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2009年12月31日

人工光合成

石油・石炭など化石燃料に頼らないモノつくりは可能か。素材産業は今、100年に一度の大転換期を迎えている。

植物の光合成を化学品製造に応用する「人工光合成」。そんな夢のような計画が現実になろうとしている。

三井化学の大阪工場。昨年2月、二酸化炭素からプラスチック原料のメタノールを合成する実証設備が稼動した。工場の排出ガスに含まれるCO2を濃縮して水素を混ぜ、銅と亜鉛でできた触媒を通すとメタノールが生成される仕組みだ。

石油から合成樹脂を作る石油化学産業が誕生してから今年で90年。温暖化ガスのCO2を原料に使う一石二鳥のプロジェクトは、中国など新興国からも注目を集める。

「20年に1990年比25%減」を掲げる民主党政権の温暖化ガス削減策目標。これらの素材革命が実現すれば恐れるにたらないようにも思えるが、鉄鋼の水素還元法の実用化は20年後の見通し。化学の人工光合成も同様だ。大切なのは中長期的な視点での技術支援策だろう。

2009年12月30日

温暖化 宙に浮く25%減

国内の温暖化ガス排出を2020年までに1990年比25%減らす――。政権発足直後の9月22日、鳩山首相は国連気候変動サミット(ニューヨーク)で日本の新しい中期目標を表明した。率先して高い目標を掲げ、13年以降の地球温暖化対策(ポスト京都議定書)を巡る交渉を主導する狙いだ。

だが、今月開かれた第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)ではポスト京都議定書の枠組みがまとまらず、思惑は空振り。議論は事実上、宙に浮いた状態だ。

鳩山首相はCOP15の合意に基づき来年1月末に改めて国連に25%減の目標を提示する意向。だが政府内にも「米中は国際的な削減義務を負うことに慎重。来年になっても新たな枠組みを採択できるか予断を許さない」との声がある。

国内対策も課題山積。首相は25%減の達成に向け「あらゆる政策を総動員する」と表明したが、具体策や国民負担はまだはっきりしない。マニフェストに盛った地球温暖化対策税(環境税)には産業界などが反発。22日にまとまった税制改正大綱では「11年度導入に向けて検討」となった。

2009年12月29日

太陽熱発電 相次ぎ参入

三菱重工や旭硝子など大手企業が太陽エネルギーを鏡で集めて発電する太陽熱発電向けの設備に相次ぎ参入する。太陽熱発電は二酸化炭素を発生しない自然エネルギーとして欧米で開発計画が広がっており、タービンや集熱装置など関連設備の世界市場は2015年に最大で1兆円近くに拡大する見通し。日本メーカー各社は普及が進んでいる太陽光発電や風力発電向けと合わせて新市場を開拓する。

2009年12月28日

温暖化で産油国も戦略変化

地球温暖化への対応で世界は石油消費の抑制を迫られ、この進展次第で石油市場の環境は大きく変わる。主要な産油国は当面の需給や価格だけでなく、中長期の市場の環境変化を意識して動き始めた。

特に注目すべきは、産油国が自ら資源の付加価値を高めて輸出する石油化学事業の急拡大だ。消費国や石油を原料としてきた企業も産油国の戦略の変化に備える必要がある。

来年は世界の石油需要が増加に転じる見通しだが、産油国には慎重な見方が少なくない。サウジアラビアのヌアイミ石油相は、中国などの需要が増えても先進国の需要が増えるとは思わないと語っている。

消費抑制の動きに産油国も敏感になった。サウジ国営石油会社幹部は「われわれの望みは長期安定需要。100ドル超えの再来は望まない」と語った。

 

2009年12月27日

自然エネルギー

太陽光風力地熱など自然界に無尽蔵に存在するエネルギーを指す。石油や石炭など埋蔵量が限られる化石燃料と対比し、「再生可能エネルギー」と呼ばれる。発電時に二酸化炭素を排出しないため、温暖化ガス削減対策の一環として導入機運が酒井的に高まっている。

最も普及しているのが風力発電で、2008年末の発電能力は太陽光発電の8倍程度。自然エネルギーの中では発電コストが最も安いが、発電量が安定しない短所もある。太陽光は発電設備のコスト低下で、普及に弾みがつきそうだ。太陽熱発電は、13年には太陽光の1~2割り程度の市場になるとみられる。

2009年12月26日

温暖化ガス削減 技術移転を仲介

第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、先進国から途上国に地球温暖化防止の技術を移転する新組織を設立する方向で合意する見通しになった。アジアや中南米、アフリカなど地域別に拠点を設置。それぞれの国・地域の実情を踏まえ、先進国の企業が持つ省エネ技術などを新興・途上国に提供する橋渡し機能を担う。

COP15で最終日の18日にまとめる政治合意案にも盛り込まれる見通しだ。2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)では、新興・途上国の排出削減が不可欠。日本など先進国の企業が持つ技術を移転する枠組みづくりが焦点の一つだった。

具体的にはまず世界の主要国などが人員を派遣する「気候技術革新センター」を新設し、アジアや中南米、アフリカといった途上国に地域拠点を設置。拠点数は3~6地域になる見込み。技術に詳しい専門家を集め、国や地域ごとにどんな技術の導入は効果的かを判断し、先進国側の企業や途上国などに助言する。鉄鋼や電力など民間企業の協力も仰ぐ方向だ。

ただ技術移転は資金支援とも密接に関連する問題で、議論は最終日までもつれこんだ。

2009年12月25日

温暖化ガス 首相「25%削減堅持」

鳩山首相は24日午前、2020年までの温暖化ガスの削減目標について「(米国、中国など主要国が参加するとの)前提条件をつけたままで(1990年比で)25%削減をはっきり書き入れるべきだ」と表明した。先の第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)では、先進国が来年1月末までに削減目標を提示すると確認しており、日本政府としては従来の方針を堅持する考えを示した。

首相官邸で開いた地球温暖化問題に関する閣僚委員会で明らかにした。

首相は「前提条件を外したらどうかという話もあったが、主要国がさらに怠けてしまう可能性がある」と指摘。「彼らに《もっと高く掲げなければ我々もやりませんよ》と示すことが重要だ」と述べ、米中を含めた主要排出国が「意欲的な削減目標」を示す必要があるとの認識を改めて示した。

2009年12月24日

温暖化ガス削減交渉

欧州連合(EU)は2013年以降の温暖化ガス削減の国際的枠組み(ポスト京都議定書)交渉に向けた戦略の立て直しに入る。コペンハーゲンで開いた第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)では、EUが求めた成果がほとんど得られなかったため。10年1月中旬にスペインで非公式環境相会合を開き具体策を協議する。

EU議長国スウェーデンのカールグレン環境相は22日のEU環境理事会後の記者会見で、COP15の結果を「災難」「大失敗」と明言。その原因として世界の温暖化ガス排出の約4d割を占める米国と中国を挙げ、両国が温暖化ガス削減・抑制の上積み「後ろ向きだった」と決め付けた。

10年1月からEU議長国となるスペインの代表は「オバマ米大統領がコペンハーゲン合意のキーマンならば、数字を示さなければならない」と息まいた。20年までの温暖化ガス削減目標が05年比17%減。90年比だと3%減にとどまる米国を槍玉にあげ、当面は圧力をかけ続ける作戦だ。

とはいえ、ポスト京都交渉立て直しの妙案があるわkではない。フランスなど一部加盟国からは、温暖化ガス削減に消極的な国からの輸入品に追加的な関税をかける案が出ているが。カールグレン環境相は「時期尚早」と述べるにとどめた。

2009年12月23日

太陽熱発電に参入する主な企業

太陽熱発電に参入する主な企業

発電装置

三菱重工 低出力高効率タービン
東芝三菱電機産業システム 空冷式発電機
集熱装置
旭硝子 高反射鏡
コニカミノルタ 高反射鏡
三井造船 太陽位置の追尾装置
横河電機 追尾装置の制御システム
プラント企画運営
日揮、コスモ石油、三井造船、三菱商事

2009年12月22日

太陽光より発電効率高く

太陽熱発電と太陽光発電

太陽熱発電は太陽光を鏡で集め、セ氏380~600度程度の高熱で水を沸騰させる。その水蒸気でタービンを回して発電する仕組み。太陽光発電は光が当たると電気が生じる薄い半導体(太陽電池)の表面に、太陽光を当てて発電する。

太陽熱発電のコストは日照条件が良ければ1キロワット時あたり10~20円と、太陽光発電の半分以下で済む。太陽エネルギーを電気に変換する効率も太陽熱発電は20%と太陽光発電(同15%程度)を上回り、同じ量の太陽光からより多くの電気をつくることができる。

2009年12月21日

太陽熱発電

三井造船は反射鏡の向きを太陽の動きに合わせて追尾する装置を開発。一つの追尾装置に複数の鏡を搭載し太陽の向きに合わせそれぞれ動かせる仕組みを実用化する。15年に関連機器で300億円程度の売り上げを狙う。日揮は装置メーカーと連携し、中東などで太陽熱発電のプラント建設の請負を目指す。

太陽熱発電所は1年を通して強い日差しと広大な土地が多い地域で有効な発電方法として注目されている。日本では石油危機を機に導入機運が高まったが、適する立地が少なく企業の取り組みも遅れていた。

スペインは太陽熱発電による電気を割高に買い取る制度を導入。2ヶ所で稼動し、20ヶ所を超える計画が進す。米国でも10ヶ所超の新設計画がある。独シーメンスはドイツ銀行などと組み4000億ユーロをかけ、北アフリカや中東に太陽熱発電所を建設、欧州に送電する計画だ。

2009年12月20日

太陽熱発電 成長市場を開拓

三菱重工は太陽熱発電所向けの高効率タービンを開発した。排熱を再利用する仕組みを設け発電効率を上げた。大型工場の電力需要をまかなえる出力5万キロワット程度のタービンで、販売価格は十数億円の見込み。太陽熱発電所の建設計画が多いスペインや米国で販売活動を始めた。

旭硝子は太陽熱を集める高性能の反射鏡の販売を始めた。鏡の厚さを1ミリメートルまで薄くし、反射率を95.1%に高めた。ベルギーの工場で生産体制を整備、米国やタイでも生産可能で2~3年後に約100億円の売り上げを目指す。コニカミノルタも鏡の表面に数百層の反射膜を付け、反射率を95%以上に高める技術を実用化した。

 

2009年12月19日

国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15) 米、慎重姿勢崩さず

第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)では世界最大の排出国となった中国が存在感を発揮する一方、議長国を抱える欧州連合(EU)の積極的な動きが目立つ。

対照的に表立った動きを抑えているのは米国だ。日欧などに排出削減義務を課す京都議定書を批准していない米国にとって、同議定書の延長はマイナスといえない面があるとみられる。

クリントン米国務長官は17日、米国として2013~20年の途上国支援に貢献する用意があるとの方針を表明。途上国支援で自らの立場を「半歩」前進させ、政治合意に歩み寄る姿勢を示した。

だが、20年までに05年比で17%削減する中期目標についてスターン米気候変動問題担当特使は「変えると予想していない」と発言。EUや一部の途上国は連日、米国を批判して目標の上積みを求めているものの、慎重姿勢を崩していない。

「沈黙」を守っているのはインドも同じだ。急速な経済成長ですでに主要排出国となったものの、先進国からの非難が集中すうr中国を「盾」に、議論の深入りを避けているのが現状。自らの排出抑制義務のない京都議定書の延長論が勢いづいて以降、持論である「先進国は京都議定書を揺さぶろうとしている」との先進国批判のトーンは抑え気味だ。

公式の閣僚会合と並行して米中、米・EUなどの個別会談も活発化。1997年の京都議定書の交渉は水面下で米欧が枠組みづくりを主導した。今回も米欧中など限られた主要プレーヤによる個別会談などを通じ、18日の首脳級会合に向けた「政治合意」の骨格づくりが進む可能性もある。

日本がこうした動きにどこまで関与できているのか不明だ。途上国支援策「鳩山イニシアチブ」で資金対策を主導する構えを見せた日本は、「ジャイアント・コントリビューション(巨額の貢献)」と欧米メディアからも注目を浴びた。だが外務省幹部は16日、「米欧が水面下で握っているのでは・・・・・・」と警戒感をあらわにした。

2009年12月18日

横浜市 生ゴミを発電燃料に

横浜市は家庭から出る生ゴミを集めてバイオガス化し、発電燃料として利用する実証実験を始めた。現状で焼却処理している生ゴミを資源として再利用し、ごみ減量策として実用化を検討する。

11日から磯子区の約880世帯を対象に始めた。食べ残しや調理くずの生ゴミを燃やすごみとは別に回収。下水汚泥を微生物で分解しバイオガスを発生させている市の施設に運び、バイオガスの原料を使う。

市は来年度以降も実験を続け、生ゴミの分別方法などの課題を検証した上で、全市に広げたい考え。市は燃やすゴミの4割を占める生ゴミの再利用を進めようと、すでに堆肥化の実験も始めている。バイオガス化の実証実験も並行して進め、効率のいい処理法を探る。

2009年12月16日

COP15 温首相 主要国に電話攻勢

第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)首脳級会合を前に、中国の温家宝首相が各国首脳らに電話攻勢をかけている。途上国は自主的な排出抑制にとどめるという政治合意の実現に向け、根回しを進めているもようだ。

中国メディアの報道によると、温首相が8日以降に電話会談を行ったのはドイツのメルケル首相や英国のブラウン首相、インドのシン首相、ブラジルのルラ大統領ら。1週間で7人以上の首脳と意見交換した。

中国は先進国に対して2020年までに、温暖化ガスを1990年比で25%以上削減するよう求めている。

中国を含めた途上国は経済成長を妨げない範囲で自主的に排出を抑制すると主張。18日の首脳級会合出席をにらんで、温首相は先進国にはこうした中国の考えを伝え、インドなど途上国には結束を呼びかけたようだ。

2009年12月15日

温暖化データ改ざん疑惑  その3

ジョーンズ教授についてはトリックという言葉はともかく、研究の方法自体は問題がないと擁護する専門家もいる。パチャウリ議長が言うように、温暖化の研究自体が傷ついたわけでもなく、現在主流のコンセンサスが崩れたわけでもない。

しかし流出したメールでは、ジョーンズ教授が温暖化に懐疑的研究者の論文を掲載しないよう相談したりしていた。不都合な研究を排除していた印象はぬぐえない。

IPCCは2年前の報告書で「近年の気温上昇の原因の大半は人間活動によるもの」と結論付けた。半面、二酸化炭素が増えているのにここ10年ほど気温上昇が止まっているなど、謀略説もささやかれる今回の事件だが、論争が再燃するきっかけになりそうだ。

2009年12月14日

温暖化データ改ざん疑惑  その2

地球が人間のせいで温暖化していることを懐疑的にみる科学者らがせきを切ったように教授のデータ操作に疑いの目を向け始めた。米ウオーターゲート事件になぞらえた「クライメート(気候)ゲートという言葉も生まれ、欧米メディアが争って取り上げた。

疑惑の元は、同教授らが国連世界気象機関の1999年の報告書に載せた過去1000年の気温グラフ。60年前後までは樹木の年輪幅などからの推定値、それ以降は実測値に基づいている。

ところが年輪幅などのデータは60年代以降も存在し、気温の下降を示していた。これとの整合性なしに実測値をつないで気温が急上昇しているように見えるグラフを完成させた。これば「トリック」の内容とされた。

トリックの方法がメールのあて先のマイケル・マン米ペンシルベニア州立大学教授にならったものと書かれていたことが騒ぎを大きくした。

マン教授はなだらかに下がっていた気温が20世紀に急上昇する「ホッケースティック曲線」と呼ばれるグラフを98年に発表。これをIPCC報告書が取り上げて、温暖化が人間活動の結果であることを強く印象づけた。だがマン教授の研究にはその後、不適当なデータ処理が指摘され、温暖化に懐疑的な研究者の批判の対象になっていた。

2009年12月13日

温暖化データ改ざん疑惑 その1

地球温暖化の研究で有名な英大学で気温データの改ざん疑惑が浮かび、第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP)にも影を落としている。温暖化の人為的を疑う一部の科学者が攻勢を強め、主流派の科学者には警戒が強まっている。

COP初日の7日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のパチャウリ議長は各国代表を前に、温暖化問題に関する国際組織である同パネルの「透明性と客観性」を強調した。議長が神経質になっているのは、事件に登場する科学者がIPCCでも中心的な役割を果たしてきたためだ。  発端は11月中旬、英イーストアングリア大のコンピューターから電子メールや研究データが大量にネット上に流出したこと。温暖化研究の責任者であるフィル・ジョーンズ教授が米研究者にあてたメールに「気温低下を隠すトリック(策略)を終えた」とあった。

2009年12月12日

温暖化ガス削減策 深まる対立

2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組みを巡る対立が激しくなってきた。日米欧の先進国、中国やインドなどの新興国、アフリカなどの途上国が対立する三つどもえの状態。温暖化ガスの排出削減目標や途上国支援など、主要議題では対立が解消する見通しはなく、政治合意の行方は不透明感を増している。

先進国の支援資金は足りない。米国は京都議定書に復帰するべきだ。途上国グループの代表を務めるスーダンのルムンバ・ディアピン大使は先進国の交渉への姿勢を批判した。

中国の団長は「米国の(20年に05年比17%減の)目標は不十分」と非難。20年までに90年比25%削減するとの日本の目標も排出枠の利用などが「漠然としている」と主張するなど、「対先進国」の姿勢を鮮明にしている。

先進国側も欧州する。欧州連合は、20年までに国内総生産(GDP)当たりの二酸化炭素排出を05年比40~45%削減する目標を掲げる中国に対し「上積みが必要」と主張。米国のスターン気候変動問題担当特使は「中国には十分な資金があり、支援の必要はない」と言いきった。

これまで一致して行動してきた新興・途上国のほころびも見え始めた。「(京都議定書とは異なる)新議定書を議論する場を設けるべきだ」。島しょ国グループを代表するツバルは会議の場で提案した。

だが、中国などの反対で会議は一時中断。国土水没といった温暖化への危機感が強い島しょ国と、経済成長を重視する新興国の立場の違いは鮮明だ。

各国が国益をむき出しにして交渉に臨む中で、日本の存在感は薄い。「日本の25%の削減発表は過去の話で、次はどんな支援額を出すかだ」。と述べている。

2009年12月11日

温暖化ガス削減 技術移転

第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、先進国から途上国に地球温暖化防止の技術を移転する新組織を設立する方向で合意する見通しになった。アジアや中南米、アフリカなど地域別に拠点を設置。それぞれの国・地域の実情を踏まえ、先進国の企業が持つ省エネ技術などを新興・途上国に提供する橋渡し機能を担う。

COP15で最終日の18日にまとめる政治合意案にも盛り込まれる見通しだ。2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)では、新興・途上国の排出削減不可欠。日本など先進国の企業が持つ技術を移転する枠組みづくりが焦点のひとつ。

2009年12月10日

温暖化データ改ざん疑惑

地球温暖化対策が人為的であることを証明するデータに改ざんの疑いがあることを示すメールが流出した騒動を巡り、温暖化防止対策による原油消費の減少を懸念する産油国が勢いづいている。サウジアラビアが経緯の詳細な調査を求めるなど、波紋は国際社会に広がりつつある。

サウジアラビア代表は7日、コペンハーゲンで開かれている第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で一連の騒ぎについて「(温暖化人為説の)科学的信頼性に影響するものだ」と主張。温暖化は化石燃料の消費によって人為的にもたらされたとするこれまでの研究の成果を再精査するよう求めた。

産油国の多くは温暖化防止対策に反対、先進国に対して原油消費の減少に伴う損失の穴埋めも求めている。人為説には一部で懐疑論が根強く、欧米石油メジャーや石油輸出国は懐疑はの研究者らを支援しているとされる。

一方、英メディアは発端となったメールがロシアのサーバーを経由していたと報道。背景には温暖化懐疑派の支援を受けたロシアのハッカーグループが関与している可能性があると伝えるなど、COP15の開催にあわせた「陰謀説」も浮上したいる。

2009年12月 9日

温暖化ガス削減策 RITEが試算 日本負担突出

地球環境産業技術研究機構(RITE)は8日、各国・地域の2020年までの温暖化ガス削減目標を比較した場合、日本の費用負担が突出して大きくなるとの試算をまとめた。日本の目標を達成するには国内総生産(GDP)比で1.13%の対策が必要だが、欧州連合は0.08%、米国は0.29%にとどまるという。

20年までの目標については日本が1990年比25%減、EUが同20%減、米国が05年比17%減を掲げている。

日本が目標を達成するには二酸化炭素1トン当たり476ドルの費用負担が必要。EUは48ドル、米国は60ドルですむ。日本は過去の省エネ努力などで削減の余地が小さくなっていることもあり、他国に比べ負担が突出して大きい。GDP比でみた対策費用の欧米を大きく上回る。

一方、GDPあたりのCO2排出量を減らす目標を掲げた中国やインドは、対策費用の大部分を省エネ効果で回収できる。実質的なコスト負担はなしで目標を達成だきるという。

2009年12月 8日

温暖化ガス抑制目標

地球温暖化対策の国際合意を目指す第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)は8日、2日目の討議に入った。新興・途上国が掲げる温暖化ガスの排出抑制目標について、達成度を検証する仕組みが焦点に浮上。先進国は国際的な検証を受け入れるよう求めるが、中国などは拒否する構えだ。

2013年以降の温暖化ガス削減策の国際枠組み(ポスト京都議定書)を巡っては、新興・途上国に一定の排出抑制努力を課すかどうかが焦点になっている。中国は国内総生産を一定程度ふやすために出す二酸化炭素の排出量を20年に05年比40%~45%減、インドは同20~25%とする目標を公表した。

日本などの先進国は中印の目標水準を「十分でない」としている。

中国などは自らの目標を国際的な約束ではないと主張している。先進国の支援資金を使って削減した分は検証を受け入れるが、自助努力での削減分は検証を受け入れない構えだ。

2009年12月 7日

バイオ燃料の生産効率2倍

京都大学と三重大学の研究グループは住友商事の協力を得て、稲わらや木くずの植物繊維をほぼ残らず分解し、バイオ燃料のもとになる糖に変えられる細菌を見つけた。一部の繊維成分しか分解できなかった従来法に比べ、バイオ燃料の生産量を倍増できる可能性がある。細菌のゲノム(全遺伝情報)は解読済みで、遺伝子の働きを詳しく調べて分解効率をさらに高める方法を探る。

成果は横浜市で開く日本分子生物学会で12日、発表する。

バイオ燃料をつくるには植物繊維を分解し糖にしたうえで、発酵させアルコールに変える。繊維にはセルロースとヘミセルロースの2種があるが、両方を同時に糖にする有効な方法はなかった。

京大の植田教授らは木くずなどに含まれる「クロストリジウム属菌」の一種が2種類の繊維成分を同時に分解することを見つけた。既知の菌だが、繊維の優れた分解力を持つことを初めて見つけた。

細かく砕いた稲わらを交ぜた水溶液に菌を入れると、約10日で完全に糖に変わった。この糖を発酵させてバイオエタノールを作れば、100キログラムの稲わらから約30リットルのエタノールが得られる計算になるという。従来技術では半分以下だった。

現在使われている細菌でヘミセルトースを分解するには化学薬品などで前処理する必要がある。廃液処理もあり低コストが難しいため、主にセルロースしか使えず無駄が多かった。研究グループは菌のゲノムデータをもとにヘミセルロースの分解に関与する複数の遺伝子とその機能を解明し、特許出願した。今後は植物の種類に合わせて最適な遺伝子の組み合わせを調べ、分解効率の向上につなげる。遺伝子をアルコール発酵に使う酵母に組み込み、植物繊維からエタノールまで一気に作る手法の実現を目指す。

繊維分の多い茎や廃棄物など非食料を原料に使うバイオ燃料の製造法開発には、米国なども国をあげて取り組んでいる。

2009年12月 6日

海底・地下にCO2貯留

日本経済新聞が主要企業を対象に実施した「第13回環境経営度調査」で、発電所や工場から二酸化炭素を回収し海底や地下に貯留する「CCS」への関心が高いことが分かった。最も注目する環境技術の一つに挙げた企業は全体の29%で、電気自動車と同じだった。

CCSは11月の日米首脳会談でも協力で合意した。国内では三菱重工や東芝などが研究している。国際エネルギー機関(IEA)は2020年に世界100ヶ所でCCS施設が建設されると試算している。

米国などが開発を本格化した次世代送電網「「スマートグリッド」も全体の約1割が注目技術に挙げた。

調査では環境技術を独自開発すると答えた企業が全体の48%を占めた。一方で、開発した技術を普及させるため国の補助が必要との回答は88%だった。特許取得などには自前の開発が必要だが、国の支援がないと市場創出は難しいとする企業の意向が鮮明になった。

2009年12月 5日

ノルウェー温暖化ガス排出 20年で差し引きゼロ

北欧の有力産油国ノルウェーが、途上国の温暖化ガス排出削減への支援を拡大し、それを自国の排出量削減に充当する制度を通じ、差し引きを世界で初めて「ゼロ以下」にする計画を進める。同国のストルテンベルグ首相がオスロで会見し、明らかにした。今後20年以内の達成を目指す。排出量取引制度などを世界的にに定着させる方向で国際世論を牽引、自国の環境対応技術などを新興国に輸出し、地球温暖化ビジネスの商機も探る狙いとみられる。

ノルウェーは石油資源を豊富に抱える小国だが、石油生産施設の排出抑制などを軸に排出削減効果をあげている。2020年までに自国の排出削減目標として、1990年比でEU(20~30%)や日本(25%)を大きく上回る「40%」を表明。30年までに差し引きゼロとする「カーボンニュートラル」を実現する方針も示しているが、首相はさらに踏み込み「ゼロ以下」とする「カーボンマイナス」戦略も視野に入れる構えを示した。

具体的な取り組みとして、首相は国内外で森林保護のために年間5億ドルを投じていることを紹介。CO2を地下に埋める技術に多額の投資を進めているとも表明。北海にある自国の石油生産施設にCO2の回収・埋蔵装置に導入を進め、他国の石油生産施設や発電施設での導入も働きかけるとした。

2009年12月 4日

インド、20~25%削減

インド政府は3日、地球温暖化対策として、国内総生産(GDP)を一定額生み出すために排出する二酸化炭素の量を「2020年までに05年比で20~25%削減できる」との政府内の試算を初めて公表した。7日からコペンハーゲンで開く第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、この数値を温暖化ガスの自主的な抑制目標として示す方針だ。

ラメシュ国務相が下院で表明した。COP15を控えて米中などの主要排出国がすでに削減目標を表明している。有力な新興国の一つであるインドも数値を明示して、13年以降の温暖化ガス削減策の国際枠組み(ポスト京都議定書)交渉で発言力の確保をねらう。ラメシュ氏は「COP15で公平な合意が得られるのであれば、一層の抑制も可能だ」と述べ、先進国からの資金・技術支援に期待を表明した。

ただ、公表した数値は単位GDP当たりの排出削減を示したもので、高率の経済成長が続けば温暖化ガスの絶対量を減らすことにはつながらない。ラメシュ氏は「総排出量に法的拘束力のある削減目標や上限を設けることは受け入れられない」と言明。中国が示したのも単位GDP当たりの削減目標で、新興国は成長重視の温暖化対策を目指す姿勢を鮮明にしている。

2009年12月 3日

風力発電所に併設

プロパンガス販売大手のミツウロコは大型の蓄電池を併設する風力発電所の開発を始める。送電量を安定させるため蓄電能力を備える風力発電所の建設が今後増加する見通しで、ミツウロコは比較的小型で設置や運営のコストが割安になるリチウムイオン電池を採用する。2010年夏から1年程度実証運転し、事業家を目指す。

同社は子会社が運営する神栖風力発電所に出力の10分の一程度の蓄電池能力がある電池を設置する。蓄電池開発のエリーパワーが来年から量産するリチウムイオン電池を使う。実験費用は数億円程度という。

2009年12月 2日

環境税 4月導入めざす

菅直人副総理・国家戦略相と藤井財務相、原口総務相は1日、2010年度税制改正の焦点である地球温暖化対策税(環境税)を巡って協議した。ガソリン税などの暫定税率は今年限りで廃止し、来年4月からの環境税導入を目指して政府内の調整を始める。国・地方で2兆5千億円に及ぶ減税を実施すれば、財政に深刻な影響を与えるためだ。

世界貿易機関(WHO)閣僚会議に出席のためジュネーブ訪問中の経済産業相が帰国し次第、関係閣僚の本格調整に入る。検討は環境省案がたたき台となる。石油石炭税と揮発油税の本則に上乗せ課税する内容だが、石炭や天然ガスなどの化石燃料への課税は経済界を中心に反発が強く経済産業省を中心に反発が強く経済産業省は慎重だ。政府税制調査会や、来年夏に参院選を控える与党内にも「時期尚早だ」との意見が多い。

環境税の来年度導入を見送った場合は、当面の間、揮発油税の暫定税率部分を環境対策を名目にした新税と置き換える方向で調整する。

2009年12月 1日

電気自動車

電気自動車(EV)では電気をためる蓄電池だけでなく、車輪を動かすモーターも車の性能を決めるカギを握る。優れたモーターを使えば、走行スピードにかかわる馬力や加速性を示す低速時のトルク(回転力)が向上する。

電気自動車用モーターには、回転力を生む主要部品に、永久磁石を使うタイプと金属配線を使うタイプがある。金属を使うタイプは誘導モーターと呼ぶ。国内メーカーは永久磁石タイプが主流だ。

モーターは投入した電力の90%を動力に変換できるが、自動車に詳しい東海大学の森本教授は「性能に理論的な限界はなく、改良の余地は残っている」と話す。磁石の配置や構造材料を見直すなどすれば効率アップや軽量化が図れるという。

モーターの開発では永久磁石を使わない研究も進む。永久磁石の主原料となるネオジムやディスプロシウムは希少金属で、産出国が中国などに偏っているからだ。

将来の供給不安が懸念され、欧米では誘導モーターの関心が高い。京大とアイシン精機が開発する超電導モーターも永久磁石を使わないタイプだ。