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2009年8月30日

水素エネルギー 活用へ実証事業

経済産業省は28日、水素エネルギーを活用した社会の実現に向けて、2つの実証事業を採択したと発表した。東京都心と羽田空港や成田空港を燃料電池で動くバスやハイヤーで結ぶ事業や、木材のチップを蒸し焼きにして発生した水素を燃料電池車に供給する事業を対象に選定した。2つの実証事業でビジネスモデルとしての課題を整理し、全国展開につなげる。

水素エネルギーは二酸化炭素を排出しないため、温暖化防止の観点から期待を集めている。実証事業には2009年度補正予算で30億5000万円の財源が割かれており、実証事業は原則として今年度中に実施する。

6件の応募があり、経済産業省は専門家の意見などを踏まえ、新日本石油や出光興産など13社で作る「水素供給・利用技術研究組合」と、財団法人佐賀県地域産業支援センターの2つの事業者を選んだ。

水素供給・利用技術研究組合は東京都心と羽田空港や成田空港の間で、燃料電池のバスやハイヤーを運行する。北九州市では、水素パイプラインから20戸程度の一般家庭に水素を供給する事業にも取り組む。

財団法人佐賀県地域産業支援センターは地元で調達できる木材チップから水素を製造する。太陽光や原子力発電所の深夜電力を使って水素を製造し、佐賀県玄海町の玄海エネルギーパークで県民らに燃料電池車に乗ってもらう事業も手がける。

2009年8月29日

ビルのエネルギー消費構造

ビルのエネルギー消費構造
熱源(ボイラー) 31.1%
照明 21.3%
OA機器など 21.1%
熱搬送(ポンプなど) 12.0%
エレベーター 8.6%
給湯 0.8%
その他 5.1%

2009年8月28日

温暖化ガス半減を 太平洋島しょ国首脳会議

豪州、ニュージーランドとソロモン諸島など南太平洋の島国で構成する太平洋島しょ国会議(PIF)がケアンズで開いた首脳会議は6日、世界各国に2050年までに温暖化ガスを半減させる長期目標で合意するよう求める声明を採択した。会議は7日に日本や米国からの政府代表と拡大会合を開いた後、閉幕する。

開催国として議長を務めたラッド豪首相は6日の記者会見で「島しょ国の人口の半分は海岸から1.5キロメートル以内に暮らしており、海面上昇は深刻な問題を引き起こしている」と指摘。「これら島国のとって温暖化ガス削減策は国の存亡がかかている」とし、12月にコペンハーゲンで開く第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)での日米欧と中国など新興国による大胆な合意が重要だとの考えを示した。

首脳会議にはラッド豪首相やニュージーランドのキー首相らPIF加盟国16ヶ国・地域のうち軍政が続き資格が停止されたフィジーを除く15ヶ国の首脳が集まった。地域全体の経済基盤強化のため日本や欧米など主要援助国・地域に対し協調して有効な支援策を打ち出すよう求めたほか、豪、NZと島しょ国の間の新投資・通商条約の交渉開始でも合意した。

2009年8月27日

風力発電関連 GE 中国に生産拠点

米ゼネラル・エレクトリックは、中国重慶市に風力発電関連の生産拠点を現地企業と合弁で設立することを明らかにした。総投資額は1億3000万ドル(約123億5000万円)中国では風力発電など自然エネルギーによる発電施設の整備を推進している。中国への技術移転を進め、中国市場を開拓する考えだ。

GEが重慶で合弁相手に選んだのはオートバイなどの歯車を手がける民営企業、重慶新興歯輪。合弁会社は風力発電設備用の大直径歯車を生産し、GEが瀋陽市に設立した風力発電設備の組み立て工場に納入する。年間販売額は2億ドルを見込む。2010年に生産ラインが稼動する見通し。中国政府の予測によると、風力発電施設は今後10年間で年間1000万~1500万キロワットの生産能力が新設される見込みだ。

2009年8月26日

温暖化ガス削減 家庭最大500万円負担

経済産業省は25日、温暖化ガスの排出を2020年までに05年比15%減らす中期目標の達成に向けた具体策をまとめた。新築住宅の8割が最も厳しい省エネ基準を満たすことや新車販売に占めるハイブリット車など次世代自動車の割合を約50%に高めることなどを挙げた。一つの家庭がすべての対策を取り入れると、追加負担は500万円前後に達すると試算した。

排出削減の具体策は同日の総合資源エネルギー調査会の需給部会に示した。05年の国内排出量は約13億5000万トンで、15%減の達成には約2億トンを減らす必要がある。経産省の対策案では、住宅やビルの省エネで3800万トン、次世代自動車の普及で2100万トン、省エネ家電の普及で1700万トンを削減。最も厳しい省エネ基準の新築住宅の割合を現在の4割前後から8割に引き上げ、消費者が購入する家電をすべて省エネ機器にすることなどを示した。

一連の削減策を家庭が導入した場合の追加負担も試算した。政府はすでに家庭用機器について標準的な補助額で約20万円を支給しているが、これを除き太陽光パネルの設置で230万円、省エネ住宅への断熱工事で100万円などが必要とし、その総額を500万円前後とした。床面積1000平方メートルの小規模オフィースビルの場合は約3000万円の費用が必要になる。

民主党は政府より踏み込んだ(05年比30%減)を目標に掲げている。政権が交代すれば、家庭の負担は膨らむ可能性もある。

家庭の主な追加負担

太陽パネルの設置 230万円※
住宅の断熱工事 100万円※
高効率給湯器 50万円
省エネ冷蔵庫 2万円
高効率照明 3万円
次世代自動車

40万~300万円



(注)※は設置や工事費用。それ以外は従来品などとの差額

2009年8月25日

太陽光・風力発電、離島に導入促す

経済産業省は24日、離島に太陽光風力発電などの新エネルギーの導入を促す報告書をまとめた。多くの離島は本土から電力やガス、石油などを搬送しているが、安定供給や二酸化炭素削減の観点から、島内で太陽光風力発電によるエネルギー確保に取り組むことを提唱。自然環境や人口密度など、島の特性に合った新エネルギーの導入方法などを紹介した。

報告書は九州や沖縄、瀬戸内海の離島は日射量が多く、太陽光発電に適していると分析。一方、北海道や東北、日本海、東シナ海の離島は風が安定して吹き、風力発電を取り入れやすいと指摘した。車の走行距離が短い離島は、電気自動車の普及に向くとも主張した。

経産省などは離島からの問い合わせに対応するため、今秋にも新エネルギー導入促進協議会に相談窓口を置くほか、関係省庁の連絡会議も開く。

2009年8月24日

風力発電機 大宇造船、米社買収で参入

韓国の大宇造船海洋は米電線メーカー、コンポジットテクノロジー子会社のデウインドを焼く5000万ドル(約48億円)で買収すると明らかにした。デウインドのタービン技術を活用し、風力発電機事業に参入する。韓国勢で現代重工業やサムスン重工業も同事業への参入を表明済みだ。温暖化ガス排出を抑制できる風力発電は造船で培った技術を生かせる有望市場と判断、先行する欧米メーカーを韓国勢が追撃する。

大宇造船はコンポジットテクノロジーが持つデウインドの株式100%を引き受ける契約を結んだ。

すでに米テキサス州で風力発電機の受注が内定しており、供給体制の早期構築に向けて北米に新工場を急ぐ。大宇は2020年に設置される風力発電機の世界市場規模を5500万キロワットと見込んでいる。このうち830万キロワット分を供給、シェア15%の確保を目指す。

韓国ではサムスン重工が米テキサス州に出力2500キロワットの風力発電機を11年までに3基設置することで現地の電力業者と基本合意した。

現代重工も暁星などと組んで12年までに2000キロワットの風力発電機100基を韓国内に設置する。

風力発電は地球温暖化防止への取り組みが広がるのに伴い関連投資が拡大している。発電機市場ではデンマークのヴェスタスや米GEウインドなど欧米勢が高いシェアを握り、政府支援を受けた中国勢も猛追している。韓国では暁星が国内で設置実績があるものの、世界市場での受注では出遅れていた。

2009年8月23日

太陽電池出荷 最高に

太陽光発電協会が20日発表した太陽電池の出荷統計によると、4~6月の国内出荷は発電能力ベースで前年同期比1.8倍の8万3260キロワットと、四半期としては3年半振りに過去最高を更新した。環境意識の高まりに加え、住宅向け太陽電池への補助金制度が相次いで費用負担が減ったため、取り付ける家庭が増えたようだ。

国内出荷は一般家庭の約2万4000戸分に相当する。1月に政府が住宅向けの補助制度を再開したほか、4月には東京都や横浜市など多くの地方自治体が独自の補助制度を新設・拡充したことが後押しし、出荷の92%を住宅用需要が占めた。

輸出も前年同期の70倍に増え、国内出荷の10%を占めた。国内出荷はいったん2005年度までで補助金制度が打ち切られてから低迷が続いていた。補助金に加え、政府は住宅に設置した太陽電池が発電した余剰電気を高い価格で買い取る制度を年内に導入する。シャープなどの太陽電池メーカーに加え、家電量販店も販売に力を入れている。太陽光発電協会は「現在も商品の品薄が続いている」としており、国内出荷は7~9月以降も伸びそうだ。

 

2009年8月22日

電気自動車 温暖化ガス中期目標

大手自動車3社の環境対応車戦略

 

ハイブリット 電気自動車
トヨタ 世界販売を2010年代前半に100万台に、将来は全車種に設定 12年に米で発売
ホンダ 10年にスポーツ車や小型車で発売し、ラインアップを充実 10年代前半に米に投入
日産 10年に日米に高級車を投入 10年秋に日米欧で発売、12年から世界で量産

 

各国の2020年の排出削減目標

 

削減率(%)

基準年

排出枠の購入

ノルウェー

30

1990

EU

20-30

1990

スイス

20-30

1990

カナダ

20

2006

日本

15

2005

ロシア

10-15

1990

オーストラリア

5-25

2000

米国

14

2005



米国以外は事務局集計

2009年8月21日

新エネルギーを使った発電方法の特徴

新エネルギーを使った発電方法の特徴と世界の発電能力
特徴 発電能力(万キロワット)
太陽光 太陽電池太陽光を電力に直接変換。天候に出力が左右され、夜は発電できない 1,473(2008年)
太陽熱 集熱器で集めた太陽熱で蒸気を作って発電。日中に蓄えた熱で夜も発電可能 50以上(2008年)
風力 風車の回転エネルギーを発電機で電気に変換。発電コストが比較的に安い 12,079(2008年)
地熱 地下の熱水などから蒸気を取り出し、蒸気タービンで発電。設置場所が限られている 973(2007年)

 

(注)発電能力の出所は欧州太陽光発電産業協会、世界風力エネルギー会議、欧州地熱会議。太陽熱は国内プラント大手資料から。一部建設中を含む。

日経新聞より

2009年8月20日

欧米で大規模エコ発電  その3

米国でも大規模な太陽熱発電施設の建設が相次ぐ。米ブライトソースエナジーはカリフォルニア州のモハベ砂漠に大規模な発電施設を設置し、11年にも供給を始める。グーグルが出資している米イー・ソーラーは8月5日、カリフォルニア州に本格的な太陽熱発電施設を完成させた。洋上風力発電についてはデラウェア州沖で大規模な発電基地の建設計画がある。

シンクタンクのREN21のまとめでは、08年の世界での自然エネルギーの投資額は前年比15%増の1200億ドル(約11兆4000億円)。06年比では90%増とほぼ倍増した。

地理的制約日本に多く

日本でも自然エネルギーの導入機運は高まっている。ただ、太陽熱や洋上風力を国内で利用するには地理的な制約が多く、ほとんど普及していない。技術を保有する企業が海外で事業展開する動きにとどまっている。

国内では太陽熱発電の実用化は稼動させるのに必要な敷地や日射量を確保しにくいためだ。風力発電も三菱重工業など技術力に優れる企業があるが、洋上での建設については国内ではほとんど実績がない。日本近海は台風が通過するなど気象条件が障害となる。業業権も建設の制約になっている。

日本特有の地形を生かせるとして注目を集める自然エネルギーもある。河川や用水路などに設置する小規模水力発電や、火山国ならではの地熱発電が、潜在的な拡大の余地は大きいとされる。

2009年8月19日

欧米で大規模エコ発電  その2

欧州では大型の発電機を設置できる洋上での風力発電の建設計画が進んでいる。フランス政府は20年までに出力600万キロワット相当の発電施設を建設する方針だ。洋上設置型は陸上に比べて建設や維持コストがかさむが、強く安定した風力が確保でき、騒音や景観問題が発生しにくい。

ドイツは北海沖に大規模な風力発電機を集中的に建設する計画。今年中にまず約80基の建設を開始。30年には1000基規模、合計出力2000万キロワット以上とし、同国の電力需要の最大15%程度を供給できるようにする。英国も20年までに3000基の洋上風力発電機を設置する。

太陽光発電よりエネルギー効率が高いとされる太陽熱発電施設の建設も進んでいる。太陽光を集めて蒸気で発電する仕組みで、独シーメンスやドイツ銀行などの企業連合は北アフリカのサハラ砂漠に太陽熱発電施設を設置し、欧州まで送電する計画に乗り出す。

2009年8月18日

欧米で大規模エコ発電  その1

欧米が風力発電太陽熱といった自然エネルギーを利用した大規模な発電インフラの整備を急拡大している。フランスやドイツがそれぞれ洋上に大型の風力発電施設を新設するほか、米国でも太陽熱発電計画などが相次いでいる。自然エネルギーの能力増強投資は最近2年間に倍増。世界全体の発電に占める自然エネルギー(水力を除く)の割合は約1%だが、2020年には約10%に高まる見込み。温暖化ガス削減策や雇用創出策もあって投資はさらに増えると見ている。

欧米の大規模なインフラ投資はポスト京都議定書温暖化ガス削減策をにらんだ対応だ。新たな枠組みでは発電に伴う温暖化ガスの排出コストが大幅に膨らむとみられ、自然エネルギーでも採算が合うようになる。温暖化対策では原子力発電も注目されるが、欧米では安全性などから大幅な利用拡大には慎重論が根強い。

2009年8月17日

2030年 夢の船

日経新聞 あすへの話題 日本郵船取締役相談役 草刈氏より

温暖化ガス削減策は国家的課題だ。

これまで国際海運業は航空業共々、京都議定書の埒外にあったので、真剣な対応をせまられずに済んできた。しかしポスト京都に航空・海運が含まれることはEUの強い主張もあり、避け難い流れだ。

それも無理からぬところで、国際海運のCO2排出量は2007年ベース約8.5億トン、世界総計の3%に及び、うち日本外航海運は1億トン超と推定される。世界貿易が毎年3%伸び、20年には船腹量50%増とすれば、1.5億トンに達し、日本の排出総量の1割強になる。

業界を挙げて近未来の省エネ対策に全力投球して行くべき時来た。放っておくと経済的にも3千億円単位のダメージになるとの試算が有る。

因みに、この4月、我社、北欧のエロマティック社他2社と共同で、CO2排出70%減「2030年スーパーエココンテナ船」のモデルを描いてみた。エンジンはLNGを利用する燃料電池、デッキは太陽光パネルで覆い尽くす。風力は収納可能なセール設置で対応。鉄以外の素材も活用し、船体重量を削減。船体摩擦抵抗削減装置を整備しかつ最適船型を創出する、等々で、計70%カット。但し、このモデルシップは技術開発の目標をまとめた一つの夢、悪く言えばポンチ絵の域を出ない。未体験の世界での超革新的イノベーションの累積無しに絶対に事は成らない。綿密なロードマップに基づく統合戦略の下、わが国の関係技術陣の奮起を大いに期待したい。

2009年8月16日

木炭自動車と電気自動車

日経新聞 あすへの話題 国際海洋法裁判所判事 柳井俊二氏

太平洋戦争中、既に敗色が濃くなった頃小学生になった。木炭自動車を見れば石油不足は自明だった。帰国前に米国で格好いいガソリン車をたくさん見たので、木炭車で戦争に勝てるはずはないと思った。木炭バスは非力で坂が登れない。乗客は、車上の缶で木炭を不完全燃焼させて一酸化炭素を作り、燃料にする。

終戦直後も石油不足で木炭車と共に電気自動車が使われたが、鉛電池で速度も航続距離も出なかった。今日、気候変動の観点から電気自動車が注目されている。電気自動車は排ガスゼロだが、充電のための電源が問題だ。火力発電の増加では二酸化炭素対策にならない。水、太陽、風等の利用拡大は望ましいが、日本の場合、水力は頭打ち、太陽や風は天候と量に制約され、これだけでは不十分だ。

気候変動とエネルギーの問題を同時解決する最も現実的な方法は、原子力発電だ。日本の場合、原子力発電所の新設の加え、60%程度の低い稼働率を引き上げることも有効だ。総発電量に占める原発比率は、日本で約30%、フランスで約80%だ。深夜電力では、日本の比率も若干高まろう。フランスのような国で電気自動車が普及するば、ほとんど原子力で走ると言える。

2009年8月15日

温暖化で仏ワイン品質低下

温暖化に伴いワインの品質が低下する恐れがあるとして、フランスのワイン醸造業者と国際環境保護団体グリーンピースなどは11日、仏政府に対し気候変動対策を強化するよう求める声明を発表した。ワインは仏の主要輸出品のひとつで、温暖化が進めば国際競争力を失いかねないと警告している。

声明には著名なワイン醸造社やレストランなど60以上の関連業者が名を連ねた。ワインの原料となるブドウの品質は土地の土壌や気候に左右される。声明によると温暖化がこのまま進めばブドウ栽培の適地は今世紀末には1000キロほど移動し、一部は仏を外れてしまうという。ブルゴーニュやボルドーなど現在の産地では良質のワインをつくれなくなる恐れがあるとして仏政府に対応を求めた。

声明は仏政府に交渉の推進を求め、仏ワインの品質を保つためには、2020年の先進国の温暖化ガス排出量を現行水準から40%減らす必要があると指摘した。

2009年8月14日

米デル 社内の消費電力4000世帯分削減

パソコン大手の米デルは11日、社内で消費する電力について、2009年度末までに米国の平均的な家庭4000世帯の年間利用量に相当する分を削減すると発表した。IT機器の効率的な運用などにより実現する。経費削減とともに、省電力を特徴とした自社製品の販売促進につなげたい考えだ。

デルによると、年間580万ドル(約5億6000万円)の費用節約になるという。社内で使うパソコン5万円台に特殊なソフトを搭載して夜間に電源を切り無駄な電力消費をなくす。照明や空調設備も業務の繁閑に応じて電力消費をきめ細かく調整する機能を持たせる。

太陽光など再生可能エネルギーの導入も進める。

2009年8月13日

武田、CO2削減加速

武田薬品工業は工場や研究所などから出る二酸化炭素削減の取り組みを強化する。主力生産拠点の光工場や中国・天津の工場で加熱機器などの燃料を重油や石炭から天然ガスに転換する。2007年度は34万トンのCO2を排出したが、10年度には約4割減の21万5000トンまで減らす計画だ。

製薬会社の工場は薬事法の規制で生産工程を変更しにくく、電機や自動車などと比べて改修によるCO2削減が難しいとされる。武田薬品は内部の生産工程を変えずにエネルギー効率を高める方式を検討してきた。

光工場では重油を燃料に使い、医療用医薬品の原料となる化学物質などを生産していた。このほど約30億円を投じて機器を改修、熱源を天然ガスや電気に変えた。

原薬を錠剤などの最終製品にする中国・天津の工場では、10年3月末までに6,000万円をかけて燃料を石炭から天然ガスに切り替える。

同社は1990年度に工場などから40万8000トンのCO2を出していた。排出抑制の取り組みを検討してきたが、07年度までの17年間で削減幅は約7万トンにとどまっていた。燃料転換で08~10年度の3年間だけで約13万トンを減らせる見通し。

2009年8月12日

ヒートアイランド解明へ

京都大学のグループは22日の皆既日食で、太陽が隠れて地表が冷える様子を詳しく観測する。都市部と郊外で温度の下がりにくさを比べ、ヒートアイランド現象など局地気象の解明に役立てる。

日食が起きると太陽からの日射が短時間で大きく変わり、皆既になる地域では気温が数度以上も下がることがあるとされる。太陽という熱源を急に取り去ったとき、地表面がどう冷えるかを容易に調べられる。

観測は部分日食になる地域も含め、中国・上海市、奄美大島、鹿児島市など7ヵ所で実施。それぞれ都市部と郊外で気温や日射量の変化、雲の状態を調べる。これらのデーターから付近の地表面の冷えにくさを推定できるとみている。

地表面の冷えにくさはヒートアイランドなどに深く関係する。コンピューターによる気象モデルで考慮されているが、「現在のモデルは都市より小さく見積もっている可能性がある」と見て、その検証も狙う。

2009年8月11日

温暖化ガス削減分を売買

タイ・バンコクの中心部から30キロ東にあるラチャテワ衛生埋立地。1日に約3,500トンの都市廃棄物が運びこまれるゴミの山は、年間約1億円の「排出枠」を生み出す。

この埋立地はゴミから発生する温暖化ガスのメタンを利用して発電する仕組みを導入。温暖化ガスがエネルギーに転用されたり、植物に吸収されたりすると排出が減ったとみなす「カーボンオフセット」の考え方に基づき、発電に使われた分が排出枠となる。実はこのうちの一部を三菱UFJ証券を通じて購入しているのは日本郵政。原資は日本の消費者向けに販売する「カーボンオフセットはがき」の売り上げだ。

排出枠を売買する排出量取引は、1997年に京都議定書で決められた仕組みだ。排出削減の目標を達成できない国が、目標を達成した国から余った排出枠を購入し、埋め合わせることができるようにした。

京都議定書で日本が約束した削減目標は90年比で6%。だが2007年度には逆に9%増え、12年までに合計15%削減する必要がある。政府は排出枠の購入で一部をまかなう方針で、すでにチェコなどから約9,500万トンを取得した。

排出量取引は排出削減に取り組む企業や投資マネーを引き込み、ビジネスとして育つ可能性もある。欧州連合(EU)はそのに着目し、既に地域内で独自の取引所を設立。1万を超える事業所に温暖化ガスの削減義務を課し、達成できない場合は排出枠を購入して埋め合わせるようにした。売買益を狙う投資家も参加し、年間の市場規模は500億ドル(約4兆5千億円)に上る。

日本企業にとっても排出量取引は遠い存在ではなくなってきた。昨年10月から国内でも排出量取引が試行され、電力会社や商社、金融機関などが温暖化ガスの削減事業で排出枠を獲得する動きが活発になりつつある。また東京都は2010年度から都内の大規模事業所に対し罰則を伴う削減義務を課すことを検定。14年度にオフィースビルで年平均8%減、工場で6%減が求めれ、排出枠の購入を促す可能性もある。

2009年8月10日

太陽光発電 値引き拡大

住宅メーカーの太陽光発電装置の値引き競争が広がっている。積水ハウスなど大手が先行したが、中堅の三洋ホームが8月限定で出力3キロワット強の装置を実績無料で提供。エス・バイ・エルも1キロワット当たり64万円の装置をほぼ半値で販売する。景気低迷で住宅着工は落ち込んでいるが、温暖化ガス削減につながる太陽光発電は消費者の関心が高い。各社は割安感を打ち出して新築戸建て住宅の販売をテコ入れする。

三洋ホームズは3.15キロワットの発電装置の代金全額を住宅価格から割り引く販促策を31日までの期間限定で始めた。一般家庭で使う3キロワット級の発電装置は185万前後。併せて携帯電話で発電量や電力使用量が分かるホームネットワークシステムも無料提供する。

同社によると、6月に契約した注文住宅の顧客の約7割が太陽光発電装置を購入。今回の割引で導入比率がほぼ100%に高まると見ている。エス・バイ・エルは新築住宅の契約者向けに1キロワット当たり64万円の装置を30万円引きで販売する。9月末までの期間限定だが、支店により実施時期は異なる。標準的な3キロワット装置で90万円引きの102万円となる。従来の1キロワット12万円引きから値引き幅を2.5倍に拡大した。

パナホームも9月末まで太陽光発電装置を通常価格より約2割安く販売するとしている。

大手でもミサワホームが3キロワット級の発電装置を通常の3分の一の70万円で販売するキャンペーンを9月末まで延長。積水化学工業も8月末までの予定だった1キロワット当たり7万円の割引を1ヶ月延長することを決めた。

住宅最大手の積水ハウスは、5月から1キロワット当たり60万円の装置を13万円割り引いて販売。2位の大和ハウス工業も2.5キロワット以上の装置を一律66万円値引く販促を展開中で、値引き合戦が業界全体に広がっている。

政府は太陽光発電の導入を2020年までに現状の20倍に増やす意向。太陽光発電装置を付けた住宅には1キロワット当たり7万円の補助金を出して普及を促している。地方自治体も、例えば東京都が同10万円の購入補助を実施。こうした公的制度を活用するば実際の購入はさらに下がる。

2009年8月 9日

太陽光発電ブーム沸く  その2

家庭で売電
一般家庭での導入効果はどの程度なのか。
埼玉県春日部市の会社員は4年前に家を新築した際、2.8キロワットの装置を130万円で導入した。7月の電気料金は消費電力分5310円かかったが余剰電力を3761円で東京電力に売り、実質的な負担は1549円だった。

昨年3月に総額約480万円で設置した神奈川県二宮町の場合は電気代の年間収支は「出て行くお金と入るお金はだいたい同じ」。設置費用は20年ほどで償却できると試算する。現在の自治体の補助上乗せを考慮すれば償却はさらに早まる。

自治体の補助金は申請ラッシュだ。01年度から助成を始めた千葉市は募集枠が埋まらないことも度々会っが、09年度は開始3時間で埋まった。31市町村が補助制度を設ける神奈川県では1日時点で横須賀市など10市町が受け付けを終了、東京都内でも新宿区、町田市などは締め切った。
ただ4月から2年間で90億円分を用意した東京都への申請はまだ5億円程度。都心部は戸建て住宅が狭く、高層ビルに囲まれなど設置に向かないと見られれ、千代田区や中央区の補助制度への申請は1件もない。

埼玉県は申請件数が予想を上回り、6月補正予算で補助枠を年間2600件から6800件の拡大。神奈川県伊勢原市や世田谷区なども追加を検討する。

補助枠の拡大に慎重なところもあり、自治体間で判断は分かれそうだ。


2009年8月 8日

太陽光発電ブーム沸く  その1

太陽光発電ブームが首都圏でも熱を帯びている。国や自治体が競って設けた補助金が呼び水となり、販売業者は住宅メーカーからスーパーなどに拡大。店頭では値下げ競争が始まり、自治体に補助枠を追加する動きが相次ぐ。ただ住宅事業から補助金申請がまったくない地域があるほか、導入費用を負担できない世帯にもどう配慮するかなど課題も浮上している。

家電店の受注増
埼玉県越谷市にある国内最大級のショッピングセンター(SC)[イオンレイクタウン」に8日、太陽光発電のショールーム「京セラソーラーFCレイクタウン」が開業する。京セラ子会社の京セラソーラーコーポレイションがSCに出店するのは始めた。

パネルを屋根に設置したのと同じ状態で展示。発電量などが一目でわかる機器も置いた。環境や太陽電池関連の雑誌を40種類はど置き、映像で施工の様子を説明。専門スタッフは6人いる。

街の家電店でも取り扱いが増えている。神奈川県横須賀市のある家電店に聞くと、過去3~4年間の取り付けは実績は5件程度だった。しかし市が地元業者による設置に助成の上乗せを始めたところ受注が舞い込み、8月だけで3件工事をする予定だ。

千葉県で家庭向け太陽光発電のシェア3割を持つコーエイ・アールシーは施工やアフターケアを含めた一貫サービスが売り物。事業拡大に向け首都圏に6つある営業所の増設を考えている。検討段階からスタッフが無料で相談に乗り、見積もりを提案するサービスが好評という。

相次ぐ参入で値下げ競争が始まっている。08年から参入した千葉県内の大手住宅メーカーは5~6月に施工費を下げ、秋にも実質的な追加値下げを検討中。同社の設備費用は200万円前後だが「新築で家を建てれば70万円に値下げする業者も現れた」という。


2009年8月 7日

旭化成 中国で水処理事業拡大

旭化成は7日、中国で水処理事業を拡大すると発表した。工場廃水を浄化して工業用水を供給する排水リサイクルサービス事業を中国全土で始めるほか、水処理膜の商品メニューを拡充する。

2008年度には100億円だった水処理関連事業の売上高を、高い成長の見込める中国市場の開拓に力をいれることで、5年後をめどに3倍の300億円に増やす。

廃水リサイクルサービス事業は2月にソニーケミカルの蘇州工場向けではじめた。今後日系企業向けの実績をてこに中国東部から中国全土に受注活動を広げる。水処理膜も拡充する方針。

具体的には浄化能力を従来品に比べ大幅に高めた新製品を年内に投入する。

旭化成によると、廃水などを処理する中空糸分離膜の世界市場は08年で約300億円。最大手は米ゼネラル・エレクトリックで3割のシェアを占め、旭化成はシェア2割の2位。


2009年8月 6日

リコーリース バイオ燃料限定

リコーリースは営業者の給油時に原則、二酸化炭素排出が少ないバイオ燃料の利用を義務付ける。
まず首都圏の支社などを中心に月内にはじめる。車両ごとの燃費を競わせる社内コンテストも毎月実施し、ガソリン使用量自体も減らす。ガソリン使用に伴うCO2排出量は会社の半分以上を占めており、2009年度に08年度比5%削減を目指す。

営業車約90台のうち当面の対象は十数台。給油契約している新日本石油が6月に東京、神奈川など1都6県の系列スタンドで販売を始めた食物由来のバイオエタノールを含むガソリンを給油する。販売エリア拡大に応じて対象者を増やす。

「エコドライブコンテスト」は全車両が対象。カタログ上の燃費性能と実績を比較し、その達成率を競う。毎月の結果を車両使用者の名前とともに社内で開示。優秀者は表彰し、燃費改善が進まない場合は加減速の見直しなどを促す。

車両を軽くして燃費を上げるために燃料を満タンにしない「半タン」などきめ細かい対策にも取り組む。

2009年8月 5日

中国 旧型火力の廃止困難

中国政府は再生可能エネルギーによる発電能力の大幅拡大に踏み切るが、温暖化ガスの排出抑制は課題も残る。2010年までの5ヵ年計画で設定した省エネルギーの目標は未達になる可能性が高い上、温暖化ガス排出の一因となっている旧型火力発電所は地方に乱立。地方利権も絡み、統廃合が容易に進まない。

中国は5大国有発電会社を軸に、再生可能エネルギーの拡大と温暖化ガスの排出抑制を進める方針だ。ただ、5大発電会社の発電能力が全体に占める比率は半分程度。それ以外は地方政府が管理したり、民営企業が経営したりする小規模発電所だ。

風力太陽光などの発電所の建設は計画通り進むとの見方が多い。

しかし、火力発電所の閉鎖は難しい。中国政府は7月、10年末までに計画していた5000万キロワット分の旧型発電所を1年半前倒しで閉鎖したと発表したが、国有企業の発電所が大半と見られる。電力業界関係者は「地方政府は電力を権力の源泉と考えており、中央からの閉鎖命令に抵抗する」と指摘する。

中国では水力発電が火力に次ぐ地位を占めており、総発電能力に占める比率は2割強。生態系への悪影響が指摘される山峡ダムなど大型のダムも多いため、再生可能エネルギーに加えることには慎重な意見が根強い。

2009年8月 4日

風力発電 健康被害

環境に優しい「クリーンエネルギー」として注目を集めている風力発電施設の近接住民が、頭痛やめまいなどの健康被害を訴えるケースが各地で相次いでいる。風車の低周波音などとの関係が指摘されており、環境省は今年度内に初の現地調査を行い、因果関係の解明などに乗り出す。

「耳鳴りや頭痛がひどく、眠れない」のがかな田園風景が広がる愛知県豊橋市東細谷町。体調に異変を感じ始めたのは約1年半前。近隣住民20人が体調不良を訴えている。

大半の住民は風車から遠ざかれば体調が回復するため、風車による低周波音が原因ではないかと考え、被害者の会を設立。今年5月に発電所を運営する事業会社に夜間の運転停止を求める要望書を提出したが、事業会社側は「因果関係がはっきりしない」として現在も終日運転そ続ける。

2009年8月 3日

CO2減らす製鉄法開発  その3

住友金属工業神戸製鋼所、日新製鋼を加えた高炉5社はそれぞれ、水素を使った鉄鉱石中の酸素分を除去するための実験設備を研究所内に設ける。高炉は場所によって内部の温度が異なる。5社は担当部位ごとに反応の進み方などを調べる。

現在はコークスの炭素分を酸素と反応させて取り除いているが、コークスの一部を水素に切り替えると大幅にCO2発生量が減る。水素は炭素より素早く反応する性質もあり、高炉に水素濃度約10%のガスを入れると反応は5割早まるという。

高炉での水素の活用やCO2吸収、廃熱回収などを組み合わせた一貫実証設備を建設。効果などを確かめて30年にも実際の高炉に適用する計画だ。CO2削減目標30%のうち、20%は製鉄所内での回収・分離で、10%は水素代替などで補う。

鉄鋼業界は全産業の中でCO2排出量が最も多い。政府は温暖化ガスを20年までに05年比15%削減する目標を公表。民主党も20年までに同30%削減を目標に据えている。

2009年8月 2日

CO2減らす製鉄法開発 その2

高炉5社と新日鉄エンジニアリングは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を得て、08年からCO2排出量を現在より約30%削減できる新しい製鉄手法の開発事業「コース50」に取り組んでいる。09年度はNEDOから約30億円の助成を受け、実験設備などを拡充する。政府が厳しい温暖化ガス排出抑制の目標を課すなか、各社は対応を急ぐ。

JFEは今年度中に千葉市の研究拠点に1日3トンのCO2を吸収できる実験設備を導入。高炉で鉄鉱石とコークスが反応した際に発生するCO2に適した吸収剤の開発や実証に使う。10年度には製鉄工程で発生する副産物「スラグ」の廃熱回収設備も設ける。スラグの温度は1200~1600度あり、路盤材などで使うために水で冷却するなど熱を無駄にしていた。

新日鉄グループは化学溶液でCO2を回収・分離するための試験設備を君津製鉄所に設ける。溶液で吸収したCO2を分離するには加熱する必要があり、スラグから回収した熱を活用する。

2009年8月 1日

CO2減らす製鉄法開発  その1

鉄鋼各社は共同で二酸化炭素排出量を大幅に減らす製鉄新方式の開発を加速する。JFEスチールは高炉から出るCO2を吸収する実験設備などを建設。新日本製鉄などもコークスの代わりに水素で鉄鉱石を還元する実験設備を設ける。各社の技術を持ち寄り2020年にも一貫した実証実験設備を設置、CO2排出を30%削減できる製造方法を確立する計画だ。