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2009年4月30日

一人当たりの排出量

地球温暖化を招く二酸化炭素。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界全体で年間約280億トンを排出している(2006年時点)。

このうち米国と中国が約2割ずつを占め「二大排出国」。人口1人当たりに換算すると、米国19.00トンに対して人口13億人の中国は4.27トンにとどまる。

日本のCO2排出量は世界の4.3%でインド(4.5%)より若干少ないが、1人当たりでみると9.49%でインドの8倍強。また、先進国全体の1人当たり排出量は11.18トンで、新興・途上国の2.44トンを大きく上回る。

温暖化ガス削減の国際ルールを定めた京都議定書では、先進国だけがCO2などの削減義務を負う。国単位でみた排出量では中印は先進国をしのぐ水準まで増えており、日本などは2013年以降の温暖化対策(ポスト京都議定)で「中印の排出抑制は不可欠」と主張する。

一方、インドなどは、一人当たりの排出量の少なさを理由に削減の義務付けに抵抗している。先進国と途上国が温暖化対策の責任をどう分担するかは、「ポスト京都議定書」の最大の焦点でもある。

2009年4月29日

地球温暖化 一人当たり排出量、先進国が圧倒

世界各国のCO2排出量シェアj

排出量
米国 20.3%
中国

20.2%

ロシア 5.7%
インド 4.5%
日本 4.3%
ドイツ 2.9%
英国 1.9%
フランス 1.3%
その他 38.9%


2009年4月28日

高速道に水素スタンド   

経済産業省は国民生活で排出される二酸化炭素の量がゼロになる社会の実現を目指し、2009年度から複数の地域で大規模実験に乗り出す。高速道路に燃料電池車が水素を充填できる設備を作るほか、家庭で利用できるようパイプラインなどシステムも構築する。必要な資金を09年度補正予算に盛り込み、将来的に全国的な試みに広げたい考えだ。

水素は燃やしてもCO2を排出しないため、次世代エネルギーとして期待されている。日本は温暖化ガス排出量を2050年に現状比60-80%減らす計画で、経産省は水素の活用は欠かせないとみている。

今年度は4,5の実験地域を選定、一地域当たり数億-10億円程度を補助する。地域は今後公募するが、福岡県や青森県、宮城県や岐阜県、沖縄県などが候補という。実験地域では燃料電池車水素自動車の普及をにらみ、高速道路のサービスエリアに「水素ステーション」を設置。燃料電池バスを試験走行させデータを集める。2年後には全国規模での水素ステーションの整備を始めたい考えだ。

ほかにも例えば製鉄所の副産物として発生する水素をパイプラインを通じて、燃料電池設備を持つ集合住宅に輸送。水素の発生から消費まで一貫した町づくりに取り組み、効率的な利用に向けた課題を洗い出す。

2009年4月27日

米、沿岸で風力発電推進   

大統領は環境問題を考える「アースデー(地球の日)」にちなんで、以前は白物家電を製造していた風力発電設備の工場で演説。「われわれが直面しているのは環境か経済かの選択ではない。繁栄か衰退かの選択だ」と温暖化対策への決意を示した。

同時に「クリーンエネルギー開発を主導する国が21世紀の世界経済のリーダーになる。米国はその国にならなければならない」と力説。沿岸部の「連邦大陸棚」と呼ばれる海上での風力発電波力潮力による発電プロジェクトを推進する考えを表明した。ニュージャジー州など米東海岸の沿岸で計画されている風力発電に道を開き、2030年までに電力の20%を風力で賄えるようにするという。

温暖化ガスの削減を巡っては、同ガスを有害と認定した米環境保護局の報告を踏まえ「規制しなければならないことに疑う余地はない」と言明。排出量取引の導入を含む法整備が「最善の策だと信じる」と訴えた。

2009年4月26日

メタンハイドレード   20090426

独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と産業技術総合研究所は次世代エネルギーと期待されるメタンハイドレード(MH)の海洋産実験に乗り出す。2012年度と14年度の2回を計画しており、実現すれば世界初。MH開発で世界的に先行するJOGMECは陸上産出試験から、より商業生産に近い海洋産出実験にに移行し、早期実用化を狙う。

MHは海底下の低温高圧でメタンガスと水が一緒にシャーベット状になって蓄積したもので、「燃える氷」と呼ばれる。日本近海には天然ガスの国内消費量の約100年分に相当する埋蔵量があり、日本のエネルギー事情を改善できるとみられる。

11年度までは米国などと協力して陸上産出試験を実施する計画。次の段階として東海地方沖から宮崎県沖まで広がる南海トラフなど埋蔵が見込める日本近海で海洋産出実験へ移行する。企業の参加も募り、船から海底のMHを採取、メタンガスを取り出す。

JOGMECは08年には地下の圧力を下げてメタンガスを効率的に取り出す。「減圧法」という独自手法により、陸上での連続産出実験に成功するなど採取技術で先行している。海上では商業生産に必要な技術的課題の見極めのほか、二酸化炭素よりも温暖化効果が高いメタンガスを大気中に放出しない方法の確立も目指す。

2009年4月25日

太陽光発電 官民で売り込み

政府は途上国のインフラ整備などを支援する政府開発援助(ODA)の受注先を日本企業に限定した無償資金協力の枠組みを使い、日本が得意とする太陽光発電パネル淡水化設備の導入を支援する。成長が見込める環境技術市場は各国のメーカーの競争が激化しており、日本メーカーの海外進出を後押しする狙いもある。

2009年度補正予算に関連予算として340億円を計上、成立後に本格実施する。

支援の対象はアフリカ、アジア、中南米などのうち、ケニアやパキスタン、コスタリカなど特に開発の遅れた途上国。まず日本がこうした途上国にODAを供与し、途上国が日本の商社を通じて、京セラやシャープ、三菱重工や日立製作所などのメーカーから環境技術製品を調達する仕組みを想定している。近くこうしたメーカーを対象に説明会を開く。

途上国は人口増や経済発展に伴って水やエネルギーなどの資源が将来的に不足する可能性が高く、自然エネルギー設備などのニーズが先進国以上に高くなるとされている。

具体的な設備に関しては、太陽光発電パネルのほか、電力をためる蓄電池や配電網といった関連機器を併せて設備。水関連技術では海水を淡水にする大型ポンプや浄水器を途上国の沿岸部などに設置し、安全な飲み水を確保できるようにする。

2009年4月24日

温暖化ガス削減へ新法 その2

仏では気候変動から廃棄物、自然保護まで環境分野の対策を網羅する「環境グルネル第一法」が成立した。気候変動分野では、50年の温暖化ガス排出量を90年比で75%減とする目標を掲げた。仏は老朽化したビルや住宅などでの暖房によるCO2排出が多いことから、新法では建造物の断熱改修に集中投資する枠組みを導入。新築の建物には厳しいエネルギー効率を義務付ける。

ドイツ政府はエネルギー効率向上を排出削減の重点項目と位置づけ、20年のエネルギー生産性を90年の2倍にまで高める法案を決定。目標達成のため、企業のエネルギー効率を向上させる義務的措置などを盛り込む。

一連の新法は温暖化ガスの排出削減目標を明記し、具体的な削減策まで踏み込んでいるのが特徴だ。EUは20年までに温暖化ガスを20%削減、エネルギー利用を20%効率化する数値目標を導入済み。欧州各国はこれを踏まえて法的な根拠のある自主目標を独自に制定し、目標達成のための国内制度をつくりあげる。

国際社会では京都議定書に続く地球温暖化対策の枠組みの合意期限が今年末に迫っている。

2009年4月23日

温暖化ガス削減へ新法

欧州の主要国が相次いで温暖化ガス削減を加速するための法整備に動き始めた。英国やフランスは2050年までに温暖化ガスを1990年比7-8割減らす関連法を導入。ドイツもエネルギー効率向上を推進する新法の制定準備を進めている。欧州連合が定めた全体目標に加えて各国が法的な拘束力をもって個別に企業や個人に削減努力を迫る。

英国は20年時点の二酸化炭素排出量を1990年比で26%削減する独自の目標を設定した関連法を成立させた。50年の温暖化ガス排出は80%減らす方針だ。削減の手段の柱となるのが排出量取引制度の拡大。一定の規模以上の企業や公共団体などについて取引参加を義務付けた。

 

2009年4月22日

バイオ燃料

環境対応の自動車燃料として注目されるバイオエタノール。ブラジルでは1970年代後半から利用が始まり、2008年にはガソリン販売量を上回った。米国でも環境対策の柱の一つとして普及が進む。企業で先頭を走るのは輸出拡大で「エタノールメジャー」を目指すブラジル国営石油会社のペトロブラスだ。

サトウキビなどの成長過程で二酸化炭素を吸収する植物を原料とするバイオエタノールは、燃やしてもCO2を排出しないと見なされる。ガソリンに混ぜて使えば、混ぜた分だけCO2の排出量を減らせる。

石油会社のペトロブラスは従来、バイオエタノールを専業メーカーから買って自社のガソリンスタンドなどで売ってきた。しかしその将来性に着目し、自らバイオエタノールを生産。世界各地に売り込む戦略に切り替えた。13年までの投資額は280億ドル(約2兆8千億円)。生産拠点を整備して一貫生産に乗り出し、コロンビアなど海外での生産も計画している。

バイオエタノールで外貨を稼ぐのはブラジルの国策でもある。同国のバイオエタノールとガソリンを混ぜる装置を設置済みだ。昨年買収した沖縄県の製油所も活用する。首都圏以外にも関西地方、新潟県での販売にも協力して、全国展開のタイミングをうかがう。

日本に攻め込むペトロブラスを迎え撃つのは国内の石油元売最大手の新日本石油。6月から首都圏の系列スタンド1,000箇所でバイオ燃料の販売を開始する。新日石を筆頭に日本の石油元売各社は10年度に36万キロリットルのバイオエタノールを売る計画だ。

しかし、新日石など日本の元売が販売するバイオ燃料バイオエタノールの濃度は0.4%強。ブラジルではバイオエタノール25%のバイオ燃料が一般的だ。

濃度を低くする理由はエンジンの腐食など「自動車への悪影響の懸念」とされる。だが広大な国土でサトウキビを大量生産するブラジルに対し、狭い日本でバイオ燃料を量産するのは難しい。輸入ルートを確立するまでは大量導入に動けないという事情もありそうだ。

2009年4月21日

燃料電池 世界最高の発電効率

NTTと東邦ガス、住友精密工業は20日、発電効率が世界最高となる業務用の燃料電池を開発したと発表した。都市ガスを燃料に高効率で発電。光熱費を抑えられ、二酸化炭素の排出を抑制できる。コンビニエンスストアやファミリーレストランなどでの利用を見込む。2,3年後の実用化を目指す。

開発した燃料電池は都市ガスから得た水素を空気中の酸素と反応させて発電するタイプ。板状の発電素子を数十枚重ねたものを、熱を逃がさない装置に入れた。

出力は3キロワットで、数百時間にわたり発電効率56%を維持できた。瞬間的には59%を達成した。従来の最高効率は57%だったという。数千時間の耐久性能を確認した。今後、実用レベルの数万時間まで耐久性を高め、低コスト化する。常に一定の電力を必要とする店舗など業務向けの実用化を目指す。

燃料電池は都市ガスなどを燃料に発電する。電力の消費場所で発電できるため、発電所から電気を送る場合に比べ、エネルギーの利用効率が高いとされる。

2009年4月20日

太陽電池 家庭電力の4割賄える

東京23区の戸建て住宅の屋根全てに太陽電池を設置するば、少なく見積もっても同地域の家庭電力消費の約40%を賄える-。

東京工業大学の黒川特任教授のグループはこんな試算結果をまとめた。「ビルが多く太陽電池に不向きと思いがちだが、かなり発電できることがわかった」という。

航空写真をもとに太陽電池を設置できる屋根面積を求め、発電量を計算した。解析した総面積(628.4平方メートル)のうち、形や色、影の様子から約20%を屋根と判定。平均30度の傾斜があるとすると、屋根面積は152.7平方メートルと推定された。

太陽電池は切妻屋根の片面に、面積の8割を覆うように置いたと仮定した。太陽光から電気への変換効率を13.5%とすると年間発電量は屋根の面した向きに応じて88.2億ワット時-94.4億キロワット時となった。23区の家庭電力消費(2007年度)の約40%にあたる。寄棟など他の屋根型だとさらに増え、潜在的な発電量は大きいとしている。

2009年4月19日

京都議定書を巡る動き

1992年 気候変動枠組み条約採択
1997年 国連の会議で京都議定書採択
2001年 米国が京都議定書を離脱・京都議定書の運用ルール決定
2005年 京都議定書が発効
2008年-2012年

京都議定書の削減目標約束期間

2009年 ポスト京都議定書本格交渉、決定
2013年 ポスト京都議定書の運用開始

ポスト京都議定書

先進国に対し二酸化炭素など温暖化ガスの排出削減を義務付けた京都議定書に続く世界的な温暖化対策の枠組み。京都議定書の約束期間が2012年で終わるため、13年以降に適用される。ポスト京都議定書を巡る国際交渉は今年に入って本格化しており、年末までに決定する予定。

2009年4月18日

バイオエタノール

米国でバイオエタノール生産会社の経営破綻が相次いでいる。原油価格の下落をきっかけに事業採算が悪化しているのが原因だ。一方、オバマ政権がエタノール利用を奨励し続けるとみる石油大手や穀物大手は、割安になった工場を買収する機会をうかがっている。業界再編が加速しそうだ。

業界大手の米アベンティン・エナジー・ホールディングスは民事再生法の適用を申請した。2008年秋には同業でライバルのベラサン・エナジーが経営破たんしたばかり。パシック・エタノールも運転資金の調達で苦境に立たされている。

背景にあるのは設備過剰という構造問題だ。流通網の未整備も足かせだ。

農家がつくった小さなエタノール工場の大半は、州の支援を受けても昨年からほどんと利益が出ないか赤字となっているもようだ。

2009年4月17日

バイオ燃料本格普及へ

ブラジル国営石油会社のペトロブラスは今夏にも首都圏でガソリンにバイオエタノールを3%混ぜたバイオ燃料の販売を始める。年内に6ヶ所の独立系スタンドで売り出し、将来は商社などと組み全国展開を目指す。6月には新日本石油も全国1千箇所のスタンドでバイオ燃料を発売する。同燃料は米国やブラジルでは広く普及しており、出遅れた日本でも環境対策などを目的に本格的な普及期を迎えそうだ。

2009年4月16日

未来船CO2を69%削減

日本郵船は16日、未来のコンテナ船「スーパー・エコ・シップ」の完成予想図を公開した。液化天然ガスを使う燃料電池を主動力として搭載し、太陽電池風力を補助動力として併用することで、二酸化炭素排出量を従来船から比べ69%削減する。2030年を目標に開発に取り組む。

継続的に環境関連の開発に取り組むため、近い将来実現するとみられる具体的な技術を未来船に盛り込んだ。全長は353メートル。軽量化するための新素材や摩擦抵抗の少ない仕上がりになる塗料などを積極的に使用する方針。

2009年4月15日

温暖化ガス削減 政府6案公表

政府は14日、首相直轄の地球温暖化問題に関する懇談会の中期目標検討委員会を開き、温暖化ガスの排出削減に関する中期目標の6案を公表した。2020年に1990年比4%増から25%減まで幅広い内容で、国民からの意見を募り、6月に絞り込む。

6案は、4%増や25%減のほか、新規購入時に最先端の省エネ機器を最大限導入する7%減や一部義務づけて既存機器も含め最先端の省エネ機器を導入する15%減など。

2009年4月14日

温暖化ガス削減事業

事業者 支援企業 事業内容
東大 ローソン キャンパスの照明設備の省エネ化
東大 ローソン 病院の冷凍機の省エネ化
山梨缶詰 静岡ガス、三井住友銀行 工場のボイラー燃料の変換
益田地域医療センター 中国電力 病院に高効率ヒートポンプ導入
水と緑と大地の公社 東京電力 温泉施設に高効率ヒートポンプ導入
イオン北海道 イオンリテール ショッピングセンターの空調設備の効率化
放送大学 パナソニック電工など キャンパスの照明設備の省エネ化
日立記念病院

中国電力

病院に高効率ヒートポンプ導入
北海道帯広市 北海道電力 市役所などの空調ヒートポンプ導入
メルヘンローズ 昭光通商 バラ農園に高効率ヒートポンプ導入


2009年4月13日

植物原料樹脂生産 帝人の米合弁

帝人と米穀物メジャー、カーギルの合弁会社が植物を原料とする合成樹脂の生産能力を倍増する。米工場の年産を14万トンとし、欧州や日本を含むアジアに輸出する。2012年をめどに新工場の建設も検討する。植物由来の樹脂は生産過程などで二酸化炭素を排出しないとみなされる。従来の石油化学製品に代わる環境素材として世界的に需要が拡大すると判断した。

米ネイチャーワークスは世界的な需要増に対応し、3年後をめどに米国以外で新工場を設ける方針。レジ袋などへの採用を政策で後押ししている韓国や台湾ではポリ乳酸の需要が年率30-50%で増えており、新工場はアジアも有力候補としている。

海外では帝人・カーギルの合弁以外にも植物由来の樹脂の増産が相次ぐ。イタリアのノバモントは同社独自の生産能力を年6万トンと2.4倍に拡大。欧州の流通量は約5万トンとされ、同社は欧州で5割近いシェアを持つ。使用後そのまま放置できる農業用シート、食品包装材の採用も進む。

ただ日本では商業ベースで流通する植物樹脂製品は少ない。業界推計で年2万トン-3万トン程度で汎用樹脂の1%未満。生産規模が小さく汎用樹脂より割高で、原油価格の下落で価格差がさらに拡大。製品によっては3-5割高い。衝撃に対する強度の問題などで用途も限られる。

2009年4月12日

植物燃料樹脂生産を倍増

植物由来の樹脂

バイオマス(生物資源)プラスチックと呼ばれる。植物の生育過程で二酸化炭素を吸収するため、加工段階や焼却処分の際に出るCO2は相殺されると見なされる。化石燃料を使う汎用樹脂に対し、植物を使うため再生可能なのも特徴だ。

高効率にでんぷんがとれるトウモロコシを原料にする「ポリ乳酸」が世界で最も普及しており、資料用のコメを使った樹脂も一部で製品化。非食用の植物を原料にする開発も各地で進んでいる。

2009年4月11日

森林保全でCO2削減

温暖化ガスの削減と森林再生に向け、都市部と農村部の自治体が手を組む動きが広がってきた。二酸化炭素を吸収する森林を地方で育成し、都会で排出するCO2と相殺する。「カーボンオフセット」に取り組むことで、新宿区が伊那市と協定を締結。茨城県でもつくば市と太子町が連携する。都市部の資金を活用し地方の森林を再生しようと、国も財政支援する方針だ。

新宿区が費用を負担し市有林を毎年30ヘクタールずつ間伐する。間伐するとより多くの太陽光が入り森林を良好な状態に保てる。森林が吸収できるCO2量は30ヘクタール当たり120トン増えるという。

同区は10年度のCO2排出量を1990年度比5%増に抑える目標を掲げている。しかし、05年度は同17%増に達しており「目標を実現するには区内の取り組みだけでは限界がある」と判断。09年度は事業費として3千万円を計上した。

2009年4月10日

宮崎県などと太陽光発電

国際航業ホールディングスは9日、宮崎県、同県都農町と共同で太陽光発電施設を開設すると発表した。リニアモーターカーの走行実験に使用していた高架上に太陽光パネルを設置し、出力1千キロワット分を設備する。総事業費は6億-7億円で、2011年度に完成するとしている。電力会社などは出力数千-1万キロワット級の太陽光発電施設を計画しているが、電力以外の企業と自治体が連携して整備する商用施設としては最大規模となる見込み。

まず09年度中に出力50キロワット程度の太陽光発電設備を試験的に導入し、10年度から本格的に着工に取り掛かる。発電施設の完成後は、一般世帯300軒の年間使用量に相当する電力を供給できるという。

事業運営は国際航業ホールディングスが設立する事業目的会社が手掛ける予定で、宮崎県と都農町は住民への説明などを担当する。

2009年4月 9日

太陽光発電居住者に還元

グリーン電力証書

風力太陽光など自然エネルギーで作った電気が持つ、「CO2ゼロ」など環境面のメリットを証書の形で売買するもの。証書購入者は通常使っている電気を、自然エネルギーで作った電気とみなせる。

発電した電気と別に、証書に金銭的な価値を持たせることで自然エネルギー発電の普及につなげる。自然エネルギーによる発電量を計算し、「グリーンエネルギー認証センター」から認証されれば証書が発光される。2008年度は前年度比2.7倍2億3千8百11万キロワット時が認証された。

これまではソニーやアサヒビールなどの企業が社会貢献目的で多く購入している。東京都が10年度から導入する大型事業者へのCO2排出規制で、証書の購入が削減手段として認められており、今後需要は拡大するとみられる。

2009年4月 8日

ハイブリット車用電線

日立電線は8日、ハイブリット車向けに高い耐熱性能を持つワイヤハーネス(組み電線)を開発したと発表した。モーター周辺など基幹部分への使用も可能。焼却すると有害物質を発生する恐れのあるハロゲンを使用しておらず、最終的に解体する際の環境負荷が少ないとしている。世界的な景気減速で自動車分野の事業収益が悪化する中、ハイブリット車向けで巻き返しを狙う。

開発したのは塩素や臭素、フッ素などのハロゲンを含まないハーネスで、環境負荷の軽減に向けて自動車分野でハロゲン不使用の要求が高まっていることに対応した。

2009年4月 7日

太陽光発電装置標準搭載の住宅

ミサワホームは8日、太陽光発電システムを標準搭載した戸建て住宅「スマートスタイルゼロ」を24日に発売すると発表した。発電装置の能力の最上位モデルでは出力7.48キロワットの装置を搭載。年間光熱費のほか、居住時に排出する二酸化炭素の量もゼロにできる。

ライフスタイルに合わせて三つのモデルを用意した。価格は3.3平方メートル当たり59.8万円から。

2009年4月 6日

太陽光発電の装置設置費用 10年強で回収

機器メーカーや住宅会社が新エネルギーの売り込みに力を入れるのは、政府や各自治体の補助などで消費者の「損得勘定」が大きく改善されるためだ。

特に太陽光発電の場合、電気代の節約効果や余剰電力の販売収入で初期投資の回収期間が10-15年と従来の半分程度に縮まる。耐用年数とされる20年以内に回収できる可能性が高まっている。

出力3.8キロワットの設備を対象にコスト回収期間を試算すると、初期投資は本体価格と施行費で266万円。国が一月から始めた補助は出力1キロワットあたり7万円が交付され、東京都と同墨田区の1キロワット当たり10万円の助成も使えば、初期投資は163.4万円にまで減る。

一方、年間のコスト回収効果を試算すると、電気代の節約効果と電力会社による余剰電力の買取制度に基づく収入の合計が約9万6千円。経済産業省は買取価格を2倍に引き上げる方針を打ち出しており、年間の回収額は約15万3千円に高まる。 

2009年4月 5日

燃料電池

燃料電池では東京ガス、大阪ガス、新日本石油など都市ガス・液化石油ガス(LPG)6社が5月から順次、家庭用の販売を始める。購入者への政府補助が導入されるのに合わせ、各社の製品を「エネフォーム」の名称で統一。09年度に計4千-5千台の販売をめざす。

都市ガスやLPGから取り出した水素と酸素を化学反応させ、電気と熱を作り出す。発電時の排熱も利用するためエネルギー効率が70-80%と高い。

旭化成ホームズは燃料電池と太陽光発電を組み合わせた住宅の受注を一月に開始。約500棟の限定販売を予定している。

政府補助などを考慮に入れた設備の費用は、補助金なしで購入した場合に比べ8割安い約100万円に抑えられるという。

ただ燃料電池太陽光発電よりも初期投資の回収に時間がかかる。燃料電池の販売価格は一台320万-346万5千円。政府は最大140万円まで補助する予定だが、それでも工事費を除く機器だけで180万円以上かかる。標準家庭の電気・ガス代の節約効果は年5万-6万円なので回収期間は30年以上となり、10年程度とされる耐用年数内の回収は難しい。

2009年4月 4日

エコカー購入に補助金

政府はハイブリット車など環境への負荷の低い自動車の購入を促す補助金制度を導入する。買い替え時に一台当たり最大30万円程度を支給することを検討している。

販売が低迷している自動車の需要を刺激するとともに、温暖化ガスの排出削減に役立てる。対象は電気とガソリンの両方を使うハイブリット車、電気自動車、一定の排ガス基準を満たすガソリン車やディーゼル車。これらの車を買う際に軽自動車で10万円、その他の車で20万円の支給を検討している。

さらに新車登録から13年以上経た車を廃棄し、環境問題に対応する車に買い換える場合には10万程度を上乗せする。自動車の平均使用年数を超える13年で区切りことにした。今夏前にも新制度を導入し、今年度末まで続ける。補助金の支給方法については今後詰める。

これとは別にハイブリット車などの自動車取得税と重量税を4月から減免した。200万円のハイブリット車を購入した場合、15万円前後が免除される。

国内で13年超の中古車は1千万台弱で保有台数の13%を占める。新制度と4月から実施している減税により、新車販売を年間百万台押し上げる効果が期待される。

中古車の買い替えを促す制度は各国で広がっている。ドイツでは9年以上の中古車を買い換えると約30万円支給する制度を導入し、大きな効果を上げている。欧州各国でも実施され、米国でも導入を検討している。

2009年4月 3日

温暖化対策 米法案作り始動

オバマ米政権が重要課題に掲げる環境・エネルギー対策の法案作りが始動した。下院民主党が3月31日に公表した原案は、2020年までの中期目標では温暖化ガスの排出量を大統領が示した指針よりも大幅に削減するハードルを設定。排出量取引制度の導入も事実上盛り込んだ。排出枠を設定する企業に「奨励金」を出す政治的配慮も凝らしている。

法案原案は、下院エネルギー・商業委員会のワクスマン委員長とエネルギー・環境小委員会のマーキー委員長が連名で公表。

焦点の温暖化ガスの削減目標では05年の排出量を基準年に設定。20年までに20%減らす中期目標を示した。

削減の原動力として企業に取引可能な排出枠を設定する枠組みを提示。取引の具体的な手法は「今後の議論にゆだねる」としたが、連邦レベルでの排出量取引制度の導入を事実上打ち出した。

2009年4月 2日

風力発電所 送電量一定に

国内風力発電3位の日本風力開発は日本ガイシと組立、風力発電所の基幹システムを米電力大手に供給する。風力発電所から送る電力量を一定に保つシステムで、大容量の電気を蓄積できるナトリウム硫黄(NAS)電池を利用する。風力発電は米国でも市場の拡大が見込まれている。日本風力開発と日本ガイシは風力発電の弱点である発電量の不安定さを補う環境技術として広く売り込む。今後は米国以外の世界市場でも積極展開する考えだ。

システムを提供するのは米中西部の電力会社、エクセルエネジー。ミネソタ州にある発電能力1万1千キロワットの風力発電所に千キロワット分の電気を蓄えられるNAS電池を設置した。4月ごろから送電量の平準化や、電力の質の維持などの実証運転を始める。

日本風力風力発電機で作った電気の送電量を蓄電池を使って一定時間、安定させる技術を持っている。昨年5月には青森県でNAS電池を併設した、出力5万1千キロワットの風力発電所の運転を始めた。蓄電池を使い送電量を調節する機能を持った風力発電所の商業運転は世界でも珍しい。

2009年4月 1日

人口筋肉と水車で発電

環境技術ベンチャーのハイパードライブは、伸びると電気が出る特殊な人口筋肉と小型の水車を組み合わせた発電装置を開発した。電源のない農地などで使う計測器の動力源として有望とみており、2、3年後の実用化を目指す。

開発した装置は直径30センチメートルの水車と、直径5センチメートルの人口筋肉5枚からなる。水の流れで水車が回転すると、水車につながった棒が動き人口筋肉を押す。人口筋肉は導電性樹脂製で力で変形させると電気を生み出す。1枚の人口筋肉で毎秒30ミリワットの発電が可能。

この人口筋肉を電極で挟み発光ダイオードとつないだ。小型ポンプで水を送って実験したところ、水車が回り、発光ダイオードを点灯させることができた。

人口筋肉の価格は一平方メートルで約300円。安価に装置を作れるという。田畑にセンサーを付けて水や肥料などの量を管理するIT農業向けの発電技術として実用化する。