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2009年5月31日

温暖化ガス削減

温暖化ガス削減の中期目標の6案

(2020年時点、▲はマイナス。②と④は先進国全体で90年比25%減らすことが前提)

1990年比 2005年比
①現状の努力を継続

▲4

②先進国間でCO2 1トンを減らす費用を均等化

1-▲5

▲6-▲12

③新しく購入する場合は義務付けなしで最先端省エネ機器に

▲7

▲14

④先進国間でGDP当たりの対策費用を均等化

▲8-▲17

▲13-▲23

⑤既存機器も含め一部義務付けで最先端省エネ機器に

▲15

▲21-▲22

⑥ほぼすべての機器を義務的に最先端省エネ機器に。企業活動も一部制約

▲25

▲30



2009年5月29日

化学各社 太陽電池向け拡大

化学各社が薄膜太陽電池の製造に使う工業用ガス事業を相次ぎ拡大する。電気化学工業は2010年末までに5割増産し、三井化学は量産に向けた試作プラントを立ち上げる。太陽日酸は独大手と組み、工場を建設する。半導体や液晶向けのガス需要が落ち込む中、成長分野である太陽電池向けに投資をシフトする。

2009年5月28日

エコカーに官民沸く

ハイブリット車や電気自動車などのエコカーに首都圏の企業や自治体が熱い視線を注いでいる。自動車販売店は「エコカー減税」人気で沸き、関連ビジネスも広がり始めた。首都圏には二酸化炭素の排出削減に力を入れる自治体が多く、エコカー普及への支援策も相次ぐ。景気浮揚の狙いも込めて、官民を挙げた取り組みが熱を帯びてきた。

「新規顧客が目立つ。車離れのきっかけになれば」。神奈川トヨタプリウスの先行予約が1千台を超え、発売前の新型車としては異例の大量受注を記録した。エコカー減税で来店客は2-3割増えているものの、関心はやはりハイブリット車

関連ビジネスも広がり始めた。中古レンタカーはプリウスの貸し出しを始めた。駐車場最大手のパーク24は法人向けに、東京・銀座の駐車場でエコカーの月決め駐車料金を最大で半額にした。首都圏では充電器を設置しての電気自動車の実証実験が進んでいる。

2009年5月27日

水素ハイブリット車

マツダは26日、独自開発の水素ハイブリット車「プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッド」の第1号車両を岩谷産業に納車しとと発表した。月間42万円でリース契約した。水素とガソリンを燃料に使うマツダ独自のハイブリッド方式を採用。運転手はボタン一つで燃料を切り替えられる。今後もエネルギー関連企業や官公庁などの需要を開拓する。

参列シートのミニバン「プレマシー」をベースに改造。3月に国土交通相の認定を得て、ナンバープレートの取得が可能になったため、リース販売を始めた。

同社は独自に開発したロータリーエンジンを活用して水素ハイブリッド車を開発してきた。レシプロ式と呼ばれる通常のエンジンと異なり、エンジン内部の燃焼室と吸気室が分かれている構造になっていることで、水素を燃焼した際にエンジンの一部だけが高温になりやすい水素燃料特有の問題を克服したという。

ガソリンでの走行時もエンジンは発電用だけに使い、モーターで車輪を回して走行する。

2009年5月26日

太陽光発電 大量送電へ実証実験

東京電力や関西電力など電力10社は、太陽光発電が送電網に与える影響を調べる全国規模の実証実験に乗り出す。2030年までに現在の40倍の太陽光発電導入を目指す政府目標を達成するには、送電網の技術革新が必要とされる。天候変化による太陽光発電の出力変動や送電網への負荷などを検証し、自然エネルギーと共存可能な電力系統の開発につなげる。

実証実験にかかる費用は3年間で総額14億円。国が半額を補助する。電力各社の営業所などに設置した太陽光発電施設111ヶ所(出力合計1,500キロワット)をつないで出力を1秒単位で計測。システム全体の出力がどう変動するかを調べる。

太陽光発電は天候によって出力が変動し、電力品質に影響するとされる。しかし、日本全体の太陽光発電設備を合計すれば変動は相対的に小さく、電力品質への影響も限定的になる「平衡化効果」がある。全国規模の実験によってこの平衡化効果を調べ、蓄電池容量がどの程度必要になるのか、太陽光発電の変動を補完する電源がどの程度必要かなどを評価する。

電力業界は既存の送電網で太陽光発電を1千万キロワットまで受け入れ可能としている。一方、政府は温暖化対策として30年までに5,300万キロワットの太陽光発電導入を目指している。目標達成に向け、家庭などの太陽光発電の余剰分を現在の約2倍の価格で電力会社が買い取る「固定価格買取制度」の導入を決めた。

太陽光発電が1千万キロワットを越えると品質安定化のため、蓄電池の大量導入や補完電源など電力システムの改善策が必要となる。

2009年5月25日

温暖化ガス削減目標 7%

2020年までを目安とする温暖化ガス削減の中期目標について、国民の約45%が「1990年比7%減」を支持していることが政府の世論調査で明らかになった。これまで「4%増が妥当」とする産業界と「25%減」を求める環境比政府組織(NGO)の主張の対立が目立っていたが、国民の実感は両者のほぼ中間に近いことがわかった。6月に迫った政府の中期目標決定にも影響を与えそうだ。

調査は政府が社団法人新情報センターに委託し、面接方法で実施した。1,220人から回答を得た。

温暖化ガス削減幅が大きくなれば、その分、国民も負担を強いられる。家計が許容できる費用について「まったく負担したくない」(18.2%)と「一家庭当たり月1千円未満」(41.2%)が合わせて6割を占めた。温暖化対策の重要性は認識しつつも、負担は避けたいとする心理も浮き彫りになった。

2009年5月24日

太陽電池 発電効率最高を更新

三洋電機は22日、太陽光を電気に変える効率が23%と、現在主流の結晶系で世界最高の太陽電池を開発したと発表した。従来の最高記録は三洋自身の22.3%で、これを0.7ポイント高めた。住宅用太陽光発電システムなどに採用する。発電効率の高さをアピールして販売拡大につなげる。

三洋が手掛ける高効率タイプは結晶型と薄膜型を組み合わせた「HIT太陽電池」実験には10cm四方の実用サイズを使用した。

シリコン層内の電気の流れをスムーズにする形成技術を開発した。シリコン層による太陽光吸収を抑制したほか、電極を印刷する際の「にじみ」を抑えて太陽光が当たる表面積を広げた。

三洋のHIT太陽電池は量産レベルでも変換効率が19.7%と業界最高水準にある。同社は研究レベルでは2010年までの23%達成を目標としてきたが、一年前倒しで実現した。

新技術は増産などのタイミングで量産ラインに順次導入し24、販売用商品の性能向上につなげていく方針だ。

2009年5月23日

CO2回収・貯留実験

三菱重工は22日、米大手電力会社サザンカンパニーと組み、石炭火力発電所から出る二酸化炭素(CO2)を回収・貯留する実証実験を米国で始めると発表した。回収量は日量500トンで、石炭火力発電としては世界最大規模という。2011年に試験設備を稼動させ、15年の商用化を目指す。

実験には米電力研究所も参加する。三菱重工などは計1億-1億5千万ドル(94億円-141億円)を投じ、米アラバマ州のサザンの発電所にCO2回収設備を建設。発電所からの排ガスから純度の高いCO2を取り出し圧縮、地下の耐水層に貯留する。

CO2回収・貯留(CCS)は地球温暖化対策として注目されている。石炭火力発電は米国や中国、東欧に多く、三菱重工業は排出量取引の普及などでCCSの需要も拡大すると判断。今回の実証データをふまえ回収設備を実用化し、サザンや他の電力会社向けに販売を目指す。

三菱重工は化学用途のCO2回収でインドなどで計9基を受注した実績がある。発電所からのCO2回収では、ドイツでも11年から現地の電力会社と組み、回収量日量百万トンの実証実験を始める計画。

2009年5月22日

バイオエタノール生産設備 三井造船小型に参入

三井造船は食品廃棄物を原料にバイオエタノールを生産する小型プラント事業に参入する。処理能力を現在普及している設備の十分の一程度に抑え、食品工場やショッピングセンターに提案する。バイオエタノール温暖化ガス削減につながる燃料として普及が見込まれている。食品廃棄物の有効なリサイクル手法として食品関連業界で需要が拡大すると判断した。

年間に約5,000トンの原料から千キロリットル程度のバイオエタノールを作るプラントを開発した。小型プラントは温度管理手法などが難しい。三井造船はこれまで大型プラントの開発で蓄積したノウハウを活用し、少量で多様な廃棄物でも効率処理できるシステムを構築した。

販売価格は5億円程度に設定する計画。ショッピングセンターや食品工場に設置すれば、賞味期限切れのおにぎりやパンなどを原料にエタノールを製造できる。リサイクル率向上を急ぐ食品関連企業などから需要があると判断した。

今後はプラント設置企業に、エタノールの販売先の確保まで支援する方針。

民間調査機関の富士経済によるとバイオエタノールの2007年度の国内市場は約3,000キロリットルで4億円だった。

今後ガソリンにエタノールを混合したバイオ燃料の普及で15年度には90万キロリットル、1,620億円の市場に拡大する見込み。

バイオエタノールのプラントは月島機械や新日鉄エンジニアリングも手掛けている。食品リサイクルの手段として小型プラントが普及すれば、エタノール安定供給にもつながる。

2009年5月21日

温暖化ガス中期削減目標

来日したデンマークのヘデゴー気候変動・エネルギー相は18日、日本経済新聞社に対し、2020年までの温暖化ガスの中期削減目標について「日本は野心的に設定する必要がある」と強調した。記者クラブでの会見では、日本政府が示した6案のうち、1990年比4%増を支持する日本経団連に対しては批判的な見解を直接伝えたことも明らかにした。

中期削減目標は2013以降の温暖化対策の国際的な枠組み(ポスト議定書)づくりの焦点。

欧州連合は20%削減を表明し、ほかの国・地域の目標が意欲的な場合はEUは削減幅を30%に上積みする構えをみせている。同相は「日本はEUを30%削減に踏み切らせる目標を出さなければならない」と指摘した。

2009年5月20日

火力発電に積極導入

電力会社が火力発電所でバイオマス(生物資源)燃料の利用を拡大する。中部電力が09年度から木材チップを利用するほか、沖縄電力も2010年度から地元の廃材を加工した燃料を使う。燃やしても二酸化炭素排出量をゼロと見なせるバイオマス燃料を、石炭に混ぜて使うことで環境への負荷を抑える。電力会社に課せられている新エネルギーの導入義務を達成する手法としても定着しそうだ。

バイオマス燃料を石炭に混ぜて使う電力会社

年間利用量 本格利用開始 バイオマスの種類
沖縄電力 2万トン 2010年度(予定) 建築廃材
中部電力 30万トン 09年度(予定) 輸入
関西電力 6万トン 08年8月 輸入
中国電力 2万-3万トン 07年8月 間伐材など
北陸電力 1万-2万トン 07年7月 樹皮や木くず
四国電力 1万トン強 05年7月

樹皮など



2009年5月19日

宇宙太陽光発電  その3

月面で発電するアイデアもある。清水建設は人類の全消費エネルギーをまかなう月面発電所の建設に35年から着手する構想をまとめた。各国の政府や企業、大学などに協力を呼びかける考えだ。

月面の赤道部分に幅400キロメートル、一周11,00キロメートルの太陽電池パネルを並べる。総面積は日本の国土の11倍強に当たる440万平方キロメートル。標準的な性能のシリコン太陽電池を敷き詰め、220テラワットを発電する。

直径20キロメートルの巨大なマイクロ波送信機やレーザー発信機もそれぞれ6000ヶ所に建設。地球では直径数キロメートルの受信機でエネルギーを受け取る。伝送に伴う変換ロスなどを考えても、原発13,000基分の電力を絶え間なく供給するという壮大な構想だ。

「月の砂から太陽電池やコンクリートを生産し、無人ロボットが発電所に組み立てる」SFの域を出るかどうかはコストにかかってくる。宇宙空間で数キロメートル四方に及ぶ巨大発電所を作るとなると、部品を打ち上げる費用など数兆円が必要とされる。原発などと競うには「発電コストを一キロワット時8円以下に抑えなければならない」といい、厳しいハードルが待ち受けている。

2009年5月18日

宇宙太陽光発電 その2

政府は今月末の策定する初の宇宙国家戦略に「宇宙太陽光発電の実験に5年以内に着手」と明記する。宇宙機構などは15年前後に小型実験衛星を打ち上げ、 数キロワットの伝送実験に着手。30年ごろには原発一基分に当たる百万キロワットの送電を試みる計画だ。

衛星だけでなく、地上でも実験が着実に進む。

神戸大学の賀谷教授は11月にも、ハワイのマウイ島とハワイ島の間、150キロメートルを結ぶマイクロ波伝送実験に挑む。マウイ島の山頂で数十ワットを太陽光で発電し、ハワイ島のアンテナへ送る。「太陽光発電衛星から地上施設にピンポイントで送電する技術を確立する」

 

2009年5月17日

宇宙太陽光発電

太陽が放つ鮮烈な光を宇宙でとらえ、地球に送ろう―。石油の枯渇や地球温暖化への懸念が強まり、「宇宙太陽光発電」が現実味を帯びてきた。地上と違って昼夜や天候にかかわらず発電できる強みを生かそうと、発電衛星や地上施設の準備が動き始めた。

「地球で人類が消費する一万倍ものエネルギーが太陽から地球に降り注ぐ。計算上は地上のエネルギーを太陽で全てまかなえる」からだ。

宇宙機構などは2030年にも、原発一基分の発電能力がある初の「宇宙太陽光発電所」の打ち上げを目指す。太陽電池で発電したり、太陽光をあつめたりし、それぞれマイクロ波やレーザー光に変えて地上の受信施設へ送る。

マイクロ波は雲があってもすり抜け、地上で専用素子で電気に戻して送電網に流す。レーザー光は大気中を遠くまで進み、素子などに当たって電気に変わる。海上基地で水を電気分解して水素を取り出せば、自動車や燃料電池の燃料になる。

宇宙発電所を地上36,000キロメートルの静止軌道に置くと、地球の陰に隠れることもない。

2009年5月16日

風力発電、南極での出番備え

巨大な風力発電機が立ち並ぶ秋田県にかほ市の仁賀保高原。その中でもユニークな形でひときわ目をひくのは縦軸型の風力発電機だ。

国立極地研究所は4月、にかほ市の協力を得て南極昭和基地で使用する風力発電機の試験を始めた年間を通じて風が強く、冬の吹雪が南極のブリザードに似ていることからデータ収集に適しているためだ。

昭和基地は現在、太陽光発電パネルと風力発電機1基を使用しているが、その発電量は基地の消費電力全体の約3%にすぎない。新型を1基設置することによって、これを5%程度に引き上げられる見込みだ。

雪粒による各部の磨耗、発電機内部への雪の侵入状況など、強風や寒冷に伴う影響を調べ、隊員による組み立て訓練とメンテナンス訓練も併せて行う。

同研究所では来年11月に南極へ向かう観測船「しらせ」で第1号機を運び、順次5号機まで設置する予定。化石燃料の消費を抑え、自然エネルギーへの転換を図りたい考えだ。見学は自由にできる。

2009年5月15日

家電の世界電力消費 2030年までに3倍

国際エネルギー機関(IEA)は13日、パソコン、テレビなど家電製品の電力消費が2030年までに世界全体で現在の3倍強に膨らむ恐れがあるとの試算をまとめた。電気代換算だと2千億ドル(約19兆6千億円)の負担増。一方で、電力消費の小さい製品への乗り換え促進や新技術の普及により、電力消費の増加は4割程度に抑えることも可能だと分析した。

05年の家電の電力消費は1時間当たり548兆ワットで、家庭の電力消費全体の15%を占める。テレビや携帯端末の多機能化や機器の普及拡大を背景に家電の電力消費は急増しており、現状のままだと30年には同1736兆ワットに達する見通しだ。

IEAは、製品の製造・使用・廃棄過程での省エネ推進や、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)など電力効率が高い新技術の開発を進めば、30年時点の電力消費を1時間あたり776兆ワットまでの増加に食い止めることができると強調している。

2009年5月14日

太陽電池 シャープ国内2倍に

シャープの社長は、2009年度に太陽電池の国内販売を前年度比2倍に引き上げる計画を明らかにした。国や自治体などの購入補助金制度を追い風に拡販を目指す。

太陽電池は今年度、国内に軸足を置いた事業展開を強化する。08年度の同社の国内向け太陽電池生産量は約10万キロワットとみられる。片山社長は「09年度の国内市場は倍増する見通しで、当社もシェアを維持したい」と述べ、販売を倍増させる方針を示した。6月をメドに担当者を増やし住宅メーカーなどへの拡販を進め、約4割の国内シェアの維持・拡大を目指す。

狭いスペースでも発電効率の高い結晶型太陽電池の増産を検討する。

2009年5月13日

ポスト京都議定書 提出案出そろう

2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)について、温暖化ガスの主な排出国・地域の提案が出そろった。6月の国連作業部で本格的な議論が始まる見通し。排出削減の進め方や途上国支援などを巡って、先進国や新興・途上国の主張の違いも一段と鮮明になってきた。

日本や米国などはそれぞれの提案を国連気候変動枠組み条約事務局に提出した。提案を受け、6月にドイツ・ボンで開く作業部会の議長がポスト京都の具体案をつくる。これをもとに議論が始まり、駆け引き激しくなる見通しだ。

米と方向性一致

オバマ政権が今月上旬に出した提案は各国に50年までに排出抑制の道筋を示した「低炭素戦略」をつくるよう求める内容だ。先進国は20年や50年の排出削減目標を設定する。中国やインドを念頭に置き、排出の多い新興国には20年ごろまでに排出抑制目標を掲げるよう求める。

日本の提案は先進国が削減目標を設け、主な新興国はエネルギー効率の改善目標をつくる内容。その他の途上国には、日米とも排出抑制に向けた計画策定を促す。先進国と新興国、その他の途上国と三つに分け、それぞれに見合う目標をつくる考え方について、齋藤環境相は「方向性が一致している」と指摘。

欧州連合は先進国は排出削減目標を掲げ、新興・途上国には対策を何もとらなかった場合よりも15-30%減らすことを暗の求めた。日米欧の主張には違いがあるが、それ以上に新興・途上国とは隔たりがある。

2009年5月12日

温暖化ガス削減 溝深まる

各国が主張する提

 

先進国の対応 新興・途上国の対応 その他
日本 排出削減目標の設定 産業別に省エネ目標 2050年までに世界の温暖化ガス排出を半減
米国 2020年や2050年の排出削減目標 排出の多い国は2020年までに排出抑制目標を 各国が2050年までの「対炭素戦略」を作成
EU 2020年までに先進国全体で1990年比約30%を削減 2020年の排出量を対策のない場合より15-30%減らすよう示唆 新興・途上国の削減は先進国の支援で達成
中国 2020年までに1990年比40%以上削減 経済成長や貧困撲滅を進めながら、国情に応じて削減 先進国が途上国の排出削減に資金拠出


2009年5月11日

風力発電 米中を舞台に競争激化

太陽電池と並んでグリーンインダストリーの中核を成す風力発電。2008年の世界市場規模は約4兆円とみられ、太陽光発電の2倍強。歯車やベアリングなど約18,000点の部品を使う大型風力発電機は、産業のすそ野は広い。一基あたり3億-5億の大型発電機が年40人の雇用を創出するとの試算もあり、波及効果は太陽電池を上回る。

農業国デンマークは90年代に農家に風力発電の設置を奨励した。発電した電気の割高購入や、免税、補助金などで、バルト海から吹く安定した風資源を電力に変える仕組みを作った。

2000年からは世界の設置済み風力発電機が毎年、3割ずつ増える高成長期が続いた。だが風力発電機市場には大きな転機が訪れている。設置が先行したデンマークでは新設場所がほとんど残っていない。その他の欧州市場も飽和気味だ。

 

2009年5月10日

太陽光発電の算入に上限    

電力会社には買い取り制度の導入などで大量の太陽光電力が集まり、太陽光だけでRPS法の目標を達成する可能性がある。そうなると電力会社が他の自然エネルギーを導入する必要がなくなるため、経産省は太陽光電力がどれだけ増えても、一定以上の割合は目標に算入できないようにする方針。割合については今後つめる。

2011年度から予定していた太陽光を他のエネルギーの2倍の導入と見直す措置も見送る方向だ。電力会社は5つのエネルギーからいちばん安い電力を導入すればよく、割高な太陽光電力は敬遠されていたが、買い取り制度の導入で不要になると判断した。

RPS法が課す07年度の導入義無量は約60億キロワット時だったのに対し、実績は約74億キロワット時だった。14年度には160億キロワット時とする目標を決定済みで、総発電量の約1.6%に当たる。ただ、この数値は買取制度を前提としておらず、経産省は導入量の見直しを含め、電力会社への義務のあり方を小委員会で議論する。

2009年5月 9日

電力会社の自然エネルギー導入目標

経済産業省は電力会社に義務付けている自然エネルギーの導入目標を抜本的に見直す。目標に参入できる太陽光の電力量を一定の割合に制限するほか、太陽光の導入量を他のエネルギーの2倍とする計画も取りやめる方向。様々な普及策で今後大幅に増える見通しの太陽光電力を例外扱いとして、風力水力など他の自然エネルギーの普及を後押しする。

新エネルギー等電気利用法(RPS法)は電力会社に対し、一定量の自然エネルギーの導入を義務付けている。対象は太陽光風力地熱小型水力、バイオマスの5種類。電力会社は自然エネルギーを使う発電設備を自前で導入するか、他の事業者から購入して目標を達成する必要がある。達成できないと百万円以下の罰金などの罰則がある。

経産省は家庭や事業所が太陽光でつくった電力のうち使わなかった分を、電力会社があらかじめ決まった価格で買い取る制度を来年から始める計画。現在一キロワット時あたり24円前後なのを50円程度に引き上げ、同じ価格で10年程度続ける。

さらに今年から一般家庭が新規に太陽光発電システムを導入する際に21-25万円を補助する制度も開始。太陽光発電の普及策を強化している。

2009年5月 8日

柏崎刈羽原発 再開

2007年7月の新潟中越沖地震で全面停止した東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の7号機が地元の了解を経て週内にも試運転を始める。6月下旬にも営業運転に移る見通しだ。二酸化炭素を出さない原発は地球温暖化対策の「基幹電源」と位置づけられる。国内全原発の発電能力の2割弱を占める柏崎刈羽のフル稼働へ道筋がつき、CO2抑制やエネルギー政策論議にも好影響を与えそうだ。

原発は電力1キロワット時を発電する際のCO2排出(建設時なども含む)が石油火力の三十分の一以下。東電は柏崎刈羽停止で火力発電所を急きょ立ち上げたため、07年度のCO2排出が前年度より2560万トン増加。日本全体の07年度のCO2の増加分(3360万トン、前年度比2.6%)の7割強が、柏崎刈羽停止の影響だった計算だ。

柏崎刈羽の全機がフル稼働すればこの分のCO2抑制につながるほか、1990年比6%の温暖化ガス削減が義務づけられた京都議定書の達成へ前提がようやく整う。

2009年5月 7日

電力買取 風力発電でも導入検討

齋藤環境相は24日、主要8ヶ国環境相会合閉幕後に会見し、風力で発電した電気について買取制度の導入を検討することを明らかにした。電力会社が固定価格で長期間購入すれば導入に伴う費用を回収しやすくなり、普及が進む可能性がある。地球温暖化につながる二酸化炭素の排出量を削減するのが狙いで、今後、二階経済産業相と調整に入る。

太陽光発電では固定価格による買取制度を2010年度の導入することが決定済みだが、CO2を出さない自然エネルギーによる発電比率を大きく引き上げるには、太陽光以外にも普及促進策を広げる必要があると判断した。齋藤環境相は風力のほか、小さな河川や用水路に設置した水車による発電も制度の対象とする方針をしめした。

ドイツなど欧州は太陽光に限定せず、風力発電などにも固定価格での買い取り制度を導入している。環境相会合でも自然エネルギーの普及促進が議論されており、齋藤環境相は「買い取り制度の拡充は世界的な流れ」と強調した。

日本が10年度に太陽光発電に導入する買取制度は、家庭の屋根に設置した太陽光パネルで発電した余剰電力が主な対象。風力や小規模水力発電は家庭での導入が困難なため、自然エネルギーを使った発電事業者も買取の対象とする方向だ。

2009年5月 6日

太陽電池製造 リサイクル技術開発

住友正精化は半導体や太陽電池向けシリコンの製造に欠かせないアルゴンガスのリサイクル技術を世界で初めて開発した。2010年春をメドに実用化する。自然エネルギーの一つとして太陽電池の普及が進むなか、今後アルゴンガスの需給が逼迫すると判断。日本企業のリサイクル技術が先端産業の成長を下支えすることになりそうだ。

高純度シリコンの製造工程では、アルゴンガスをシリコンに吹きつけ、不純物を取り除く。同社は独自開発の吸着技術を使って純度99.999%のアルゴンを回収できるようにした。シリコンガスの70%を再利用できるという。

アルゴンガスは工業ガス大手の太陽日酸やエア・ウォーターが大半を供給。ただガス各社の生産設備老朽化で供給量が伸び悩み、国内価格は過去三年間で約15%上昇。太陽電池向けのシリコン増産に伴い、価格高止まりが予想されている。

 

2009年5月 5日

太陽の利用    

太陽熱発電は土地あ広く、曇りや雨が少ない地域では太陽光発電よりも低コストで電力が供給できる可能性がある。太陽光発電のコストは一キロワット時当たり20セント(20円)前後に対して、太陽熱発電は最も安ければ同16セント(16円)になるという。

米国では07年にネバダ州に出力64000キロワットの発電所が建設され、カリフォルニア州などでも計画がある。スペインでも20基以上の建設が予定。米シンクタンクのアースポリシー研究所の予測では12年までに米国、スペインで原発5基分に相当するという。50年には地中海沿岸地域の発電量の5割以上は太陽熱発電によるものになるという試算もある。

こうした太陽熱発電のコストをされに下げられるとして期待されるのが、東工大の玉浦教授らが取り組む新技術だ。

新技術は地上に並べた鏡に反射した太陽光を高さ数十メートルのタワー上部にいったん集光。さらに、その太陽光を鏡で地上に反射してタワーの足元に置いた溶融塩を溶かす。溶融塩は水に比べて熱を蓄えやすい材料。新技術はこれまでタワー上部に置いた方式に比べて発電コストを2割以上削減、一キロワット時当たり8-9セントになるという。

2009年5月 4日

発電に熱を利用

太陽から地球へ降り注ぐ光や熱のエネルギーは、一時間当たり約128兆キロワット時に達する。これは全世界で人間が一年間で消費するエネルギーの約百兆キロワット時をはるかにしのぐ。この一部でも利用できれば、エネルギー問題の解決につながる。太陽光を半導体で電気に変換する太陽光発電温暖化ガスを出さない技術として普及が拡大するが、太陽から得られるエネルギーはほかにもある。

その一つが太陽から降り注ぐ熱で発電する太陽熱発電だ。特殊な油や高温で液体になるナトリウムなどを含む溶融塩という物質を太陽熱で温め、その熱で水を蒸発させてタービンを回し発電する技術だ。

2009年5月 3日

太陽の力をフルにつかえ

北海道の新千歳空港から車で10分。2メートル角の巨大レンズを備えた装置が、日差しを受けてまぶしく光る。

東京工業大学発ベンチャーのエレクトラが設置した装置で、レンズで絞った太陽光からエネルギーを生み出す新技術の開発に取り組む。

新技術には地球上に豊富にあるマグネシウム化合物を使う。レンズで集めた光を特殊な半導体に宛ててレーザーを発振。このレーザーをマグネシウム化合物に当ててセ氏2万度の高温にして精錬、純度の高いマグネシウムだけを取り出す。マグネシウムは水と反応させれば水素が発生するため、新技術は太陽エネルギーから燃料電池用の水素を作り出せる。

すでに燃料電池を試作して基本原理を確認した。現在はレーザーの出力を上げ、数千度の実現に向けて実験を繰り返す日々だ。マグネシウムはセ氏600度以上にならないと反応しないため、燃料として運搬もしやすい。東工大の矢部教授は「無尽蔵にある太陽から生みだす全く新しい燃料になる」と自身を見せる。

2007年に千歳市や千歳科学技術大学の協力を得て、梅雨がない北海道に実証プラントを設置した。09年にはモンゴル政府などと協力し、モンゴルのゴビ砂漠近くにさらに大規模なプラントを建設する計画だ。

2009年5月 2日

太陽エネルギーを多様に活用

太陽から地上に降り注ぐ膨大な未利用エネルギーを活用する動きが広がっている。普及が加速する太陽光発電に加え、欧州や米国では太陽光を熱に変えて発電する技術が続々実用化。日本でも太陽エネルギーを利用した新しいタイプの技術開発が進む。地球温暖化対策温暖化やエネルギー資源高騰で追い風が吹いており、新しい自然エネルギーとして頭角を現しつつある。

脱石油エネルギー技術の特徴

特徴

年間に利用可能な

資源量(百京ジュール)

太陽熱発電 土地が広く、日照時間が長い地域では抵コスト

1575

太陽レーザー レーザーでマグネシウムを精錬。貯蔵・運搬が容易

1575

太陽光発電 屋根や壁など多様な場所に設置可能

1575

力発電

夜間に発電可能だが、設置場所の条件が限られる

640

水力発電 電力資源に応じて発電量を調整できるが、建設場所が限られる

50

バイオマス 植物をバイオエタノールなどにしてエネルギー源に活用

276



2009年5月 1日

風車 発電能力アップ

九州大応用力学研究所の大屋教授が、風車の周囲に特殊なカバーを付けることで、風車の大きさが同じでも発電能力が2-5倍になる小型の風力発電機を開発した。中国の砂漠化防止プロジェクトで活用されたり、福岡市が導入を予定したりするなど注目を集めている。

大屋教授によると、帽子のつばのような形をしたカバーが風の流れを乱し、渦を発生させて風車の後方の気圧を下げることで、より強い風が風車に流れ込むようになる。風を集めて発電効率を高めるため「風レンズ風車」と名づけた。

建物や橋などに余計な負荷を与える渦をいかに抑えるかを研究してきたが、今までにない風車を造ろうとした結果、厄介者の渦をあえて利用する方法を思いついた。

風車の羽根一枚の長さが約1メートルと小型のものでも、平均風速が4-5メートルあれば一般家庭の年間使用電力量をまかなえるといい、大屋教授は「風が強くなったり、スペースが無い場所でも使用でき、風力発電普及の可能性が広がる」と話す。