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2011年7月27日

京都議定書

温暖化ガス削減の2020年までの国・地域別中期目標

 

日本 25%削減(1990年比)
欧州連合 20~30%削減(1990年比)
米国 17%削減(2005年比)
中国 GDP単位あたり40~45%削減(2005年比)
ロシア 15~25%削減(1990年比)

2011年7月26日

メタンハイドレート

政府は2012年度末にメタンハイドレートと呼ばれる海底資源から天然ガスを産出する実験に乗り出す。今年度に掘削に着手し、12年度待つに数週間かけて実施する。海底から産出に成功すれば世界初となる。東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて天然ガスなどの安定確保の必要性が高まっており、政府は18年度までに産出技術の確立を目指す。

産出試験は和歌山県沖から静岡県沖にかけての「東部南海トラフ海域」で行う予定だ。最終的には専門家の意見を踏まえ、8月上旬をメドに決定する。経済産業省は12年度予算案の概算要求で、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)への委託費として100億円超の計上を検討している。

メタンハイドレートは水分子とメタン分子が低温高圧の環境で固体になったもので「燃える氷」と呼ばれる。メタン抽出して天然ガスとして利用できる。

経産省は03年度から06年度に実施した掘削調査で「東部南海トラフ海域」に日本の天然ガス消費量の13年分の資源量があることを確認した。日本近海だけで100年分存在しているとの試算もあるが「採取できても埋蔵量の2、3割とみている。

政府は地層内の圧力を下げる方法によってメタンハイドレートを分解する技術の開発を進めている。08年にカナダで陸上での産出には成功しており、海底から産出できれば世界初となる。産出に成功しても、ガスを陸上に運搬できるかなどの課題は残る。政府は18年度までに技術を確立し、20年代の早い時期の商業化を目標をしている。

2011年7月14日

京都議定書

日本政府は、欧州連合が提案する京都議定書の延長を柱とした2階建て案には強く反対している。温暖化ガスの大量排出国である米国と中国が削減の義務を負わないからだ。議定書の延長をいったん認めると、将来的に米中が参加した新たな国際枠組みをつくるのが難しくなることも懸念している。

7月3日~4日に開いた第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた非公式閣僚会合で、環境省の政務官は「京都議定書の延長は受け入れられない」と強調した。東日本大震災で原子力発電所の再稼動が難しく、日本だけが厳しい温暖化ガス削減を求められる議定書の延長は賛成できない状況だ。日本は年末のCOP17でも議定書延長の反対を続ける構え。COP17の交渉で日本が孤立する可能性もある。

2011年7月13日

温暖化ガス 25%削減 その2

日本企業は温暖化ガスの排出削減に努めてきたが、電力不足のあおりで重油などを使う自家発電を増やさざるを得ず、短期的に排出量が増える可能性もある。経済界は「京都議定書が単純延長になれば中国などに比べコスト増え、国際競争の面で一段と不利になる」と懸念する。

日本の「正論」も、国際社会では迫力を欠く。原発の新増設に依存する日本の温暖化対策は根底から揺らいでおり、国際社会の議論をリードするのは難しいためだ。

2011年7月12日

温暖化ガス 25%削減 その1

原子力発電に大きく依存した温暖化ガスの排出削減計画が大震災と原発事故で崩れ、日本は国際社会で説得力のある主張を展開しづらい状況にある。原発事故の対応や目先の電力不足対策などに追われ、政府は温暖化対策の立て直しまで手が回っていない。

ポスト京都議定書への明確な戦略を描ききれないまま、日本は従来の主張を繰り返している。1つは先進国だけが削減義務を負う京都議定書の単純延長への反対。2つ目は米国や中国など京都議定書不参加の主要排出国に参加を義務つける枠組み作りだ。

2011年7月11日

京都議定書延長を巡る主な立場

立場 主張
日本、ロシアなど 反対 米国や新興国などを含む新たな枠組みが必要
EU、オーストラリアなど 条件付き賛成 新興国や米国の参加を条件に受け入れ
米国 明確にせず (離脱しているため議論に加わらず)
新興国・途上国

賛成

先進国がまず義務を負うべきだ

2011年7月10日

ポスト京都議定書 排出量取引にも影響

目標達成の過不足を調整しながら温暖化ガスの削減を促す仕組みとして、京都議定書に盛り込まれた排出量取引にも影響が及びそうだ。小島嶼国連合などは「削減義務のない先進国は排出量取引市場に参加すべきない」とけん制し始めた。

日本も含め13年以降の削減目標の受け入れを拒む場合、企業などが得た排出枠の権利を行使できなくなる事態も予想される。一方で脱原発を映して温暖化ガスの排出が多い火力発電の割合が高まれば、先進国を中心に排出枠の需要が一時的に膨らむとの見方もある。

2011年7月 9日

ポスト京都議定書 米国

京都議定書を離脱している米国は沈黙を保つ。京都議定書を延長しても自国への影響は小さいからだ。ポスト京都議定書に向け最大の焦点であり続けた「米中の参加」は実現のメドが立っていない。

13年以降の空白期間を避けるには、今年11~12月に南アメリカで開かれる第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が最後のヤマ場とされる。交渉が滞ればCOP17で法的な合意を断念し、先進国に京都議定書を引き続き適用。途上国や米国は自主目標という「2本だて」の対応で決着する可能性がある。

2011年7月 8日

アルバック 茅ケ崎に充電設備

アルバックと茅ケ崎市は電動アシスト自転車用に、再生可能エネルギーを利用した充電システムを市内に設置、運用を始めた。風力太陽光で発電した電気をリチウムイオン電池に蓄える。1システムで1日10台の自転車の充電ができる。市の関係者による試験利用を経て、年内をメドに一般市民に開放する考えだ。

電動アシスト自転車はモーターを使いペダルを踏む力を軽減できる。バッテリーを搭載、通常は専用機で充電する。

鶴領西コミュニティセンターと茅ケ崎公園の2ヶ所に充電システムを置いた。公園のシステムは7月10日に稼動予定。コミュニティセンターのシステムはすでに稼動している。今後は観光客の多い海岸線にもシステムを設置する予定。

2011年7月 7日

ポスト京都議定書

京都議定書で削減を義務付けられていない新興国・途上国は、京都議定書の単純延長の主張を強めている。ブラジル代表は部会で「先進国は京都議定書に基く次の約束を明確に示すべきだ」と討え、途上国は一丸となって先進国に譲歩を迫る。温暖化ガスの排出を急増してきた中国は省エネなどの技術や投資に貪欲な半面、成長を制約するような規制には常に後ろ向きだ。

2011年7月 6日

木くずなど燃料

伊藤忠商事は米国に大型のバイオマス(生物資源)発電所を建設する。出力10万キロワットと小型の石炭火力発電所並の発電能力を計画し、木くずや間伐材を燃料とする発電所では米国最大となる。総事業費は約400億円で、2013年から供給を始める。伊藤忠は再生可能エネルギーの世界的な普及拡大を見込み、バイオマス発電の運営ノウハウ蓄積を急ぐ。

発電所はフロリダ州北部ゲインズビル市に建設する。伊藤忠は現地の建設大手などと設立する合弁会社に約50億円を出資して4割強の株式を取得、筆頭株主となって事業を主導する。

ゲインズビル市営の電力会社と30年間の契約を結び、7万世帯に電力を供給する。フロリダ州ではハリケーン被害などによる多くの廃材が焼却処分されており、バイオマス発電で木材資源の有効活用にもつなげる。

国内では東日本大地震で発生した大量の木質がれきを燃料に使う発電所構想が浮上。大型発電所を効率運営するノウハウは日本でも生かせると伊藤忠は判断している。

2011年7月 5日

秋田に風力発電計画

首都圏の4つの生活クラブ生協が共同で、秋田県に風力発電を設ける。事業主体となる「グリーンファンド秋田」に4生協が合計2000万円出資し、事業の運営に参画する。2012年4月に稼動を始める予定。各生協は風力発電で発電した分の電力について「グリーン電力証書」を購入する形でエネルギーの自給を進める。

東京、千葉、埼玉、神奈川の生活クラブ生協が共同で、秋田県にかほ市に2000キロワット級の風力発電「生活クラブ風車」を建設する。投資額は約6億円。3億円は国の補助金で賄い、残りを4生協が融資する。

2011年7月 4日

広がる京都議定書延長論

12年までの規制を定めた京都議定書の後を引き継ぐ枠組みは「ポスト京都議定書」とも呼ばれる。欧州連合の代表はボンの部会で「条件付きで京都議定書の延長を検討する用意がある」と表明した。日本の原発事故を受けEUは再生可能エネルギーの拡大に本腰を入れており、排出規制の強化をその原動力にする構えだ。独自の排出量取引市場を抱えるEUは議定書の期限が切れた後の13年から「空白期間」が発生することも警戒。交渉の妥結を優先する判断に傾きつつある。

2011年7月 3日

ポスト京都議定書

温暖化抑制頼みの原発に逆風

2013年以降の国際的な温暖化ガス排出規制の交渉が遅れている。ドイツのボンで開かれていた国連作業部会は成果が乏しいまま17日に閉幕。温暖化ガスを抑える頼みの綱だった原子力発電への逆風を受け排出計画を見直す国もあり、新たな枠組み作りに向け年末とされる交渉期限までの合意は極めて厳しい情勢だ。時間切れを見越し、次善の策として京都議定書の延長を求める声が広がってきた。

2011年7月 2日

レアアース その2

海水にはもともとレアアースがわずかに含まれ、吸着した化合物とともに海底に蓄積したとみられる。新鉱床はモーターの磁石に使うジスプロシウムや蛍光体の材料になるテルビウムなど、先端機器の高性能化に欠かせない「重希土類」というタイプのレアアースを多く含んでいた。重希土類の大半は中国南部の1つの鉱床で生産されるが、新鉱床の濃度は2倍。採掘場所によっては4平方キロメートルの範囲で日本で使う2年分程度のレアアースが確保できる。

海底からレアアースを採掘するには海上の船から長い管を下げて海底の泥を吸い上げる必要があるが、泥からレアアースの分離も数時間もかければ簡単にできる。ただ新鉱床は紅海のため採掘には、国連の海洋法条約に基き公海にある海底資源の開発ルールを決める国際海底機構(ISBA)で鉱床として認められ、鉱区を確保する必要がある。研究チームは新鉱床として申請する。認められれば、開発を希望する各国が鉱区を割り当てられ、採掘を進めることになる。

2011年7月 1日

レアアース その1

東京大学の加藤准教授と海洋研究開発機構などの研究チームは、太平洋の海底でレアアースの巨大鉱床を発見した。推定の埋蔵量は陸上の1000倍に達する。レアアースの生産量は9割以上を中国が占める。発見した鉱床を開発できれば、資源供給の多様化や安定につながる。成果は4日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスの電子版に掲載される。

新鉱床はハワイの東西に広がる中央太平洋と、タヒチの東側に位置する南東太平洋の海底。過去に海底約80ヶ所から採取された地層を調べて発見した。地層の調査結果から鉱床があると推定した海底には米国領ハワイ沖とフランス領タヒチ島周辺も含まれるが、大半は公開とみられる。水深は3500~6000メートルで、2ヶ所の合計面積は約1100万平方キロメートルに達する。推定の埋蔵量は約1千億トンと試算した。