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2010年5月31日

バイオ燃料車拡大

全国の生協がバイオディーゼル燃料(BDF)を使った宅配車両を本格的に導入する。1都7県の生協で構成するコープネット事業連合はバイオディーゼル燃料を100%使う宅配車を2012年までに現在の約7倍の1千台に増やす。コープさっぽろでも年内に300台に増やす。生協は惣菜の調理場で出る大量の廃油の有効活用にもつなげる。

会員数370万人のコープネットは宅配車両を約4000台保有。12年までに4分の1をBDF車に切り替える。まず来年春までに200台導入。物流センターに設置している給油スタンドも現在の2倍に当たる17ヶ所に増やす。車両と給油設備の投資額は約4億5000万円を見込む。

廃油は専門の業者が精製。同生協が自ら廃油を回収することで通常は1リットルあたり100円程度の燃料費を2割削減できる見込み。同生協はBDF車の拡大と店舗の電気使用量の抑制などとあわせて10年度中に二酸化炭素排出量の前年度比5%減を目指す。

2010年5月30日

次世代車、本命なお不透明

昨年の三菱自動車や富士重工業に続き、今年12月には日産自動車も電気自動車「リーフ」を投入する。国内外のメーカーの発売計画も相次ぎ、電気自動車市場は本格的に立ち上がりつつある。

こうした中で部品メーカーは危機感を強めており、電気自動車の普及を経営リスクととらえ始めた。クラッチ製品のエフ・シー・シーは決算短信に「内燃機関を動力としない次世代車ではクラッチ製品が不要となる可能性がる」と明記。日本ピストンリングも「従来とは異なる動力の自動車開発の盛んで経営判断に少なからず影響を与える可能性がある」と開示した。

経済産業省が30年の電気自動車の普及目標を国内新車販売の最大30%と設定するなど、国を挙げての市場育成も進む。販売価格の低下や充電環境の整備が進めば、想定以上のペースで普及する可能性もある。

2010年5月29日

電気自動車シフト模索

電気自動車(EV)の普及を見据え、自動車部品各社が新たな事業モデルを模索し始めた。ガソリンエンジン専用の既存部品の中には、電気自動車で使われなくなるものもあるためだ。日本精工やケーヒンは電動パワーステアリング、エアコンなど動力が変わっても需要が落ちない部品を強化するほか、日本ピストンリングなどEV用部品の開発に着手したところもある。

EVはガソリン車やディーゼル車より構造が単純で部品点数が3分の1程度に減るといわれる。電気でモーターを回して走るのでエンジンは不要なうえ、マフラーなど排気系の部品も使われなくなる。変速機なくても走行可能だ。

日本精工の満江常務は「電気自動車が普及すれば経営に逆風」と話す。ガソリン車1台に使われる軸受けは120~150個程度だが、EVでは半分近く減る。収益減につながるだけに、対応策既存事業の技術を生かした電動パワステを強化する。モーターでハンドルを回す力を補助する装置で、電気自動車でもガソリン車同様の需要が見込める。独フォルクスワーゲンから小型向けを受注済み。

2010年5月28日

三和エナジー バイオ燃料販売参入

軽油など燃料配送業の三和エナジーは6月、使用済みてんぷら油など廃食油から精製したバイオディーゼル燃料(BDF)の販売を始める。建設機械やダンプカーを使う建設会社などに対して環境負荷を軽減できる燃料として提供。新たな事業の柱に育てる考えだ。

精製会社3社と提携し、販売を始める。バイオディーゼル燃料だけを使った燃料「B100」のほか、軽油に5%分を混合した燃料「B5」も提供する。一般的な軽油より2~3割り高い価格を想定している。

B100は公道を走る作業車の燃料として使うには車検登録の変更が必要になる。B5は変更が不要なため、既存の車の燃料としてすぐに使える。B5は三和エナジーが自社で混合製造する。

 

2010年5月27日

排出量取引市場 日本の整備期待 その2

------投機を呼ぶ恐れはありませんか。

「排出量取引はあくまで気候変動問題の解決につなげる枠組みの解決につなげる枠組みだ。最近の価格は、第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)の結果に失望し、景気悪化もあって低迷していたが、足元は実需を反映した値動きとなっている。日本は欧州などとも連動する制度設計を進めてほしい」

-----11月末に聞くCOP16での新議定書採択には悲観論もあります。

「排出量取引は削減目標に沿って進められるので、影響が出るとは考えていない。だが交渉が進まないと(ポスト京都議定書となる)2013年以降の排出枠継続に問題が生じる可能性はある。我々は国連にクリーン開発メカニズム(CDM)の手続き簡素化を促すなど、取引活性化につながる活動を進める。

2010年5月26日

排出量取引市場 日本の整備期待 その1

このほど来日した国際排出量取引協会最高経営責任者(CEO)のヘンリー・ダーウェン氏は日本経済新聞記者と会い、日本の本格的な排出量取引市場の整備に強い期待感を表明した。

------国際的な排出量取引の現状をどうみていますか。

「順調に広がっている。欧州連合(EU)が自前の制度を導入し、中心的な役割を導入し、中心的な役割を果たしているのが大きい。今後は世界的な広がりを持たせたい。日本など導入を検討する国が増えており、将来、石油や穀物と同じレベルの市場に発展する」

------日本では政府内の調整が始ったばかりで産業界の理解を取り付けるのもこれからです。

「米国も議会で導入に反対する意見が出てきているが、政治家が強い意志で議会、企業などを説得するしかない。米国や豪州では政権交代により排出量取引の検討が前進した。起動に乗れば逆戻りするのは難しい」

2010年5月25日

電気自動車投入状況

日系自動車メーカーの電気自動車投入状況

三菱自動車 2009年7月に「iーMiEV(アイ・ミーブ)」を発売
富士重 2009年7月に「プラグインステラ」を発売
日産自動車 2010年12月に日米欧で「リーフ」を発売
トヨタ 2012年に米国で電気自動車を投入する計画
ホンダ 2010年代前半をメドに米国で電気自動車の投入を目指す


2010年5月24日

北陸3県の環境事業 その4

輻射空調という省エネ型空調システムに力を入れるのは耐圧ゴムホース製造・販売のトヨックス。壁などのボードの裏側にパイプを巡らせ、セ氏16~34度の水を通して室内の温度を調節する。

風を送るエアコンに比べて室内にムラなく冷暖房ができるという。大学や病院向けに加え、新たにオフィスビル向けも開発。製品の売上高は30億円以上を目指している。

2010年5月23日

北陸3県の環境事業 その3

福井県では地元企業や電力会社、県、研究機関が結集し、農業用ハウスから出るCO2を大幅に減らせる空調システムの開発に取り組む。ほぼ実用化の見通しが立った。

外気との熱交換を効率化するヒートポンプを活用。約1000平方メートルのハウスで昨年12月から初めたトマトの栽培実験では、重油ボイラーによる暖房に比べC2排出量を50%、エネルギーコストを45%それぞれ削減できた。性能は重油ボイラーとほぼ同等で、導入費用に600万円程度かかるが、5年程度で回収できるという。

開発には福井県内から表面処理のアイテック、機械メーカーの福伸工業が参加した。県によると、アイテックはヒートポンプ内部のフィンと呼ぶ羽根状の部品の耐腐食性を高める電着塗装技術を提供、福伸工業は総合的な施工請負で事業化を狙っている。

2010年5月22日

北陸3県の環境事業 その2

風力発電の機器で海外市場に挑むのは住設環境機器などを手掛けるニッコー。出力1キロワット級の小型発電機で米国市場を開拓する。羽根を炭素繊維で成型し軽量化した新機種を開発中。オバマ政権が掲げる「グリーン・ニューディール政策」に乗り、2011年10月期以降、米国を中心に年間2000台の出荷を目指す。わずかな風で発電でき、羽根の騒音も抑えた高機能機種は米国の見本市で高い評価を得ているという。

2010年5月21日

北陸3県の環境事業

北陸3県の企業が21世紀の成長フロンティアと期待される環境・エネルギー分野への取り組みを加速させている。地球温暖化問題に対応した自然エネルギー関連など、二酸化炭素排出量の削減につながる事業に挑む企業が多い。

建材を中心とする三谷商事は風力発電事業に進出する。茨城県で風力発電を手掛けるウィンド・パワー・いばらきを子会社化した。鹿島臨界工業地帯の岸から約50メートル離れた海上に出力2000キロワットの風力発電機7基を設置。6月から本格稼動させ、東京電力に販売する。自然エネルギー分野に進出するのは初めてで、燃料販売に次ぐエネルギー関連事業の柱に育てる考えだ。

2010年5月20日

電気自動車 EUが包括戦略

欧州連合の欧州委員会は、電気自動車の開発・普及に向けた包括戦略をまとめた。EU域内のどこでも、いつでも走行に必要な充電をできるようにするのが目標。まず年内に安全基準を作成するとともに、充電プラグの標準規格づくりに着手。将来は域内共通の充電池の再利用システムも整える。

電気自動車の開発は日産自動車や三菱自動車など日本勢が先行している。ただ、人工5億人という巨大市場を抱えるEUは、充電用プラグ、スタンドに設置する急速充電器などの規格づくりを急ぎ、世界的な規格競争を主導する構えだ。

包括戦略は電気自動車の①安全基準②規格などの標準化③充電スタンドなどのインフラ整備④風力太陽光など再生可能エネルギーの利用 ---などの課題ごとに必要な対応策をまとめたのが特徴だ。

2010年5月19日

東電が洋上風力発電実験

東京電力は19日、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、6月に千葉県銚子市沖合いで洋上風力発電に実証実験を始めると発表した。欧州では安定した風力が見込める沖合いの洋上風力発電が盛んだが、日本では初めて。東電は実証実験を踏まえ、洋上風力発電の実用化を目指す。

銚子市の南沖合い3キロメートル、水深11メートルの場所に着床式の風力発電設備を設置し、2014年3月まで実験する。

風車は高さ130メートル、羽根の直径90メートル、出力が2000キロワットと国内最大級。海底ケーブルを通じて東電の送電網につなげ、発電した電力を一般家庭などに供給する。設置費用は33億3千万円で東電が3分の1を、NEDOが3分の2を負担する。

洋上風力は陸上風力に比べて約1.5倍の発電量が見込めるという。しかし、日本は台風や地震などの自然災害が多いうえ、洋上風力に適した浅瀬の海域が少ないことなどから普及が進んでいない。

2010年5月18日

中国の排出量が突出

国立環境研究所は17日、地球温暖化への影響が懸念される代替フロンについて、東アジア地域における排出量の予測結果を公表した。現地での観測データと濃度分布の予測図から割り出したところ、東アジア全体に占める中国の割合は代替フロンで67~93%と突出していた。同研究所は「温暖化防止に向けて中国も削減努力を進めるべきだ」としている。

ソウル大学、北京大学などと共同で実施。日中韓の合計4箇所で空気成量を求めた。

代替フロンの一種でエアコンの冷媒に使うHFC(ハイドロフルオロカーボン)23では、中国が東アジアで93%、世界全体でも50%以上をそれぞれ占めていた。日本の排出量は東アジア地域では3%にとどまっていた。

HFCは温暖化防止の国際枠組みである京都議定書で削減対象になっているが、中国は削減義務はない。

2010年5月17日

電動バイク その2

「ガソリン車から電動バイクへの乗り換えがすぐに起きるとは考えていない」とメーカーは認める。だが四輪自動車ではハイブリット車が人気で電気自動車の実用化も始った。二輪の市場でも環境性能が消費者の間で重視されることは間違いなく、メーカーとして手をこまねいているわけにはいかないという事情があるようだ。

異業種も虎視眈々と狙っている。カー用品メーカーのプロスタッフは中国でつくらせた電動バイク3車種を日本に輸入し、家電量販店のノジマなどで販売中。価格は14万~30万円程度。注目を集めており二輪メーカーの新たな競合相手になる可能性もある。

2010年5月16日

電動バイク その1

ホンダとヤマハ発動機は年内に電動バイクの国内販売を始める。ホンダは12月から配達業務などにバイクを使う事業者向けにリース方式で販売する。エンジンとモーターという違いはあるものの、パワーは排気量50cc以下の原付1種と同等で、充電1回で約30キロメートル走れる。

走行距離がガソリン車より短いのが難点だが、排ガスも騒音も出ない点をアピールする。普及の課題は価格だ。両社は価格を公表していないが、ヤマハの車両は通常の50ccスクーター(15万~20万円)の2倍以上になる可能性がある。電池の値段がまだ高いためだ。

 

2010年5月15日

パリ近郊高速道路照明ゼロ

パリ近郊の高速道路や自動車専用道路で道路照明が廃止される。地球温暖化対策としてエネルギー消費を減らす目的だが、照明がない方がドライバーが注意深く運転する傾向があり、事故を減らす効果も見込むという。

パリ周辺の高速道路を管理するイル・ド・フランス県道路局が決めた。市街地やトンネル区間、治安の悪い地域などを除き原則として高速道路と自動車専用道路の夜間照明を夏までに廃止する。全体の約半分の130キロの区間で照明を消す。

1年間にわたり効果を検証し、その後は照明施設を付け替える。照明に必要なエネルギーを40%減らせるという。

きっかけとなったのは照明施設の盗難事件。パリ郊外の自動車専用道路で2007年、照明用の銅線が盗まれ道路の明かりが長期間にわたって消えた。ところが照明がない区間の交通事故や死傷者は他の区間より約30%少なかったことから、道路局は照明廃止は省エネや事故防止に有効と判断した。

2010年5月14日

開発のヒント自然界に

様々な種からなる豊かな生態系を意味する生物多様性。10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議も開かれ、企業にも、その保全がより身近な取り組みとなる。社会貢献としてだけでなく、経営戦略に生かす動きを追う。

光を逃がさぬ「目」

闇を舞う蛾が太陽光発電装置や発効ダイオード(LED)照明を進化させるかもしれない。王子製紙が蛾の目の構造を再現する加工技術を開発した。

蛾の目には表面に微細な凹凸があり、光を反射で逃がすことなく取り込む。太陽電池やLEDに応用すれば発電や発光の効率を高められる。通常の樹脂フィルムだと光の4~5%を反射するが、「蛾の目加工」を施すと0.2~3%に抑えられるという。

カナダ東部のプリンスエドワード島。2月半ば、ゼファーが小型風力発電機の性能試験を始めた。

発電量を約2割高めれるという新鋭機の特徴は自在に動く尾翼。固定式と違い、本体が風向きに合わせて首を振る時に風の流れを邪魔しない。伊藤社長が川をさかのぼるコイの尾びれから発案した。風を切る音を減らすために参考にしたのはフクロウの翼だ。

ぶつからない車

日産自動車が注目するのは衝突することなく泳ぐ魚の群れ。周囲との距離に応じて加速したり向きを変えたりする行動パターンを研究中だ。

地球上では1年間に約4万種の生物が絶滅しているといわれる。

2010年5月13日

低炭素交通つくばで実験

伊藤忠商事やマツダ、ファミリーマートなどは12日、茨城県つくば市で太陽電池でつくる電気を電気自動車のエネルギーに使う低炭素交通システムの実証を近く始めると発表した。実証は3年間の見込み。国内温暖化ガス排出量の2割弱を占める運輸部門で、化石燃料を使わないモデルの構築を目指す。

実証には伊藤忠やマツダなど16社が参加。充電時の課金やカーシェアリングのシステムも検証する。自動車が搭載している電池の劣化データを集め、蓄電池の効率利用に向けた研究にも役立てる。つくば市内のコンビニエンスストアとガソリンスタンドに太陽光発電装置を設置した。

2010年5月12日

エコカー割引広がる

大手損害保険会社がエコカー減税対象車の自動車保険料を相次いで引き下げる。東京海上日動火災保険と損害保険ジャパンは7月から3%の割引をはじめ、三井住友海上火災保険は10月に割引率を拡大する。新車販売台数が伸び悩み、自動車保険料収入が落ち込む中で、比較的好調なエコカーの保険契約を増やす狙いがある。

ハイブリッド車などを購入する消費者の恩恵が広がりそうだ。

2010年5月11日

岩盤の天然ガス採掘可能に その2

2000年代始め、まずテキサス州で成功し、いまは東部の有望な地層にも注目が集まる。大手石油企業も投資を始めた。「当日はエネルギー消費地の大都会に近いのが魅力だ」と三井物産石油・ガス資源開発部の部長は言う。

北米大陸の各地にシェールガス層が存在する。すでにシェールガスは米国の天然ガス生産の8%に達し、30年には4割を占めるとの予測もある。

米エネルギー省の最新統計では、米国の09年の天然ガス生産量はすでにロシアを抜き世界一になったとされる。シェールガスがなければ、米国は天然ガスの大輸入国ななるはずだった。

国際エネルギー機関の推計によると、シェールガスなど未利用の「非在来型」と呼ぶ天然ガスの埋蔵量は世界で921兆立方メートル。既存ガス田(180兆立方メートル)の5倍に達する。

シェールガスは中国にも欧州にもあるらしい。昨年11月の訪中時にオバマ大統領は中国主席との間で「米中シェールガス資源イニシアチブ」に合意、中国での探査に米国が技術・資金面の協力を約束した。

2010年5月10日

岩盤の天然ガス採掘可能に

米国発の天然ガス革命が始る兆しがある。地下の固い岩盤層から、未利用の天然ガスを低コストで取り出す技術が編み出された。米国ではガス田の開発ブームが熱を帯び、日本企業も投資を始めた。石油や石炭に比べ二酸化炭素排出が少ない天然ガスの利用が広がれば、温暖化対策にもプラスになる。

三井物産は2月、米東部ペンシルベニア州のガス田開発に最大で54億ドル(約5千億円)を投資すると発表した。住友商事も昨年末にテキサス州に投資を決めた。両社が狙いをつけたのは、頁岩という固い岩の中に閉じ込められた天然ガスだ。

存在は古くから知られていたが、井戸を掘ってもたくさん取れなかった。通常のガス田は目の粗い砂岩層にたまったガスを掘り出す。穴を開ければ地下の圧力でガスが井戸に押し出される。しかし、固い頁岩の内部でガスが移動しない。

3つの技術の組み合わせが、頁岩からの採取を可能にした。第1は、井戸の水平堀。まっすぐ掘り下げ、地下で方向を90度転換、地層に沿って掘り進むことができる。垂直にほった場合に比べ1本の井戸でとれるガスの量が2~3倍になり、生産コストが下がる。

第2に、岩盤の水圧破砕。第3は、岩が割れる時の振動をとらえる精密地震探査技術。

どれも従来の油田やガス田の開発で培われた技術だ。「うまく組み合わせて、頁岩層を思いのままに堀、ガスをとれるようになった。と、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の伊原・上席研究員は話す。

2010年5月 9日

CO2排出枠企業向け7割増し

企業が二酸化炭素の排出枠を製品に付加して販売する動きが広がり、国内外からの排出枠の取得が増加している。国際協力銀行の調査によると、丸紅や住友商事など排出枠仲介大手10社が、こうした「カーボンオフセット型」の製品に取り組む企業向けに昨年取得した枠は前年比約7割増しの約73万トンだった。

各社は生産過程などで排出したCO2を相殺する排出枠を購入したうえで、それを明示した製品を販売する。レナウンなど衣料品大手が商品タグに導入したり、日本郵政グループが排出枠分の5円割高な年賀はがきを発売したりする取り組みがある。

2010年5月 8日

東南アジアで原子力発電計画続々

これまで原子力発電所の空白地帯だった東南アジア諸国連合(ASEAN)地域で、原子力発電の建設計画が勢いを増している。海外に設備発注を始めたベトナムに続き、マレーシアが導入の方針を固め、インドネシアも新たな建設候補の検討に動き出した。温暖化ガスの排出抑制に対する関心が高まったためだ。

マレーシアのエネルギー・環境技術・水資源相のピーター・チン氏は建設地の選定作業に近く着手し、2021年の原発稼動をめざすと明らかにした。「長期にわたりエネルギー需要を満たす唯一の現実的な選択肢だ」と指摘。

いまは電源構成の半分以上を自国産の天然ガスが占めるが、あと20年程度で枯渇するとの予測もあり、電源の多様化が課題になっている。

インドネシアではジャワ島中部の計画が住民の反対で動かなかったが、カリマンタン島やリアウ諸島などが昨年から今年にかけ誘致に乗り出した。

先行するベトナムは20年の稼動に向け200万キロワットの第1工事をロシア国営企業に発注し、2期工事も予定する。

フィリピン、シンガポールなども積極的に検討している。

2010年5月 7日

太陽電池事業

国内太陽電池大手の生産拡大の動き

現状→増強計画 主な内容
シャープ

87→103(2011年初め)

3月から堺市の新工場で薄膜太陽電池の生産を開始
京セラ 40→100(2012年度) 6月に滋賀県の新工場が稼動
三洋電機 34→56.5(2010年度) 2010年度中に島根県と大阪府の2工場を増強
三菱電機 22→60(2011年度以降早期に) 2010年度中に長野県の工場を増強、単結晶シリコン太陽電池の生産開始


2010年5月 6日

風力発電に37億円投資

インターネット検索世界最大手の米グーグルは3日、米ノースダコタ州の風力発電所に3880万ドル(約37億円)と投資したと発表した。同社は太陽熱発電を手掛けるベンチャー企業に出資するなど自然エネルギーへの取り組みを強化しているが、発電所への投資は初めて。自然エネルギーの利用を後押しする。米電力大手FPLグループ傘下の風力発電所に投資した。発電能力は16万9500キロワットで、約5万5000世帯に電力を供給する能力がある。

2010年5月 5日

エネルギー大手、国内依存脱却

東電は20年度までの長期経営計画を策定する。海外原発事業では新興国での原発受注に参画するほか、技術支援する米原発会社のSTP(テキサス州)に出資し、米国での原発の運営事業に参入を検討する。スマートグリッド関連技術の輸出も検討する。新興国との資源争奪の激化を受けウランや石炭の資源開発を強化する方針。

関西電力は今春まとめた30年までの長期計画で海外での発電事業を80万キロワットから500万キロワットまで拡大する方針を表明。

Jパワーは高効率の石炭火力発電所を中国やインド、米国などで新規建設することを検討中だ。

出光興産はベトナムで総額約6000億円の石油コンビナート事業を検討中で、14年の創業開始を目指す。

経済産業省によると石油製品の国内需要は14年度には1億6千万キロワットと00年度の3分の2に減る見通し。海外での発電所建設などには巨額の投資が必要で、エネルギー企業はグローバル展開には慎重な姿勢だったが、国内需要の急速な縮小を受けて、「積極的に海外に成長の機会を求めていく」方針に転換する。

2010年5月 4日

エネルギー大手国内脱却急ぐ

食品や医療など内需型企業のグローバル化の進展などで製造業の海外売上高比率は約5割まで上昇している。一方で、石油や電力などエネルギー産業のグローバル化は遅れており、JX傘下の新日本石油の海外売上高比率は2008年度で4%、東電は0.3%にすぎなかった。

JXは太陽電池と燃料電池などを組み合わせた分散型電源事業を中東や新興国で展開する方針だ。銅や銀などの金属を抽出する小型の精錬所を産出国で建設し、金属資源の採掘か製品化まで現地で一貫して手掛けることも計画している。

2010年5月 3日

エネルギー大手海外へ

エネルギー大手の海外事業展開方針
JXホールディングス

分散型電源事業を新興国などで展開へ

産油国で小型精錬所を建設、鉱山開発から製品まで一貫生産へ

東京電力 海外で原子力発電建設・運営に参画。米原子力発電会社に出資も
出光興産 2014年にも約6000億円を投じてベトナムで製油所と石化プラントを操業開始へ
東京ガス 洋上LNG基地事業に参画検討
Jパワー 中国やインドなどで高効率石炭火力発電所を建設へ
昭和シェル石油 国営石油会社サウジアラムコと組んで太陽光発電事業を海外展開へ

2010年5月 2日

エネルギー大手成長狙い海外へ

日本のエネルギー大手が相次ぎグローバル展開に乗り出す。新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合したJXホールディングスは、新興国での分散型電源事業や精錬事業を手掛ける。東京電力は原子力発電事業スマートグリッド(ザ世代送電網)の海外展開を目指す。両者は今年度中に策定する長期経営計画に盛り込む方針。国内エネルギー需要の縮小を受け、売上高の大半を国内に依存する経営体質からの脱却を急ぐ。

2010年5月 1日

南極温暖化 オゾンホールがブレーキ役

地球温暖化の予測によれば、気温上昇は高緯度地域で大きくなる。氷が減れば太陽光線を反射しにくくなり、温度がさらに上がるという加速要因も働く。北極では予想通りに温度が上がっているが、南極にはこれが当てはまらない。国立極地研究所の山内副所長は「地球が温暖化してきたなかで、南極の温度がそれほど上がらないのは長く謎になっている」という。

最近、その謎を解く鍵が見つかった。意外な仕組みで南極の温暖化が抑制されているという。毎年、南極上空に出現する「オゾンホール」と呼ばれるオゾン濃度の低い領域の存在が大きく影響しているとの見方が広がっている。

オゾンホールは南極上空の成層圏を東向き(時計回り)に流れる極渦と呼ばれる強い風によって隔絶された、冷たい場所にできやすい。フロンなどから出た塩素によるオゾン層の破壊が原因とされる。

オゾンホールには紫外線吸収などにより空気を暖める効果があるので、オゾンホールが出来ると南極上空はますます冷え、極渦が強まりやすくなるという関係がある。すると、南極の周囲から暖かい空気が流れ込むのが妨げられ上空は冷たいままになる。南極は温暖化しにくくなるという。

この説が成立するのは「上空の成層圏と、より下層の空気が連動しているのが前提」。

南極のオゾンホールはフロンなどの規制が奏功し、21世紀後半には消滅するという期待が大きい。オゾン層破壊の問題はひとまず解決するものの、今度は、オゾンホールによって抑制されていた南極の温暖化が促進されかねないという皮肉な構図が生まれている。