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2010年11月30日

バイオ燃料・太陽光・風力

筑波大学などはバイオ燃料、太陽光発電、風力発電、燃料電池を複合した実験施設を建設、最適な組み合わせなどを探る研究に乗り出す。それぞれ単独の研究は従来多いが、連携・融合させた研究は珍しい。次世代のクリーンエネルギー供給システムの開発を目指す。

実験施設は茨城県つくば市の同大学内に建設中で、油が取れる藻類を培養してバイオ燃料を作る設備、太陽光パネル、風力発電機、燃料電池などからなる。培養装置は上部に藻類を入れる透明パイプが並び、太陽の方向を追尾して光合成を活発にする機能も備える。今年度中をめどに完成し、研究を始める計画。

2010年11月29日

太陽電池、国内出荷2.1倍

太陽光発電協会が11日発表した太陽電池の出荷統計によると、2010年度上半期(4月~9月)の国内出荷は発電能力ベースで46万7941キロワットと、前年同期の2.1倍に増えた。家庭などで太陽電池を使って発電した電力のうち、余った分を電力会社が割高な単価で買い取る制度が昨年11月に導入され、投資の回収にかかる期間が約半分の10年程度に短縮された。経済的な負担の軽減により、市場が倍増ペースで拡大している。

10年度上期は市場の8割を占める住宅用が1.9倍だったのに加えて、公共・産業の出荷量が大きく伸びた。学校を対象に補助金で太陽電池の設置を進める「スクールニューディール」制作によって、公共・産業用の出荷量は前年同期比6.2倍に拡大した。

2010年11月28日

ロス自動車ショー 電気自動車が競演

米ロサンゼルス自動車ショーにおいて、トヨタ自動車、日産、米ゼネラル・モーターズなど自動車大手が相次いで電気自動車の実車や試作車を公開した。日産やGMは12月に電気自動車を発売予定。日産は日米で発売する「リーフ」の受注台数が計2万台を超えたことを明らかにした。走行可能距離や充電施設など課題も多い電気自動車だが、排ガス規制などを背景に普及期を迎えつつある。

12月に発売する電気自動車を公開したのは日産とGM。中国のレアアース輸入停止で一部出荷が遅れるという見方も浮上したが、日産は「生産・出荷とも予定通り」という。GMは「シボレー・ボルト」を公開した。価格は4万1000ドル(約340万円)。

2010年11月27日

昆布を育成

新日鉄は経済産業省の助成金を受け、グループ企業や建設会社、大学などと共同で取り組む。北海道の沿岸にスラグと間伐材を発酵させたものを混ぜた養分供給材や、スラグ製ブックを計500トン投入した。10月には室蘭市沿岸にスラグ製ブロック約80トンを沈めた。これらのブロックを作るための設備を室蘭製鉄所内に7000万円を投じて建設、稼動させた。

養分供給からは鉄分が海中にしみ出し、昆布などの発育を促す効果があるという。スラグ製ブロックは通常のコンクリートを作る工程が省けるため、1立方メートルあたり200キログラムのCO2を減らせる。また、昆布が腐ってCO2を放出するのを防ぐために、新日鉄化学などが昆布を原料にした樹脂の生産も目指す。

新日鉄では一連の事業で年35トンのCO2を減らせ、日本の海岸線で同様の試みが可能な地域全体に広げれば2300万トンのCO2の削減につながると試算している。

2010年11月26日

サンゴ礁再生

JFEは沖縄県恩納村で鉄の成分調整段階で発生する製鋼スラグをプレート状に固め、サンゴ礁の再生に使う。プレートに植えつけたサンゴの枝を水槽で育て、海に戻す。沖縄県では4ヶ所目で、これまで予備調査に取り組んでいたインドネシアでも近く同様の取り組みに協力する。

製鋼スラグは道路舗装時の路盤材に使うが、公共事業の削減により需要が減少している。現在は年400万トン発生する製鋼スラグのうち海域での利用は1%程度だが将来は25%に引き上げる計画だ。

2010年11月25日

スラグの用途別割合

スラグの用途別割合
セメント 45.1%

道路

18.5%
土木 15.2%
コンクリート骨材 7.3%
再使用 5%
地盤改良材 4.9%
加工用原料 0.6%
埋め立てなどその他 3.4%

2009年度調べ

 

2010年11月24日

製鉄副産物で温暖化対策

鉄鋼各社が製鉄過程で発生する副産物であるスラグを使った温暖化対策を本格化する。JFEスチールは沖縄県やインドネシアでサンゴ礁再生に活用する。新日本製鉄は北海道で、住友金属工業は和歌山県で海藻育成などを目指す。スラグ中の養分がサンゴや海藻などの発育を促し、その過程で二酸化炭素を吸収などするため、鋼材生産時のCO2排出を緩和できる。副産物を有効活用した新事業として育成する。

スラグ:鉄鉱石を還元するときやその後成分調整をする際に発生する副産物。鉄鉱石や副原料に含まれる石灰やシリカが主成分となる。鉄分も含まれる。セメント材料や路盤材などに使われるなど、従来の用途は主に陸上となっている。

2010年11月23日

CO2排出枠取引

東京電力グループの2社が共同で太陽光発電装置付きマンションを開発し、二酸化炭素排出量削減分を炭素クレジットとして買い取る事業を始めた。マンションを対象とする炭素クレジット取引は珍しい。東電グループは企業の遊休社宅を改修して分譲する住宅事業を手がけており、炭素クレジット付きの(エコマンション)開発を広げでいく方針だ。
東電子会社で社宅や独身寮マンションに改修する事業を手がけるリビタがマンションを開発。東電グループのインターネットサービス会社,ファミリーネットジャパンが太陽光発電にCO2削減分を計測し,炭素クレジットとして認証機関に申請。承認後、東電グループがマンションの管理組合から炭素クレジットを買い取る。

2010年11月22日

電気自動車巡りインフラも競う その2

電気自動車には電池性能と充電インフラという大きな課題がある。電池についてはホンダの伊東社長が「電気自動車がいけると思ったのは電池技術の革新のおかげ」と話すほど進歩のスピードが速いが、インフラはまだまだ。「近距離の通勤や買い物」の需要を狙うのか、「長距離も走れる車」として売り込むか。技術や認識の違いもあり、各社とも手探りの状況だ。

三菱自動車は2011年11月に北米で電気自動車を発売し、米家電量販店最大手ベスト・バイと組んで充電用機器も提供する。全米で知名度も高いベスト・バイとの連携で電気自動車の利用環境を整える。

日産は米政府とも協力しながら、ガソリンスタンド感覚で使える充電拠点を全米に作ろうとしている。来年末までに1万3千拠点を設け、そのうち4千拠点がカリフォルニア州内になる。

2010年11月21日

電気自動車巡りインフラも競う その1

19日に一般公開が始まる米ロサンゼルス自動車ショーでは日米の自動車大手やベンチャー企業が電気自動車の実車や試作車を相次ぎ出店した。北米を中心に電気自動車普及に取り組むが、市場拡大には拡大には課題も多い。電池性能の向上や充電網づくりにどう取り組むか。周辺インフラ整備の主導権争いも各社の競争力を左右しそうだ。

日産自動車「リーフ」、米ゼネラル・モーターズ「シボレー・ボルト」、トヨタ自動車「RAV4」ベースの試作車、ホンダ「フィットEV」、三菱自動車「iーMiEV]、米環境車ベンチャーのフィスカー・オートモーティブ「カルマ」

展示場には発売が決まった実車や、再来年にかけて発売する試作車などがずらりと並んだ。「いつか造るコンセプト車」ではなく、電気自動車などの次世代環境車が「実際に造って売る車」になったことを印象付けた。

2010年11月20日

太陽光発電の造水機

東レのグループ会社が連携して太陽光発電パネルを搭載した小型造水機を開発した。送電網がない山間部でも使えるように、太陽光発電で動力を確保して川の水などを浄化する。2011年初めにもインドネシアの島しょ部で実証実験を始め、現地の保健所などへの納入を目指す。

グループの商社、東レインターナショナルが主体となり、水道機工の災害時向け小型造水機をベースに開発した。ドラム缶に川の水を入れて砂でろ過し、東レ製のRO膜でバクテリアなどを除去する。太陽光発電パネルの大きさは約1平方メートルで、1時間当たり約60リットルの水を処理できるとういう。

価格は1台200万円程度を想定。5年1度は膜などの交換費用として約1万円が必要になる。

2010年11月19日

エネルギー量多いバイオ燃料

英石油大手BPと米化学大手デュポンは共同で実用化する新タイプのバイオ燃料を、2013年にも日本で販売する。新たなバイオ燃料は水と混ぜリにくく、ガソリンスタンドなどの設備を変えずに導入できる利点がある。現在バイオ燃料として主流のバイオエタノールに続く自動車燃料として売り込む。

BPとデュポンが実用化するバイオ燃料は「バイオブタノール」と呼ばれ、原料にサトウキビを使う。現在、バイオエタノールを製造している企業に製造ノウハウを供与し、世界市場での普及を目指す。12年にも米国で「ビュータマックス」の商品名で販売を始め、状況を見て日本向けに13年にも発売する。

日本向けのバイオブタノールは東南アジアやブラジルなどで製造し、船で運ぶ見通し。製造・輸送時に消費するエネルギー量も少なく、日本政府の求める環境基準にも適合するとしている。バイオエタノールと熱量あたりほぼ同じ価格で販売できるとみている。

2010年11月18日

電気自動車、市場は未知数

ホンダの伊東社長は17日、2012年に発売する電気自動車「フィットEV」について「意気込みはあるが、市場は未知数」と述べた。電気自動車以外の環境車も幅広く用意し、需要動向に応じて柔軟に対応する。また「ガソリン車が電気自動車に置き変わる」という考え方には「20~30年はひっくり返らない」と懐疑的な見方を示した。

ロサンゼルス自動車ショー会場で日本経済新聞社などの取材に応じた伊東社長は、初公開した電気自動車がコンパクトカー「フィット」をベースとしていることについて「電気自動車は世界がターゲット。世界的に売れている車種を選んだ」と説明。通勤や買い物など近距離移動の需要を取り込み、家庭で充電しやすい環境を整えるため、米IT大手のグーグルやスタンフォード大などと実証実験を行うとした。

EVは参入障壁が比較的低いが、「一朝一夕には追いつけない」と強調。中国やインドなどの新興メーカーが参入しても、ユーザーが受け入れるまでに「時間がかかる」という考え方だ。

2010年11月17日

製造業CO2排出量、微増

鉄鋼、化学など製造業主要6業種がまとめた2020年度の二酸化炭素排出量見通しが明らかになった。国内生産の増加を前提にすると、省エネの進展を織り込んでも合計の排出量は約3億3800万トンと1990年度比1%程度増える。国内全体で同25%減を目標とする政府が企業に大幅な排出削減を求めれば、国内工場を新興国などに移す動きが加速する可能性がある。

日本経団連の要請に応じ、鉄鋼、化学、電機・電子、紙・パルプ、セメント、自動車の各業界団体が20年度までのCO2排出削減目標をまとめた。6業種で産業部門のCO2排出量の7割強を占める。

20年度に向けた政府の新成長戦略や需給見通しを基に生産水準を設定。省エネ技術を最大限導入する場合の排出量を算出した。

20年度における鉄鋼のCO2排出量は約2億トンと、ほぼ90年度並みになる。省エネ型次世代コークス炉などの先端技術を導入するものの、粗鋼生産量を09年度比24%増と想定するためだ。

2010年11月16日

電気自動車 太陽光発電で充電

京セラは16日、太陽電池を利用した電動アシト自転車用の充電システムを17日に発売すると発表した。太陽光で発電し、制御盤にバッテリーを差し込むと充電する仕組み。買い物の間に充電できるなど利用者の利便性が高まるとして、商業施設や自治体、企業、学校に売り込む。

駐輪場などの一角に太陽電池モジュールをフェンス状に設置。太陽光で発電して制御盤に送電する。利用者は電動アシスト自転車からバッテリーを取り外し、制御盤に差し込んで充電する。蓄電設備はなく、発電量が不足する時は自動的に商用電力で賄う。太陽電池モジュールの最大出力は208ワットで、3枚を設置する標準仕様の場合、6台を同時に充電できる。価格は189万円。工事は京セラのグループ会社が手掛け、費用は数十万円、期間は1~2日という。

2010年11月15日

電気自動車

エコカー分野でトヨタはハイブリッド車「プリウス」を1997年に発売。以来、全世界で累計300万台近くを販売した実績を持つ。12年には家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車を投入。「エコカーの使い方や走行距離は地域によって違う」ため、電気自動車もそろえてエコカー市場での優位を維持する。

日産自動車の「リーフ」は大人5人が乗れる小型車サイズ。1回の充電で160キロメートル走れる。電池切れの際に販売店までレッカー車で運ぶービスもある。携帯電話などを通じて充電状況を確認、充電指示もできる。10年度に国内で6000台を販売する計画だ。

三菱自動車は「i-MiEV」に続き、11年中に軽商用車タイプの電気自動車を投入する。短距離での利用を想定して電池の量を減らすなどコストを削減。200万以下での実用化を目指している。

ホンダんも小型電気自動車の試作車を17日から開催する米ロサンゼルス自動車ショーで公開する予定だ。

各社の動きが12年に集中するのは、米カリフォルニア州での環境規制「ZEV規制」が厳しくなるためだ。電気自動車などのエコカーを一定比率以上販売する必要がある。

2010年11月14日

2012年電気自動車でそろう

トヨタ自動車は2012年、電気自動車を日本市場に再投入する。ハイブリット車などとともにエコカーのラインアップを拡充する。ホンダも12年に電気自動車を日米で発売する予定で各社の電気自動車が出そろう。実用化向けた性能向上や、ガソリン車並みに価格を抑える取り組みも進んでおり電気自動車の本格普及に弾みがつきそうだ。

トヨタはこのほど、小型車「iQ」をベースにした電気自動車を国内で発売すると、系列販売会社に伝えた。すでに12年から米国で発売する方針を表明していたがd、日本、欧州などでも近距離用途の需要を想定し同時販売に踏み切る。

 

2010年11月13日

米テスラ、電気自動車巡り

米電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズは12日、提携関係にあるトヨタ自動車などに対し、バッテリーなど電気自動車の駆動技術のライセンス供与を検討していることを明らかにした。同社の技術は汎用バッテリーを活用、専用バッテリーを使う他社とは大きく異なる。大手との協業で独自技術を広め、開発競争で主導権を握ることを狙う。

テスラの電気自動車の特徴はパソコンなどに使う円筒型のリチウムイオン電池を数千本組み合わせた独自のバッテリーを搭載すること。専用バッテリーを用いる他メーカーとは多きく技術が異なる。

自動車大手は電機メーカーと相次ぎ連携、高性能な電池の開発を急いでいるが、電池コストが高いことが電気自動車普及へ向けた課題となっている。汎用電池を使うテスラの技術は、調達を効率化し、量産を円滑化できる可能性もある。

2010年11月12日

主な国内スマートシティー実証事業

主な国内スマートシティー実証事業

自治体 自治体
主な参加企業 主な実証内容
横浜市

日産自動車

東芝 

パナソニック

東京電力

4000世帯対象のエネルギー効率化

愛知県豊田市

トヨタ自動車

デンソー

富士通

シャープ

住宅と次世代自動車の融合システム
京都府

関西電力

大阪ガス

地域の電力網制御に蓄電池を利用
北九州市

日本IBM

富士電機システムズ

新日本製鉄

隣接工場群の廃熱・水素を街で利用


 

2010年11月10日

電気自動車普及負担の軽減探る その1

日産自動車は5人乗り電気自動車「リーフ」の12月発売を控え、普及への基盤整備に取り組む。横浜市で始まる国内最大規模のスマートグリッドの実証実験に参加し、電気自動車に搭載する蓄電池を住宅の電源に再利用するシステムの確立などを目指す。環境車をスマートグリッドに組み込む動きが本格化してきた。

日産自動車と東芝、東京電力など7社と横浜市は2日、低炭素型の次世代都市「スマートシティー」を水深する中核技術の展示場を開設した。

日産は2014年度までの実験期間中、約2000台の電気自動車を用意し、動力源のリチウムイオン電池を住宅やビルで再利用する方策を探る。高い安全性が要求される自動車用としての耐用年数を過ぎても「太陽光や風力で作った電力を蓄える住宅用途では高性能電池として使える」からだ。

2010年11月 9日

電気自動車向け充電器

NECはネットワーク経由でソフトや情報システムを提供するクラウドコンピューティング型サービスを組み込んだ電気自動車向け急速充電器を開発した。充電施設の運営事業者は複数の充電器の使用状況などを一元管理できるほか、電子マネーの決済機能などを容易に導入できる。

NECが今回開発した急速充電器を使えば、運営事業者は充電器の使用状況、障害情報をリアルタイムで一元的に収集・管理できる。電気自動車の利用者向けに最寄の使用可能な充電器の情報を提供したり、料金を柔軟に変更したりできる。

ガソリンスタンドなどの急速充電器の運営事業者や電子マネー運営会社などのパートナーを募り、2011年度初めにも事業化する。急速充電器は子会社の高砂製作所が生産する機器を使うが、将来は他社製にも対応する。

2010年11月 8日

太陽熱発電 欧米市場をリード

太陽熱発電は米国やスペインの企業が発電所を建設、稼動させている。日本勢が先行する欧米勢に対抗し、世界市場で受注を確保するには、建設コストの削減とともに、新規の技術開発も欠かせない。

太陽熱発電の発電コストは現在、1キロワットあたり20円程度とみられており30円台とされる太陽光発電よりも割安だ。世界で実用化された発電所の累計出力がまだ100万キロワットに満たない中、このコスト面のメリットが大きい。北アフリカなどでは、太陽熱発電で発生させた蒸気を近隣の火力発電所に送り燃料の投入量削減につなげるプラントの計画も増えている。

太陽熱発電にかかる費用のほとんどは初期投資。例えば、太陽エネルギーを反射する鏡を乗せて、太陽の角度にあわせて動く架台は5000キロワットの発電所で6000機も必要だ。機器をどれだけ安く造り、コストをかけずに設置できるか。建設地の企業との強い協力体制が競争力になる。

2010年11月 7日

太陽熱発電で提携

三井造船と体制建設は海外での太陽熱発電所建設で提携する。三井造が太陽熱で発生させた蒸気により発電するプラントを開発、大成建設が施行する。太陽熱発電太陽電池パネルを使う発電よりエネルギー効率が高い。日照時間が長く、大規模な施設が建設可能な砂漠地帯などでの設置に適しており、共同で市場開拓に取り組み。

三井造船と大成建設はこのほど、共同での事業開発で合意した。両社はすでにインドで5000キロワット程度の発電所の事業化調査に共同で取り込んでおり、今後、北アフリカや中東、オーストラリアなどを潜在的な需要地とみて、案件の新規開拓に取り組む。建設コストは1000キロワットあたり5億円程度の見込み。5年後までに年間100億円程度の売り上げを目指す。

2010年11月 6日

日産 2人乗り電気自動車

日産自動車は1日、2人乗りの小型電気自動車を公開した。高性能なリチウムイオン電池を搭載し、1回の充電で100kmの走行が可能。1人か2人で近距離を移動する利用形態を想定している。

公開した電気自動車「ニッサン・ニュー・モビリティー・コンセプト」全長2.3メートル、全幅1.2メートル、全高約1.5メートル。二輪車のように運転者の後ろに同乗者が座る2人乗りで、最高時速は75キロメートルという。横浜市で今月開くアジア太平洋経済協力会議で披露する見通しだ。

2人乗り電気自動車は手軽な移動手段として普及が期待されており、日産では「地方自治体などの実証実験を通じて、具体的な用途や市場性を検討していく」という。

2010年11月 5日

沖縄の海底に宝物「黒鉱」 その4

さらに熱水の流れは、噴出孔の周囲から金や銀などの有用成分をかき集める働きがある。噴出した熱水は数十キロメートル離れた場所から再び海底に潜り込み、噴出孔にもどってくるからだ。この結果、析出してできる黒鉱には様々な成分が含まれる。熱水の供給量は莫大で、熱水だまりの層の上に黒鉱の層が末広がりに存在している可能性が高い。

黒鉱は東北地方でもみられ、かつて同地方が海底下にあったときにできたとされる。今回、沖縄県沖で見つかった黒鉱の埋蔵量はこれらを上回り、国内最大規模の可能性が高いという。

今後の掘削計画は未定だが、伊平屋北熱水域は日本の排他的経済水域(EEZ)で、日本単独による資源開発が可能だ。黒鉱は海底の比較的浅い場所にあるが、経済的にコストが見合うかどうかは分からない。ただレアアースなどの価格が高騰し、貴重な鉱物資源として期待が膨らむ。高井ディレクターは「ぜひまた堀たい」と意気込む。

今回の熱水噴出孔は生物種の存在は豊富とみられるが、地球の生命が初めて誕生した場所である可能性は低いというい。地球最後のフロンティアといわれる深海はまだまだ謎が多い。誰もみぬ深海だけに思わぬ発見があるかもしれない。

沖縄の海底に宝物「黒鉱」 その3

事前の海底地形の調査などから、この熱水が噴出する場所の地下は、熱水の通り道が網目のように入り組んで流れているとみていた。ところが実際に掘ってみると「網目状ではなく湖のように熱水が大量にたまっていた」という。たまった熱水の量は推計で東京ドーム80杯分に達する。この熱水が黒鉱をつくる理由となっていた。

噴出孔から周囲約2キロメートル、深さ数百メートルの地層は、泥や砂でできた堆積物と軽石が交互に重なり合う。熱水は地下深くから、これらの層を横切って上昇する。軽いしはすぐに溶けてしまうが、堆積物は溶けにくいので熱水が流れなくなり、湖のようにたまってしまう。この後、熱水が海底の近くで冷やされて溶け込んでいた成分が析出し、黒鉱になるという。

2010年11月 3日

沖縄の海底に宝物「黒鉱」 その2

掘削の本来の目的は海底にいる生物種の研究だった。ところが、出てきたのが予想外の黒鉱。「棚からばたもち」といえる。黒鉱ば見つかった理由について、高井ディレクターは「海底の状況が予想と全く異なっていた」と分析する。

伊平屋北熱水域は海底にセ氏300~350度の熱水が複数の場所から噴出している。太平洋にあるフィリピン海プレートが、日本列島が載るユーラシアプレートに沈み込む一帯。海底火山が豊富で、周囲に比べて水深が深くなった沖縄トラフが広がる。海底に潜り込んだ海水が地球のマグマで熱せられ、熱水流となり熱水噴出孔から吹き出す。

2010年11月 2日

沖縄の海底に宝物「黒鉱」 その1

沖縄県沖で鉄や銅など豊富な資源を含むとみられる「黒鉱」という鉱物がみつかった。日本の海洋探査船が水深1100メートルの海底を掘削して発見した。黒鉱の埋蔵量としては国内で最大級という。日本の新たな海洋資源として注目が集まる。

「銀がふくまれることでまで確認できました」。今回の掘削計画で責任者を務めた海洋研究開発機構の高井研プログラムディレクターは黒鉱の写真を指し示しながら、こう笑みを浮かべる。

黒鉱は外見が黒い鉱石の総称。海底の熱水から溶け出した硫化物などが堆積してできる。今回は沖縄諸島北西部の「伊平屋北熱水域」という海域の海底で見つかった。本格的な分析はこれからだが、鉄や銅、亜鉛、鉛、銀が確認されたほか、金や希少金属(レアメタル)、ユーロピウムといったレアアース(希土類)も含まれる可能性があるという。

掘ったのは、海洋機構の地球深部探査船「ちきゅう」だ。船体からドリルを海中におろして海底を掘削した。日本や米国、オーストラリアなど8カ国の研究者が参加する国際共同プロジェクトとして、沖縄県沖の海底を掘る研究を実施。9月から10月上旬までの日程で水深1千~2千メートルの海底を、深さ数十~150メートル掘って回収した。

 

2010年11月 1日

水素、人工光合成で生産

東京大学と三菱化学は、植物のように光を利用してエネルギーを生み出す「人口光合成」の新技術を開発した。特殊な化合物を水に入れて光を当てると、二酸化炭素を出さずに水素を得られる。この化合物を様々な波長の光に反応させれれば、太陽の光で水素を作り出す水素製造プラントになるとみている。水素を原料とする化学産業向けなどへの応用を狙って改良を急ぐ。

東大の堂免教授、前田助教らが三菱化学と開発したのは、光触媒である酸化タンタルを組み込んだ化合物。水に入れて光を当てると、水を水素と酸素に分解する。植物が太陽光を使って高いエネルギーを持つ水素を作り出す光合成の反応を人工的に再現した。

開発した化合物は波長が420ナノメートルの可視光を当てると、その光の6.3%を利用して水素を生み出す。試算では太陽光の10%を利用できるようになれば、5キロメートル四方の貯水池にこの化合物を投入すると1日に570トンの水素が得られるという。

仮に、新化合物を投入した貯水池を火力発電所などに併設すれば、発電で発生するCO2と水素を反応させてメタノールといった化学産業の原料を作れる。5キロメートル四方の貯水池を併設した場合は、化学産業の原料を低コストで年間約500トン生産できるという。5年後の実用化を目指す。