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2009年9月30日

中国地球温暖化対策を拡充

中国が地球温暖化対策の拡充に動き出した。2020年までにエネルギー消費に占める非化石燃料の比率をいまの9%程度から15%程度に引き上げる。国内総生産に対する温暖化ガスの排出割合も、20年を目標に05年比でどの程度減らすかを近く決める方針。原子力発電の推進や植林の拡大を含め総合的な対策を進める。

中国は経済成長に伴い温暖化ガスの排出量が増える可能性がある。このため排出量自体の削減目標には消極的で、経済規模に見合った排出量の抑制を進める考えだ。

中国は10年を目標に地球温暖化対策を進めてきたが、これからは20年を目標年次にする。まず石油や石炭など温暖化ガスの排出量が多い化石燃料の利用を減らし、太陽光風力原子力などを増やす。エネルギー消費に占める非化石燃料比率を15%にすることを目指す。

エネルギー全体の利用効率を示す指標として、一定のGDPを生み出す際に使う温暖化ガスの排出量を計算し、変化率を「国際公約」として示す。

2009年9月29日

日本の「25%削減」を評価

気候変動サミットでは、温暖化ガス削減の中期目標を「2020年だでに1990年比で言えば25%削減を目指す」と明言した鳩山首相への歓迎の声が相次いだ。

国連の事務総長はサミット終了後の記者会見で「日本の野心的な目標は、先進各国の(削減目標に関する)力学にも変化をもたらすだろう」との期待感を表明。各国首脳からも「非常に力強い手段を取り始めた日本政府の指導力に敬意を表する」(サルコジ仏大統領)、「日本のリーダーシップに非常に勇気づけられた」(デンマークのラスムセン首相)などの指摘が出た。

米誌タイムは23日の電子版で、日本と中国を「新しいグリーン・チーム」と位置づけ、日本について「世界で最も積極的な削減策を打ち出した。気候変動と戦う実験室になろうという決意だ」と評した。

日本は今後、「20年までに90年比で20%減」を掲げる欧州連合(EU)や「20年までに05年比で14%減」とする米国などとの間で、調整力を試される。

2009年9月28日

台湾企業が電気自動車

台湾の自動車最大手、裕隆集団傘下の納智捷汽車は電気自動車(EV)「ラクスジェンEVプラス」を開発した。同社は台湾当局にEVの規格策定や充電設備の整備などを呼びかけており、環境づくりが進めば2010年末にも量産を始める。

開発したEVは8月に台湾で予約受付を始めたミニバン「ラクスジェン」と同じ外観で、駆動部分のみを電気駆動に変えた。駆動システムは、独BMWや米EVベンチャーのテスラ・モーターズにも技術提供する米ACPから導入。モーターなど基幹部品は台湾企業から調達した。

家庭用電源を使うと約10時間でフル充電でき、300キロメートルの走行が可能。車体価格はラクスジェンとほぼ同じ100万円台湾ドル(約280万円)程度で、別途に車載バッテリーが約100万円台湾ドルかかる。ガソリン車に比べ割高だが、現行のガソリン価格ならば走行距離1キロメートルあたりのコストは10分の一以下という。

2009年9月27日

CO2地下貯留

米シェブロン、米エクソンモービル、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの石油大手3社はオーストラリア北西部沖の海底ガス田「ゴーゴン」事業で発生する二酸化炭素の回収・貯留技術の事業化に取り組む。液化天然ガス設備の建設地の地下に40年間で約1億2千万トンのCO2を封じ込める計画で、豪政府も資金面などで支援する。

シェブロンなど3社は14日、ゴーゴン事業への着手を正式決定したと発表した。投資総額は約430億豪ドル(約3兆3700億円)。2014年から年間1500万トンのLNG生産を始め、日本や中国向けなどに供給する。権益の1%を取得する東京ガスは14日、投資額が約340億円になると発表した。シェブロンなどは同事業の開発に際し、天然ガス生成過程で発生するCO2のCCS事業にも取り組む。

2009年9月26日

削減目標対立解けず

22日の国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)で、鳩山首相、オバマ米大統領ら主要国首脳は国際協調の重要性を強調する見通しだ。だが各国首脳の演説とは裏腹に12月の第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に向けた削減案の交渉は停滞感が強まっている。

「世界共通の難題」。22日の演説でオバマ大統領はこう強調する見通し。12月決着に向けた交渉は最終局面に入るが、先進国と新興国は、交渉の入り口で対立したまま解けない。

中国やインドなど新興国は、発電など個別分野での排ガス削減に向けた取り組みを強化している。だが「(これまでの温暖化に責任がる)先進国が新興国より先に(2020年までの)厳しい削減目標を確約すべきだ」(中国の交渉関係者)と一貫して主張する。

途上国への資金支援の実施も不透明だ。欧州連合(EU)は数百億ドル規模の資金支援を呼び水に、削減目標の合意にこぎつけたい考え。だが資金拠出を巡る先進国の協議はなお途上。「交渉は我々が考えていた以上に遅れている」。

温暖化ガス削減に向けた国際交渉に弾みがついたのは、1月にオバマ政権が発足し米国が国際協調に転換したのがきっかけだった。だが、医療改革に追われる米議会では温暖化関連法案の審議が停滞。24日から開く20ヶ国・地域(G20)首脳会議で、具体的な進展がなければ「12月決着」に暗雲が一段と広がりかねない。

2009年9月25日

エタノール原料のサトウキビ 新規栽培禁止

ブラジル政府は17日、同国北部のアマゾン地域や南西部のパンタナル湿原などで新たなサトウキビ栽培を禁止する法案を議会に提出した。全国土の92.5%が対象になる。ブラジルでは石油代替燃料としてサトウキビを原料とするバイオエタノールの生産が拡大しているが、森林破壊につながるとの批判も根強い。法律で明確に禁止することで批判を抑え、海外への普及を後押しする狙い。

法案では傾斜が12%を超える場所での栽培も禁止する。傾斜地では農機を使うことができず、収穫時に畑を焼く農法が一般的なため。規制対象になる土地では栽培のほか、砂糖やエタノール精製工場の建設も禁止される。ただ既存の栽培地などは継続利用できる。

ブラジルの現在のサトウキビ栽培面積は780万ヘクタールで国土の約1%。栽培が集中しているサンパウロ州や北東部。熱帯雨林や湿原はもともとサトウキビ栽培には向かず、法律が制定されても今後の生産拡大にはほとんど影響が無いと見られる。ブラジルでは今年、前年比7%増の286億リットルのエタノール生産が見込まれている。

2009年9月24日

温暖化ガス削減 EU米をけん制

欧州連合加盟27ヶ国は17日に開いた緊急首脳会議で、24~25日に米ピッツバーグで開く20ヶ国・地域(G20)首脳会議への対処方針を決めた。地球温暖化問題では温暖化ガス削減の中期目標で米国に一段の削減努力を求める。

年末に合意期限が迫った2013年以降の国際的な温暖化ガス削減の枠組み「ポスト京都議定書」交渉について、首脳宣言では、米国を名指しすることは避けながらも「野心的な中期目標を設定していない国は早急にそうすべきだ」と指摘した。

2009年9月23日

洋上風力発電 浮体式を実験

戸田建設、京都大学、佐世保重工業、日本ヒュームは共同で、風車を海に浮かべる浮体式の風力発電実験を開始した。浮体式の洋上風力発電は世界でも珍しいという。風力発電は二酸化炭素を排出しない自然エネルギーとして期待が大きいが、騒音・景観問題などで設置場所が限られている。洋上に浮かべることで場所の制約が小さくなるとみれおり、3~4年後の実用化を目指す。

洋上風力発電は欧州などで実用化されているが、設備を海底に固定する方式が主流。陸地に近く、水深の浅い場所を選ぶ必要があり、設置コストもかさむ。浮体式は工場で製造した設備を洋上にえい航すればすみ、実用化できれば風力発電の普及が進むとみている。

まず、長崎県佐世保近くの洋上で実験を開始した。発電用の風車は、主にコンクリートと鋼製の「浮き」に取り付け、海面に突き出させる。実験設備は全体の高さが12.5メートル、水中部分が7メートル。実用化時は約10倍のおおきさにし、発電量は2メガワットを想定している。発電設備は離島などで活用するほか、近隣諸国への輸出なども検討する。

海底に固定する方式の洋上風力発電は欧州で合計140万キロワット以上の設備が稼動している。日本では固定式も含め、本格的な洋上設備はまだ実用化されていないという。

2009年9月22日

水力発電の設備増強

電力会社が二酸化炭素の排出削減に向けて水力発電の増強に乗り出す。東京電力は20年ぶりに発電所の基幹部品を交換する検討に入った。Jパワーは国内最大の水力発電量を持つ佐久間発電所を改修する。民主党政権でCO2削減要求が強まると判断。太陽光など新エネルギー拡大と合わせ発電量の安定した水力発電を活用する。

東電は長野県、山梨県など老朽化した発電所に新開発の水車を採用し、出力を5~10%向上させる検討に入った。Jパワーは国土交通省を連携し、佐久間ダムと秋葉ダムに土砂を減らす設備などを導入、貯水量を回復させて発電量の増加につなげる。2011年以降工事を本格化させる。

発電時にCO2を排出しない水力発電を増やし、火力発電を減らせばCO2排出量を減らせる。ダム建設の見直しなどで新規着工は難しくなっており、既存発電所の改修で水力発電量を増やす。

2009年9月21日

民主党 CO2 25%削減の波紋

日経新聞 新日鉄会長 三村氏より

新政権にはどのようなことを望みますか。

「25%削減は福井前日銀総裁を中心とした検討委員会で実績が難しいとみなされた案。主張するからには綿密な裏付けがあると期待しているが、新政権下で再び議論し、産業界、国民への影響を精査しても良いのではないか。政治と経済は車の両輪。世界の政党を見渡しても政情安定には産業界との対話が欠かせない」

「温暖化対策と同時に、日本の産業構造を考えてもらいたい。日本は食糧やエネルギーなどを大量に輸入しており、そのためには輸出による貿易黒字を確保しなければいけない。日本の将来には輸出競争力を持つ産業を存続させることが大切だ。過重な環境負荷をかけるとコスト増につながり、製造業全体にマイナスの影響を与えてしまう。産業界としては日本の環境技術を新興国などに伝え、世界の温暖化対策に役立てたい」

2009年9月20日

民主党 CO2 25%削減の波紋 その3

日経新聞 新日鉄会長 三村氏より

交渉にあたって何が求められますか。

「温暖化対策は国益をかけた知恵の出し比べだ。90年代の日本企業は石油危機以降に省エネが進んだため「乾いたゾウキン」の状態。一方で欧州は省エネ対応が遅れていた東欧などで大幅な削減が進み、排出枠を売れる状況になった。日本は世界最高のエネルギー効率を達成したが、産業部門などが合計1兆円を投じて排出枠を買った。技術開発にまわせば、どれだけ効果が出たことだろうか。今回の議定書は米中の参加を促し、国際的に公平かつ柔軟なものにしなければいけない。

2009年9月19日

民主党 CO2 25%削減の波紋 その2

日経新聞 新日鉄会長 三村氏より

12月には13年以降の地球温暖化対策国際枠組み(ポスト京都議定書)交渉が期限を迎えますが。

「企業の中期経営計画でいえば、前回の反省を踏まえて次の枠組みを考える。地球温暖化対策もそうあるべきだろう。京都議定書は1997年に議決したが、いまでにCO2の排出は大幅に増えた。米国は批准せず、中国やインドの排出量が激増した。国際的な枠組みとして不完全であり、懸命に対応したのは日本と欧州くらいだ。その日本は90年比で6%削減するとした目標設定は失敗だった。

2009年9月18日

民主党 CO2 25%削減の波紋 その1

日経新聞 新日鉄会長 三村氏より

民主党中心の新政権が打ち出した温暖化ガスの削減目標は産業界にどんな影響を与えるか

「一つ言えるのは経済成長を相当犠牲にしなければいけない懸念があることだ。2005年から20年を見通すと社会福祉や教育などに多額な資金がかかる。景気対策で悪化した財政の再建も必要で、それには経済成長も必要で、それには経済成長が前提となる。だが25%削減では鉄鋼やセメント業で2割程度の生産が抑制されるとの試算もある」「鉄鋼業は当然、日本で生産したい。雇用を生み、地域にも税金を納めて貢献したいが、それには量産が不可欠になる。例えば新車では、需要家と設計、技術開発などで最初から手を組み、必要な鋼材を開発している。だが温暖化ガス削減で高い目標をかせられれば、国内で生産が難しくなるかもしれない。その代わりにエネルギー効率が劣る中国やインドで鋼材を生産すれば、結果として地球全体の二酸化炭素排出が増える懸念がある」

2009年9月17日

温暖化対策 欧州歓迎 新興国は警戒

京都議定書を引き継ぐ温暖化ガス削減策の枠組み(ポスト京都)を巡る交渉が年末の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)での合意を目指して大詰めを迎える。その中で鳩山首相が打ち出した「日本の温暖化ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減」との中期目標は欧州と肩を並べる目標値で、交渉進展を訴える欧州諸国の評価は高い。COP15議長国デンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相は鳩山首相の方針を「野心的な内容だ」などと論評。20年までに90年比で20%減、他国が追随すれば同30%減まで上積みすることを表明した欧州連合(EU)の報道官は「EUと日本の協力を期待する」と語った。

ただ、日本の現行の京都議定書の達成も危ぶまれており、目標達成できるかどうかには懐疑的な声がくすぶる。中国国営の新華社通信は「途上国を削減義務国の範囲にいれようとしている」と批判するコメントを掲載するなど、新興国が先進国主導の構図に反発を隠そうとしていないためだ。

EUは米国と距離を置くことを示唆したとも受け取れる鳩山首相の姿勢をにらんで当面は日本との連携を深め、国際社会の議論をリードするシナリオを探る構えだ。

2009年9月16日

新興・途上国の地球地球温暖化対策 その3

 南アフリカは炭素税の引き上げや電気自動車の利用拡大などを実行した場合、50年までに抑制できる排出量をそれぞれ数値化。それに伴う負担額なども示して先進国に支援を訴える。インドネシアも30年の排出量を05年比で4割減らせるという試算をまとめた。

東南アジア諸国連合は月末に地球温暖化対策に絡んだ事務レベル協議を開く予定。中南米地域ではブラジルのルラ大統領が「森林保護で南米の共同案を作りたい」と表明。関係国との連携に取り組んでおり、今後は先進国と新興・途上国のせめぎ合いが一段と激しくなるとみれれる。

2009年9月15日

地球温暖化対策 新興・途上国が独自案 その2

新興国で温暖化ガスの主要な排出国でもある中国やインドは発電における再生可能エネルギー活用を重視する。中国は風力発電に力を入れており、これまでの内陸部に加えて杭州や蘇州、上海など沿岸の需要地に近い場所にも発電所を建設する。

インドは太陽光発電を現在の5万キロワットから2020年までに2000万キロワットに拡大すると表明した。

ブラジルやトルコは森林保護に絡んだ取り組みを進める。ブラジルはアマゾン地域での違法な伐採の防止策として外国人の土地取得を制限する法案を作成中だ。アモリン外相は伐採防止の具体的な数値目標を示す考えを表明した。

トルコは大規模な植林活動で温暖化ガスの排出量の増加を抑える方針。20年までに国全体の排出量増加分を、植林が無い場合に比べて1億8140万トン減らす目標を掲げる。

2009年9月14日

地球温暖化対策 新興・途上国が独自案

新興・途上国が相次いで独自の地球温暖化対策に取り組み始めた。風力や太陽光といった再生可能なエネルギーの利用拡大や森林保護などで中心で、24日からの20ヶ国・地域(G20)首脳会議などで先進国に提示する構え。ポスト京都議定書の国際的な枠組み交渉で排出削減を義務付けられるのを回避する狙いと見られる。先進国に対抗するため、新興・途上国が国際連携を強める動きも出ている。

2009年9月13日

地球温暖化対策

新興・途上国の主な地球温暖化対策

 

中国 杭州や上海など沿岸部にも風力発電所
インド

太陽光による発電を拡大

森林面積を国土の23%から33%に

ブラジル 森林伐採防止へ外国人の土地取得を制限へ
韓国

ハイブリット車産業を育成

温暖化ガス排出量取引制度を導入へ

南アフリカ 炭素税引き上げや電気自動車利用の効果を試算
トルコ 植林で20年までに1億8140万トンの排出抑制

2009年9月12日

Jパワー 地熱発電を拡大

Jパワー(電源開発)は地熱発電事業の拡大に乗り出す。鬼首地熱発電所で年内に新しい井戸を掘削し、発電能力を2割引き上げるほか、新規の地熱発電所建設に向けて秋田県湯沢市で調査井戸の掘削を始める。温暖化ガス削減に向け、二酸化炭素排出量が少なく、太陽光風力に比べて出力が安定的な地熱発電所を見直す動きが広がりそうだ。

鬼首地熱は1975年に運転開始した同社唯一の地熱発電所。深さ1500メートルの井戸を堀り、蒸気の発生量を増やすことで蒸気タービンの回転数を上げ、発電能力を2割増の1万5千キロワットに引き上げる。投資額は4千億円。発電機の能力は2万5千キロワットと余裕があるため、さらに追加で井戸を掘ることも検討する。

地熱発電はCO2をほとんど排出しないので、購入する電力会社にとってCO2排出原単位の低減につながる。

日本の地熱資源原子力発電所約20基分に相当する2500万キロワットと豊富。有望地域が国立・国定公園内に多く開発が難しいことなどから、18箇所53万キロワット強にとどまるが、太陽光などに比べて安定的に発電する利点がある点が見直されている。

2009年9月11日

富士フィルム 工場で風力発電

富士フィルムはオランダの工場に風力発電設備を設置する。発電能力は最大15,000キロワットで、2012年春の稼動をめざす。現在工場で購入している電力の約28%を風力で賄え、二酸化炭素排出量も現在より15%程度減らせる見通しだ。

同社が生産拠点に風力発電を本格稼動するのは初めて。

欧州の主要生産子会社である富士フィルム・マニュファクチャリング・ヨーロッパは、写真感光材料やオフセット印刷材料の製造を手がけている。エネルギー消費量はグループの欧州拠点の中で最大規模という。

風力発電の導入で電力コストと環境負荷の同時削減を狙う。

再生可能エネルギーの開発を手掛ける同国のエペロップ社と組んで、建設に必要な許認可などの取得手続きに入った。最大3千キロワットの発電能力を持つ風車を5基建設する計画で、日本国内で大型風力発電所の目安とされる1万キロワット以上の規模に相当する。

発電設備はエベロップ社が建設・運営し、できた電気を工場が全量買取る仕組みを検討している。富士フイルムを「建設費などの負担がなく、電気も従来などの負担がなく、電気も従来より安く調達できる」としている。

2009年9月10日

CO2地下貯留 海外と組み実験

二酸化炭素の地中貯留(CCS)の実用化に向け、日本の官民が海外諸国と協力する。カナダとオイルサンドにCO2を封入する技術の共同開発に着手。オーストラリアでは200億円規模の実証実験施設を共同で建設する。CCSは温暖化ガス排出の大幅削減に向けて期待される手法で、関連技術に強みを持つ日本企業も多く、事業機会の拡大などにつなげたい考えだ。

カナダと共同で取り組むのは、重質油が多く埋蔵するオイルサンドにCO2を生める技術の確立。石炭火力による電力を使ってオイルサンドから原油を取り出す際に発生するCO2を回収し、オイルサンドに貯留する。CO2の作用でオイルサンドから原油を採取しやすくなる利点もあるという。

豪州では来年にもビクトリア州で低品質の褐炭から、都市ガスなどに活用できるメタンを取り出す技術開発に合わせてCCSに取り組み。メタン発生過程で出るCO2を貯留する。事業費は日豪の官民で負担する方向だ。

政府はCCSを巡って、米国とも来年度から政府系の研究機関を通じ、CO2を効率よく回収するための吸収液などの開発に着手する。中国とは月内に、欧州連合とは10月に官民の専門家がそれぞれ具体的な協力に向けた協議に入る。

2009年9月 9日

民主党25%削減 産業界困惑 その5

鳩山発言は経営者らに衝撃を与えた。主要企業などで組む訪中団長として北京滞在中の新日本製鉄会長は「押し付けでなく色々な人の意見をしっかり調整してほしい」と困惑顔。新日本石油の会長も「驚いている。真意を確かめたい」と話した。

産業界では「将来にも影響を及ぼす極めて厳しい水準」(電気事業連合会会長)「どんなステップで進めるのか国益を踏まえて考えてほしい」(石油連盟会長)といった警戒の声が支配的。神戸商工会議所の会頭は7日の会見で「荒唐無稽もいいところだ」と批判した。

省エネ家電など需要増が見込める電機業界には「省エネ性能向上などへ技術開発がシフトし飛躍の機会になる」との期待も。とはいえ「国内生産が増えれば排出の増え日本での事業が難しくなる」

民主党の支持基盤である労組。鉄鋼や造船重機などの産別労組、基幹労連は「過大な目標を設定すれば経済基盤と従業員の雇用が失われかねない」と民主に申し入れており、削減目標では労使共闘の可能性もある。

2009年9月 8日

民主党25%削減 内訳は不透明 その4

鳩山氏の思惑通り、日本が外交交渉の主導権を握れるかも不透明だ、途上国は先進国に90年比40%超の削減を要求しており、今回の目標はその水準には及ばない。

日本の京都議定書からの離脱している米国と協力体制を築こうとしてきた。排出削減の起点となる基準年では「90年比」を改め、米国と同じ「05年比」に変える必要性を主張。欧州連合と一定の距離感を保ってきた。日本が基準年を再び「90年比」に戻せば、米国との協力関係にひびが入りかねない。

鳩山氏はシンポジウムで「すべての主要国の参加による目標の合意が、わが国の約束の前提だ」とも述べた。日本の新目標は他の主要国の参加が前提であるとの立場を明確にし、日本だけが厳しい義務を負うのを防ぐ狙いだ。ただ、「25%削減」とういう数値が日本の国際公約として独り歩きする可能性もある。

2009年9月 7日

民主党 25%削減 内訳は不透明  その3

背景には民主党が25%減までの具体的な道筋や国民負担を明確にしていない点がある。現政権の目標は海外からの排出枠の購入分などを含めず、国内削減分だけカウントする「真水」の目標。一方、鳩山氏は25%減の内訳を明言していない。

政府の試算では仮にに真水で25%減を目指すと、光熱費の上昇などで一般家庭で年間36万円、負担が増える。仮に真水ではなく、10%以上を海外から排出枠で賄う「膨大な財政負担となる」(外務省幹部)

民主党は衆院選のマニフェストで、温暖化ガスの排出に税をかける地球温暖化対策税の検討などを明記。現政権より一歩進んだ政策のメニューを並べた。その一方で、ガソリン税などの暫定税率の廃止や高速道路の無料化など排出削減に逆行する項目も掲げており、政策の整合性も課題になる。

2009年9月 6日

民主党 25%削減 国民負担は重く  その2

「日本がリード役を務めることは産業界にもプラスになる」。鳩山氏は、現政権や欧米を上回る目標を表明した意義について記者団に語り、こう説いてみせた。

中期目標は13年以降の国際的な地球温暖化対策の枠組み(ポスト京都議定書)を定める交渉の最大の焦点。現政権の「05年比15%削減」の目標は90年比では「8%削減」にとどまるため、途上国などには不十分との批判がくすぶっていた。

それだけに、来日中の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のパチャウリ議長は新聞の取材に「25%の目標はインドや中国を納得させるのに十分だ」と新目標を高く評価した。同時に「(日本国内の)抵抗も強いと思うが日本なら達成だきると考える」とも協調した。

ただ、国内の抵抗は強い。経済産業省の事務次官は「国民全員が耐えていくような覚悟が必要」と指摘した。

2009年9月 5日

民主党 25%削減国際公約へ その1

民主党の鳩山代表は2020年までの日本の温暖化ガスの中期目標として「1990年比25%削減」を掲げ、今月下旬の国連気候変動サミットで表明する方針を打ち出した。現政権の目標を大きく上回る数値を示し、日本の積極姿勢を印象づける狙いだ。だが、国民生活や企業や国際交渉に与える影響は大きい。民主党は政権樹立後、各省庁と具体策の検討に入るが実現の道筋は平坦ではない。

2009年9月 4日

洋上風力発電

東京電力は17日、東京大学と共同で洋上風力発電の実証研究を始めると発表した。洋上では陸上より設備の建設コストがかさむが、風が強いため高い発電能力を期待できる。二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーの一つとして実用化を目指す。

千葉県銚子市の約3キロメートル南沖合いに高さ約80メートルのタワー状の風況観測塔を建設。風の強さや向き、波などのデータを取得する。発電能力を高めるための設計や、台風の被害に耐えるための対策、周辺の生態系への影響などを検証する。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証研究の公募に応じ、このほどの研究受託先に決まった。研究機関は5年間、事業費は約13億3千万円。

東電によると、欧州では計140万キロワット以上の洋上風力発電設備が稼動している。にほんでは陸から近い港湾で稼動している例があるが、本格的な洋上設備はまだ実用化されていない。

2009年9月 3日

三井造船 太陽熱発電設備に参入

三井造船は太陽熱発電設備の事業に参入する。太陽光を鏡で反射して熱エネルギーを1ヶ所に集める中核装置の販売を2010年半ばに開始。蓄熱装置やタービンなど周辺機器と合わせて15年に売り上げ300億円を確保し、その後発電所の一括受注も目指す。太陽光発電より初期コストが割安で、発電可能な時間が長い太陽熱発電所の新設計画が海外で相次いでおり、市場拡大が期待できると判断した。

新たに手がける装置は太陽光を鏡で反射して熱エネルギーを1ヵ所に集める「ヘリオスタット」。1台あたり数十平方メートルの大きさの鏡を搭載して太陽光を反射し、集熱装置に熱エネルギーを蓄える。太陽の動きに合わせて微妙に向けを変えながら、熱が1ヶ所に集まるように制御できる。日陰に太陽光を取り込む採光装置など、既存の技術を組み合わせて開発した。

同社はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、コスモ石油などが建設する太陽熱発電の実験プラントの建設を請け負っている。12月に完成後、10年6月まで実証実験をした上で本格的な販売を始める。当面は、オーストラリアや中国などアジア・オセアニア地域での需要の取り組みを目指す。

太陽熱発電所は現在米国やスペインで合わせて約60万キロワットが稼動している。設置コストは1000キロワットあたり4億~6億円とされており、太陽光発電より割安な場合が多い。鏡で集めた太陽エネルギーを熱にして蓄え、日没後も発電できる。

2009年9月 2日

波力発電所を建設

出光興産と三井造船、日本風力開発は共同で太平洋沿岸に国内初の波力発電所を建設する。2011年に実証実験に着手、12年にも出力2万キロワット程度の発電所を洋上で稼動させる。発電コストは太陽光発電より割安になる見通し。世界的に二酸化炭素の排出削減が課題になるなか、太陽光風力に続き自然エネルギーの活用を競う動きが広がってきた。

波力発電は波により海面が上下する時のエネルギーでタービンを回して発電する仕組み。3社は先行する欧米企業の技術を活用し、三井造船が発電機の製造や修理などを担当。発電所運営には風力発電で実績のある日本風力開発のノウハウを活用する。出光は化石燃料に代わる新たなエネルギー資源とする考え。

事業化に向け11年から出力1000~2000キロワットで実証実験を始める。発電所の建設地は陸上から約10キロメートル沖で、水深が50~200メートルの洋上になる見込み。

すでに太平洋側の沿岸域4~5ヶ所で試験海域の調査をしており、候補地を早期に1ヶ所に絞り込み波力調査に移る。実証設備の建設にhあ10億円程度かかると見られる.

事業化時の建設費用は現在の太陽光発電とほぼ同じ1キロワットあたり70万円程度を目指す。夜間や雨天でも発電でき稼働率は3~5割りと太陽光(10%強)より高くなる見込み。1キロワット時あたりの発電コストも太陽光に比べやすく、電力会社の販売価格(約24円)以下を目指す。2万キロワットは家庭約6000世帯分の電力を賄え、発電した電気はほぼ全量を電力会社に販売する方針だ。

2009年9月 1日

温暖化ガス削減に効果

LED普及など照明の世代交代が進むことは、増加傾向が続く家庭やオフィースビル・店舗などからの二酸化炭素排出量の削減にも大きく寄与するとみられている。

オフィース・店舗など業務部門と家庭部門が排出する温暖化ガスは、合計すると国内全体の排出量の3割を超える。そのうち照明が消費している割合は、オフィースなどのビルで2割、家庭で1割を占める。

日本は京都議定書で2008~12年の温暖化ガス排出量を平均で1990年実績の6%減にとどめる目標を公約したが、07年までの排出量は90年実績より大きく増えている。

オフィース、家庭とも90年比で排出量が4割近く伸びた。問題部門で、このままでは産業部門の削減努力を打ち消し、京都議定書で決めた約束の達成を危うくする存在になってしまう。白熱電球が蛍光灯へ、さらにLED照明へと置き換わっていけば、エネルギー利用量抑制する効果は大きいとみられる。

来年から省エネが義務付けられるコンビニエンスストアなど小規模店舗が、割高であってもLED照明を看板や店内照明に導入する動きを始めているのはこのためだ。

家庭では太陽光発電装置の普及が、LED照明が広がる足がかりとなる可能性がある。交流電気で光る蛍光灯などと異なり、LED照明なら効率よくその電気を使うことができるからだ。

政府は太陽光発電導入への補助策を相次いで導入し、20年度に20倍に拡大する方針。パナソニック電工やシャープはLED照明を使う直流家電システムの開発を進めている。