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2009年2月28日

エコカー 成長分野、技術競う

環境保全をアピールしたい企業が営業車などを電気自動車にする動きなども広がっている。

技術開発型ベンチャーのテクノコアインターナショナルのフコクインダストリーなどと組み、電気自動車用の次世代型充電器を開発した。充電が完了した状態を電圧の状態から的確に把握でき、異常加熱の一因とされる「過充電」を回避できる。

「電池の寿命が従来の5倍以上に伸び、過熱を防ぐ素材も必要なくなる」ため、製造コストの低減と充電時間の短縮につながる。充電本体価格は200万円。

電気自動車向け次世代電池として有力視される「金属空気電池」の実用化にかかわる中小もある。エレクトラ(世田谷)が持つ太陽光と海水からマグネシウムを精錬する技術を活用し、高性能の金属空気電池を開発する。

金属空気電池は電極に使う亜鉛と空気中の酸素が反応し電気を生む仕組み。亜鉛をマグネシウムに代替すると発電効率が3倍になるが、材料価格は2倍になるため開発が進んでいなかった。東工大の矢部教授が考案した技術は海水一万トンから10キログラムのマグネシウムを精錬でき、安価に安定供給できる。発電効率が高まり電池が小型化できるので、重量が200キログラムから60キログラムに減るとみる。

2009年2月27日

排出量価格世界で急落

温暖化ガス排出量取引の市場価格が世界で急落している。最大マーケットの欧州や米国で、昨年夏のピークから半年強でほぼ三分の一に下落。世界的な景気後退を受けて減産を進める企業の排出量が減り「余剰分」となった排出量の売却が増えたためだ。排出量は中長期的に拡大すると見られるが、足元の市況悪化で取引を縮小する市場参加者もあり、温暖化ガス削減策の主要な柱である排出量取引市場の整備が停滞する可能性もある。

「買い手」日本はプラす

排出量の価格低下は、「買い手」である日本にとってプラスに働く面がおおきいとみられる。京都議定書の期間である2008-2012年の5年間で日本政府は2億トンー3億トンの排出枠を海外から購入する計画。既に契約を済ませた分はあるが、今後の購入分は従来より低価格で取得できることになる。

ただ製造業は減産に動いており、企業が出す排出量自体も減っているのが現状。排出量が減れば排出枠を取得する必要がなくなるため、景気後退が続けば、自社の排出量と排出枠価格の両方をにらみながら排出量の取得計画を見直す業界が出る可能性もある。

一方、海外での温暖化ガス削減事業に参加して排出枠を取得し、他の企業に転売する計画を立てている商社や金融機関などは「売りたくても買い手がいない」状態で、保有する排出量の資産価値が目減りする事態に直面している。

2009年2月26日

温暖化進行 日本の多くの生物 絶滅危機  その2

COP10の報告書は冒頭、日本固有の自然が「広い範囲で失われてきている」と国内の野生生物を取り巻く状況は厳しいと指摘。高度成長期に比べて開発の速度は鈍っているものの、沿岸域の埋め立てや森林の伐採などがもたらした生息地の消失に加え、近年は農林用や採草地などの荒廃、外来生物の侵入が深刻な影響を及ぼしているとした。

国内の絶滅危惧種は現在、3155種。05年と比べて17%増えた。政府は07年に新しい生物多様性国家戦略を策定して外来生物の駆除や生息地保全などに取り組んでいるが、改善に向けた道のりは遠い。

例えば熊本県の阿蘇地方にすむハナシノブなどの植物は、産業界の後継者不足などで草原の管理が滞り、絶滅危機に追い込まれた。琵琶湖ではゲンゴロウブナなどの固有種が外来魚に駆逐されて激減した。

 

2009年2月25日

温暖化進行 日本の多くの生物 絶滅危機  その1

来年10月に名古屋市で開く第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)に向け、日本政府が作成した国別報告書案が22日、明らかになった。報告書は国内の野生生物の生息状況をまとめたもので、開発や外来生物の侵入で多くの生物が絶滅の危機にあると指摘、地球温暖化がすすめばさらに加速するとした。政府は会議を主催する議長国として生物保護の必要性を世界各国へ訴え、実効性のある対策を会議でまとめるよう働きかける考えだ。

報告書は3月にも条約事務局に提出する。条約は絶滅の恐れがある動植物の保護が目的で、COP10は2002年の会議で採択した「10年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」とした目標の実行状況を検証するほか、新たな対策をまとめる。報告書は事務局が目標を検証するため加盟各国へ提出を求めていた。

2009年2月24日

太陽電池 出荷増

太陽光発電協会は2008年の太陽電池の出荷量が前年に比べて36%増えたとの調査をまとめた。輸出が出力ベースで925,000キロワットと前年に比べて46%伸び、全体をけん引した。国内出荷も7%増の225,700キロワットと増加に転じた。09年は政府などの導入補助制度が追い風となり、さらに拡大しそうだ。

国内17社の出荷データをまとめた。07年は原料シリコンの供給不足で、生産量を落としたメーカーがあったが、08年は供給量が回復したため生産量が増えた。輸出のうち欧州向けが7割強を占めており、依然として最大の市場になっている。年後半になって景気後退の影響を受けて、伸び率が鈍化してきている。

国内では政府の家庭用太陽光発電装置への導入補助が09年から復活。国だけでなく、東京都など自治体の導入補助制度も拡大する。09年は国内市場の拡大が勢いがつきそうだ。

2009年2月23日

米で自然エネルギー参入 その3

昭シェルは6月までに米国で太陽電池の販売網を整備し、宮崎県に建設中の新工場から輸出する。三洋電機は北米向け組み立て拠点であるメキシコ工場の年産能力を2.5倍の5万キロワットに増強。カリフォルニア州には販売会社を設立する。

風力発電機を製造する三菱重工業は米国での需要増を見込み、09年度中にも国内の年産能力を3割増の160万キロワットに引き上げる。増産は部品などへの波及が大きく、国内雇用の下支え効果を期待できそうだ。

17日成立の米景気対策法では環境・エネルギー分野への380億ドルの投資や、民間の投資を促すための減税枠200億ドルの設定も決まった国際エネルギー機関によると、米国の総発電量に占める自然エネルギー(水力を除く)の比率は06年で3%弱。15年には自然エネルギー発電量は2.6倍、比率も7%弱に高まる見通し。

グリーン・ニューディール政策は自然エネルギー以外の分野でも日本企業に恩恵をもたらす可能性が高い。日本電産は米自動車大手から電気自動車用モーターの開発要請が強まっているのを受け、車載モーターの開発技術者を3年以内に2000人に倍増する方針。日産自動車は電気自動車の米国生産の検討に入った。

日本でも環境ビジネスの市場拡大を狙って環境省が「日本版グリーン・ニューディール構想」を発表した。

2009年2月22日

米で自然エネルギー参入 その2

東電子会社のユーラスエネジーホールディングスはカリフォルニア州に出力1千キロワットの太陽光発電所を建設する。立地の選定を進め、2010年までに運転を始める。ユーラスは米国ですでに風力発電を手掛けている。太陽光発電への優遇措置が今後拡大すると判断、太陽光風力の両建てで事業を拡大する。テキサス州など米中部でも太陽光発電事業を展開する方針だ。

2009年2月21日

米で自然エネルギー参入  その1

日本の大手企業が米国の自然エネルギー市場に相次ぎ参入する。東京電力は太陽光発電所を建設、昭和シェル石油は6月にも太陽電池の販売を始める。風力発電では三菱重工業が米国向け設備を国内で増産する。米国ではオバマ政権が環境分野で新たな需要や雇用を創出するグリーン・ニューディール政策を推進、大規模な財政支出で自然エネルギー市場の拡大が見込まれている。政策転換を好機ととらえ、日本企業が強みを持つ環境技術で市場開拓を急ぐ。

 

2009年2月20日

産廃処理各社 CO2対策強化

産業廃棄物の処理を手掛ける企業が地球温暖化対策の取り組みを加速させている。処理工程で排出する二酸化炭素の量を正確に測定。

排出量を相殺できる「排出枠」を強化する大手メーカーからの受託量拡大を狙う。産廃排出量は産業界でリサイクルの取り組みが定着したため、横ばいの状態が続いている。景気低迷で減少するのは必至で、処理各社は競争激化に備える。

明輝クリーナーは自社の処理工程での排出量の一部を「排出枠」を購入して相殺する取り組みを始めた。廃棄物を分別・破砕する設備の消費電力や搬送車両の排ガスなどから換算したところ、年間排出量は約950トンだったため、まず国連が承認した排出枠400トン分を購入した。

メーカーなどは同社に処理を頼めば、処理段階で生じたCO2を42%少なく見積もることができる。温暖化対策を強化する大手企業の間で、中小企業が多い産廃処理業界にも排出量の明示や削減を求める動きが広がっているのに対応する。

2009年2月19日

非食品からバイオ燃料

新日本石油や三菱重工、トヨタ自動車など6社は9日、食料にならない植物を原料とするバイオ燃料の共同開発を進めると発表した。植物の栽培や糖化、発酵など各社の技術を持ち寄り一貫体制を構築。2015年までに生産コストを1リットル40円程度まで下げ、石油に劣らないコスト競争力を持つ代替燃料の実用化を目指す。

鹿島やサッポロエンジニアリング、東レを加えた計6社で「バイオエタノール革新技術研究組合」を2月下旬に設立する。

本部を東大内に置く。植物を原料に使うバイオ燃料は植物が生育する際に二酸化炭素を吸収するため、CO2排出をゼロとみなせる。ただ現在トウモロコシなどを原料に使うため食料価格の高騰につながるなどの問題が指摘されている。

新日石などは食料にならない植物の茎などに含まれるセルロースを利用し、自動車燃料に使うバイオエタノールを生産する。トウモロコシなどを使う従来製品より加工が難しくコストも高いが、トヨタが持つ植物の品種改良や栽培技術、三菱重工の分解技術などを持ち寄り、東大などとも連携してコストを現状の4分の一程度に下げる。入手が容易で加工に最適な植物を選定する。

組合の開発費は5年間で40億ー50億円見込み。国内で実験設備を建設し、将来は海外で原料となる植物の栽培やエタノールの商業生産も検討する。ガソリンにバイオエタノールを混ぜて自動車用燃料に使う動きが海外では進んでいるが、国内ではコスト高などで普及が遅れている。

政府はバイオ燃料をCO2削減の重要な手段と位置づけ、まず10年度に年50万キロリットル(原油換算)導入する目標を掲げている。石油業界などが販売を始めたが、原料は海外企業からの輸入に頼っているのが実情で、安定調達するため、新日石などは国産技術の確立を目指す。

2009年2月17日

CO2回収・貯留へ法整備

政府は温暖化ガスの排出を大幅に減らす技術として期待される二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)について、今後の普及を目指した制度整備に本格的に乗り出す。現在の法制度がCCSを想定していないためで、まず安全確保や環境保護の方策などを盛り込んだ指針を4月にも策定。

CCSは石炭火力発電所などから出るCO2を分離・回収して、海底や地中に封じ込める技術。実用化されれば、日本周辺でも温暖化ガスの国内排出量の百年分の貯留が可能との試算もある。政府は実用化のメドを2020年と想定、指針や関連法令の整備を通じて普及への環境を整える。

経済産業省は4月にも企業などがCCSを実施するに当たって守るべき安全確保策や環境保護策を盛り込んだ指針をつくる。①発電所などで回収したCO2の運送方法②貯留に適した地層③貯留するCO2の濃度④貯留後の監視方法ーーとった内容を盛り込む。

経済産業省が来年度から始める第規模実証実験は年間約10万トンのCO2を海底に閉じ込める計画。国内では一万トン程度の小規模な実験例はあるが、大掛かりなものは初めて。

2009年2月16日

近未来の気候精密予測 その2

新しいモデルは「太平洋10年規模振動(PDO)」などの影響を織り込んだ。PDOは20年前後の周期で起きる海面水温の上昇・下降で、台風の発生などにも関係すると考えられている。海洋機構の石井・地球温暖化予測研究プログラムサブリーダーは「日本を含む環太平洋地域の気象に大きく影響する」と指摘する。

新モデルを使い、05年を起点として地球平均気温を予測した。08年までの結果は観測値とよく一致、「従来の予測に比べ気温上昇が鈍い」

15年ごろまでは、PDOによる気温の押し下げ効果を受けて気温上昇が緩やかになるとの結果になった。その後、PDOは逆転し気温を押し上げるとみられる。「温暖化が止まるわけではない」としている。

近未来の詳細な気候予測が可能な計算モデルの開発には英気象局ハドレー気候研究センター、米大気研究センターなども取り組んでいる。2014年に公表予定のIPCCの第5次報告書には新しい予測結果の分析や、それに基づく対応策が掲載される見通しだ。

東大などが開発したモデルは過去の観測データーを教え込み、自然変動がうまく反映されるよう調整しながら予測する手法(データ同化)を取り入れた。観測値をもとに計算スタート時点の値(初期値)を決めた後、これをわずかに変化させた約10通りの計算をし、その平均を最終結果とするアンサンブル手法mの使った。同手法は一ヶ月予報などに使われている。

観測データの扱いもきめ細かくした。経度・緯度一度ずつ、深さを20層に区切り、周囲の観測値をもとに格子ごとに海面温度などの値を決めた。大気は水平方向300km四方、鉛直方向には20層に分けた。将来はさらに細分化し、世界でも例のないような精密なモデルを目指す。

2009年2月15日

近未来の気候精密予測 その1

東京大学、海洋研究開発機構、国立環境研究所は共同で、2030年ごろまでの近未来の気温変動などを詳しく予測できる計算モデルを開発した。20年前後の周期で上下する海水温や気温の自然変動の影響を反映した気候予測が可能になり、中期的な温暖化対策に活用できる。予測結果は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書に盛り込むことを目指す。

温暖化による百年単位の気温上昇などを予測する従来モデルは、長期的な経済発展や温暖化ガス排出のシナリオを複数設定して高速コンピューターで計算する。自然の海水温や気温の変動は省いていた。今後20-30年の近未来予測は「シナリオによる違いは小さく自然変動の影響が重要になる」

 

2009年2月14日

富士ゼロックスCO2 8割低減

富士ゼロックスは2020年度までに、複写機やプリンターなど全製品の一台あたり消費電力を05年度に比べ80%削減する。新興国中心に販売増が見込まれるなか、製品の大幅な省エネルギー化により、顧客が同社製品を使うことで発生する二酸化炭素の総量を62%減らす。

このほど温暖化ガス削減の長期目標の骨格を固めた。使用時のほか生産や物流なども含めて製品全過程(ライフサイクル)での全社CO2排出量も05年度比30%削減する。

山本社長は「顧客の環境意識は敏感になり、安閑としていれれない。(環境対応を)研究開発やものづくりのけん引役にする」としている。低温でインクを紙に溶着させる技術などの開発を急ぐ方針だ。

07年度のライフサイクルのCO2排出量は179万トン。うち53%を占める使用時の対策を強化し、20年度に118万トンに抑える。現状のままなら418万トンnなるという。

製造段階のCO2排出量は05年度比16%減を目指す。生産工程改善や再生可能エネルギーの導入を進める。物流や購入部材にかかわるCO2排出は製品の販売増に伴って増えるとみている。

長期目標にはこのほか、複写機の最適配置やプリンターの出力管理などオフィースの省エネ提案によるCO2排出削減への寄与も盛り込んだ。20年度に700万トンの削減効果をめざす。

2009年2月13日

風力発電機事業を拡大  その2

富士重と日立が共同開発したのは、出力2,000キロワットの大型風力発電機。制御機器などの主要部品を日立が生産し、富士重の工場で羽根などを造り、完成品に組み立てる。国内の風力発電事業者向けに20数基の発電機を2009年度から順次販売する。

通常の風力発電機とは逆に羽根の裏側で風を受ける特殊な設計を採用し、国内に多い突風や吹上風への強度を高めた。営業を担当する日立では2-3年後に50基以上の販売を見込む。

日本製鋼所は10年には年間150基を生産できる体制を整えて、国内市場で50%のシェア獲得を目指す。

三菱重工は、09年度から大型風力発電所の建設が再び増えるとみて、国内での受注活動を再開する。主要市場の米国で金融危機の影響から、注文が滞っており、供給力にも余裕が生じているため、国内市場への再参入を決めた。

07年度に国内に設置された風力発電機のうち、国産は3%程度。米ゼネラル・エレクトリックなどの輸入機が圧倒的に高いシェアを持っている。

欧米仕様の輸入製品では改造などの特別な対応が必要になるため、風力発電所を運営する企業の多くが、国産へのシフトを検討している。

2009年2月12日

風力発電機事業を拡大  その1

富士重工業や日本製鋼所など機械関連メーカーが相次ぎ国内向けの風力発電機事業を拡大する。富士重工業は日立製作所と共同で大型機を開発し、まず20基以上を製造する。日本製鋼所も今年度の10数基から80基に大幅増産する。

三菱重工業は3年ぶりに国内で受注活動を再開する。景気の低迷で機械関連の市場が軒並み縮小するなかで、風力発電機は数少ない成長分野。今後はメーカー間の競争も激しくなりそうだ。

2009年2月11日

グリーンメジャーの世紀

世界を覆う経済危機。金融の動揺を収まらず、世界需要は蒸発し、米国一極の政治経済体制も転機を迎えている。歴史を刻む変化が幾重にも押し寄せるなか、企業も産業構造も大転換を迫られる。これまでの百年が終わり、これからの百年を決める興亡が始まった。

シェルの未来像

西暦2050年、世界のエネルギー源に占める石油の割合は00年の35%から20%まで低下。逆に14%の太陽光バイオ燃料など新エネルギーが30%を占める。

「石油の世紀」の終わりを示すシナリオを描いたのは、オイルメジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルだ。「太陽大地を使って自動車を動かし、工場を稼動させる」時代にもメジャーであり続けるために、シェルは脱石油へとひた走る。

 米国では原子力発電所1基分に相当する風力発電設備を建設。欧州では二酸化炭素排出量を9割減らすバイオ燃料を開発し自動車会社と実用化実験に入った。

シェルが英蘭資本の合併で産声を上げたのは1907年。翌08年、米国ではゼネラル・モーターズが誕生し、フォード・モーターが量産車の先駆け「T型」を発売する。

2009年2月10日

太陽電池 三洋、大阪に新工場

三洋電機は大阪府貝塚市に太陽電池の新工場を建設する。数百億円を投資し、2010年末の稼動を目指す。新工場の稼動などで太陽電池の生産能力は年70万キロワットと現在の2倍強に増える。

パナソニックは今春をめどに三洋を子会社化する計画で、パナソニック電工などグループ会社を通じて三洋製の太陽電池を販売する。パナソニックと三洋は生産、販売で両社の経営資源を有効活用し、太陽電池の成長戦略を加速する。

新工場は既存の二色の浜工場(貝塚市)の敷地内に建設する。結晶型と薄膜型の技術を組み合わせ、光を電力に変える変換効率が19.7%と高い太陽電池を生産する。

このタイプの太陽電池の生産能力は最大で08年度見込み比8割増の年62万キロワットになる。規模の拡大や最新技術の導入による生産効率の向上で製品価格を引き下げ、国内の一般家庭向けに売り込む。

三洋はこのほか、新日本石油と共同で一千億円を投じ「薄膜型」と呼ばれるシリコン使用量の少ない太陽電池の量産に乗り出すことも決めている。まず岐阜県安八町に年産8万キロワットの工場を建設すし、10年度から量産する予定だ。

三洋の太陽電池の国内販売シェアは07年で推定27.9%とシャープに次ぐ二位。

2009年2月 9日

EUポスト京都議定書へ新提案 

先進国、資金確保へ課金制

EUは12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)で新提案の採択を目指す。これまではEU独自の対策を進めてきたが、新提案は国際社会に対応を促す温暖化対策の骨格となる。

欧州委員会のディマス委員は記者会見で「地球温暖化の影響を抑えるには数十年にわたる投資が必要」と述べ、2020年までに世界全体で投資額を年1,750億ユーロ積みますよう求めた。投資額の50%以上を途上国に振り向けるよう提案した。石炭火力発電所から二酸化炭素や温暖化被害の防止対策などに投資が必要になるとみられる。

投資資金の一部を賄うため、先進国への課金制度の導入を国際交渉で提案する。温暖化ガス排出実績に応じて先進国に一トンあたり1-3ユーロの拠出を求める。米国発の金融危機が広がるなか、財政支出が増えている日米のほかEU加盟国からも反発が出る可能性がある。

途上国には資金支援の見返りに、対策をとらなかった場合に比べて20年までに15-30%の温暖化ガスの削減目標の設定を要求した。先進国には20年までに1990年比で30%削減することを改めて提案した。

2009年2月 8日

温暖化対策の国際交渉の流れ

地球温暖化対策の国際交渉の流れ
3月 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)作業部会。各国が新議定書案を提示
4月 G8環境相会合
6月 UNFCCC作業部会。新議定書の素案作り
今夏 UNFCCC臨時閣僚会合
7月 G8サミット・主要排出国会議
8月 UNFCCC作業部会
12月 第15回締約国会議(COP15)議定書合意目指す

2009年2月 7日

石器時代はなぜ終わったのか

国際エネルギー機関事務局長 田中伸男氏

日経新聞掲載より

地球環境問題への取り組みの必要性を強調する人の一部にピークオイル説を支持する人がいる。それは二酸化炭素削減の鍵である省エネや代替エネルギー開発の必要性を論じるのに都合が良いからである。しかし自発的に石油消費を減らすのと無理やり減らさせられるのとでは大きな違いがある。一番の違いは価格に表れる。需要が減れば価格が下がり、供給が減るなら上がる。誰がレント(収益)を得るかも違ってくる。

ゴア氏に「地球温暖化防止に世界が真剣になればCO2に高い値段がつきエネルギーの消費者価格は高くならざるを得ない。それは省エネや代替エネルギー開発を進め、ピークオイルを先に延ばすことでエネルギー安全保障にも貢献するのです」と申し上げた。彼は「なるほど、石器時代は石がなくなったから終わったのではないということですね。ありがとう」ち、有名なヤマニ元石油相の言葉を引いた。

石器時代と同様に、我々も、地球に石油がいくら残っていようとも、自らの意思で石油の時代を終わらせることができる。自動車のエンジン(内燃機関)は安い石油と相まって20世紀を象徴する技術革新であった。今、世界中の自動車産業がそろって歴史的苦境にあるのはサブプライム問題に端を発する世界不況によるが、長期的にみれば20世紀を通じた石油低価格時代がいよいよ終焉に向かっている象徴かもしれい。既に我々の前に、石器を放逐した土器、青銅器や鉄器にあたる電気自動車水素燃料電池太陽電池風力発電機などが徐々ににその姿を現しつつある。

2009年2月 6日

温暖化対策 全世界で年21兆円投資

欧州連合は1月28日、ポスト京都議定書交渉をにらみ、温暖化対策の新提案をまとめた。全世界で年間1,750億ドル(約21兆円)の新規投資が必要になると試算し、先進国に温暖化ガス排出量に応じた課金制度の創設を提案。投資の半分以上を発展途上国に回す一方、途上国に15-30%の排出削減を求めた。EUはオバマ米新政権との連携を強めて交渉の主導権を握り、中国やインドなど新興国を新議定書の枠組みに加えたい考えだ。

2009年2月 5日

「工場」で作物栽培

経済産業省は21日、発光ダイオード(LED)などを利用した農作物を計画的に生産する「植物工場」のモデル施設を同省別館ロビーに設置した。植物工場は、温度や湿度を制御しながらLEDなどの光源を用いて人工的に農作物を栽培する施設。

安全な農産物を効率よく安定的に生産できる利点がある。

全国では約30ヶ所で稼動し、食品メーカーなどがトマトやレタスといった農作物を栽培している。経産省は製造業の技術や小売業のノウハウなどを農業に応用する。「農商工連携」の柱として普及拡大を目指している。

2009年2月 4日

世界の排出量取引 8割増

温暖化ガス排出量取引の世界の市場規模が、2008年に約1800億ドル(約10兆6千億円)と前の年に比べ84%拡大したことが、英調査会社の調べで分かった。京都議定書が定める削減目標期間が同年から始まったことで、欧州連合(EU)の排出量取引システム(ETS)を中心に利用が拡大し、初の「10兆円市場」となった。

英調査会社のニュー・カーボン・ファイナンスがまとめた。それによると取引額の8割を占めたのが欧州のETS方式。取引参加国に排出量上限枠を割り当てて過不足分を売買する仕組みで、05年のスタートから3年間で市場規模は12倍に拡大した。

途上国の排出削減プロジェクトを実施した見返りに排出量を得る仕組みである「CER(認証排出削減量)」の市場も、全体に占めるシェアは一割程度と小さいものの市場拡大が続いている。

もっとも原油相場の下落や景気低迷などを背景に、排出量取引の相場は下落している。ETS市場の相場は、昨年半ばの一トン=30ユーロ前後から直近は同10ユーロ台前半と、半年あまりで半分以下に急落。ほぼ2年ぶりの安値圏で推移している。

こうした状況を受け、同調査会社では09年の市場規模を1500億ドル程度と予想。市場拡大は続くものの、08年と比べた伸び率は3割程度に鈍化する見通しで。

2009年2月 3日

温暖化観測に海賊船の影

海賊被害の増加の影響で、商船が公開中に観測した気温や気圧などの海洋気象データの気象機関への提供が減少している。船舶・航路情報が悪用され、標的になることへの懸念が高まっているためで、日本の気象庁へのデータ通報件数は2005年ごろの半分近くに落ち込んだ。今後も減少が続けば、天気予報や地球温暖化予測の精度に響く可能性もある。

各国の気象機関は商船の協力を得て、海洋の気圧や気温、海面水温などのデータを収集している。気象機関はあらかじめ船の使用測器、設置条件などを把握。観測値とともに届く「コールサイン」と呼ばれる船舶情報をもとに照合し、データ補正して予報などに利用している。

ところが海賊被害が増加するにつれ、データ提供を見合わせる船舶が相次ぐようになった。米海洋情報企業などが、米政府機関の公開情報をもとに世界の船舶の位置情報などをネットで提供するサービスを実施していることおあり、悪用されると、船名や航路が海賊やテロ組織などに把握される可能性があるためだ。

世界気象機関は船舶を特定できないよう暗号処理する「マスキング」の徹底を決め、気象庁も約一年前に導入を決めた。

2009年2月 2日

工場燃料 重油使わず 其の2

日立グループが08年度に使う重油は約10万キロリットルの見通しで、このうち日立化成工業、日立電線などの10工場がボイラーなどの利用する分が約8割を占める。11年度にも使用量が最大の日立金属安来工場で天然ガスに転換。12年度までに10工場の使用量をゼロにする。

日立グループの国内のCO2排出量削減目標も10年度に1990年度比12%減に引き上げる。従来目標は7%減。

10年度までの削減量約37万トンのうち燃料転換の寄与は14万トン。12年度にはさらに大幅な削減が見込まれる。10年度のCO2の総排出量は280万トン強の見込み。

日立グループは省エネルギー対策に06年度以降、年間50億ー60億円を投じている。燃料転換のためのパイプライン敷設、ガス対応設備などを含め数10億円規模の投資が続くとみられるが、具体的な投資は不明。

2009年2月 1日

工場燃料 重油使わず 其の1

日立製作所は2012年度までにグループ各社の工場で燃料用重油の使用を止める方針を固めた。二酸化炭素排出量が少ない天然ガスに切り替え、CO2の排出量を削減する狙い。京都議定書で定めた温暖化ガスの排出削減目標を達成するため、製造業を中心に重油の使用を減らす動きが加速しそうだ。

天然ガスの燃料時のCO2排出量(単位発熱量あたり)は石油に比べ25%はど少ない。重油からの切り替えで、窒素酸化物(NOx)硫黄酸化物(SOx)の排出も大幅に減らせる。日立は燃料転換を軸に環境負荷の低減を加速、イメージ向上につなげる。