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2009年3月31日

燃料電池 低コストで

日清紡は家庭の電源や自動車に使われる燃料電池の触媒として、高価な白金に変わる炭素材料を初めて実用化し、2010年春から量産する。性能は白金とほぼ同じでコストは約六分の一になる。燃料電池車に使った場合、車全体の約1割に相当する50万円程度のコスト削減につながる見込み。燃料電池の普及に弾みがつきそうだ。

炭素材料は「カーボンアロイ触媒」と呼ばれる。日清紡は来春から生産を始め、自動車や家庭用燃料電池メーカーに出荷する。生産量は15年に年産数トン、20年には数十トンに引き上げ、500億-1,000億円の売り上げを見込む。

燃料電池は希少金属の白金のコストがかさみ、普及を阻む壁となっている。燃料電池車一台に必要な白金は約100グラム、家庭用燃料電池では約5グラムとされる。価格が500万円程度とされる燃料電池車の場合、原価と加工費を合わせると触媒でけで約60万円の費用がかかるが、炭素材料を使えば約10万円に抑えられる。

燃料電池の触媒は水素と酸素の化学反応を促し電気と水を発生させる重要な役割を担う。白金代替の触媒は国内外の企業や研究者が開発を競っている。今回の炭素材料は群馬大学の尾崎教授と共同開発し、実用化にメドをつけた。

2009年3月30日

新エネ 家庭に照準

太陽光発電燃料電池という新エネルギーの家庭への普及をめざす企業の商戦が熱を帯びてきた。政府が住宅用太陽光発電装置への設置補助を1月に復活、東京都など各自治体も独自に助成を打ち出しているのが追い風。住宅各社は新エネ装置を安価で提供して不振の住宅販売のてこ入れを狙う他、大手ガス会社などは家庭用燃料電池を5月から本格販売。不況下の需要創出と二酸化炭素の排出削減という「一石二鳥」を狙う官民の動きが本格化してきた。

住宅各社は新エネを売り物に低迷する住宅販売のてこ入れを狙っている。ミサワホームは同社の住宅を購入する顧客を対象に太陽光発電装置を大幅値下げして販売するキャンペーンを始めた。

通常なら200万円以上かかる出力約3キロワットの装置の購入費用が、国の補助などを使えば50万円以下になるケースもある。2月末までの二ヶ月で約200棟分を受注した。

積水ハウスは太陽光発電を標準装備した省エネルギー住宅を今月下旬から「グリーンファースト」の新ブランドに統一、燃料電池やオール電化も組み合わせて顧客に売り込む。太陽光発電付き住宅の販売を2009年度は前年度比倍増の4,000棟に増やす計画だ。

機器メーカーのシャープは独自の助成が導入される東京都に照準を合わせ、狭くて複雑な形の屋根の家に向く新システムを4月に発売する。発電量は従来の製品に比べ2割強向上する。

政府は08年度補正予算(90億円)で1月から太陽光発電装置の設置補助を復活し、09年度予算案でも約200億円の補助金を用意した。

09年度末の国内の累計導入戸数は約60万戸に拡大し、総発電能力は中型の原子力発電設備2基分に相当する200キロワット規模に迫る見通しだ。

発電に伴うCO2排出が一切ないため、火力発電と比べた場合で年約150万トン分のCO2を減らせる計算になる。

 

2009年3月29日

自治体 太陽光発電 補助金

4月から太陽光発電などへの補助金を新設・拡充する主な自治体

自治体 助成内容
東京都 太陽光発電の設置に1世帯当たり30万円を助成
東京都新宿区 太陽光発電の設置に1世帯当たり54万円を助成
東京都渋谷区 余剰電力の売却価格に1キロワット時あたり30円を上乗せ
石川県 3つ以上の省エネ設備を設置した場合、費用(上限500万円)の5%を助成
愛知県 県が太陽光発電の設置を助成する41市町村に1万5000円を補助


(注)太陽光発電設置にかかる助成額は出力3キロワットの場合

 

2009年3月28日

温暖化ガス削減 中期目標 

政府は27日午後、首相直轄の地球温暖化問題に関する懇談会の中期目標検討委員会を開き、温暖化ガス削減の中期目標に関する選択肢を公表する。2020年時点の排出量を1990年時点と比べ、4%増から25%減までとする5案を提示する。国民の意見を聞き、6月までに中期目標を決定する。

①4%増

②横ばいから3%減

③7%減

④15-16%減

⑤25%減

という5案を示す。現状の排出削減努力を続けた場合は4%増となる。ほぼすべての機器を最先端省エネ製品に切り替え、企業も生産量を調整する場合は25%減となる。

5案が実質国内総生産(GDP)に与える影響も試算する。09年から20年までの間に、年率換算で0-0.6ポイント程度押し下げる要因になる。

20年時点で一世帯あたりの可処分所得は現在より最大77万円減り、家庭の光熱費支出は14万円増えるという。

政府は5%減から15%減の範囲内が中期目標としての実現可能性がたかいとみている。

2009年3月27日

日立 茨城で 工場電力の8割を自然エネルギーに

日立製作所は工場の使用電力の大半を自然エネルギーに切り替える省エネルギー支援サービス事業を4月から茨城県内で始める。風力発電木質バイオマス発電を併用し、顧客企業の工場で使う電力の8割程度を賄う。国内最大級のESCOぞ業で、一般家庭約9千世帯分に相当する年3万トンの二酸化炭素排出量削減につながるという。

ESCO事業は工場やオフィースビルなどに省エネ機器を設置し、コスト削減分に応じて対価を受ける取る仕組み。日立は今回、DIC(旧題日本インキ化学工業)の鹿島工場に設備を導入する。

同工場は従来、電力需要の多くを自前の石油火力発電設備で賄っている。その設備を停止し、代わりに出力2,300ワットと国内では最大級の風力発電設備二基と、木質チップを燃料とする二万キロワットの火力発電設備一基を新たに導入する。

2009年3月26日

地球温暖化・公害、一体で防止

環境省はアジア地域に公害と地球温暖化を一体的に防止する技術を供与する。中国の製鉄所やインドネシアの食品工場に大気汚染や水質汚濁を改善する日本企業の対策技術を移転し、公害を防ぐとともに二酸化炭素など温暖化ガスの排出も減らす。

アジア地域が求める日本の公害対策技術を提供する見返りとして、排出枠を取得するほか、2013年以降の温暖化ガス削減で同地域の協力を引き出す狙いだ。

中国では四川省の鋼鉄会社に技術支援する。同社は粗鋼生産量が年間約六百万トンで新日本製鉄の六分の一ほどの規模。日本の鉄鋼メーカーの協力を得て排熱回収技術などを導入。熱効率を高めてエネルギー消費を抑えCO2の排出を減らすほか、大気汚染物質の窒素酸化物硫黄酸化物の排出も減らす。

インドネシアではスマトラ島南部のパレンバン市とボルネオ島南部のバンジャルマシン市にある食品工場や廃棄物処理場の改善に取り組む。これらの施設は温暖化ガスの一種であるメタンの発生源。排水浄化や悪臭防止の設備を取り付けメタン発生も大幅に減らす。

2009年3月25日

太陽光発電 相模原市が低利融資

相模原市は2009年度から、太陽光発電システムや省エネ設備の導入に必要な資金を低金利で借りられ融資を始める。金利負担が2%台の制度融資が多い中で実質0.5%以下にした。09年度予算案に約1,400万円を計上した。

「地球温暖化防止支援資金」は電気自動車の購入のほか、より省エネ効果が高い機器を導入する際も利用できる。3千万円を上限に最長7年借りられる。金利は最高2.4%だが、市がこのうち1.9%分を補助するため、中小企業は最大でも0.5%の負担となる。

2009年3月24日

主要国のグリーン・ニューディール政策

主要国のグリーン・ニューディール政策

米国 太陽光や風力発電などエネルギー・環境分野に今後10年間で1,500億ドルを投資
英国 2020年までに1,000億ドルを投じて風力発電7,000基を建設
ドイツ 太陽光発電など自然エネルギー関連産業の雇用を現在の25万人から2020年に自動車産業並みに
中国 景気対策として2010年までに約53兆円を投資。環境・エネルギー分野に重点
韓国 エコカーの普及や自然エネルギー開発に2012年までに約3兆5,000億円投資


2009年3月23日

太陽光発電 各国が補助

自然エネルギーの普及策は、米国地域以外でも進んでいる。とりわけ太陽光発電については欧州各国が早い段階から補助制度を打ち出し、市場拡大のけん引役になっている。

ドイツは太陽光などでつくった電力を市場の電力価格より割高な固定価格で20年間にわたり買い取るよう電力会社に義務づける制度(フィードインタリフ)を導入。今の制度になった2004年以降、太陽光発電所の建設は急激に増え、導入量は世界一になった。

1999年設立のドイツの太陽電池メーカーQセルズは国内市場の拡大を追い風に急成長。07年にはシャープを抜き太陽電池の生産量で世界首位に躍り出た。ドイツ国内の自然エネルギー産業の従事者は25万人に達し、雇用創出にも貢献している。

スペインも同様の制度を活用。導入量は08年だけで前年の累計の2倍近くに達した。

同制度の下で太陽光発電の普及を支えているのが投資資金だ。長い期間、確実に高価格で電力を買い続ける制度は「長期・安全・高利回り」を保証するため、新規投資を促している。

日本では05年度限りで廃止された家庭用太陽電池装置への補助策が09年から再開された。10年度からは家庭や公共機関に設置した太陽電池で発電した電気をこれまでの2倍の価格で買い取り、電力利用者が最大月百円程度を負担する新しい制度も導入。このほかメーカーが太陽電池の原材料であるシリコンを安定調達できるよう新たな融資制度も始まる見込みだ。

一方、先行する欧州では課題も浮上している。ドイツでは太陽光発電の活用が増え、家庭の電力料金に占める自然エネルギー導入コストの割合が5%(約350円)に上昇。09年から新規発電所からの電力買取価格を引き下げた。

スペインでも買取価格を2割下げ、導入目標も大幅に下方修正。自然エネルギー導入と費用負担のバランスをどう取るかが焦点になっている。

2009年3月22日

グリーン・ニューディール 太陽光や風力発電軸に    

米国は再生可能エネルギーのうち、風力地熱はすでに世界トップの発電能力を持つ。ただ太陽光は07年末時点でドイツ、日本に次ぐ三位。このため米政府は太陽エネルギーを使う発電所の設備投資額の30%相当額を補助する2年間限定の制度を創設した。

市場拡大を見込み、電力会社も走り出した。東京電力の子会社で米国内に複数の風力発電所を持つユーラスエネジーホールディングスは、10年までにカリフォルニア州で出力1,000キロワット級の太陽光発電所を建設する。中西部ではより大規模な発電所の建設を目指している。

米国が後押しするのは太陽光発電だけではない。風力発電についても電力税の減税措置が12年まで延長された。日本企業では三菱重工業がメキシコで風力発電用の羽根(風車)工場の能力を増設。基幹部を造る横浜市内の工場も能力を引き上げる計画だ。

もっとも自然エネルギー拡大はグリーン・ニューディールの一部。2月に成立した米景気対策法では環境・エネルギー向け投資として380億ドルの歳出が決まったが、このうち110億ドルが送電線の延長や高度化に使われる。送電ロスを抑えて効率を上げる戦略で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は次世代送電網(スマート・グリッド)の普及に向けた活動を全米で展開。世界最大の検索サイトを運営するグーグルも家庭での電力量を計算するシステムをGEと共同開発した。

米景気対策法ではこのほか、連邦政府や州政府が保有するビルや低所得家庭のエネルギー効率の改善などに150億ドル近くの資金が投じられる。

電気自動車専用の蓄電池に対する助成金も20億ドル確保、CO2排出が少ない鉄道への投資も加速する見通しだ。環境保全に向けた社会インフラ整備が加速することで「緑の特需」はあらゆる分野に波及。一方で今後、産業界の受注競争は22日一段と激しくなりそうだ。

2009年3月21日

環境投資「グリーン・ニューディール」

自然エネルギーや環境分野への大型投資で景気浮揚を狙う「グリーン・ニューディール政策」。世界中で取り組みが始まる中、オバマ米大統領は10年間で総額1,500億ドル(約14兆2千5百億円)を投じる方針を打ち出した。世界同時不況にあえぐ日本企業にとって「緑の特需」は大きな商機。太陽電池風力発電で米国市場の開拓を本格化する動きが加速している。

「将来は米国内で原料から発電装置まで一貫生産したい」―太陽電池国内最大手のシャープは昨年秋、こんな構想を明らかにした。グリーン・ニューディール政策で今、活況に沸いているのが太陽光発電だ。発電時に二酸化炭素を発生しないクリーンエネルギーとして注目を集め、国内メーカーや電力会社が米国市場への参入を競っている。

シャープは堺市に国内最大(年産能力48万キロワット)の太陽電池の新工場を建設中。2010年春の稼動を予定しているが、世界的な需要増で稼動の前倒しも検討し始めた。京セラは今月、米国との国境にあるメキシコの組立工場の能力を2.5倍の5万キロワットに引き上げ、カリフォルニア州に販売会社を新設して拡販を狙う。

三菱電機も北米販売を大きく増やしており、現在2割にとどまる北米・アジア市場向けの販売比率を11年までに3割強に拡大する方針。新工場を宮崎県で今年6月までに稼動させる昭和シェル石油も米国で販売活動を始める考えだ。

2009年3月20日

太陽光発電 官民で強化策 その3

設置済みの太陽光パネルが老朽化すれば、大量の廃棄物が発生する。官民が協力して、シリコンなどを再利用できる工場や仕組みも作る方向だ。

また、一定規模の工場に緑地面積や環境施設を決まった比率で確保するよう求めている工場立地法も見直す。太陽光パネルを使うことで緑地を設けたり、環境施設を造ったりしたのと同じ効果があったとみなすように、同法の準則などで示し、工場への設置を促す。

家庭などで太陽光を使ってつくった電力の余剰分を、電力会社が今後10年程度にわたって現在の1キロワット時24円の約2倍の50円弱で買い取る新制度も導入。このほか、太陽光でつくった電力をためるための蓄電池の研究開発の加速や、太陽光発電システムの国際標準ん化の推進、途上国の太陽光パネル導入の支援なども盛った。

これらの施策によって20年には日本企業の太陽電池の生産シェアを堺の三分の一超に高める目標を設定。現在の国内市場規模は1兆円、雇用は1万2千人程度だが、目標を達成すれば、経済効果は最大で10兆円、雇用規模は11万人になると試算している。

2009年3月19日

太陽光発電 官民で強化策 その2

政府は太陽光発電を将来の日本の成長エンジンと位置づける。経済省と、シャープや三洋電機、東京電力などで構成する「ソーラー・システム産業戦略研究会」が報告書をまとめ、経産相が18日に開く政府の諮問会議でこの内容を公表する。

日本企業は世界に先駆けて太陽電池を事業化。2000年代前半は世界の生産シェアの半分程度を占めたが、足元は欧米や中国メーカーの追い上げが急だ。世界の太陽電池生産量が07年で3,733メガワットと2年前に比べ2倍以上に増えるなか、日本企業のシェアは首位ながらも全体のほぼ四分の一に落ち込んだ。

報告書では太陽光発電の普及促進を図る具体策を提示。全量を中国などからの輸入に頼る太陽電池パネルの原材料である金属シリコンについて、安定調達に向けて日本政策金融金庫の国際部門である国際協力銀行を通じた融資や、日本貿易保険の貿易保険を活用し、企業のリスクの一部を国が負担することを検討する。

企業別生産量

Qセルズ(独) 389メガワット
シャープ 363
サンテックパワー(中国) 327
京セラ 207
ファーストソーラ(米) 207


2009年3月18日

太陽光発電 官民で強化策 その1

経済産業省は民間企業と共同で日本の太陽光発電産業の競争力強化に向けた総合対策をまとめた。太陽電池の原材料であるシリコンの安定調達に向け、政府系金融機関による融資などを活用。家庭で余った太陽光による電力を電力会社が現在の2倍で買い取る制度も創設する。普及促進などを通じ現在は世界の四分の一となっている日本の太陽電池の生産シェアを2020年に三分の一超に引き上げたい考えだ。

2009年3月17日

風力発電 能力3割増し

地球温暖化の取り組みが広がる中、世界的に風力発電への投資が進んでいる。米国と中国がけん引役となり、2008年の世界全体の発電能力は前年比で3割近く増え、1千億ワットの大台を初めて突破した。米国のオバマ政権が景気対策として環境関連の投資を重視する「グリーン・ニューディール」を掲げたこともあり、風力発電のインフラ整備は今後さらに拡大が見込まれる。

業界団体の欧州風力エネルギー協会(EWEA)や世界風力会議(GWEC)によると、08年末の風力発電能力は約1,207億ワット。前年に比べて29%増加した。

特に増勢が目だったのは米国。発電能力は前年比で49%増の約252億ワットとなり、ドイツを抜いて首位に浮上した。中国も大幅に能力を増強させ、08年は前年の約2.1倍の122億ワットと、世界4位に上がった。08年の能力増加分は米国と中国で過半数を占める。これまでのけん引役である欧州は安定的に一割前後の増強ペースを維持。日本の発電能力は約19億ワットで世界13位にとどまった。

米国では風力など再生可能エネルギーの拡大を狙って、企業の投資を促すための減税や関連事業への融資保障などを盛り込んだ景気対策法が2月に成立。送電インフラの整備などに追い風となる見通しだ。テキサスやカリフォルニアなどの州も集中的な投資を後押ししている。中国も10年末までの4兆元規模の大型景気対策で、環境・エネルギー関連への投資拡大を盛り込んでいる。

欧州では風力発電による電力の政府買い上げや税制優遇などの促進策が企業の投資を支えている。

風力のほか、太陽熱や地熱を含む再生可能エネルギーの利用拡大では、EUが20年に電力消費に占める割合を20%に引き上げる目標を設定。米エネルギー省はブッシュ政権下の昨年5月、30年までに米国内の電力需要の20%を風力電力で賄う方針を打ち出した。

2009年3月16日

バイオ燃料二輪 ホンダ 

ホンダは11日、濃度100%エタノールとガソリンの二種類の燃料を併用できる二輪車をブラジルで発売すると発表した。バイオエタノール燃料に対応した二輪車の製品化は世界初という。

燃費性能は劣るが、維持費や二酸化炭素排出を抑えられる。年間20万台の販売を見込む。バイオエタノール燃料が普及しているブラジルでは、ガソリンと併用できる四輪者が市場の9割を占めているが、二輪車の対応車はなかった。

 

2009年3月15日

家庭燃料電池 

東芝は2013年にも、マンション向けの燃料電池システムを国内で初めて商品化する。各戸のベランダや玄関脇の配管スペースに設置できるように小型・軽量化。材料費の圧縮などで製造コストを2-3割削減する計画で、各家庭の購入時の実質負担が百万円程度に下がる可能性がある。

燃料電池は二酸化炭素の排出を抑制に加速しそうだ。

家庭用燃料電池の現在の価格は320万ー350万円程度。政府の補助金が最大140万出ても家庭の負担は180万円を超える。コスト削減で本体価格が200万円台前半に下がれば、実質的な負担は百万円程度になる公算が大きい。

光熱費の減少で初期費用を約16年で回収できる計算で、現在の燃料電池の回収期間30年を大幅に下回る。戸建て向けに比べ量産効果も期待でき、将来は負担額50万円前後を目指す。

現在の燃料電池は重量が200キログラムを超え、高さが2メートル近くあるためマンションへの設置が難しかった。東芝が開発するマンション向けは重量が150キログラム、高さが1.5メートル程度になる見通し。

2009年3月14日

太陽光発電普及へ新制度

経産省は24日の閣議後の記者会見で、太陽光発電の普及を促すための新制度を導入すると発表した。家庭や企業が太陽光で発電した電力を、電力会社が10年間の間、当初は従来の2倍程度の価格で買い取る仕組み。今後、具体的な制度設計に向け、関係業界などと調整を進める。電力やガス、石油各社に非化石化燃料を義務付ける新法に盛り込み、今国会に提出する方針だ。

経産相は同日朝、経産省ないで電気事業連合会長と会談し、新制度の導入方針を伝えた。森会長は「協力したい」と語ったという。

新制度は家庭など電力利用者が太陽光で作った電力を、自宅などで消費する以外の余剰分を電力会社に買い取ってもらう。電力会社は10年程度、当初は従来の2倍の1キロワット時あたり50円弱で家庭などから買い取る。既に発電装置を設置している利用者と制度開始から3-5年に設置する利用者が対象。買取価格は太陽光発電の普及にあわせて、年度ごとに下がる。

電力会社は従来より高価格で購入するため、電力利用者に値上げを転嫁する見通し、経産省によると、一般家庭での値上げ分はひと月当たり数十万円から百円程度。

2009年3月13日

期待高まる環境ビジネス  その3

環境ビジネスを成功させるもう一つの条件である制度設計も重要である。米ハーバード大学の戦略経営の権威、マイケル・ポーター教授は、「適正に設計された環境規制は、企業の国際競争力を強化させる」と言う主張(いわゆるポーター仮説)を展開している。

適正に設計された規制とは、企業のイノベーションを誘発するような規制である。太陽光発電の普及に当たって、日本は補助金制度を採用したが、補助金が打ち切られると、普及テンポはがたっと落ちてしまった。一方、固定価格買取制度(太陽光発電などの電力を火力発電よりも割高で購入する制度)を採用したドイツでは市場メカニズムを活用し太陽光発電の急速な普及に成功し、日本を追い抜き世界のトップに躍り出た。

環境ビジネスを大きく育てるためには、補助金よりも市場メカニズムを有効に活用し、企業のイノベーションを誘発できるような大胆な制度設計が必要なのである。

2009年3月12日

電気自動車 横浜で実証実験

横浜市は環境省と協力して電気自動車(EV)など次世代車の実証実験を実施する。EVや燃料電池を公用車として採用し、走行距離や燃料費など使い勝手を検証する。

自動車メーカーは2009年度以降、国内市場に次世代車を投入する意向を示している。市は実験を通じて充電スタンドなどのインフラも整備し、次世代車の普及拡大につなげる。

16日から31日まではホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」を使う。ガソリン車と比較した乗り心地や一回の水素充填でどの程度走るかなど「業務上の使い勝手を確かめる」。

市内の動物園や科学館などで車両を展示し、認知度を高める。

4月から9月までは富士重工のEV[プラグイン・ステラ」を採用。栄区役所に急速充電器を設置し、公用車として導入する。他メーカーのEVも活用する方針で、色々な車種を試して特徴を調べる。

中区には米ベンチャー企業のベタープレイスが電池交換式のEV向け充電スタンドを設置。着脱可能のEVの電池を充電スタンドで取り替える仕組みだ。車両は環境省が横浜市に貸し出す。実験はほかに神奈川、愛知、大阪、兵庫の四府県と北九州市で実施する。

2009年3月11日

期待高まる環境ビジネス その2

利害関係者が増加

グリーン・ツゥ・ゴールド」同書は、企業が環境に目をむけるようになってきた理由として、自然の限界を無視した経営が難しくなってきたこと、環境に関与するステークホルダーが増加してきたことの二つを挙げている。

「環境対策で過ちを犯すと、広く社会から指弾され、市場を失い職を失い、何十億ドルもの損失を被ることになる。また環境に配慮せず戦略を立てる企業は、商戦を逃すことにもなる」と指摘、環境に配慮した企業(グリーン)になることで、収益(ゴールド)をてにすることが出来る時代になったと主張する。

それでは、環境ビジネスとは具体的にどのような事業を指すのだろうか。動脈産業に対して廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を主として扱う静脈産業をイメージする人もいれば、温暖化対策との関連で省エネ、新エネに取り組む事業だと思っている人もいる。

また、京都メカニズムクリーン開発メカニズム(CDM)共同実施(JI),国際排出量取引、さらにカーボンオフセットなどの新しい概念と関連する新事業も含めると、環境ビジネスの領域は急拡大している。

尾崎弘之著「次世代環境ビジネス」は、環境ビジネスについて幅広い視点から様々な事業を具体的に取り上げ紹介している。こんな産業も環境ビジネスに入るのかと、本書を辞書代わりに利用することもできる。

環境ビジネスが成功するためには、どのような条件が必要なのだろうか。一つは環境経営に信念を持って取り組む企業トップの強力なリーダーシップであり、もう一つは環境ビジネスを育成し、発展させるための制度設計である。

武田浩美著「環境経営 宣言」は、環境先進企業がなぜ環境ビジネスに精力的に取り組んできたのかを具体的に紹介して興味深い。バイオ燃料でジャンボ機を世界で初めて飛ばした英ボアージンン・アトランティック航空のリチャード氏など、ユニークな環境先進企業にはユニークなリーダーが必ずいる、と同書は指摘している。

2009年3月10日

期待高まる環境ビジネス

米国発の金融危機が、瞬く間に世界を覆い、世界同時不況を深刻化させている。打開策としてにわかに注目されてきたのが環境ビジネスへの期待である。

「膨張の時代」と呼ばれる20世紀後半の経済発展は、豊かさと引き換えに、自然環境を破壊し、地球資源を枯渇させていまった。石油をジャブジャブ使って発展してきた20世紀文明との決別を迫っているのが今回の不況の本質といえるだろう。

経済回復のためのキーワードは、地球のサステナビリティ(持続可能性)である。環境破壊・自然資源収奪型の経済発展から、環境の保全・修復、省エネ、新エネ、リサイクル技術の開発などのグリーン需要、グリーン投資に支えられた新しい発展パターンへの転換が求められている。それを支える主役が環境ビジネスに他ならない。

ダニエル・C・エスティ、アンドリュー・S・ウィンストン著「グリーン・トゥ・ゴールド」(村井章子訳、アスペクト・2008)は環境ビジネスが今なぜ必要になってきたかを明確に解き明かして説得力がある。

2009年3月 9日

新日石、10年度発売へ

新日石は3日、新エネルギーなどを活用し二酸化炭素排出量を実質的にゼロにするモデル住宅「創エネハウス」を横浜市に完成した。約一年間かけて実証試験を行い、2010年度に太陽光発電システムや燃料電池などを組み合わせた総合エネルギーシステムとして発売を目指す。

太陽光パネルや燃料電池のほか、給湯をする太陽熱温水システムなど複数の機器を集中管理し運転する。各部屋の間で空気が循環しやすい設計にし、断熱の高い建材で外部に熱を逃さない構造も取り入れた。エネルギー効率を高め、光熱費を抑える。

CO2排出量は1990ごろの住宅に比べ半減し、太陽光発電による削減効果を加えると実質的にゼロになる計算という。今後、新日石の社員が実際に生活して経済性や環境性などを調査。将来は価格を200円-300万円程度に下げて販売する考えだ。

2009年3月 8日

水素吸着の炭素物質

東北大学の京谷教授と西原助教らは炭素原子だけでできた新物質を開発した。炭素だけで構成する物質としてはダイヤ、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブなどがあるが構造が異なる。水素を吸着する性質があり、日産自動車と燃料電池への利用を目指す。

新物質は炭素原子でできた帯状シートが立体的に結合し、ジャングルジムのような形をしている。帯状シートは炭素原子が5個連なった輪と6個連なった輪がくっついてできており、幅は約一ナノメートル。穴が開いた酸化ケイ素の結晶を鋳型にして合成した。ゼオライトの穴に炭素を含む化学物質を詰め込み過熱分解し、フッ酸でゼオライトを溶かして炭素だけを残す。

新物質は室温で圧力を加えると水素を吸着し、圧力をゆるめると放出する。すでに日産と燃料電池用の水素貯蔵に使う共同研究を始めた。過熱しないと水素を放出しない合金や化合物に比べ自動車用燃料電池の水素貯蔵に有利とみている。

2009年3月 7日

移動式の淡水化装置

社団法人・民間活力開発機構などの産官学組織は経済産業省と、トラックに乗せて運べる移動式の飲料水製造装置を開発した。車体の屋根に載せた太陽電池風力発電装置を動力源にして海水などを淡水化する。

一日当たり3600人分の飲料水を作れる。干ばつや災害で水が不足した地域や、水道が未整備の発展途上国、離島などで利用を見込む。

海水や河川水を納豆菌をもとに作った凝集剤や砂でろ過し、逆浸透膜で淡水化、塩素殺菌する。トラックのコンテナに装置を載せて移動する。海外で使う際はコンテナだけ輸送できる。従来の水処理装置よりも電力消費量を5割減らし、自然エネルギーで動かせるようにした。

2009年3月 6日

地球温暖化ガス 削減目標、各国で差

国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長は東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見した。2013年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み(ポスト京都議定書)で各国の削減目標について、「小さな削減幅は、小さな削減努力を意味しない」と述べ、省エネなどの進み具合によって、各国の最終的な目標値には差がでるとの考えを示した。

事務局長は「日本はエネルギー効率の最も高い国の一つ」と指摘するとともに、省エネの進んでいない中東欧は「安い費用で大幅に削減できる余地がある」と説明。省エネの進展状況やコスト負担など各国の事情に合わせて目標を設定していくべきだとの認識を示した。

 

2009年3月 5日

新エネルギー新市場 中小が創出

風力発電 蓄電池 電気自動車レンタル

中小企業が自然エネルギーを活用した新しいサービスを相次ぎ立ち上げている。横浜のレンタカー会社が風力発電で蓄電した電気自動車の貸し出しを始めたほか、太陽光発電機のレンタル事業を立ち上げた企業もある。中小の創意工夫で、新エネルギー市場のすそ野が広がり始めた格好だ。

「高栄レンタカー」を運営する高栄企業は店舗に小型風力発電機を設置し、電気自動車を蓄電して貸し出すサービスを始めた。30分500円で貸し出す。7-8時間の充電で、最大120キロメートルの走行が可能だ。

海外から取り寄せた車両4台を使用。現在は個人客を中心に一台あたり週4-5人の利用があるという。三菱自動車や富士重工が電気自動車を本格発売する年内には車両を増やし事業を拡大する計画。ガソリンスタンドと組んで、電気自動車のカーシェアリングサービスなども検討する。

沖縄県の西表島では不動産開発のクオリケーションなどが今春、風力発電の電気を使った電気自動車や電動バイクの時間貸しサービスを始める計画を進めている。西表島を訪れる環境保護意識の高い観光客の利用を見込む。

新エネルギーは地球温暖化防止の切り札として注目され、国内市場規模は風力、太陽光ともに2030年までに06年実績の5倍以上に膨らむ見通し。送電線などのインフラがない場所でエネルギー源になる点も特徴で、使い方次第ではこれまでにないサービスが可能。資金力の乏しい中小でも参入しやすい。

長野県のネクストエナジー・アンド・リソースは中古の太陽光発電機を屋外イベント用の電源として貸し出すサービスを始めた。屋外で実施する舞台などの電源としての利用を見込む。出力120ワットの太陽電池と蓄電池をセットにした装置を太陽光で発電・蓄電した場合、最大3時間の連続利用ができる。

曇りの時などに家庭用コンセントを併用できるのも特徴だ。4日間のレンタル価格は49800。出力の大きいシステムも準備できる。工事現場での補助電源としての利用も見込む。

環境関連の事業を展開するエネルギープロダクトは4月、送電線が敷設しにくい離島や山間部の施設の独立電源として、風力発電機を設置する事業を始める。

風が吹かず発電しないときは、併設する軽油発電機が自動的に運転して出力を補う仕組み。一ヶ所あたりの設置費用は一千万円強で済むという。携帯電話の基地局などの需要を見込んでいる。

太陽風 低温部分でも噴出

国立天文台や京都大学などのチームは、地球に磁気嵐を引き起こす「太陽風」の吹き出し口を太陽の上空に見つけた。今回の成果を応用すれば、人口衛星を故障させたり、地上に電波障害をもたらす大規模な爆発現象「フレア」の発生を、事前に予測することも可能になるという。

成果は、21日付けの米専門誌アストロフィジカル・ジャーナルの速報版に掲載された。

太陽風は主に水素の電離ガスでできている。国立天文台の浅井教授らは、2005年8月に発生したフレアの観測データを解析した。

太陽を覆うコロナの中で温度が低い「コロナホール」の部分にできるイソギンチャク状の噴出部の近くで、電離ガスが秒速千キロを大きく超えるスピードで吹き出していたことを突き止めた。

これまで黒点付近など温度の高い部分で見つかっていたが、活動が比較的おとなしいコロナホールに太陽風の吹き出し口があるとは考えられていなかった。こうした現象が起こる条件を調べ、電力網や航空システムの電波障害などを引き起こす磁気嵐の事前予測に役立てる。

2009年3月 3日

素材 CO2排出 1割削減

国内素材産業の二酸化炭素排出量が減少している。各企業の減産で、鉄鋼、化学など主要5業種の2008年度の排出量は前年度比約1割減となり、3,400万トン分が減る見通し。これは07年度実績から京都議定書の目標水準までの削減必要量のおよそ3割に相当する。景気変動で生産量が増減しやすい素材産業の動向次第で、国全体の排出量が左右される構図が浮き彫りになった。

CO2排出量は生産量とほぼ比例することを前提に、鉄鋼、化学、石油、製紙、セメントの5業種について、業界団体による生産見通しなどから日経新聞が試算した。

5業種の08年度の排出量は前年度より3,400万トン超少ない3億2千5百万トン程度となる見通し。自動車や家電などの需要が世界的に急減したことを受け、鉄鋼などが大幅減産に踏み切ったことに伴い排出量も落ち込む。

家庭なども含めた国内の温暖化ガス排出総量をみると、07年度は四分の一を素材5業種が占めている。素材産業の生産動向が日本全体の排出量に与える影響は大きい。

09年度も各業種の生産見通しなどから試算すると、07年度比で5,700万トンの削減が見込まれる。5業種の減少だけで、07年度時点の超過分の半分が賄える計算となる。

日本は今後、低迷している原子力発電所の稼動率向上によるCO2削減も見込む。国内原発の設備稼働率は07年度は60.7%だった。06年度の69.9%に戻れば3,600万トン分が削減できるとみられる。

2009年3月 2日

京セラ 太陽電池 中国で増産

京セラは20日、中国・天津市の太陽電池モジュール工場の生産能力を現在の4倍の年24万キロワットに引き上げると発表した。投資総額は明らかにしていないが、30億ー40億円と見られる。基幹部品である太陽電池セル(発電素子)の増産に合わせ、セルや他の部品を太陽光発電システムに組み上げるモジュール工程の能力も増強する。

天津市の既存工場の近くに新棟を建設する。三階建てで延べ床面積は28,800㎡。4月に着工、2010年春に稼動させる。同年9月までに既存の三棟から設備を移管するほか新設備を追加。11年以降に生産能力を年24万キロワットに引き上げる。

同社はセルを滋賀八日市工場で生産。近く滋賀県野洲市に新工場を建設して11年度に生産量を計65万キロワットに引き上げる計画を明らかにしている。現在、モジュールに組み立てる工程は三重県伊勢市、中国、メキシコ、チェコの4拠点で手掛けている。

2009年3月 1日

エコカー市場 中小企業走る

中小企業が市場拡大が見込まれる電気自動車など、エコカー関連市場に攻勢をかけている。金属加工など従来のものづくり技術を応用するだけでなく、次世代型電池の開発など基幹技術に挑む動きもある。深刻な販売不振が続く自動車業界で、需要が見込めるエコカー開発競争が加速するのは必至。中小各社は世界的な不況下で数少ない成長市場を開拓し、生き残りをかける。