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2012年2月29日

新型資源その1

技術革新や資源価格の高騰により商業生産が可能になった新しいエネルギー資源獲得への取り組みが加速している。三菱商事は北米最大級のシェールガス鉱区の権益を取得、石油資源開発はカナダで重質油を含む砂の層であるオイルサンドの開発を拡大する。東京ガスや関西電力は石炭層にたまる天然ガスのコールベッドメタン(CBM)を使って生産する液化天然ガス(LNG)を調達する。石油や天然ガスの調達先を多様化し、調達価格の引き下げにつながるとの期待がある。

2012年2月28日

太陽電池関連、収益が悪化

太陽電池関連各社の収益悪化が広がっている。欧州各国での補助金削減や中国メーカーの安値攻勢などが響き、今期はパネルのほか部材や製造装置メーカーの関連部門の収益が相次ぎ悪化する見通しだ。ただ太陽電池の世界需要自体は回復傾向にあり、各社とも低コスト化による業績改善への取り組みを急ぐ。

パネルメーカーは赤字が相次ぐ。シャープは販売数量が想定を下回り、2012年3月期の太陽電池事業の営業損益が240億円の赤字(前期は21億円の黒字)を見込む。昭和シェル石油は11年12月期に太陽電池などを手掛ける部門が288億円の赤字だった。12年12月期は「大幅な改善するが、年間を通じて赤字」の見通しだ。

パネルでは需要増を見込んだ中国勢が足元で生産能力を増やした一方、緊縮財政を進める欧州各国の補助金減少が響き在庫が増加。販売価格が大きく下落し、採算悪化につながっている。

2012年2月27日

太陽セメント 太陽光発電に参入

コンクリート製品を製造販売する太陽セメント工業は太陽光発電事業に参入する。7月に再生可能エネルギーの全量買い取り制度が導入されるのをにらみ、兵庫県内で出力約3500キロワットの大規模太陽光発電所を9月にも本格稼働する。参入に向けて開発したパネル設置用ブロックは外販する。

メガソーラーは兵庫県加東市と加西市にまたがる自社遊休地約4万平方メートルに約13億円を投じて建設する。敷地内で第1発電所(出力約2000キロワット)を7月に、9月には第2発電所(同約1500キロワット)を稼働する。発電した電力はすべて関西電力に発電する予定だ。

太陽光パネル
向け専用コンクリートブロックも開発した。長さ30センチ、幅と高さは20センチのブロックで、土地の形状に合わせて積み重ねる。0.5度刻みでパネルの角度を調整することが可能で、これまで鉄骨で角度を調整していた工程を削減。架台工事費を従来に比べ、3割削減した。

今回、建設したメガソーラーをモデルプラントとして、太陽光発電事業への新規参入や建設コスト低減を目指す企業に専用ブロックを売り込む。自社のメガソーラー事業拡大も検討する。

2012年2月26日

再生可能エネルギー

全国の自治体が再生可能エネルギーの導入に向けた事業を本格化する。2012年度予算案で47都道府県が関連費用を合計519億円計上した。海水や地熱、長い日照時間など地域の特性を生かして事業化や技術開発に取り組む。手近な資源を活用するエネルギーの「地産地消」で電力の確保を目指す。

神奈川県は8億6600万円を計上し、愛川町に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。発電能力は2000キロワットで県が自ら運営する。13年夏にも稼働する。

新潟県は昨年秋に開設したメガソーラーに来年度4億円を投じて発電設備を増設する。7月にも最大出力2000キロワットに倍増させる。

地域の特性を生かしたエネルギー開発も相次ぐ。沖縄県では海に囲まれた点を生かし、海面付近の温かい水と深層の冷たい水の温度差でタービンを回す発電方式などが候補だ。年内にも久米島で着工する。

再生可能エネルギーの弱点である発電の不安定さを補うため、蓄電技術の開発も進む。

2012年2月25日

メキシコで風力発電

三菱商事は24日、メキシコの風力発電事業に参画すると発表した。オーストラリアの銀行系ファンドなどから事業持分の約34%を取得した。発電能力は40万キロワット弱と中南米で最大規模。総事業費は800億円で、2013年7月に稼働させる。三菱商事はインフラや新エネルギー分野を戦略事業に位置付け、今後も世界で展開する。

三菱商事が参画するのは、メキシコ南部のオアハカ州で3月に建設が始まる「マレーニャ・レノバブレ風力発電プロジェクト」豪銀のマッコーリーグループと、メキシコの飲料最大手のFEMSAから計34%分を取得した。三菱商事の投資額は約80億円。総事業費の7割はプロジェクトファイナンスで賄う。

風力発電132基を数十キロメートルにわたり設置する。同地域はメキシコ湾から太平洋に吹き抜ける風の通り道で、発電効率が高い。完成後、電力はFEMSAとビール大手のハイネケンの現地工場に20年供給する。メキシコでは25年までに発電能力を今の1.5倍の9千万キロワットに引き上げ、うち2千万キロワットを新エネルギーで賄う計画。三菱商事は今後も世界各地で風力発電事業を展開する。

2012年2月24日

太陽光発電と蓄電池連携

パナソニックは23日、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池を連携させる住宅用のシステムを開発したと発表した。3月21日に受注を始める。太陽電池で発電した電力をためることができ、停電時には照明、冷蔵庫など最低限必要な設備を2日間ほど維持できる。計画停電など電力不足に備えた需要は大きいとみており、2012年度に1500セットの販売を目指す。

「住宅用創蓄連携システム」は容量が4.65キロワット時のリチウムイオン蓄電池と、太陽電池と蓄電池の電力を制御する装置で構成する。太陽電池と蓄電池を連携する住宅向けシステムは珍しいという。昼間発電した電力を蓄電池にためておき、夜間に使えるようになる。

太陽光の発電量が多い場合には家電を動かすと同時に充電できるため電力の利用効率が向上。電力会社からの電力供給が途絶えた際に分散電源としての実用性も高まる。

2012年2月23日

東北に太陽光パネル工場

カナダの太陽電池最大手カナディアン・ソーラーは福島県や宮城県での工場建設に向け、複数の地元自治体と立地交渉に入った。条件が合えば年内にも着工し、2013年春以降に稼働する。再生可能エネルギーの全量買い取り制度をにらんだ動きで、生産能力が年15万キロワットの太陽光発電パネル工場を造る計画。メガソーラー(大規模太陽光発電所)建設計画が相次ぐ東北に外資が拠点を設けることで、競争が激化しそうだ。

東日本大震災の被災地の設けられる特区では、規制緩和などで進出企業を支援する。昭和シェル石油子会社も宮城県で太陽電池工場の建設を検討しており、再生可能エネルギー分野の産業集積が進む可能性がある。

カナディアンは12年の出荷計画ペースで世界3~4位の大手。新工場は中国工場などから搬入したセル(発電素子)を、太陽光発電パネルに組み立てる。投資額は数十億円規模創出も期待される。

今年7月に再生可能エネルギーの全量買い取り制度がはずまるため、海外大手は日本を有力市場と位置づけている。東北での生産コストは中国の工場を1~2割上回るとみられる。ただカナディアンは復興特区の活用と納期短縮などを勘案、工場を置くメリットがおおきいと判断している。

2012年2月22日

太陽光発電 技術開発国が支援

電力の安定供給やコスト抑制に向け、経済産業省は官民で新技術の開発を急ぐ方針だ。再生可能エネルギーや化石燃料の効率利用、省エネ素材の分野を中心に、産業構造審議会が企業向け支援策を検討。2050年までの工程表に沿って、浮体式の洋上風力発電や軽量素材などに必要な技術の開発に取り組んでいく。福島第1原子力発電所の事故などに伴う電力不足への対応に加え、新エネ・省エネの技術開発で中長期的に国内の産業空洞化を防ぐ狙いもある。

審議会の議論に沿って経産省が支援を検討している分野の1つが再生可能エネルギーの推進だ。より幅広い波長の太陽光を吸収することで中長期的に発電効率を現在の約3倍に引き上げる。太陽光発電システム、軽量プロペラや浮体式構造を使う洋上での風力発電などが支援対象となる見込みだ。高性能の製品開発を企業に促すことで新技術の普及を加速し、電力供給全体に占める再生可能エネルギー比率の向上につなげる。

2012年2月21日

温暖化対策取引1万社

パナソニックが原材料や部品の調達先1万社超と温暖化ガスの削減に取り組む。4月から全取引先に排出量の把握を求め、排出の少ない生産手段や製品の開発を促す。企業活動のあらゆる領域を対象とする温暖化ガス算定の国際基準「スコープ3」に沿った取り組みで、新基準が世界規模で広がるとみていち早く導入する。取引先とともに削減余地を洗い出し、製品競争力の向上につなげる。

スコープ3は世界の有力企業で構成する団体などが定めた新しい基準で、昨年10月に確定版が公表された。自社の生産活動だけでなく、原材料の調達先や生産の外部委託先から出るガスも算定の対象とする。

対応は企業の自主的な判断にまかされ、排出量の削減義務や拘束力はない。しかし、海外では米小売り大手のウォルマート・ストアーズや日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブルなどが、対応できる企業に限り取引するなど調達先選別の尺度とする方針を打ち出している。

2012年2月20日

昨年の太陽電池国内出荷 初の100万キロワット超え

太陽光発電協会は15日、2011年の太陽電池の国内出荷量が前年比30%増の約129万キロワットとなり、通年実績として初めて100万キロワットを超えたと発表した。東日本大震災後、電力供給への不安が高まり、住宅用を中心に非常用電源としての引き合いが増えた。輸出は同1%増の約146万キロワットと、欧州市場の冷え込みが響き鈍化した。

国内出荷量のうち住宅用は前年比37%増の約110万キロワット。09年に復活した補助金制度の寄付が続いたほか、震災後の電力不足で不測の停電時に使用する電源として購入する家庭が増えた。10年度までに補助金が事実上打ち切られた非住宅用は同3%増の約19万キロワットにとどまった。

輸入品は同2倍の約26万キロワットと大幅に伸びた。
割安な中国メーカー製品の流入が加速している。

輸出は世界需要の7~8割を占める欧州向けが同15%減少した。歴史的な円高に加え主要国が太陽光発電導入支援策を相次ぎ縮小したため。米国や新興国向けが伸び、全体としてプラスを維持したが伸び率は大幅に縮小した。国内太陽電池メーカーの多くは海外事業が赤字で、日本市場への依存度が高まっている。

国内では今年7月から発電事業用の太陽光発電が生み出した電気を、割高な固定価格で買い取る全量買い取り制度が始まる。メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けが大幅に伸びる見通しで、輸入品との競争がさらに激しくなりそうだ。

2012年2月19日

太陽光に欧州製電池

太陽電池を製造、販売するクリーンベンチャー21(CV21)strong>は4月から、スペインのイソフォトン製太陽電池を組み込んだ太陽光発電システムを発売する。ユーロ安を活用、国内大手より2割程度安いシステムを販売する。

太陽電池
の先進地域である欧州製であることを訴求し、割安感を特長とする中国製品に対抗する。
CV21は直径1ミリメートルほどの小さな球状の太陽電池を反射板に載せ、高効率で発電する。パネルを製造している。4月から自社製と割安なイソフォトン製を組み合わせた太陽光発電システムを発売することで、販売価格を引き下げる。

地域の工務店などに働き掛けて、住宅向けでの利用を目指す。販売力を強化するため、3月に横浜市内に営業所を設けるほか、2012年度中には福岡や仙台など国内4か所に営業所を設ける計画だ。

欧州は日本より太陽電池が普及しており、国内メーカーも多く欧州向けに輸出している。しかしユーロ安の進行と、太陽光発電の導入支援策の縮小で、11年の欧州向け輸出は前年比15%減少した。一方、独Qセルズなど日本での販売拡大に乗り出す欧州メーカーも増えている。1982年創業のイソフォトンも欧州景気の低迷で落ち込んでいる域内需要を、日本市場への進出で補う狙いがある。

温暖化ガス削減へ 米が5カ国と連携

クリントン米国務長官は16日、メタンなど地球温暖化につながる物質の排出削減に向け、カナダやメキシコなど5カ国と連携すると発表した。連携を通じた排出削減の取り組みに1500万ドル(約12億円)を投じ、2050年までに地球の気温上昇を最大0.5度抑えられると期待している。長官は、国連の気候変動に関する取組を置き換えるものではないと説明している。

連携にはスゥエーデン、バングラディシュ、ガーナーも参加。国連環境計画(UNEP)も協力。
排出削減を目指すのは、大気中で存在する時間が比較的短いメタンや黒色炭素(すす)などで、地球温暖化の約3分の1の原因になっているという。
各国が自国で政策対応するほか、途上国支援も実施していくとしている。

2012年2月18日

中小水力発電普及を後押し

政府は都道府県など計26自治体が独自に運営している中小の水力発電について、東京電力など地域独占の電力会社に限定している販売先を特定規模電気事業(PPS)にまで広げる方針を決めた。PPSを通じて企業が自治体の電力を購入できるようにする。売却の際の入札の義務化も検討する。水力発電の設置規制も緩和し、自治体の電力供給力の強化も同時に進める。

自治体が運営する中小の水力発電は現在、東電など地域独占の電力会社のみに電気を卸売りしている。この規制を緩め、契約電力が50キロワット以上の企業や病院に電気を小売りしているPPSに販売することも認める。

契約の透明性を高めるため現在の随意契約を改め、競争入札を導入する。総務省の通達などにより、入札方式でPPSが公営電気を購入できる仕組みをつくる。

公営水力発電の総発電量は2011年4月現在で240万キロワット。国内水力発電の約1割を占める。企業でも再生可能エネルギーによる「クリーンな電気」への需要が高まっており、公営水力の売却先をPPSに拡大することで環境志向の強い消費者のニーズに応える。PPS側は例えば「長野の再エネ電気」という料金メニューの多様化で市場を拡大できるメリットがある。

今夏の電力不足をにらみ、政府は自治体の電力供給力を強化するため、中小水力発電所を設置する際の規制も年度内に緩和する。中小水力発電のほとんどは自治体が運営しており、水利権の許認可を簡素化し、環境アセスメントを不要とする。

また、河川や農業用水に水車を設置して発電する小水力発電には全国15地域をモデル地域に選定した実証実験に乗り出す。12年度予算案に7億円を計上し、効率的に発電できる発電設備を開発し、自治体の水力発電普及を後押しする。

公営の水力発電については14日に開かれた経済産業省総合資源エネルギー調査会でもPPS側が「買える電力が不足しており、自治体の電力も一般競争入札を徹底してほしい」と要望していた。

2012年2月17日

原発賠償、和解わずか5件

政府の原子力損害賠償紛争解決センターは16日、東京電力福島第1原発事故の損害賠償で、和解仲介の申し出があった948件中、和解の成立が5件にとどまることを明らかにした。2011年8月の発足時、3ケ月での和解成立を目指したが、仲介の大幅な遅れが鮮明となった。センターは人員を増強して手続きの迅速化を図る考え。

センターが和解仲介の実績を公表するのは初めて。センターによると、和解の仲介を申し立てているのは事故で自宅からの避難を強いられた福島県民ら。損害の内容は避難費用や、精神的損害、運営店舗などの営業への損害が中心という。

センターは仲介の遅れについて、「損害を証明する証拠の再確認などに時間を要した」と説明。弁護士など専門家を介さない住民本人の申請が約8割に上ることも要因の一つに挙げた。

また東電側が損害賠償額の目安を示す政府の指針を超えた請求について「和解交渉に消極的」と批判した。

2012年2月16日

下水汚泥を発電燃料に

豊田通商と日本臓器製薬などは、国内で下水汚泥を発電燃料として再資源化する事業を始める。鳥取県内に炭化処理プラントを建設し、2013年3月に稼働。下水汚泥を炭化処理し石炭の代替え燃料として電力会社などに売り込む。将来はプラントの全国展開を狙う。

炭化処理プラントの運営は産業廃棄物の三光の子会社のウェストバイオマスが手掛ける。現在、境港市に建設中で、来年3月に稼働予定。投資額は約19億円で国や自治体の補助金なども活用する。下水汚泥の処理能力は1日約140トンで、炭化処理で約10トンの発電用燃料ができる。

2月末に豊田通商と日本臓器製薬がウェスト社の第三者割当増資を引き受け、それぞれ約2割を出資する。ウェスト社は初年度に約4億円の売り上げを目指す。

下水汚泥を炭化し、発電燃料にする取組は東京都や愛知県などで始まっている。ただ、これまで自治体主導で事業を立ち上げるケースが大半で、採算面から民間の参入は遅れていた。7月から始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度により処理した下水汚泥はバイオマス燃料として買い取り対象となる。

2012年2月15日

小型発電装置に商機

電力不足で需要
重電各社が相次ぎ小型発電システムを強化する。東芝と三菱電機は小さな河川や用水路でも設置できる水力発電装置を開発。シンフォニアテクノロジーは太陽光風力水力と組み合わせた小規模の発電システムを2012年春に発売する。節電意識の高まりや再生可能エネルギーの全量買い取り制度導入をとらえ、小型自家発電の潜在需要を掘り起こす。

東芝が開発した小型水力発電装置は最大出力が1キロワット。水深1メートル以上で上流と下流の落差が0.3~1.5メートルあれば発電できる。1基60万円前後。

三菱電機は最大出力9.9キロワットの小型水力発電装置を開発。重量は43キログラム。

シンフォニアは複合型の自然エネルギー発電システムを発売する。総出力が20キロワット程度。価格は1台4000万円程度。

日立ハイテクノロジーも太陽光発電で浄水装置を動かし、電力を蓄電池にためる小型システムの販売をインドネシア離島地域を中心に始めた。