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2009年7月31日

太陽光 屋上から低階層に

大成建設は太陽光を取り込んで証明などにかかる電力使用量を減らす高層ビルの新工法を開発した。巨大な吹き抜け空間を活用して、屋上から取り入れた太陽光を低層階に届ける。外気気温を遮断する他の省エネ技術などとあわせることで、稼動時の二酸化炭素排出量を従来比32%減らせるという。

横浜市のみなとみらい地区で着工した21階建てビルで新工法を採用した。ビルの4階から屋上までの中心部に高さ80メートルの採光用の吹き抜けを設ける。

屋上に太陽を追尾する鏡を設置する。鏡は反射率90%と通常のガラスより高いアルミ製を採用。吹き抜ける壁面にも太陽光を反射させる特殊な鏡を貼り付け、低層階のオフィース空間を効果的に明るくする仕組み。照度に応じて電力を調整するセンサーなども組み合わせてビルの全体の使用電力を抑え、稼動時のCO2削減につなげる。

2009年7月30日

中国電とJ パワー 低CO2発電へ新会社

中国電力とJパワー(電源開発)は29日、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない石炭火力発電の新技術を実証実験する新会社を折半出資で設立したと発表した。中国電の大崎発電所(広島県)内に実験用プラントを建設、新技術の検証を進める。総事業費は1000億円を見込み、2017年3月の試験開始を目指す。

新会社は「大崎クールジェン」で、出力規模17万キロワット級の発電設備を建設し、石炭に酸素を吹き付けて発生するガスを使い発電する「酸素吹石炭ガス化複合発電」を試験する。石炭のまま燃やすのに比べてCO2の排出が1割程度少ないという。21年からは発生したCO2の分離回収試験も開始する予定で、排出量ゼロを目指す。発電した電力は中国電が購入する。

石炭火力発電は燃料となる石炭の埋蔵量が豊富で調達コストが比較的に安い利点がある半面、CO2の排出が多い課題がある。石炭ガス化は排出量削減策として有望視されており、空気を吹き付ける別の方式については電力業界で共同開発を進めている。酸素を使う方式は実用化は先になるものの削減量がより大きくなるとされ、中国電とJパワーでは事業化の準備を進めていた。

2009年7月29日

住商 米で風力発電参入

住友商事は米国で風力発電事業に参入する。テキサス州の発電会社の株式42.5%を買収した。米オバマ政権は環境分野に重点投資する「グリーン・ニューディール」で、2030年までに全発電能力に占める風力発電の割合を現在の10倍の20%に引き上げる目標を掲げている。東京電力の子会社なども米国で風力発電事業を強化しており、市場拡大をにらみ日本企業の動きが活発になってきた。

住商は米風力発電5位のインヴェナジーのスタントン風力発電所の株式を米保険大手AIGの投資子会社から買収した。額は明らかにしていないが50億~100億円とみられる。住商のほか米ゼネラル・エレクトリックグループが42.5%、インヴェナジーが15%を出資。80基の風力発電機を持ち、発電能力は12万キロワット。

東京電力と豊田通商が出資する国内最大の風力発電事業者、ユーラスエナジーホールディングスは米オレゴン州北部に発電能力6万3000キロワットの発電所を建設し、年内稼動を目指す。事業費は100億円超になる見通し。同社にとって米国で9ヶ所の風力発電所で、総発電能力は12%増え60万キロワットに迫る。

世界風力エネルギー会議によると、米国の08年末の風力発電能力は2517万キロワットと原子力発電所約20基分に相当。世界の約2割を占める最大の発電国となった。オバマ政権は優遇税制などの積極的な支援策を打ち出して能力増を目指している。

2009年7月28日

原子力発電

EU域内で稼動、建設、計画・検討中の原子力発電所(世界原子力協会資料より)
稼動中 建設中 計画・検討中
フランス

59

1

2

英国

19

0

6

ドイツ

17

0

0

スウェーデン

10

0

0

スペイン

8

0

0

ベルギー

7

0

0

チェコ

6

0

2

スロバキア

4

2

1

フィンランド

4

1

1

ハンガリー

4

0

2

ルーマニア

2

0

3

ブルガリア

2

0

2

リトアニア

1

0

2

スロベニア

1

0

1

オランダ

1

0

0

イタリア

0

0

10

ポーランド

0

0

5

2009年7月27日

原発立地基準見直し議論

国の原子力安全委員会は、原子力発電所の立地を決める際の基準となる「立地審査指針」を45年ぶりに見直す方向で議論を始めた。立地指針等検査小委員会で検討し、年内にも報告をまとめる。

どう指針は50以上ある原発指針の中で最も古い。国際水準に追いつくために科学的知見を取り入れる考えだ。

立地指針は国内初の商用原発である東海原発が営業運転する2年前の1964年に制定された。万が一放射性物質が外部に漏れでるような事故に備え、立地条件として「原発の周囲が非居住区域」「さらにその周りの人口密度が低い」「人口密集地から離れている」などをあげている。この条件を満たすかどうか判断するため、立地周辺住民の放射線被爆線量の目安なども定めている。

改定のポイントは科学的知見を導入する点。さの最たるものが、96年に基準を改定した米国などで活用が進む確率論的安全評価を立地基準にも採用するかどうかだ。

2009年7月26日

バイオ燃料わら屋外も劣化せず

大成建設とサッポロビールの研究チームは、バイオ燃料の原料となる稲わらが屋外で雨や雪にさらされても品質が劣化しないことを突き止めた。専用の倉庫で保管しても屋外で保管しても含有成分が変わらず、コストが安い屋外保存で十分としている。

稲わらはバイオエタノールの原料になるが、年に一度の収穫期に大量に発生し、加工まで長期間保存が必要になる。北海道で保管条件を変え、稲わらのセルロース成分の変化を分析したところ、屋内保管と屋外保管とで差がなかった。

2009年7月25日

電気自動車 充電をプラグなしで

昭和飛行機工業はプラグなしで電気自動車へ充電するシステムを開発した。独自開発したコイルを使って、電源から60センチ離れたところに電気を送る。自動車メーカーに共同研究を呼びかけ、2015年をメドに実用化する。

開発したのは高周波の電流をコイルに流し、電気自動車側の二次コイルに電気を送るシステム。モーターなどに使われる電磁誘導と呼ぶ現象を利用した。

銅線の太さや形状、巻き方などを工夫した50センチ角、厚み数センチメートルのコイルを2つ使う。地面に取り付けた電源側のコイルに周波数数十キロヘルツで5キロワットの電気を流すと、60センチメートル離れた位置にある自動車の底面に設置したコイルに電気が流れる。

5キロワットだと、小型車で100キロメートル走行するのに必要な電力を約2時間で送れる。改良すれば10キロワット以上の電力を送れるようになり、1時間以内の充電の可能とみている。

2009年7月24日

石炭火力発電に間伐材

Jパワーは2010年に石炭火力発電所で森林の間伐材を石炭と混ぜて燃焼させるパイオマス発電を始める。二酸化炭素排出量削減につながるほか、森林整備の効果も見込める。石炭火力発電所の温暖化ガス削減策として期待さるるCO2の地下貯留などの実用化は10年代後半とみられており、即効性のある対策としてバイオマスに着目した。

間伐材をバイオマス発電に本格的に利用するのは初めてとなる見通し。

輸送しやすいペレットに加工した間伐材を石炭に混ぜて燃焼する。ペレットの受け入れ設備などに約10億円を投資。最大で年間10万トンのペレットを投入し、年間約20万トンのCO2排出量を削減する。

間伐材は国内で年間約500万トン発生、大半が森林に放置され、木材の切り出しや植林がしにくいなど森林整備の障害になっている。間伐材がバイオマス発電に有効利用されると森林整備に役立つ。仮に間伐材すべてが石炭火力発電所で燃料として再利用されると、出力100万キロワットの大型石炭火力1基に相当する年間500万トン以上のCO2排出削減につながる見通し。

2009年7月23日

太陽電池 新素材で安く

鉄鋼・化学大手が相次ぎ太陽電池向け新素材に参入する。JFEスチールは低価格の電池の基板に使うステンレス鋼板を開発。三菱化学などは自動車などに使う折り曲げ可能な電池向けに樹脂などの実用化を急ぐ。素材メーカーの支援で太陽電池の新技術開発が加速すれば、発電コストを現在の約半分の家庭用電力並みに下げるという政府の目標達成が近付く。市場拡大を通じ二酸化炭素など温暖化ガス削減にも貢献しそうだ。

2009年7月22日

自動車を家庭の蓄電池に その5

スマートグリッド(次世代送電網)の構築で14年までに石炭火力の完全廃止を目指すカナダ東部のオンタリオ州政府のプパテロ国際貿易投資大臣は「日本企業の投資に期待する」と言う。

だが、日本国内には活躍の場が少ない。鹿児島県などの離島で実証実験に乗り出すが、電力会社は「日本はすでに信頼度の高い送電網を持っている」(電気事業連合会)とスマートグリッドの全国的な構築には消極的だ。

「日本メーカーが海外進出しないと日本抜きの標準化が進みかねない」との声もある。

日本の1世帯あたりの停電は年30分に満たず、送電網が老朽化した米国に比べればインフラ更新の緊急度は低い。だが自動車や家電など産業界全体への波及効果を考えれば「電力革命」に取り組む価値はあるはずだ。電力各社が火力発電所の調整力に依存した今の送電網に安住していると、日本全体が電力革命の波に乗り遅れる恐れがある。

2009年7月21日

自動車を家庭の蓄電池に その4

スマートグリッド(次世代送電網)で先行する米国のIBMやゼネラル・エレクトリックは米国外でも実績を積み、技術や規格の世界標準を握ろうとしている。

技術競争なら日本企業も負けてはいられない。日立製作所は蓄電池制御などの技術をいかし、15年に世界のスマートグリッド市場で800億円を売り上げる目標を掲げる。東芝も世界各国で、地域の電力需給を最適化する自社のシステムを売り込もうとしている。

2009年7月20日

自動車を家庭の蓄電池に その3

一義的に風力発電で余った電力を電気自動車の「燃料」に使う。さらに進めば、電力が不足したときに電気自動車の蓄電池から取り出した電力を家庭やオフィースで使うことも考えられる。

実現に向け、デンマーク政府は08年に180%の自動車取得税を電気自動車に限ってゼロにした。地元の電力会社などは12年までに国内に最大20万ヶ所の充電所を設ける計画で、その後、毎年最大3万台の電気自動車の普及を見込んでいる。

この政策に引き寄せられ、日産自動車・仏ルノー連合はデンマーク市場への電気自動車の供給を打ち出した。

2009年7月19日

自動車を家庭の蓄電池に その2

デンマークは2025年までにエネルギー消費の30%を風力など再生可能エネルギーにする目標を掲げる。悩みは発電量の安定しない風力をどう使いこなすか。

デンマークは1990年代半ばから風力発電所を次々と建設した。強く風が吹けば発電量が需要を上回り、ドイツ、スウェーデンなど隣国に輸出している。だが風が吹かなければ電力は不足する。目をつけたのは、電気自動車の蓄電機能だ。

2009年7月18日

自動車を家庭の蓄電池に

北欧の小国デンマーク。バルト海に浮かぶ人口5万人弱のボーンホルム島で今年3月、革新的な実験が始まった。スマートグリッド(次世代送電網)につないだ電気自動車の蓄電池に、風力発電で作った電力をためる。各家庭の車庫に止まった電気自動車を蓄電装置に見立てる試みだ。プロジェクトを主導するのは米IBMと独シーメンスだ。

2009年7月17日

ブラジルからエタノール輸入

三菱商事は2010年から、ブラジル産バイオエタノールを日本国内の自動車燃料向けに輸入する。ブラジルのエタノール最大手、コザンと3年契約を締結。石油大手が「バイオガソリン」として販売する燃料の添加物原料に加工する。コザンは最大手で年間8万キロリットルの出荷を見込む。

輸入するバイオエタノールはコザンが自社農園などで栽培したサトウキビから生産。植物由来のバイオ燃料は二酸化炭素の排出がゼロと見なされ、温暖化ガスの排出削減が迫られる中で需要拡大が見込まれている。エタノールは国内で石油ガスと合成した「ETBE]に加工し、ガソリンに添加する。ブラジルではエタノールを直接ガソリンと混合する方法が普及しているが、日本の石油大手はETBE方式を推進している。

2009年7月16日

中国 太陽光発電事業に補助

中国政府は21日、太陽光発電の産業化の促進を狙いとする発電事業者への支援策をまとめた。太陽光発電に取り組む事業者に総投資額の50%を補助することなどが柱。

2、3年以内に500メガワット以上のモデル事業を実施し、太陽光発電の産業化と普及にはずみをつける。

支援策は財政省、科学技術省、国家エネルギー局が連盟で発表した。電気が通っていない地域での太陽光発電事業に対しては総投資額70%を補助することや、太陽光発電の基幹技術の開発や産業化に必要な資金を借り入れる際、金利の一部を補助することなども盛り込んだ。

中国は新エネルギーや省エネ技術の産業化に力を入れており、太陽光発電のほか、風力電力についても発電設備メーカーや発電会社への支援策を検討している。

 

2009年7月15日

カシオ 物流時CO2 20分の1以下

カシオ計算機は中国から日本への製品出荷ルートを見直し、輸送時の二酸化炭素排出量を20分の1以下に削減する。広東省の工場で生産した電子辞書やデジタルカメラの輸送手段を航空便から鉄道とフェリーの組み合わせに切り替える計画で、来春までに実施する。大手各社は海外生産比率の向上で物流段階のCO2排出量が増加傾向。工場での温暖化対策に続き、物流段階での対策が今後加速しそうだ。

カシオ電子科技中山から鈴鹿流通センターへの輸送ルートを変更する。香港―関西空港間の空路を使っているのを深3―上海間の鉄道と上海―博多間のフェリーを使うようにする。まず電子キーボードで輸送試験を始めた。

製品100トン運ぶときのCO2排出量は従来では440トン。新ルートは20トンと大幅に減る。物流コストも20%以上削減できると見ている。博多港から鈴鹿までは当面トラックを使うが、鉄道利用も検討しCO2削減効果の拡大を狙う。ただ輸送日数は航空便を使った場合の3日から7日に延びる。そのため、急を要する注文には今後も航空便を活用するとしている。

カシオの2008年度の物流関連のCO2排出量は約9万7700トンで、工場・オフィースからの排出量に匹敵する規模になっている。このうち空輸を活用する海外物流分が98%を占める。同社は海外物流のCO2削減を推進するため、海外売り上げ高あたりの排出量を09年度に04年度比5%削減する目標を設定しているが、08年度実績は8%増だった。

地球温暖化防止に向けて企業が一段の排出削減を求められるのは必至。そのため従来の生産工程のCO2排出削減対策だけでなく、販売段階や使用後のリサイクル段階も含めた製品ライフサイクル全体で環境負荷を減らす動きが大手各社の間で広がっている。

2009年7月14日

サハラ砂漠で太陽熱発電

独シーメンスやドイツ銀行など欧州の大手企業12社は13日、アフリカ北部のサハラ砂漠などに大型の太陽熱発電施設を設置し欧州に送電するプロジェクトの実施で合意した。総事業費は4千億ユーロ(52兆5千億円)将来は欧州の電力需要の15%をまかなう計画だ。

「デザーテック」と呼ぶ同プロジェクトには、保険大手のミュウヘン再保険や独電力大手のRWEやエーオン、欧州の太陽熱発電ベンチャーなどが参加する。

計画では2050年までに太陽熱発電風力発電などの環境エネルギー設備をアフリカ北部の砂漠地帯や沿岸部に設置し、地中海の海底送電網などを通じて欧州に電力を供給する。今後3年以内に具体的な投資計画を決めるという。

砂漠地帯ではわずか6時間で、人類が1年間に使うエネルギーを太陽から得られるという。独政府も同計画を推進する考えだが、経済危機のなかで必要な資金を集められるかが事業推進のカギとなりそうだ。

2009年7月13日

半導体 環境車向け共同開発

富士電機ホールディングスと古河電気工業は、ハイブリット車などの性能を引き上げる新型の電力制御用半導体(パワー半導体)を共同開発する。新素材を使って電力損失を抑え、同じ容量の電池で走行距離を1割程度伸ばすことを目指す。環境者向けのパワー半導体ではロームがホンダ技術研究所と共同開発を進めるなど、開発競争が激化している。

富士電機と古河電工は窒素ガリウム(GaN)を素材に使い、電圧や電流を効率よく制御するパワー半導体を開発する。

現在主流であるシリコン素材の製品よりも電力損失を10分の1に抑えた製品の実用化を目指す。

2009年7月12日

海水からウラン効率採取

独立行政法人の日本原子力研究開発機構は海洋生物環境研究所と共同で、原子力発電の燃料となるウランを海水から効率よく採取する手法を開発する。将来は海外から輸入しているウラン鉱石と同等のコストを目指す。世界では温暖化対策や発電効率の高さから原発の建設計画が進んでおり、ウランは2010年代後半から需給が逼迫する見通し。7年後の実用化を目指しており、海水採取が実現すれば日本でもウランの自給に道が開ける。

原子力機構はウランを採取するための繊維状の高分子吸着剤「アミドキシム捕集材」を開発。海洋生物環境研究所の実験設備を使って、捕集材の耐久性を高める研究を始めた。試算では1キログラムのウランを海水から採取するコストは3万2000円で、現在のウランスポット価格(約1万3000円)の2.5倍。最終的には天然ウラン価格と同等の水準を目指す。

2009年7月11日

太陽光発電

三菱化学、オムロンなどは学校向けの太陽光発電関連事業に参入する。政府が景気対策の中で、公立小中学校の環境対応を進める「スクール・ニューディール」を打ち出したことに対応。太陽光発電装置や、電力を効率的に使うシステムなどの販売を始める。大きな新規需要が生まれることで、太陽電池本体のメーカー以外も事業化の動きが広がりそうだ。

三菱化学は今秋から、学校向けに太陽光発電のシステム構築事業を始める。自社や資材商社経由で営業活動を行い、国内外の太陽電池メーカーからパネルを調達してシステムを設計。全国の建設会社など約200社を組織して施工を委託する。欧米で一般的な太陽光発電のシステム・インテグレーター(SI)事業で、2010年度に50億円の売り上げ高を見込む。

2009年7月10日

三菱自動車 アイミーブ

三菱自動車は2012年をメドに、車両価格を300万円程度の抑えた電気自動車を発売する。動力源となりうるリチウムイオン電池の搭載量を減らしてコストを抑える。充電1回当たりの走行距離は100キロメートルと短くなるが、政府の補助金を利用して200万円以下で購入できるようにする。法人に加え、一般家庭の需要を開拓し普及を狙う。

今年7月に発売する「i-MiEV(アイミーブ)」をベースに開発する。ハイブリット車で200万円前後の新型車が相次ぎ登場し、人気が出ているため対抗する。

アイミーブは税込みの車両価格が459万9000円。現状の政府の購入補助金(139万円)を受けても320万円と一般的なガソリン車の2倍近い。電気自動車の生産コストの半分近くを占める電池の搭載量を減らし、価格を引き下げる。

アイミーブは230キログラムのリチウムイオン電池をつんでいるが、新型車は搭載量を140~150キログラム程度に減らす。1回の充電で走れる距離は160キロメートルから100キロメートルに短くなる。

ただ急速充電器を使えば30分で電池容量の8割を満たせるため、都市部中心の走行なら実用に耐えると判断した。

2009年7月 9日

風力発電 伸び鈍化

風力発電の建設ペースが鈍っている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によると、2008年度の新規稼動から撤去を差し引いた純増能力は17万8720キロワットで前の年度より3%減った。電力会社が事業者の建設を制限していることなどが影響した。政府が京都議定書の達成計画で掲げている10年度の目標達成が難しくなってきた。

純増能力は07年度に続き2年連続の前年割れ。政府の補助制度を受けて国内市場が回復している太陽光発電とは対照的に、市場の伸び悩みが鮮明になった。

08年度末時点で稼動する風力発電の総容量は185万3624キロワット。これに対し政府は京都議定書の達成計画で、10年度に300万キロワットの普及という目標を掲げている。毎年、08年度実績の3倍を上回る発電能力を積み増さなければならない計算で達成は難しい情勢だ。

風力発電所は主に発電事業者が建設し、発電した電気を電力会社に販売している。発電量が風の吹き方次第で大きく変動するため、電力会社は建設を実質的に制限している。電力各社は08年中に風力発電の受け入れを増やす方針を打ち出したが、今のところ稼動増にはつながっていない。

08年度前半は原料高の影響で発電機価格が割高になり、発電事業者の計画が遅れた影響もあったもよう。発電所を立てやすい場所は多くが開発されており、新規開発にかかる費用負担がたかまっているとの指摘もある。

2009年7月 8日

バイオ燃料でCO2削減

建材や食品の廃棄物をバイオ燃料として活用する試みが相次いでいる。積水ハウスはおがくずから水素やメタンを含むバイオガスを作り工場の発電に利用。プラント製造のたくまなども焼酎のかすからバイオガスを取り出す手法を実用化した。企業はコスト削減と廃棄物の減量に加え温暖化対策を迫られている。化石燃料をバイオ燃料に切り替えると二酸化炭素の排出削減につながるため、バイオ燃料の導入機運がにわかに高まっている。

積水ハウスは木造住宅用の材料工場から出るおがくずからガスを取り出す技術を開発した。おがくずを高温で燃やし水素やメタンを取り出す。従来はタールで配管が目詰まりしたが、おがくずの高温ガス化でタールを大幅にへらした。

バイオ燃料は、政府が温暖化対策や循環型社会の実現に向けて活用を進めている。京都議定書の目標達成計画では2010年度までに308万キロリットルのバイオ燃料利用を目標に掲げている

タクマと焼酎製造の浜田酒造は麦焼酎と芋焼酎のかすから効率的に水素やメタンを取り出す手法を開発した。微生物を使い焼酎かすを発酵させて取り出す。

2009年7月 7日

バイオ燃料

廃棄物からバイオ燃料を作る主な取り組み
企業 廃棄物

バイオ燃料

積水ハウス おがくず 水素やメタン
タクマ、浜田酒造 焼酎かす 水素やメタン
明治乳業 牛乳・ヨーグルト メタン
コカ・コーラセントラルジャパン コーヒー,茶かす メタン
シダックス 調理工場の廃食料油 バイオディーゼル燃料

2009年7月 6日

温暖化ガス 国産排出枠 初の認証

国内で排出される温暖化ガスの削減を通して獲得する「国産排出枠」が初めて誕生する。大企業が中小企業などの省エネを支援して、その見返りに排出枠を得る「国内クレジット制度」について、政府は19日にローソンや東京電力などが手掛ける3事業を認証する。排出枠が生まれることで、国内排出量取引制度の施行プロセスが本格化する。排出削減の中期目標達成にも貢献しそうだ。

国内クレジットは昨年10月に始まった国内排出量取引制度の試行の中核を占める制度。2008~12年の京都議定書期間中の年平均で約180万トンの排出削減を見込む。19日に開く政府の「国内クレジット認証委員会」で、3事業の認証を正式に決める。認証は同制度の創設以来初めて。

認証されるのは①ローソンが東大医学部部付属病院の冷凍機を省エネ型に更新②静岡ガスと三井住友銀行が静岡市の缶詰工場のボイラー燃料を重油から都市ガスに変換③東電が山梨県の温泉施設に高効率ヒートポンプを導入――の3事業。計990トンの二酸化炭素が削減される。

認証された排出枠は、政府が管理する登録簿のなかに設けられた各企業の口座に割り当てられる。排出枠は今後売買される可能性もあり、国内の排出量取引市場の活性化が期待される。

2009年7月 5日

CO2 排出量 化学品も開示

三菱ケミカルホールディングスは、主要化学製品の製造で発生した二酸化炭素の量の開示を年内にも始める。試行が始まった「カーボンフットプリント(CFP)制度」に対応するもので、電機や食品などの製造業が素材を購入する際にその素材を購入する際にその製品がどれだけのCO2を排出したか分かるようにする。CFPへの対応は化学業界では初めてで、最終製品分野が先行していた環境負荷値の公表が原材料に広がるきっかけになりそうだ。

年内にも製品の原料調達から製造段階までのCO2量を計算する独自の情報システムを構築。まず植物原料を使ったバイオ樹脂やリチウムイオン電池材料、発光ダイオード(LED)証明向け材料など10-20品目から、単位あたりのCO2排出量を顧客に開示する。対象は順次拡大、将来は全製品に広げる予定。

情報開示と並行して、三菱ケミカルは工場の省エネルギーなど自社の温暖化対策を進めるほか、環境負荷の低い素材の開発にも弾みをつける。

2009年7月 3日

温暖化ガス 削減80%  その3

排出削減を比較する基準年は「1990年または最近の複数の年」とする方向で調整中。温暖化の被害を最小限に抑える観点から、「産業革命前の時代からの気温上昇は2度を超えるべきではない」との認識でも一致する見通し。新興国にも触れ「排出削減に向けた定量的な行動を取る必要がある」との表現で、一定の削減努力を求める。

サミットと同時に開く主要経済フォーラムの首脳宣言案でも、世界で50年までに排出を半減し、先進国は80%減らす方向で合意を探っている。ただ新興国は反発するとみれれ、合意できるかどうかは流動的な面も残っている。

昨年の洞爺湖サミットでは、G8は世界で50年までの排出半減をポスト京都の国連交渉で世界各国が採択するよう求めることで合意。ただ、中印などを含めた会合では「50年までに半減」では合意できなかった。

2009年7月 2日

温暖化ガス 2050年80%削減

50年までの排出削減をめぐっては、日本は昨年、現状比60~80%削減する長期目標を公表済み。米国も05年比83%減を盛った法案を議会で審議している。欧州連合は排出削減に積極的で、G8は80%減で一致できると判断したもようだ。

ただ、温暖化ガスの排出を世界規模で減らすには、中国やインドなど排出が急増する新興国の取り組みが欠かせない。合意できれば、年末に期限を迎える13年以降の温暖化対策の国際枠組みづくりの国連交渉の進展に弾みが付きそうだ。

2009年7月 1日

温暖化ガス 先進国2050年80%削減 その1

8~10日にイタリア中部で開く主要国首脳会議で、地球温暖化問題について主要8ヶ国による首脳宣言案が明らかになった。新興国を含め、地球全体で2050年までに温暖化ガス排出を半減することを前提に、先進国が50年までに80%減らす目標を明記。昨年の洞爺湖サミットでは、G8は50年までの半減を地球全体で共有するよう求めることで合意していたが、今回は一歩踏み込む。