが、おそらくドイツで最後の大規模施設となりそうだ。29日にも議会で可決される補助金引き下げで、この規模の太陽光発電所の経済性が悪化する恐れがある。

タワーの建設などを行った太陽光機器メーカーのソーラーハイブリッドは先週破産申請し、ソロンなど独同業他社に続いた。

4月からの補助金引き下げで10年間続いた時代が終わるとみている。この期間に原子力発電所17基分に相当する発電容量と13万人分の雇用が生まれた。

メルケル政権の計画では、新設の小規模発電所への補助金を約3分の1削減し、大規模発電所向けは全廃する。この決定は2022年までに原発を段階的に廃止し再生可能エネルギーで代替えする意向の政府にとり間が悪いように思える。

だが、太陽光発電所の建設ラッシュを引き金に電力価格が上昇し、再生可能エネルギーへの国民の支持を失いかねない懸念からレトゲン環境相も補助金引き下げを支持。

独政府は太陽光発電に対する優遇措置廃止で電力価格の上昇に歯止めがかかると期待している。

2012年3月30日

再生可能エネルギー規制緩和

野田首相が議長を務める行政刷新会議に設けた規制・制度改革分科会がまとめた。内訳は再生可能エネルギー39項目、電力システム改革38項目、省エネ26項目。政府は今回、実現可能なスピードを重視し、大半は運用の変更や政令の改正できるようにする。主要な項目については、結論が出れば「直ちに」「可能な限り速やかに」措置するとし、早ければ1~2ヶ月で実施する項目もありそうだ。

現在は太陽光発電施設が工場とになされるため様々な制限があり、賃借料が安い土地でないと採算が合いにくい。このため住宅用太陽光発電設備の施工最大手、ウエストホールディングスや三井物産など新規参入事業者は北海道や東北、九州などで建設建設候補地の確保を急いでいる。

規制改革すれば工場の屋根を借りる発電事業が、土地代の高い首都圏や関西圏の工場地帯などにも候補地が広がる。より多くの太陽光パネルを置けば、事業採算の向上にもつながる。工場側にも屋根を貸して利用料を稼ぐビジネスチャンスが広がる利点がある。

2012年3月29日

再生可能エネルギー

主な規制・制度改革項目

太陽光:売電施設を工場立地法での適用除外に
    敷地の25%を緑地などにする義務が不要となり、屋上発電が容易に

小水力:河川法の区分を大規模ダム発電とは区別
    国交相の許認可や煩雑な書類提出が不要

風力:風車の審査基準を建築基準法から電気事業法に変更
   高層ビル並みの構造審査が不要に

地熱:自然公園法の見直し
   地熱の有望地域が多い国立・国定公園での垂直掘りが可能に。

全体:電力会社が持つ送電網の情報開示を促進
   事業計画時に接続可能地点や費用、工期などの把握が可能。

2012年3月28日

再生可能エネルギー

再生可能エネルギーの普及・促進に向けた規制緩和が加速する。太陽光風力小規模水力発電での煩雑な許可手続きを簡単にし、期間も縮めるための103項目を30日に政府が閣議決定する。「再生可能エネルギー事業は見通しが立てにくく、リスクが大きい」との民間企業や自治体の見直し要望に応えた。当面の電力不足への対応策として再生可能エネルギーを促進し、電源の多様化を進める狙いだ。

2012年3月27日

バイオ燃料

バイオ燃料の普及にはエネルギー効率以外の課題も多い。すでにブラジルなどで普及している自動車向けのバイオエタノールは、原料となるトウモロコシの国際価格に製造コストが大きく左右される。

京大の村田教授は「バイオ燃料の原料は、食料向け需要との競合が少ないものを選ぶ必要がある」と指摘する。

品質の安定性も課題だ。バイオ燃料の製造には菌や酵素を使うことが多い。温度や湿度の管理が悪いと品質がばらつきやすく、大量生産へのハードルは高い。

日本総研の宮内氏は「国土が狭い日本では、原料の大量生産も難しい。あくまで(バイオ燃料は)多様なエネルギー源の1つとになすべきだ」と話している。

2012年3月26日

人口噴出口に大量レアメタル

海洋研究開発機構は沖縄県の水深1000メートルの海底で掘った熱水噴出口の周囲に、希少金属(レアメタル)を豊富に含んだ硫化物が大量に堆積していることを確認した。勢いよく噴出するため、自然現象に比べて極めて短い期間で積もっていったという。今後、レアメタルなどを効率よく回収できる装置を開発する。

大型探査船「ちきゅう」で2010年9月に沖縄本島の北西150キロで海底を掘削し、熱水の噴出口を複数設けた。熱水から溶け出した硫化物などが、噴出口の周囲に煙突状にたまった。1年4か月で高さ11メートルになる硫化物の塊もあった。今回、無人海底探査機を使って一部回収した。

海底の所々に自然にできた噴出口があり熱水が出ているが、噴出量が少なく、高く積もるまで数十年以上はかかる。人口噴出口をつくり短期間でレアメタルなどを回収できる仕組みができれば、海底鉱物資源の有効利用に弾みがつく。

海洋機構は、人口噴出口の影響でできた堆積物から効率的に鉱物を取り出すというアイデアについて特許出願した。

13年以降の開発を目指す回収装置では、噴出口から熱水を直接持ってきて鉱物を沈殿させる仕組みを採用する。

2012年3月25日

バイオ燃料 自治体挑む

生物に由来する「バイオ燃料」の開発に全国の自治体が力を入れ出した。これまでは「夢の燃料扱いだったが、東京電力福島第1原発の事故を受け、一気に実用への期待が高まっている。石油や液化天然ガス(LNG)などに比べて大きくエネルギー効率などをどう改善するか。技術的な挑戦が始まった。

自治体による主なバイオ燃料活用の取り組み

栃木県:
下水処理場で発生するメタンガスを発電に活用。場内の電力消費量を2割減らす。

富山県:
2015年度をめどに小売店から出る生ごみの広域リサイクル体制を構築。

京都府:
養殖したアカモクからバイオエタノールを作る技術を京都大学と開発。

鹿児島市:
生ごみや下水汚泥を活用してバイオガスを発生させる施設を整備。

沖縄県:
サトウキビ、藻類など地元の生物を使ったバイオ燃料研究に助成。

日経新聞より

2012年3月24日

最大級バイオマス発電設備

富士電気は北米で最大級のバイオマス発電プラント向け設備を米エンジニアリング大手のBWCC(オハイオ州)から受注した。発電能力は7万5千キロワットで受注額は十数億円と見られる。米国では環境負荷が小さい再生可能エネルギーに対する優遇措置を背景に、バイオマス発電所の新設や設備の入れ替えが進む。富士電気は受注実績をテコに北米で発電事業の拡大を狙う。

BWCCがニューハンプシャー州に2013年9月に稼働させる発電プラント向けに、蒸気タービン設備1基と発電機1台を受注した。木くずを燃料にしたバイオマス発電設備で、12年秋をめどに納入する。

従来のバイオマス発電設備は、木くずなどを石炭火力発電の補助燃料として使う形式が多かった。今回受注した設備は木くずだけを燃料に発電する。同社の資産によると二酸化炭素の年間排出量を従来より8割程度減らせる。

2012年3月23日

国内最大の地熱発電

出光興産、国際石油開発帝石、三菱マテリアルなどは福島県内で国内最大の地熱発電所を建設する方針を固めた。環境省が地熱開発について国立・国定公園内での掘削を条件付きで認める規制緩和を実施するのを受けたもので、新設は1999年以来。2020年ごろの稼働を目指す。発電容量は27万キロワットになる見通しで、原子力発電プラント4分の1基分に相当する。総事業費は1千億円規模になるとにられる。再生可能エネルギーの中でも安定した出力が見込める地熱発電の本格利用が日本でも始まる。

火山国の日本は地熱資源量が2347万キロワットと世界3位の規模を誇る。しかし資源の8割が国立・国定公園にあるため、出力規模は約54万キロワットにとどまる。規制緩和を受けて福島県のほか、秋田県湯沢市の栗駒国定公園内、北海道釧路市などにまたがる阿寒国立公園でも地熱開発が進む見通し。地熱発電が新たな電源として普及する可能性が広がった。

地元合意を前提に、各社は6か所程度で試掘を開始。国立公園では実際の地熱資源量のデータは乏しい。複数企業が組むことで、リスクを抑え効率的に開発する。

2012年3月22日

丸紅 英の洋上風力建設買収

丸紅は官民ファンドの産業革新機構と共同で、洋上風力発電所建設の英最大手企業を買収する。買収総額は約8億5000万ドル(約700億円)自然エネルギーが注目されるなか世界の風力発電ニーズが拡大している。丸紅は特殊なノウハウが必要な洋上風力発電所の建設技術を確保。将来は日本を含むアジアでの事業展開にも役立てる。

英洋上風力発電設備建設のシージャックス・インターナショナルの株式100%を米投資ファンドのリバーストーン・ホールディングスから買収する。丸紅と革新機構がそれぞれ50%ずつ出資する。

現在、日本に洋上風力発電設備の建設工事を本格的に手掛ける企業はほとんどない。将来、革新機構は日本の重電メーカーや船舶会社などの出資を募り、技術を国内に取り入れることも視野に入れる。

シージャックスは北海を中心に海底に固定する。着床式の洋上風力発電設備の据え付け・建設工事を担う。世界に約10隻ある最新式の工事用特殊船のうち2隻を保有する大手・2010年の売り上げ高は約1億ドルだった。

世界の風力発電の能力は14年末に4億キロワットと11年末比7割増えるとの試算もある。特に洋上風力発電は欧州で設置が進み、北海では今後10年で4000万キロワットの設備が新設される見通し。このままでは工事船が不足するとみられている。シージャックスは15年までにさらに2隻の特殊工事船を増やす計画。丸紅と革新機構は将来の工事需要を取り込めると判断した。

丸紅は11年に洋上風力発電事業最大手のドン・エナジーと提携し、同社が保有する英洋上風力発電所の運営にも参画している。

2012年3月21日

シェールガス その3

水使用削減、研究急ぐ
シェールガス開発で広く使われる手法の水圧破砕を巡り、使用した水の再利用だけでなく、飼料量そのものを減らす研究開発も始まっている。実現すれば、米国やカナダを上回るシェールガスを埋蔵しながら水の確保が開発のネックとされる中国などにとっても追い風となりそうだ。

米ゼネラル・エレクトリックは、米天然ガス大手チェサピーク・エナジーと共同で研究開発に着手。ペンシルベニア州など米北東部4州にまたがる一大産地「マーセラス・シェール」で実証実験を進めており、年内の実用化を目指している。

米油田サービス大手シュルンベルジュによると、破砕で使用する水の約30%は生産量の増加に寄与しておらず、地下のひび割れの状況などを解析する技術の向上などにより「水や化学物質の使用量を最大5割削減できる可能性がある」という。

米国ではここ数年のシェールガスの急激な生産拡大に加え、暖冬による需要の伸び悩みで天然ガスの在庫が急増。指標となるガス価格は約10年ぶりの安値水準で低迷している。このため、足元ではシェールガスからシェールオイルに生産をシフトする動きが広がっているが、どちらも水圧破砕を使用するため水資源の効率利用に向けた技術開発への影響は少ないとみれれる。

2012年3月20日

シェールガスその2

塩水くみ上げ計画
2013年中には、この地域の地下1キロの地層に閉じ込められた飲用などに適さない塩水をくみ上げ、濃度を調整した上で水圧破砕が必要な各井戸にパイプラインで送ることを計画。現場に出入りするトレーラーの数を大幅に減らすことで、騒音や大気汚染などの問題緩和をめざしている。

使用する化学物質については、BC州が今年1月から全業者に開示を義務付けたことを受け、専用のウェブサイトで公開し始めた。三菱商事子会社でカナダのシェールガス開発を手掛けるダイヤモンド・ガス・マネジメント・カナダの宮崎信也最高経営責任者は「カナダでは米国のような地下水の汚染などの事例は報告されていないが、エンカナと協力しながら環境負荷の低減に努めたい」と語った。

2012年3月19日

シェールガス

世界のエネルギー事情を一変させる新資源として注目を集める「シェールガス」。その開発手法を巡り、環境負荷を減らす試みが活発になってきた。カナダの天然ガス大手エンカナと三菱商事が共同で開発するカナダ西部の鉱区では、大量に使う水の再利用や使用する化学物質の情報開示などを強化。地域住民の不安を解消し、持続的な開発を目指す取組を始めた。

カナダ ブリティッシュコロンビア州ドーソンクリーク。人口1万2000人の小さな町の郊外にあるサッカーグランドほどの広さの開発現場では、大型ポンプ車8台を使った「水圧破砕」と呼ばれる井戸の仕上げ作業が佳境を迎えていた。

1本あたり16~18日かけて掘られた井戸2本の全長は垂直方向に2.5キロ、水平方向に2.9キロに達する。水圧破砕はL字型の井戸に高圧の水を送りこんで、ガスを含む頁岩(シェール)層にひびを入れ、効率よく採取する手法だ。

井戸1本でプール5杯分
全世界の天然ガスの技術的回収可能量を2倍にした「シェールガス革命」を支える中核技術だが、課題もある。井戸1本につきオリンピックプール約5杯分もの水を使用し、微量な化学物質を混入。水を運ぶために一度に数百台ものトレーラーが必要で、地下水の汚染や生活環境の悪化に対する懸念があることだ。

米国では水圧破砕や井戸の施工不良が原因とみられる地下水の汚染事例などが報告され、米政府が調査や改善策のとりまとめなどに動いている。

こうした前例を念頭に、エンカナと三菱商事は破砕で使った水や井戸の施工の管理を徹底。これまで井戸の周辺に造成した人工池にためることが多かった廃水は、大雨などによる周囲への流出の可能性がなく、野生動物などが近づけない専用タンクに全量を保管。破砕に再利用することで、水の使用量削減にもつなげている。

2012年3月18日

再生可能エネルギーに託す未来

宮城県南三陸町の戸倉漁港。屋根には出力10キロワットの太陽光パネルが光る。漁港は余った電力を売ることを検討中だ。再建中の住宅や事務所の屋根にも太陽光パネルが載り、車はエコカーへの切り替えが加速する。

福島県南相馬市でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設に向けて現地調査を進める。出力は2万キロワット。

日本は再生可能エネルギーの技術集積が進んでいる。カナダの太陽光電池最大手、カナディアン・ソーラーの最高経営責任者ショーン・クゥは被災地を含め国内での太陽電池工場の建設を検討し始めた。

再生可能エネルギーの利点は国富の流出が少ないことだ。LNG火力発電の場合、燃料購入費などコストの大半を海外に払うが、風力などはコストを国内に還流できる。

風力発電は部品まで含めた産業の裾野が自動車産業にも匹敵する。
7月には再生可能エネルギーで作る電気を電力会社が全量買い取る制度も始まる。

だが再生可能エネルギーの普及・定着は一朝一夕にはいかない。太陽光の場合、発電効率に課題がある。

2012年3月17日

津波遡上高 最高43メートル

東日本大震災で陸地を駆け上がった津波の高さ(遡上高)は最高で43.3メートルに達していたとの調査結果を東京大学地震研究所の都司嘉宣准教授が16日、明らかにした。宮城県の沖合14キロメートルにある無人島、笠貝島の写真を分析して分かった。海中に孤立した小島では津波の高さが増す傾向があるという。

松などの樹木の枝の折れ具合や草の枯れ方などから津波の遡上高を算出した。東日本大震災による津波の遡上高は従来、岩手県宮古市の姉吉地区で記録された40.4メートルが最高とされていた。「写真分析では1メートル程度の誤差が生じ得るが、姉吉地区での遡上高を上回るのは確実」という。

笠貝島の対岸に位置する女川町では、津波の遡上高は20メートル程度だった。

津波が浅瀬に近づくにつれて島の方向に向きを変え、集中したために高さが増したと見ている。

2012年3月16日

ソフトバンク 風力発電の調査会社設立

ソフトバンクが4月中に設立予定の新会社の名称は「クリーン・エナジー・アジア」ゴビ砂漠で風力発電の候補地の選定、事業化の可能性などを探る。出資比率などは今後、詰める。10日にモンゴルでの風力発電事業でニューコムグループ、韓国電力公社と連携することで基本合意しており、探査会社はその準備などを担当する。

東京都内で開いたニューコムとの調印式に出席したソフトバンク孫正義社長は「(アジア諸国の送電網を海底ケーブルでつなぐ)アジアスーパーグリッド構想の第一歩になる」と強調した。

メガソーラー

全国各地でメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業を手掛ける計画が相次ぎ具体化している。ソフトバンクと三井物産はメガソーラー事業で提携。鳥取県米子市で発電出力3万キロワット級の発電所をつくり、2013年度の稼働を目指す。近畿日本鉄道もメガソーラー事業に参入する方針を固めた。今年7月に再生可能エネルギーでつくった電気の全量買い取りが始まるのを機に、大型案件が続きそうだ。

ソフトバンクと三井物産は米子市で大型メガソーラーの事業化を検討している。総事業費は100億円前後となる見通しで、3万キロワット出力。一般家庭で約7500世帯の電力需要を賄える。

ソフトバンクはすでに京都市、群馬県、徳島県に発電出力2000~4000キロワット台のメガソーラーを単独でつくる計画を発表した。

近鉄は沿線の保有地に太陽光パネルを敷設する計画。まず三重県で13年度にも発電出力2万キロワット級の施設をつくり、需要に応じて他の地域に広げる。私鉄のメガソーラー参入は初めてとみられる。太陽光パネルは外部から購入するか賃借する予定で、曽於事業費は最大で数十億円に上る模様。

2012年3月15日

福島のバイオマス発電所

東証マザーズ上場のファーストエスコが運営する福島県白河市のバイオマス発電所が13日から、放射性物質による汚染濃度が高いがれきや樹皮ゴミの受け入れを始める。

福島県内に多く残る汚染がれきは処理先がほとんどない状態がつづいているが、行政の支援を受け、適切に処理すれば安全を確保できるとして受け入れを決めた。

バイオマス発電所の出力は1万1500キロワット。毎日380トン程度の建築廃材などを燃料に使っている。13日から、1日20~30トンの汚染がれき受け入れを始める予定だ。

高圧洗浄機などを使い1㎏あたり100ベクレル未満まで除染してから、がれきを受け入れる。焼却すると数千ベクレルの高濃度の放射性物質を含む灰が残る。灰の処理が各地で課題になっているが、福島県が処分場のあっせんなどで協力を決めたため、ファーストエスコは受け入れ可能と判断した。

いわき市や郡山市、田村市などからの受け入れを想定。発電所で焼却しても大気中に放射性物質はほとんど放出しないとしている。


福島県内のがれきは208万トンに及ぶが、まだ5%程度しか処理が進んでいない。とくに原発に近い浜通りのがれきや、製材所で丸太を材木に加工する際に出る樹皮は、汚染度が高く、これまでほとんど処理されてこなかった。

2012年3月14日

省エネハウス

JX日鉱日石エネルギーは、5月から集合住宅版の次世代省エネ型住宅「スマートハウス」の実証を始める。築40年近く経過した社宅を改修し、新タイプの家庭用燃料電池太陽電池、蓄電池を設置。家庭の使用電力の約7割を自給する。戸建住宅での実証は進むが、生活パターンの異なる家庭が集まる集合住宅での実証は珍しい。

実証は横浜市の社宅の一部で実施し、16戸を対象に家族持ちの社員を募る。「エネファーム」の名称で展開する個体酸化物型燃料電池(SOFC)4代のほか、出力計20キロワットの太陽電池、空気熱を利用する電気給湯器「エコキュート」容量30キロワットの蓄電池を設置する。

システムの投資額は1億3000万円程度の見込み。投資負担の少ない空調・電気設備を含む改修にとどめ、全体コストを抑え実用的な実証データを集める。

発電効率が45%と高いSOFCの特徴を生かし、SOFCを常に稼働する状態に保ち、全戸に常に電気を送り、送電線を通じ電力会社から買う電力を減らす。
エコキュートを組み合わせ、風呂に使うお湯などもすべて自給できるようにする。

2012年3月13日

太陽電池

パナソニックは2013年度をメドに、世界最高の発電性能を持つ太陽電池を発売する。太陽光を電気に変える効率を現状より2ポイント以上高め、ライバルを上回る24%台に引き上げる。付加価値の高い製品の生産に力を注ぎ、日本を中心とする住宅向けなどに拡販する。12年度に国内シェア首位を奪取し、15年度の売上高を約3千億円と11年度見込みの2倍強に増やす計画だ。

現在、太陽電池の中核部材「セル(発電素子)」の変換効率は米サンパワーの22%台が最高とされる。パナソニックはそれに続く21.6%。両社は世界の太陽電池の技術開発でしのぎを削る。

変換効率が高まれば、狭い面積でもより多くの電力を生み出せる。パナソニックは今後、独自構造の太陽電池「HIT」を改良し、まず12年度末に変換効率が約22%の製品を投入する計画だ。マレーシアの新工場で生産する。

2012年3月12日

海洋再生可能エネルギーの実験場

東京大学や三井造船など産学で構成する海洋エネルギー資源利用促進機構は政府や自治体と連携して波力、潮流など海洋再生可能エネルギーの実証実験場を整備する。欧州の研究機関の協力も得て早ければ2年後に2か所に設ける。通信や電力の海底ケーブルを施設、プラグをつなぐだけで実験できるようにする。岩手、青森など6県程度の海域が候補に挙がっている。

推進機構は9日、世界最大の実証実験場を運営する欧州海洋エネルギーセンターと協力の覚書を結んだ。

岩手県、青森県、新潟県、佐賀県、長崎県、沖縄県の少なくても6県が実験場の誘致に関心を示している。推進機構の構想では波力発電と潮流発電の2か所で開始。1ッ箇所あたり10億~40億円を見込む。

欧州海洋エネルギーセンターは2004年からスコットランド海域で波力と潮流n10のプロジェクトを実施している。

2012年3月11日

風力・太陽光相次ぎ増産

小型の発電装置を製造するベンチャー企業が東日本大震災を受け、非常用電源の増産や新製品の投入に相次ぎ乗り出す。ネクストエナジー・アンド・リソースは太陽光発電による独立電源システムの供給を5倍近くに拡大。ループウイングも小型風力発電機の月産台数を倍増する。被災地などでのライフラインとしての需要を見込む。

ネクストエナジー・アンド・リソースは、太陽電池の電気だけで照明や音響設備などを動かせる独立電源システムの供給を大地震前の5倍近くに増やしている。

太陽光発電パネルに鉛蓄電池と周辺機器を組み合わせてセット販売する。

ループウイングは現在製造委託先の韓国の工場などで、出力500ワットの蓄電池付き小型風力発電装置を月約40台生産している。震災後、被災地の工場などから夜間の照明用電源などとしたいとの申し込みが急増しているため、月産100台程度に引き上げる。

2012年3月10日

メタンハイドレート

将来の天然ガス資源と期待される「メタンハイドレート」を海底から採掘するための予備試験が愛知県渥美半島沖で進んでいる。日本近海の埋蔵量は豊富で、国内の天然ガス需要の10年分以上を賄えるとの試算がある。なぜ近海に大量に眠っているのか。また、日本はこれを活用して資源国になれるのか。

メタンハイドレートは都市ガスの原料になるメタンがカゴ状の水分子に包まれてできている。見た目はシャーベットに似ているが、容易に火がつき、燃える氷とも呼ばれる。

独立行政法人・石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の推定では、和歌山―静岡県沖の海底にとりわけ濃度の高い場所があり、資源量は推定5700億立方メートル。ここだけで国内の天然ガス消費量の7年分を賄える計算だ。

なぜこの海域に豊富なのか。メタンハイドレートの基になるメタンがどのように生まれたかは実はよく分かっていない。

①動植物の遺骸などの有機物をメタン生成菌と呼ばれる微生物が分解した。
②地中深くの熱で有機物が化学反応した。
との2説があり、場所によっても違うとみられる。

四国―東海沖に眠る資源では、微生物が有力になってきた。この海域は海底の巨大な岩板がぶつかって沈み込み、有機物がたまりやすい「貯蔵庫」ともいえる。そこで微生物が長年かけてメタンをつくり、水とくっついて安定的に蓄えられてきたらしい。

海底の微生物を生きたまま採るのは難しいが、同機構のチームはメタン生成菌に特有の有機物を見つけ、菌の痕跡を突き止めた。同機構の佐伯龍男メタンハイドレート開発課長は「海底の地下にすむ微生物は謎に包まれており、科学の研究テーマとしても注目されている」と話す。

一方、メタンハイドレートの資源としての実力はどうか。経済産業省などは、輸入天然ガス価格の数倍以内で商業生産するのは可能とみている。それには海底まで多くの井戸を掘り、地下の圧力を下げてメタンだけ採る技術がカギを握るが、低コストで採掘できるかはまだ手探りだ。

同機構はエンジニアリング会社などの協力を得て、来年1月にも世界で初めてとなる海底から産出実験挑み、2018年度までに商業生産の可能性や経済性を探る。安全で環境への影響が少ない採掘法の開発といった課題もあり、本格利用は早くても10~20年先になりそうだ。

2012年3月 9日

新バイオ燃料

第2世代バイオエタノールブドウ糖と同じ組成を持つセルロース系原料から生産でき、ユーカリやポプラなどの木材や稲ワラ、ムギワラなどを使う。米エネルギー省も開発を支援するなど、各国で開発が加速している。

エタノールへの変換効率が低いため、安く生産できないことが課題だった。だが最近は発酵に必要な酵素の研究などが進んでいる。原料はサトウキビなどに比べると気候を選ばずに育つため、エタノールの生産拠点も世界各地に設けやすい。

伊藤忠商事は原料に食用植物を使わない第2世代のバイオエタノールの事業化に乗り出す。製造技術を持つ米ベンチャーと提携し、米国以外で製販事業を展開する。バイオエタノールは需要が拡大しているが、現在はトウモロコシなど食用植物を原料としており穀物価格高騰の一因となっている。伊藤忠は第2世代燃料の需要拡大が期待できるとみて、10年後に約1千億円の売り上げ高を目指す。

2012年3月 8日

風力発電

国内風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングズは2016年までに、国内の風力発電能力を現状比7割増の90万キロワット前後に引き上げる。補助金打ち切りなので10年秋以降新規着工を手控えてきたが、7月に開始される再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入でプロジェクトの採算が改善すると判断した。

国内2位のJパワーや4位のコスモ石油グループも新規開発に乗り出している。

買い取り制度を機に低迷してきた国内風力の建設が増加に転じそうだ。

ユーラスは豊田通商と東京電力が共同出資する風力発電会社。現在国内に保有する風力発電設備は約53万キロワットで、海外では欧州や米国、韓国などの風力発電所にも出資している。このほど16年までに全世界での風力発電能力を75万キロワット程度上澄みする方針を固めた。

全量買い取り制度では、風力などの再生可能エネルギーによる電気の全量を原則、電力会社が固定価格で買い取る。

国内風力は10年度までに初期投資の」3分の1を助成する補助金が打ち切られた。11年度に新規稼働する風力発電の能力は10年度比7割減の約8万キロワットに落ち込む見通し。

3割

2012年3月 7日

地熱開発余地大きく

住友商事がインドネシアで地熱発電事業に乗り出すのは、地熱が世界的に有望な電源とみられているからだ。日照量や天候に左右される太陽光や風力発電と違い、熱エネルギーの変化が少ないことから年間を通じ、安定的に設備を稼働できる。

地熱発電は地中にあるマグマの膨大な熱エネルギーを使い、蒸気でタービンを回して電気を生み出す。地熱資源が豊富なのは、マグマだまりが地下に多く存在する地域。産業技術総研によると、首位の米国やインドネシアなど主要8ヵ国で合計1億598万キロワットの資源量がある。

日本も2347万キロワットと、第3位の資源量がある「地熱大国」だが、自然公園内にある場合が多く、規制の制約などで開発が進んでいない。温泉地では湯量や温度への影響を懸念し、反対する声もある。このため、発電設備容量でみると全国で約54万キロワットにとどまり、開発余地は大きい。

地熱発電プラントは東芝と三菱重工業、富士電機の3社だけで世界市場の約7割のシェアを持ち、日本が得意とする分野。国内では7月から再生可能エネルギーで作った電気を割高な価格で買い取り、普及を促す制度が始まる。地熱発電でつくった電気も買い取り対象に入っており、地熱発電所建設を後押しする効果が期待されている。

2012年3月 6日

地熱発電

日本企業が地熱資源の調査段階から事業に参画するのは初めて。ムアララボでは13年に、ラジャバサでは14年にそれぞれ着工。2発電所とも16年の稼働開始を目指す。

インドネシアの国営電力会社と30年間の長期売電契約を結び、現地の安定供給につなげる。

出力は各22万キロワットと、日本最大の地熱発電所の2倍以上の能力になる見込み。

地熱発電は環境負荷が小さい再生可能エネルギーの代表格として、環太平洋などの火山国を中心に注目度が高まっている。

住商は海外発電事業を重点分野に位置付けており、発電能力は合計約600万キロワット。しかし、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電規模は60万キロワットにとどまり、残りは天然ガスや石炭が中心。

2012年3月 5日

大規模地熱発電

住友商事はインドネシアで大規模な地熱発電事業に乗り出す。仏エネルギー大手のGDFスエズなどと、スマトラ島2か所に大型発電所を建設する。2016年にも稼働後、30年間にわたり運営・保守を手掛ける。総事業費は約15億ドル。地熱資源が豊富なインドネシアでは今後も地熱発電の需要が見込まれ、住商は内外で再生可能エネルギーによる発電事業を拡大する。

スエズ、インドネシアのエネルギー大手スプリーム・エナジーと組み、スマトラ島中部のムアララボ、同島南部ラジャバサの2鉱区に地熱発電所を建設する。3社で運営会社を設立し、住商、スエズの傘下会社が35%ずつ出資する。鉱区の調査から発電所建設、稼働後の発電所運営・保守まで一貫して手掛ける。

2012年3月 4日

ポスト京都議定書 延長反対

温暖化ガスの排出枠価格が下落している。国際排出量取引市場で現在の価格は1トンあたり5~6ユーロ(515~618円)程度。09年~今年前半の10ユーロ(約1030円)超を大きく下回る。最大市場の欧州で債務危機の影響によって銀行が取引を手掛ける余裕を失い、相場下落に拍車をかけたとみられる。

原稿の京都議定書は日欧など先進国に排出削減義務を課すが、中国など新興・途上国に義務はなく米国も批准していない。中国などは議定書延長を主張、日本やロシア、カナダは反対している。

欧州連合EUには議定書がこのまま12年末の期限を迎えれば、排出枠の「価値」がさらに下がるとの懸念がある。アフリカなどの途上国と歴史的に関係が深いこともあり、議定書の延長は容認の方針。途上国や米国も含む新しい枠組みをつくる時期などを今回の会議で決めるのが条件としており、交渉の行方は「EUの動きが最大の焦点」となる。

2012年3月 3日

ポスト京都

第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が28日、南アフリカのダーバンで開幕した。2013年以降の温暖化対策の国際枠組み「ポスト京都議定書」が焦点だが、利害調整は難航し合意の見通しは立っていない。米欧の財政危機や東日本大震災も交渉に影を落としている。

2012年3月 2日

蛍光灯の光で発電可能

大日本印刷は室内の蛍光灯の光で電力を作り出せる太陽電池を4月に発売する。「色素増感型」と呼ばれるタイプで、電子機器の電源への利用を想定。電池交換の手間が省けるようになる。太陽光発電の活用法が広がる可能性がる。

色素増感型の太陽電池は植物の光合成の仕組みを応用する。植物の葉と同様に色素が光を吸収すると電子を放出する仕組みを使う。色素を吸着させた酸化チタンや電解質などで構成する。

光のエネルギーを電力に変える変換効率は一般的な太陽電池では15%程度だが、色素増感型は家庭やオフィスの蛍光灯の明るさでも約10%を実現した。

同型の太陽電池は複数社が開発しているが、酸化チタンや電解質を基板となるガラスで鋏込む構造を採用している場合が多い。大日本印刷はガラスの代わりに透明フィルムなどを使い軽量化した。

2012年3月 1日

環境車向け磁石レアアース半減

大同特殊鋼、三菱商事は米資源会社モリコープと組み、エコカーなどに使われる高性能磁石「ネオジム磁石」の合弁生産に乗り出す。中国産を含むレアアース(希土類)の使用量を半減できる新技術を導入。100億円で岐阜県に新工場を建設し2013年に量産を始める。経済産業省も補助金などで支援する予定で、官民を挙げてレアアースの輸出制限を強める中国からの依存脱却を進める。

ネオジム磁石は現在最も強力な永久磁石で、電気自動車(EV)やハイブリッド車(EV)などエコカーのモーターに不可欠な部材。ネオジムとジスプロシウムなどから生産する。エコカーの世界出荷は15年に546万台と10年の6倍になるとされ、同磁石の需要も大幅に伸びる見通し。部材の新技術の集積が進むことで、エコカー分野で日本の競争力の底上げにつながりそうだ。

大同などが量産する新型ネオジ磁石は、ほぼ全量を中国からの輸入に頼るジスプロシウムの使用量を大幅に減らせる。すでに独自動車大手が13年発売予定の新型EV用モーターに採用を決定。国内自動車大手も新型磁石の評価に入った。