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2010年12月31日

日本は気温低め   

ラニーニャが起きている冬は、日本では多くの地域で気温が低めになる。豪雪になった例もある。このところ、北極振動の状態を示す指数は寒気放出に対応する「マイナス」傾向。海水温が高く暖気もある日本付近に強い寒気が入ると、低気圧が急発達して大荒れになる恐れもある。田中筑波大教授は「寒暖の差が激しい天候になりやすい」と予想する。

世界的にもラニーニャ異常気象の多発をもたらすとされる。米気候予測センターのまとめでは北半球の冬季はインドネシアやオーストラリア北部で、夏季にはインド北西部などで雨量が増える。災害の危険もあり油断できない。

2010年12月30日

海水温引き金  

2009年夏以降、今春までは太平洋東部熱帯海域の海水温が平年よりも高い「エルニーニョ」現象がおきていた。夏の後半からは、逆に低くなるラニーニャ現象に転じた。日本大学の山川教授は過去の事例から「このパターンは異常気象になりやすい」と指摘する。

「北極振動」も見逃せない。北極圏の寒気の蓄積と放出を繰り返す現象で、昨冬は放出が長く続いた。米東部の豪雪の「犯人」ともみられている。また、今年は「過去30年間で最も顕著な偏西風の蛇行がみられた」と中村東京大学准教授は振り返る。蛇行が大きいと、強い寒波や熱波の襲来を招くことが多い。

来年はどうなるのか。世界気象機関は現在進行中のラニーニャは「少なくとも1970年代半ば以降ではもっとも顕著」と分析する。気象庁は「ラニーニャは冬から春にかけて終息に向かう」と予測するが、山形東大教授はコンピューターによる模擬実験で「非常に強いラニーニャが来年1年中続く」可能性を指摘。今後も「異常気象は多そうだ」とみる。

2010年12月29日

世界でも続いた異常気象  

異常気象は世界でも相次いだ。熱波が居座ったロシアではモスクワの7月の最高気温が38.2度と過去最高を更新、大規模な森林火災も発生した。中国やパキスタンでは大規模な洪水に見舞われた。

今冬は欧州が強い寒波に見舞われている。ロンドンやパリでは12月としては珍しい積雪があり、クリスマス休暇前の交通を混乱させた。英国では100年前の観測開始以来、最も寒い12月になりそうだという。

一連の現象は実はすべて関連している。原因の一つは海水温の大きな変化だ。特に赤道に近い熱帯海域は太陽の熱をたっぷり吸収し、一部を大気に放出したり別の海域に運んだりする。地球の様々な気象変化の原動力となる。

2010年12月28日

猛暑・大雪・・・・異常気象の1年  

今年の日本の天候は4月半ばの東京の雪、梅雨の西日本~東北地方の豪雨、夏の猛暑、冬の頻繁な嵐と異例ずくめ。海外でも米東部の豪雪、中国南部の大洪水など異常気象が目立った。

今後も太平洋の東部熱帯海域の水温が通常よりも低い「ラニーニャ」現象が引き金となり、寒波や大雪の可能性がある。異常気象のメカニズムには謎も多いが、背景には地球温暖化の間接的な影響もあるとされる。

夏の猛暑の影響は今も尾を引いている。鶏卵の価格が上昇し、正月料理用の卵焼き業者を泣かせているのも鶏が暑さでやられ産卵数が減ったのが一因とされる。暑さと共に上がった海水温は秋以降も高めで、漁場も影響を受けた。秋の味覚サンマやサケが沿岸に近寄らず、漁獲量は低迷。サケは年末の需要期を前に、イクラや新巻きザケの加工業者に打撃を与えた。高い海水温の被害を受けたホタテも品薄状態が続く。

2010年12月27日

COP16の失敗 

日本は「京都」にとらわれ、コペンハーゲンの復活に向けた交渉の全体像を見失っていた。代表団も直前まで合意を予想していなかった。日本の京都拒否が全員参加の動きを加速したというのは手前みそな見方だ。戦略を欠いた交渉だった。

無論、米中を含む全員参加の新しい協調体制がとんとん拍子でできるとは思えないが、仮に全員参加の体制ができれば、京都議定書は形だけのものになるとの見方もできる。

なぜなら米中が入るために新体制は縛りの緩いものにならざらるを得ないからだ。「京都」の基本思想は世界全体の削減必要量からトップダウンで各国に削減を割り当てるものだ。新体制は、各国が削減目標を宣言し達成を報告するプレッジ・アンド・レビューの考え方に基くことになろう。2つの体制のうち、だれしも拘束の弱い方を選択するはずだ。京都の枠組みは残ったとしても機能を失う。

ただし、プレッジ方式では地球の平均気温の上昇を2度未満の安全圏にとどめられるか疑問が残る。すでに提案済みの各国の約束では4度まで上がる。

削減目標の一段の深堀が必要になる。日本は京都の新しい約束を免れたとしても、20年までに25%削減とした中期目標を真剣に考えなければならない。

2010年12月26日

COP16 戦略欠いた日本の交渉

日本政府や産業界の一部には「京都議定書は不平等条約だ」との思いがある。97年に京都で採択したときには日米欧そろっての協調体制だと思ったが、米国は批准をせず逃げ出し、EUは旧東欧諸国の古くて効率の悪い発電所を改修するなどして安上がりな削減が可能。日本だけが高いコストをかけ不利な強いられているとみる。

挫折感にも似た感情が「何があっても13年以降の約束は拒絶する」との強い姿勢に表れた。カンクンでの閣僚級会合の直前に国会決議を準備、交渉スタンスを縛ろうとしたのは強迫観念の表れた。

結果はどうか。第2拘束期間の結論は来年開くCOP17に持ち越した。当初の目的は一応達したかに見える。

2010年12月25日

温暖化交渉の2つの亡霊 その1 

カンクンで生まれた合意は、コペンハーゲン合意の復活だ。削減義務を課されていない途上国にも温暖化ガス減らしの努力を求める。現行の京都議定書の協調体制から抜けた米国も参加できる仕組みを考える。

失速していた交渉がここで息を吹き返した。起死回生の背景には「コペンハーゲンの失敗を繰り返すな」との各国の判断があった。昨年の失敗で得をした国はない。とりわけ中国は強硬姿勢で国際的な信頼を失った。

温暖化を起こす二酸化炭素の排出削減は、多くの国にとって、化石燃料の輸入依存を減らすエネルギー安全保障の立場からも、どのみち取り組んだ方が得になる。

一方、COP16に臨む日本には大きな課題があった。京都議定書の下で日欧はそれぞれ1990年比で6%、8%の温暖化ガス削減を08~12の5年間に達成することを約束した。途上国は日欧に13年以降にも新たな削減目標を設定すべきだと要求し、欧州連合は応じる姿勢を示した。日本は拒否を決めていた。

2010年12月24日

環境税10月導入

2011年10月から現行の石油石炭税に税率を上乗せする形で、地球温暖化対策税を導入する。税収規模は350億円を見込み、温暖化対策費用に充てる。政府は継続審議になっている温暖化対策基本法案で、20年に1990年比で温暖化ガスを25%削減する目標を掲げる。実現には排出量が増加傾向にある家庭や業務部門の対策が必要だ。

このため家庭と中小企業を対象に、電気自動車太陽光パネルなど初期投資負担が重い環境機器をリースする場合の助成事業として20億円を計上した。約5万世帯分の二酸化炭素排出量に相当する削減効果を見込む。

2010年12月23日

地球温暖化を巡る環境政策

地球温暖化を巡る環境政策
電気自動車の導入促進(267億円)
次世代太陽光発電システムの技術開発(59億円)

地球温暖化対策税(環境税)を2011年10月から導入

○石油石炭税の増税分を環境税とする

○税収見込みは最終的に2400億円。使途は省エネ対策

○増税幅は原油・石油製品の場合で1キロリットル760円

再生可能エネルギーの全量買い取りの2012年度導入を検討
排出量取引制度の検討を当面凍結

2010年12月22日

日産、省エネ運搬船導入

日産自動車は旧風下でも風の抵抗を抑えてスムーズに運航できる省エネ型の自動車運搬船を導入した。船首部が半球状の形をしており、風圧抵抗を従来より最大50%減らせる。年間最大800トン分の燃料を節約でき、二酸化炭素排出量を年2500トン削減するのに役立つという。

運搬船を建造したのは、旭洋造船。全長約140メートル、全幅約22メートルで、最大2千台の自動車を搭載できる。22日に下関で日産側に引き渡される。今後、日産専用船の欧州子会社が日産の英国やスペインの工場で作った自動車を北欧やロシアなどに運ぶのに使う。

流線形の独特の船形にしたことで、風の強い北海付近の航海時に特に燃料節約の効果が期待できる。

50センチほどの厚みの氷なら突っ切って進めるという。来年3月には同様の省エネ船の2隻目が引き渡される見込み。

欧州に向かうため、25日に横浜市内の日産が保有する埠頭で電気自動車「リーフ」など約900台の自動車を積み込んで出港、来年1月下旬に英国の港に到着する予定だ。

2010年12月21日

COP16 その1

先進国と中印など新興国が削減の責任を押し付け合い、最後はオバマ米大統領が中国の温家宝首相とひざ詰め談判で交渉。コペンハーゲン合意と呼ばれる文書をつくったものの、一部の反米的な途上国の反発にあって会議で採択できなかった。

交渉は失速し、満場一致でなければ何も決められぬ国連方式の交渉の限界を指摘された。米国を抜いて世界一の温暖化ガス排出国になった中国が「我が国は途上国」と開き直って削減義務受け入れを拒否したことに非難が集まった。

2010年12月20日

六フッ化硫黄 監視強化

少量だが温室効果が二酸化炭素の約2万倍の六フッ化硫黄や、約300倍の一酸化二窒素など地球温暖化の原因となる「スーパー温室効果ガス」の監視体制強化を、気象庁が日本最東端の小笠原諸島・南鳥島などで計画している。

いずれも京都議定書で排出削減の対象だが、六フッ化硫黄はアジアで定点観測している地点がほとんどなく、監視体制の整備が課題だった。

六フッ化硫黄は電子機器の絶縁体などに使う化学物質。大気中濃度の世界物質。大気中濃度の世界平均はCO2の約380ppmに対し、6~7ppm程度だが、1990年代から約2倍に増え、ほぼ全量が人為的排出とされる。

国立環境研究所が年4回、沖縄・波照間島で大気を採取し分析してきたが、気象庁は南鳥島気象観測所と岩手の大気環境観測所の2ヶ所で来年度から週1回観測する方針だ。

一酸化二窒素は、農業活動や化学工業から排出。同庁が90年から大船渡市で観測してきたが、南鳥島を観測点に追加する計画。

南鳥島は東京から約1860キロと都市化の影響が少なく、長期環境監視に適している。採取した大気を容器に詰めて自衛隊機で運び、気象庁本庁で分析する。

2010年12月19日

温暖化交渉の2つの亡霊 その1

メキシコのカンクンで開いた国連の温暖化交渉には、過去の会議の影を引きずる2つの亡霊がいた。コペンハーゲンと京都の亡霊だ。前者は米国や中国を含む世界を動かし、後者は日本を拘束した。

温暖化対策の国際協調を話し合う国連の会議、気候変動枠組み条約の第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)が同地で開かれた。

事前の予想を裏切り、新たな国際協調体制の土台となる「カンクン合意」が採択された。日米欧に中国やインド、発展途上国などすべての国が協力して温暖化ガス削減に取り組む体制づくりを目指すことになった。

温暖化対策の交渉は、ちょうど1年前にデンマークのコペンハーゲンで開いた第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で手痛い失敗を喫した。主要な国がすべて参加する協調体制が実現するとの大きな期待が事前にあったが、惨めな空振りに終わった。  

2010年12月18日

効率よく「石油」作る藻

これまで見つかっているものより10倍以上も高い効率で石油とほぼ同じ成分の油を作り出せる藻類を、筑波大の渡辺信教授らが発見した。大規模に育てて油をとれば、1リットルあたり50円程度で安価に石油の代替燃料を生産できる見通しという。量産法や最適な抽出法などの開発が必要なため、本格的な商業生産には10年程度かかるとみている。

新しい藻類は「オーランチオキトリウム」。沖縄地方の海で発見した。従来から研究している藻類と比べ、一定の個体数から得られる油の量は少ない。しかし繁殖速度が極めて速いため、同じ広さの空間で同期間育てた時の油の生産量は12倍に達することを確認した。

海などにすみ石油と似た成分を作り出す藻類はこれまでも知られ、トウモロコシからバイオエタノールなどを作るよりも生産効率が10倍以上高い。油の回収や処理を含む生産コストは1リットルあたり800円程度かかるのが難点だったが、今回の藻類なら10分の一以下に下げられるという。

渡辺教授は「これほど効率よく石油と似た油を作る藻類は世界でも例がない」としている。

日本経済新聞より

 

 

2010年12月17日

サハラの砂から太陽電池材料 その2

砂が含む酸化シリコンを太陽電池向けの純度99.999%以上のシリコンに変える。サハラ砂漠の砂はゴミが少なく酸化シリコンに富む。JICAが総額3億円を支援する予定。東大や東京工業大学のほか弘前大、物質・材料研究機構なども加わる。アルジェリア側はオラン工科大や高等教育研究省アドゥラル再生可能エネルギー開発部門などが連携する。

東大などはチュニジアの産官関係者も交えて計画の推進母体「SSBファンデーション」を今月設立。

2010年12月16日

サハラの砂から太陽電池材料 その1

日本と北アフリカ諸国が、ほぼ無尽蔵にある砂で太陽電池を作る共同研究をサハラ砂漠で始める。国際協力機構や東京大学はアルジェリア高等教育・科学研究省などと2015年までの計画に合意、5年で電池原料の生産技術にメドをつける。チュニジアの産官を交えた研究組織も12月に立ち上げた。

いずれも日差しに恵まれた現地で電池原料のシリコンを安く量産し、将来の発電事業に発展させる計画だ。太陽電池はケイ石から作る半導体向けシリコンの転用が多い。太陽電池の普及でシリコン不足が懸念される。太陽光発電を成長産業と考える北アフリカ諸国と、発電事業にも関わりたい日本側が研究の必要性で一致した。

2010年12月15日

温暖化対策 停滞許されず

今後、難しい交渉が一気に前進する保障はない。議定書期限の12年には米国、フランス、ロシア、韓国で大統領選挙があり中国指導部も交代の見通しだ。政治情勢が流動化すれば、各国は今以上に思い切った決断をしづらくなる。

景気の動向次第では経済活動の制約にもなる排出削減義務を嫌う声が強まる可能性もある。ポスト京都で削減目標などを決めるには参加194カ国・地域すべての同意が必要だ。温暖化に絡む複雑な利害を国連の場で調整し、多国間でルールを決める方式の限界を指摘する声もある。とはいえ、COP17が決裂し空白期間ができれば温暖化対策の大幅な後退は避けられなくなる。温暖化が関係するとみられる異常気象の多発も指摘されるなかで、対策の停滞は許されない。

2010年12月14日

京都議定書延長 なお議題

排出量取引の拡大に熱心な英国は10日にキャメロン首相が日本の管首相に電話し、「評価と期待」を表明した。暗に日本に議定書延長を受け入れ、合意形成に協力するよう圧力をかけたと受け止められている。

日本の松本環境相は議定書延長と新たな数値目標に反対を明言し、注目を集めた。EUのヘデゴー委員に「京都議定書を延長すれば米中に国際枠組み参加を促すプレッシャーをかけられる」と詰め寄られても、「努力しない国が固定化される」と突っぱねた。

世界の二酸化炭素排出量の中で京都議定書の削減義務国の占める割合は27%にすぎない。合計で41%にもなる米中が参加しないと削減は進まない。しかし日本の「強硬姿勢」ばかりが話題になり、もっとも大切だったはずの米中の削減約束を取り付ける流れはつくり出せなかった。

2010年12月13日

動かぬ排出国大国足かせ

中国も削減義務につながるポスト京都の議論を避けた。温暖化は「先進国の歴史的責任」と現行議定書の延長を迫るばかりだった。会議が大きな推進力を欠く中で、欧州連合が主導権確保に動く一幕もあった。不平等論がある。京都議定書の延長を「条件付き」で受け入れると表明した。ただ、それは温暖化対策よりも地域の利益確保の色合いが濃い。

EUはいち早く排出量取引制度を開始。近く全面的にオークション方式で排出枠を割り当てる新段階に入る。その矢先に削減義務を伴う国際枠組っみがなくなれば取り引き制度は失速し、炭素価格が下落して市場が混乱しかねない。それだけは防ぎたかった。

2010年12月12日

温暖化防止 COP16閉幕

第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は2013年以降の国際枠組み「ポスト京都議定書」で、具体的な温暖化ガス削減目標などを先送りした。温暖化対策は経済活動の制約につながるだけに利害が対立し一致点を見出せない。1997年の京都議定書採択以来、10年以上続いてきた国連を中心とすr温暖化対策ルールが途切れる可能性もある。

ポスト京都の成否のカギを握るのは、温暖化ガスの二大排出国である米国と中国。米国は昨年の会議でオバマ大統領が奔走したのとは打って変わって静かだった。米代表は議長国が選んだ14人の交渉仲介役にも入らなかった。中間選挙で大統領の母体で温暖化対策に前向きな民主党が敗北、思い切った約束が出来なくなったことが背景にある。

2010年12月11日

地球温暖化対策の国内主要3施策の進め方

対応

課題

排出量取引制度 排出量取引制度
産業界の反発などを受け、政府内の検討をいったん凍結 検討凍結が長期に及ぶと導入機運がそがれる

環境税

環境税

2011年10月に導入 財源の使途を限定するかどうかで異論も

再生可能エネルギーの全量買い取り

再生可能エネルギーの全量買い取り

12年度導入へ詳細な制度設計を検討中 鉄鋼など電力多消費企業の協力取り付け

2010年12月10日

排出量取引長期棚上げ論も

国内対策の焦点は国会で継続審議になった地球温暖化対策基本法案の扱いだ。政府は法案成立を急ぐ一方、主要3施策と位置づける政策のうち、排出量取引の検討を凍結する。産業界の反発が強く、政府内では「少なくも3~4年」と長期棚上げ論も出ている。

環境省は地球温暖化対策税の導入に全力を挙げる。来年10月に導入は固まったが、政府・与党内には初年度の課税規模や税収の使途に異論があり、調整を急ぐ考えだ。再生可能エネルギーの全量買い取り制度は2012年導入でほぼ固まりつつあり、鉄鋼や化学など電力を多く使う業界にどう配慮するかを今後検討する。

13日の部門会議では、日本政府代表団がCOP16の経過を説明。米国や中国などを含む国際枠組みの必要性を強調し、「日本が目指す方向で交渉は前進した」と総括した。

2010年12月 9日

温暖化対策練り直し

第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)の閉幕を受け、政府は地球温暖化対策の練り直しに着手した。国内向けに排出量取引制度の検討凍結、対外向けには途上国向け支援の強化をそれぞれ表明する方針で、これらを軸にした基本方針を週内にも決定したい考えだ。COP16では日本を表立って批判する声も出ており、国内外で日本の立場に理解を求めていく考えだ。

環境、経済産業省は13日、民主党の部門会議で国内対策の進め方を説明。直島経済産業相は会議で「遅くても16日までに国内対策の党の意見をまとめる」と表明した。政府は21日までに関係閣僚委員会を開き、民主党案を基に年明け以降の基本方針を正式決定する段取りだ。

2010年12月 8日

レアアース効率回収

日立製作所は6日、磁石に使うレアアースを廃家電などから効率的に回収・リサイクルする技術を開発しと発表した。パソコンのハードディスク駆動装置の場合、手作業の約8倍の速度で自動分解し、磁石を取り出してレアアースに再生する。「都市鉱山」と呼ばれる廃家電などの中の金属資源を、希少資源の安定調達に生かしやすくなる。

磁石原料のネオジムやジスプロシウムの回収装置として、2013年をメドに実用化する。まずグループの年間使用量の1割にあたる約60トンをリサイクルで賄う方針。技術の外販も検討する。

HDDはコンクリートミキサーのように回転する装置に投入し、内部で何度も落下させる。ネジを緩めて部品をバラバラにし、1台あたり約10グラムの磁石を取り出す。作業員1人あたりの処理速度は手作業の1時間12台から同100台に高まる。

2010年12月 7日

京都議定書の今後

閣僚級会合は10日まで開かれる。各国の環境相に加え、スイスのロイトハルト大統領など首脳級も20人以上が出席する予定。

最大の焦点は京都議定書の延長問題だ。中国の国家発展改革委員会副主任は6日の記者会見で「日本は京都議定書を生んだ国であり、継続に向けた努力をすべきだ」と述べ、日本に対し京都議定書延長を受け入れるよう強く求めた。京都議定書延長に反対を明確に打ち出しているのが日本とロシア、カナダ。松本環境相は同日、ロシア大統領顧問と会談、延長反対勢力の足場を固めた。

2010年12月 6日

COP16閣僚級交渉へ

COP16の主要論点と各国のスタンス

 

京都議定書の延長

新興・途上国の削減行動の国際的な検証

途上国支援

日本

反対

賛成

賛成

アメリカ

意見表明せず

賛成

新興・途上国の国際検証受け入れが条件

EU

米中の削減努力が賛成の条件

賛成

賛成

中国・インド

賛成

京都議定書の延長が条件

支援の拡充を要請

2010年12月 5日

京都議定書延長論勢い増す

2013年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みを話し合う第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)の閣僚級会合が7日開幕する。交渉は京都議定書の延長を求める新興・途上国に対し、延長に反対する日本が鋭く対立。一方で決裂を避けたい欧州連合は条件付きで議定書延容認へとじく足を移しつつあり、日本にとって交渉は厳しさを増している。

2010年12月 4日

電気自動車ITが支え

日産自動車はエコカーの本命と位置付ける電気自動車(EV)「リーフ」を20日に発売する。ハイブリッド車(HV)でトヨタ自動車やホンダに出遅れた日産にとって電気自動車は社運を懸けた事業。だが一回の充電で走行できる距離は200キロ。ガソリン車の3分の1程度で遠出には不安も残る。日産はITを活用して運転を支援する体制をつくり普及を図る。

HVと違って電気自動車はバッテリーの充電が切れると動かなくなる。日産は20日までに、30分で電池容量の8割を満たせる急速充電器を、全国約200の販売店に設置。「半径40キロ圏に1ヶ所ずつ配備することで全国をほぼカバーできる」としている。

だが全国にガソリンスタンドは約4万あるのと比べるば不便なことは確か。高速道路のサービスエリアにも充電設備は少ない。ガソリン車やHVに乗りなれた人が遠出する際には、バッテリー切れの不安が残りそうだ。

日産は電気自動車専用に設計した情報通信システムを構築済み。バッテリーの残量が少なくなると運転者に警告を出し、インターネット経由で最寄の充電施設を案内する。出発前にスマートフォンで充電状態の確認もできる。

2010年12月 3日

再生可能エネルギー

世界の再生可能エネルギー設備大手が欧米市場から新興国へのシフトを急いでいる。太陽電池大手の米ファーストソーラーがベトナムに工場を建設。風力発電機のスズロンエネルギージー(インド)は南アフリカに進出した。主力の欧米市場が減速しているためで、各社は新規市場の開拓で成長維持を狙う。ただ、競争は激化しており、人員削減などリストラの動きも出始めた。

欧米市場、需要冷え込み

各社の2010年7~9月期決算は、主力事業で明暗が分かれた。風力発電大手は軒並み苦戦。スズロンが赤字、デンマークのヴェスタスと米ゼネラル・エレクトリック(GE)が前年同期比で減益および横ばいとなった。一方、太陽電池大手は好調で、ファーストソーラー、中国のサンッテックパワーが2ケタ増益となった。

風力各社の最大の誤算は米国市場の需要減。7~9月期は発電量ベースで前年同期比7割減。競合するガス価格の下落に加え、エネルギー需要が低迷。米オバマ政権の景気対策で導入された補助金制度も期限切れを迎え、需要が冷え込んだ。

このため各社は脱・米国に動く。GEは「今後はブラジルや中国の開拓を進める」。スズロンは南アの大型プロジェクトに入札。中国には研究開発拠点を設ける計画だ。

欧州ではヴェスタスが従業員の13%にあたる3千人を年内に削減。北欧の5工場を閉鎖する。欧州各国政府の緊縮財政で需要が伸び悩む見通し。アジア勢との価格競争にも対応するには「高コストのデンマーク社員の削減が避けられない」との判断だ。

2010年12月 2日

再生可能エネルギー、新興国開拓

主な再生可能エネルギー設備大手の業績

7~9月期、▲は赤字、マイナス、カッコ内は前年同期比増減率

社名 売上高 損益
太陽電池 サンテックパワー(中国) 7億4400万ドル(57) 3300万ドル(10)
太陽電池 ファーストソーラー(米国) 7億9800万ドル(66) 1億7700万ドル(15)
太陽電池 Qセルズ(ドイツ) 4億200万ユーロ(2.2倍) ▲2600万ユーロ(-)
風力発電 ヴェスタス(デンマーク) 17億2200万ユーロ(▲5) 1億2600万ユーロ(▲24)
風力発電 GEエネルギー部門(米国) 83億5900万ユーロ(▲14) 16億5600万ユーロ(0)
風力発電 シーメンス・再生エネルギー部門(ドイツ) 9億7700万ユーロ(48) 1億300万ユーロ(36)
風力発電 スズロンエナジー(インド) 377億ルピー(インド) ▲36億9200万ルピー(-)


2010年12月 1日

排出枠取得、想定下回る

日本企業、却下事例多く

国連に登録を却下された主な案件

事業内容 申請書 年間の排出枠見通し(万トン)
セメントの廃熱回収発電 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

6.9

天然ガスのコージェネレーション 丸紅

4.9

1.3万キロワットの小型水力 スマートエナジー

3.6

1.1万キロワットの小型水力 スマートエナジー

3.8

3万キロワットの風力発電 丸紅

7.4

セメントの廃熱回収(2件合計) 丸紅

6.7