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2008年9月30日

太陽光発電システム 補助金制度

東京都が2009年度から導入する補助制度により、30万円安い価格で住宅に太陽光発電システムを搭載できるようになる。東京は人口が多い割には太陽光発電が普及しておらず、機器及び住宅メーカーが寄せる期待は熱い。環境問題への関心が高まるなか、太陽光発電が一層身近になりそうだ。

旭化成ホームズは出力3キロワットの標準な太陽光発電システムの価格は約200万円。同社は2月から100万ー120万円で取り付けるキャンペーンを展開中だ。8月までに契約した住宅の2割が太陽光発電を搭載するなど30代半ばから40代で太陽光発電への潜在的な関心が高いことが判明した。

「都の補助金は東京で販売シェアを拡大するまたとないチャンスだ」。太陽光発電システム大手、京セラソーラコーポレイションのマーケティング部責任者は語る。補助金制度が始まる来年4月までに「大幅な需要増が見込める多摩地区を中心に店舗を倍増する考えだ。

都は戸建てやマンションなど2年間で4万戸を対象に出力3キロワットの太陽光発電システムに約30万円、太陽熱温水器など太陽熱利用機器に3万ー20万円を補助する。

太陽光発電では1キロワット時あたり約23円の電気料金を節約できるうえ、余った電力を電力会社に売却できる。ただ、昨今の燃料高に伴う電力料金の引き上げを勘案しても、購入費用を回収するのに20年以上かかる。

2008年9月29日

三菱商事 欧州で木質固形燃料事業

三菱商事は欧州で木質固形燃料(ペレット)の生産・販売事業に参入する。ドイツの大手メーカーに45%出資し、経営にも参画する。再生可能エネルギーである木質ペレットを火力発電所などで石炭と混ぜて燃やせば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を抑制できる。三菱商事は日本で最大級の工場を立ち上げており、海外でも本格展開に乗り出す。

木質ペレットは樹皮や木くずを破砕・乾燥させ、長さ2-3センチの円柱状に圧縮成型して製造する。石炭は石油や天然ガスに比べ資源量が多く安価だが、CO2排出量が多いのが難点。植物由来のペレットは生育過程でCO2を吸収しているため、燃焼時にCO2を発生しないとみなせる。このためペレットを5-20%程度混焼すれば其の文だけCO2を抑制できる。

10年後をめどに世界で年400万トンの生産・販売を目指しており、北米やアジアでの事業展開も検討していく。

2008年9月28日

家庭用燃料電池に補助  

経済産業省が2009年度予算の概算要求に盛り込む地球温暖化対策が明らかになった。家庭用の燃料電池コージェネレーション(熱電供給)システムを導入する世帯を対象に、購入費の一部を補助する制度を新設。クリーンディーゼル車の補助制度もつくる。温暖化ガス排出量が増える一方の家庭・運輸部門の排出削減に弾みをつける狙いで、低炭素社会づくりに予算を重点投入する。

地球温暖化対策は①温暖化ガス排出の少ない新エネルギーの普及②省エネ対策③革新技術開発ー

などが柱。石油石炭税などを財源とするエネルギー特別会計を中心に予算要求する。同省の地球温暖化対策に関する08年度予算は4,060億円。09年度はこれを上回る予算確保をめざす。

経済産業省が来年度概算要求に盛り込む主な地球温暖化対策

新エネルギー対策の強化

住宅太陽光発電システムの導入費用補助

自治体と企業の大規模太陽光発電の導入支援

家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの導入費用補助

電気自動車やハイブリット自動車向け急速充電器設置の支援

省エネルギー対策

クリーンディーゼル車の購入費用補助

革新的技術開発

二酸化炭素の分離・回収、地下貯留の実証研究

その他

カーボンフットプリント制度の創設、普及促進策

環境技術を生かした「地域発新社会システム実証プロジェクト」

国内排出量取引制度の試行

 

2008年9月27日

太陽光、家庭から発電所へ

「化石燃料も水力もエネルギー源として有限。無限なのは太陽と風だけだ」。5月、イタリアを訪れたシャープの町田会長に、欧州電力二位エネルのフルビオ・コンティ最高経営責任者が語りかけた。半年がかりで進めた提携交渉が成立した瞬間だ。

両社は2011年末までにイタリア各地の太陽光発電所を共同で建設する。発電能力は計16万キロワット強。約4万世帯に供給でき、太陽光発電所で世界最大級になる。太陽電池首位から昨年転落したシャープは太陽光発電所を攻めるため次の提携もにらむ。

2000年代前半、世界の太陽電池市場の牽引役は日本の住宅向けだった。屋根の一つ一つにパネルを設置することで世界シェアの5割を握った日本企業。だが膨大な数のパネルで安く大量に発電し、地域に供給する太陽光発電所に需要の多くが移った。

主戦場は欧州。住友商事や伊藤忠商事は欧州で大規模は太陽光発電施設の開発に乗り出す。

「天気次第で不安定」と太陽光発電に否定的だった国内の電力会社の姿勢も変わってきた。関西電力は約50億円を投じて堺市に太陽光発電所を建設する計画を打ち出した。

2008年9月26日

バイオ燃料 ブラジルで合弁生産

大手商社のブラジルにおけるバイオエタノール事業の取り組み

 

伊藤忠商事 米ブンゲと合弁2社を設立。総事業費は8億ドル。2011年以降の年産能力は合計年40万キロリットル程度に
三菱商事 現地企業に10%出資し、30年の長期購入契約を締結
光井物産 ブラジルの国営石油会社と組み、原料から一貫生産。総事業費は約3億ドル。13年には年20万キロリットルを生産。
住友商事

09年半ばにも現地企業と合弁会社を設立

双日

現地企業に出資。15年の年産能力300万キロリットル目指す

2008年9月25日

大成建設自社ビル 省エネでCO2を4割削減

大成建設は最新の省エネ技術を自社ビルに導入し、二酸化炭素の年間排出量を標準的なビルに比べて4割以上削減した。窓を小さくして断熱性を高めた。また温水・冷水を流すパイプを張り巡らせて冷暖房の使用量を削減した。

このビルは8階建ての「大成札幌ビル」で、2006年6月に完成した。4-8階が大成のオフィース。

大成は建設時に床下のコンクリート部分に配管を設置し、夜間電力を使って冬は温水、夏は冷水を流し、冷暖房の使用量を減らした。また断熱性の高い壁を採用したり、窓の大きさを小さくしたりして部屋の熱が逃げるのを極力抑えた。さらにビルに吹け抜け空間を作り、屋上にある太陽追尾機能付きの鏡で自然光を取り入れ、照明も減らした。

省エネ法に基づく標準的な同規模のビルと比較した。その結果、空調や喚起に使うエネルギーは、一㎡当たり約346メガジュールで、標準的なビルより46%削減できた。また、照明に使うエネルギーは35%少ない。

複写機やパソコンなどで使う電力なども合わせた全エネルギーは同1,080メガジュールで、41%減らすことができた。CO2排出量では一平方メートルあたり53キログラムと、標準ビルより4割少なくできた。

2008年9月24日

国内温暖化 100年で0.67度     

日本の地球温暖化の実態を把握するうえで、「都市の温暖化(ヒートアイランド現象)」をどのように評価するかが注目されている。近藤・東北大学名誉教授はこのほど、都市化の影響を調査し、気象庁の解析よりも低めの温暖化データを示した。温暖化ガスが原因となる本来の地球温暖化の深刻度合いが変わる可能性もあるため、議論を呼んでいる。

近藤名誉教授がこのほどまとめた地球温暖化に関する調査報告書によると、「日本の気温は1881年ー2007年までに全国平均で100年あたりにして0.67度上昇した。この上昇こそが地球温暖化や自然変動の影響を表したものだ」と評価した。1.1度上がったとしている気象庁の見解と異なる。

近藤名誉教授は「地球温暖化や自然変動という天然の上昇分を正しく理解するためには、ヒートアイランド現象など都市化による気温上昇を徹底的にに取り除く必要がある」と話す。気象庁のいう1.1の上昇には、実際は都市化による昇温量が加わっている恐れがあるとの主張だ。

近藤名誉教授は気温を観測している全国約200ヶ所の測候所やアメダスの環境を調べた。近くに大きな建物ができて風通しが悪くなった観測地点は、年平均気温が0.5度程度上昇していた。中小都市の地点でも木が大きく育ち、風を遮ることで温度が上がる「日だまり効果」が起きていた。周囲が舗装道路になり、乾いた風が吹いて気温が上がる地点もあった。

このため都市化や日だまり効果を誤差とみなして水戸、長野など34地点で修正していった。

こうしたデータをもとに日本の天然の気温上昇分を、100年当たり0.67度とはじきだした。

91都市について都市化による気温上昇も明らかにした。2000年度時点と1925年前後と比べると、東京1.96度、大阪は1.29度上昇などとなった。

これに対し、気象庁は地球温暖化の影響分析の仕方について「都市化の影響が少なく、特定の地域に偏らないように選定された17地点のデータを使う」と説明。

気象庁・気象研究所の鬼頭気象研究部長は、地球温暖化温暖化では都市化の影響が及ばない海上のデータを含めて世界の平均気温を算出していると指摘する。日本の気温上昇分も「都市化の影響がまったくないわけではないが、多くは温暖化の影響である」と主張している。今後、都市化の影響をどう見積もるのか学会などで議論になりそうだ。

2008年9月23日

京セラ 太陽電池生産2倍   

京セラは2011年度までの4年間で550億円を投じ、太陽電池の生産能力を08年度の2倍以上の65万キロワットに引き上げる。基幹部品である太陽電池セルの新工場建設も検討する。同社は太陽電池で世界シェア4位。競合各社が積極的な増産投資を続けており、巻き返しを狙う。

11年度の生産能力を今年度の30万キロリットルから倍増する。百億円で中国やチェコなどの組み立て工場を増強する。

京セラは10年度に生産能力を50万キロリットルに増やす方針だったが、11年度までにさらに能力を増強する計画を打ち出した。同社の太陽電池売り上げ高の7割程度が海外向けで、生産能力増強により、原油高や環境意識の高まりを背景とした海外需要の拡大に対応する。

日本の太陽電池メーカーは相次ぎ生産能力を増強。シャープは10年度に200万キロワット近くに、三洋電機と三菱電機はそれぞれ10年度、11年度までに60万キロワットにする計画をまとめている。

2008年9月22日

バイオ燃料  日本 供給体制整備急ぐ

国内商社が海外のバイオ燃料事業を相次いで拡大するのは、世界の需要が今後も拡大し続けるとの見通しからだ。経済協力開発機構(OECD)は各国の温暖化対策の推進で、市場規模が今後10年で2倍に膨らむと試算する。

普及が遅れた日本でも供給体制の整備が進む見通しだが、バイオ燃料の増産が食料価格の高騰を招いたとの見方から、欧州がバイオ燃料の利用目的を引き下げるなど、市場が一本調子で拡大するかh不透明な面もある。

バイオ燃料は二酸化炭素を吸収して育った植物を原料にするため、使ってもCO2を排出していないとみなせる。温暖化対策として生産国以外でも需要が増えている。

日本は京都議定書の目標達成計画として2012年まで原油換算で年間平均50万キロリットルを使用する計画だ。国内ではバイオ燃料の原料となる植物の生産量が乏しく、導入の動きは欧州などに大きく遅れをとっていた。

広域での実証利用は昨年4月に始まったばかりだ。日本では温暖化対策の目標達成のため、来年には北海道と新潟県で生産が始まり、南西石油を買収したブラジル国営石油会社のペトロブラスは日本への輸出計画を表現している。

2008年9月21日

ブラジルでのバイオエタノール

ブラジルはバイオ燃料の生産量が年間2,000万キロリットルと米国と並ぶ生産国で、世界最大の輸出国。

現地では年10%前後のペースでバイオエタノールの市場が拡大している。

広大な用地が存在し、トウモロコシなどと比べて単位面積当たりの収率やエネルギー製のバイオエタノールは輸出競争力も高いとされる。

ブラジルでのバイオエタノール事業では、三井物産がブラジル国営石油会社のペトロブラスと合弁で09年後半から生産を開始し、13年ををメドに年20万キロリットルに引き上げる方針。

伊藤忠商事や豊田通商なども事業化に向け準備を進めている。

2008年9月20日

双日もブラジルでバイオ燃料展開

日本勢で先行する双日が現地大手のオーデブレヒト(バイア州)と設立した「ETHビオエネルジア」は大幅増産に乗り出す。

南部マットグロッソ州などでのバイオエタノールの生産能力を年20万キロリットルから15年までに同300万キロリットルに引き上げる。

農園の拡大や製造設備の増強のため、来春までに300億円強を追加投資する計画で、双日の追加投資額は約110億円となる。

増産により、サトウキビ生産量で現在1%未満のブラジル国内でのシェアをトップとなる5-10%にまで高める。

2008年9月19日

住商ブラジルの現地企業と合弁会社を設立

住商は09年半ばにもブラジルの現地企業と合弁会社を設立する方向で最終調整を進めている。

住商は20-40%を出資する見通し。合弁会社がブラジル最大のサトウキビ産地であるサンパウロ州の近隣州で約3万ヘクタールの土地を確保し原料のサトウキビを栽培、当初は年20万ー30万キロリットルのバイオエタノールを生産する。売り上げ規模は同100億円ー200億円。

現地や日本などの需要動向をみながら拡大を検討する。

2008年9月18日

住商バイオ燃料参入

住友商事は石油代替となるバイオエタノール事業に参入する。ブラジルで現地企業と合弁会社を設立、200億円ー300億円を投じ2011年にも生産を開始する。双日も現地の合弁会社の生産量を現在の15倍に引き上げる。温暖化ガスの抑制につながるバイオエタノールは世界で需要が拡大している。ブラジルや米国だけでなく、普及が遅れている日本への輸出も視野に先行投資する。

2008年9月17日

鉄道輸送でCO2削減

住友電気工業と古川電気工業は共同で電線などに使う銅の鉄道輸送を9月末からはじめる。従来はトラックが主力だったのを鉄道に切り替えることで、輸送にかかるエネルギー消費量と二酸化炭素排出量を低減する。大口の荷主に輸送効率の改善を義務付けた改正省エネルギー法を受けた措置。今後、両社は同業他社にも参加を呼びかけ、省エネ効果を高める。

大阪ー宇都宮間で運ぶ銅の年間輸送量は2社合計で5900トン。鉄道輸送の利用で生じるCO2排出量は94トンと、現行のトラック輸送のもの場合に比べて72%削減できると試算している。

両社がCO2削減を急ぐ背景には、2006年4月に施工された改正省エネ法がある。同法は一定規模以上の輸送量がある荷主に対し、輸送過程で消費するエネルギー使用量を07年度以降、前年度比1%以上削減するよう求めている。

エネルギー消費をへらせればfCo2排出量もほぼ同様に減らせるという。

2008年9月16日

環境を破壊を理由に株売却

ノールウェー政府の石油収入を運用するノールウェー政府年金基金は、保有していた英豪資源大手リオ・ティントの株式約8億5千万ドル(約910億円)を売却したと発表した。同社の関連会社が運営するインドネシアの鉱山事業について「環境を破壊し倫理上問題がある」と判断し、運用対象から外した。

ハルボシェン財務相は「鉱くずの河川投機で環境を破壊している事業を支えたくない」と売却理由を説明。保有株は今年上期に全額売却したとみられる。これに対しリオ・ティントは「同事業の環境対策は基準を満たすと自負しており、ノールウェー政府の決定に驚き、失望した」との声明を発表した。

ノールウェー政府年金基金は運用資産規模3750億ドルの世界有数の政府系ファンド。

倫理上問題がある企業を運用対象から除外する社会的責任投資に力を入れている。

2008年9月15日

日本風力開発  その2

技術開発にも余念がない。天候に左右される風力発電の問題の一つが電力供給量のばらつき、安定性により売電単価に最大5倍の開きがあるという。二又発電所に蓄電池を併設した安定供給システムを導入、「初めて同システム導入で単価引き上げに成功した」

政府は10年度に風力発電導入量を300万キロワットと06年度比倍増する目標を掲げる。同社は20人の専門部隊が建設候補地の周辺住民や自治体と交渉に当たっており、候補地すべてを確保できれば現在の10倍近くの1500基の風車を建てられるという。

投資計画は強気だ。今期末に前期比53基増の185基、11年3月期末は293基を目指す。ただ燃料高で風力発電の需要は世界的に高まっており「資材や工事代金は3-5割上昇した」のが懸念材料。

2008年9月14日

日本風力開発

広大な草地に点在する白い風車。日本風力開発が運営する青森県六ヶ所村の二又風力発電所では34基が稼動する。主要国首脳会議会場への電力供給を機に5-7月で50団体が見学に訪れた。「応対に追われ社長業に支障をきたしそう」と塚脇社長は苦笑する。環境意識の高まりと、依然高水準の燃料価格が火力発電のコストを押し上げていることも追い風だ。

同社は風力発電機器の販売と売電事業を手がける。2009年3月期は機器販売の売上高を手数料収入のみ計上する方法に変更するため、連結売上高は3割減少。一方電力会社向けの売電事業の売上高は前期比2倍越の52億円に拡大。連結純利益は68%増の11億円と過去最高を見込む。

創業10年目の独立企業ながら国内シェアは一割強を占めており、東京電力が出資するユーラスエナジーホールディングス、Jパワーに継ぐ。

強みは自前の保守体制。風力発電所を増やすには建設費が割高な悪条件の立地でも総合的な採算を合わすことが必要。メーカに委託する同業他社に比べ維持費は半分という。11年3月をメドに現在40人の保守人員を50人に増やす予定だ。

2008年9月13日

バイオ燃料「穀物由来」抑制

欧州連合(EU)の欧州議会は11日、食料危機に対応するため、バイオ燃料の利用拡大を定めた数値目標を修正する方針を決めた。トウモロコシや小麦など穀物類を原料とするバイオ燃料の利用を規制。2020年を期限に利用割合を10%に高めるという目標を実質的に6%に引き下げる。地球温暖化対策で先行するEUが数値目標の修正に動き始めたことで、世界的にバイオ燃料政策の見直しが進みそうだ。

バイオ燃料の利用割合を定めた数値目標の修正案を採択した。数値目標の4%分を麦わらや廃材、雑草などの食料以外の原料で作る「次世代型」などで達成するよう義務づけた。

欧州議会が数値目標の修正を決めたのは世界的な食料価格の上昇をふまえた対応だ。数値目標をめぐって、EUでは欧州環境庁が「(バイオ燃料の)大量輸入が必要になり、EU域外での持続的な生産に影響を与える」と警告。主要国のフランスやイタリアなども10%目標の設定に慎重な考えを表明していた。

食料を原料とするバイオ燃料をめぐっては食料危機への対応から慎重論が強いが、生産国である米国やブラジルなどは食料価格高騰の要因の一つにすぎないと主張している。EUの動きを踏まえ、バイオ燃料の見直しをめぐる国際的な議論が本格化する可能性が出てきた。

2008年9月12日

バイオ燃料に国際基準

7月の主要国首脳会議の首脳宣言に盛り込まれたバイオ燃料の国際的な基準づくりに向け、農林水産省が有識者会議を新設する。

17日に初会合を開き、食料と競合しないバイオ燃料の促進策などを協議。

国際的な基準づくりに反映したい考えだ。

新設するのは「国際バイオ燃料基準検討会議」。学者や民間企業のバイオ燃料担当者らで構成する。

バイオ燃料を巡ってはトウモロコシなどを原料としていることから食料高を招いているこの指摘がある。

サミットでは、国連食料農業機関(FAO)内に事務局のある。「国際バイオエネルギーパートナーシップ(GBEP)」を中心にバイオ燃料の国際的基準と指標を設けることで合意した。

日本は有識者会議の議論をGBEPでの指標づくりに反映させたい狙いだ。

2008年9月11日

CO2排出量28万トン削減

環境省は9日、地球温暖化対策の一環として2006年度から今年8月まで実施した第二期の「自主参加型国内排出量取引制度」を通じ、約28万トンの二酸化炭素を削減したと発表した。

約5万世帯の年間CO2排出量に相当する。

同制度は環境省が2005年度に導入。2006年度からの第二期ではレンゴーやTOTOなど61社がCO2の温暖化ガス削減目標を自主的に設定して参加した。

全体では、CO2排出量は基準年として設定した2003年~2005年度の平均排出量に比べて25%削減でき、19%削減という目標を上回った。

2008年9月10日

風力発電500基設置

ドイツのエネルギー大手エーオンと独電機大手シーメンスは9日、共同で500基の風力発電システムを設定するプロジェクトを展開することで合意したと発表した。

発電能力は合計1150メガワットに達する大型契約となる。

ともに環境分野での事業拡大を狙う。

共同展開する風力発電システムは2010年から11年にかけて建設する。

両社は今回の大型プロジェクトを機に、将来の市場拡大が見込める風力発電市場で主導権を握る考えだ。

2008年9月 9日

途上国の発電、石炭主力に

石炭は埋蔵量が豊富で発電コストが安く、中国など発展途上国を中心に需要が急増している。国際エネルギー機関(IEA)の発電電力量予測では、石炭が2030年に2005年に比べて73%増えるという。石油や天然ガス、原子力などを伸び幅では上回り、将来の基幹電源になる見通しだ。

ただ石炭火力発電は発電時に発生する二酸化炭素が天然ガスの約2倍と多い。

地球温暖化防止に必要な技術のうち、石炭発電の効率化によるCO2の排出削減は国際的な課題だ。

石炭火力の発電効率は日本は平均40%程度と高いが、世界では30%台。米国や中国、インドなどで世界の石炭消費の過半を占めるが、発電効率が悪い発電所がいまだに残る。

途上国のCO2排出量を減らすためにも先進国からの技術移転が急務。ポスト京都議定書の交渉でも大きな議題の一つだ。

IEAは米中印の三ヶ所へ日本の現行の技術を移転するだけで、世界全体の排出量の5%弱にあたる年間13億トンのCO2が削減できると試算。新技術を使えば5%超も可能だ。

日本政府も」石炭発電を効率化する技術について途上国への移転を視野に入れる。

石炭の高効率化技術では石炭をガス化して得られる水素を活用した燃料電池との連携など次世代技術も検討される。ただ今回の技術は従来の設計を応用でき、既存の石炭発電所の置き換えもしやすいという。

2008年9月 8日

石炭火力発電効率を向上

日立製作所と東芝、三菱重工業などは石炭火力発電に使う蒸気タービン用の新しい耐熱合金を開発した。従来より100度高いセ氏700度に耐える。高い温度の運転が可能になり、発電効率が従来より6ポイント高い48%になる。発電時に出る二酸化炭素の排出量が約2割少なく、世界各国の火力発電に普及するば世界全体のCO2排出量を5%以上削減できるという。2020年の実用化を目指す。

石炭火力発電所は石炭を燃やして蒸気を作り、蒸気タービンを回して発電する。現行の蒸気タービンはセ氏600度の蒸気で運転するが、セ氏700度の高温高圧の蒸気で運転すれば、タービンが生み出すエネルギーが大きくなり、発電できる電力が増える。新型タービンは現状で最大42%の発電効率を2015年に46%、20年に48%への向上を目指す。

蒸気タービンを含むボイラー設備の建設費は一基500億円前後。日立は07年度に南アフリカなどで10兆円で受注し、需要は急速に伸びている。

2008年9月 7日

ポスコが燃料電池量産

韓国製鉄最大手ポスコは4日、韓国発の燃料電池工場を建設、同日から量産を開始したと発表した。生産能力は年間50メガワットと、同社によると世界最大規模という。ポスコは燃料電池を戦略輸出品目に位置づけ、2011年までに同規模の工場を増設する方針だ。

工場は浦項製鉄所に隣接して建設した。生産する燃料電池は業務用で、心臓部のスタックは米燃料電池会社フューエルセル・エナジーから輸入する。発電効率は47%と火力発電(35%)より高いという。発電量に応じて設備の大きさを変えられ、工場やマンション、ホテル、病院など幅広い需要に対応できる。

2008年9月 6日

洋上で大規模発電

東京電力と豊田通商が出資する風力発電大手、ユーラスエナジーホールディングスは英国に洋上の大型風力発電所を建設する。総事業費は約12億ポンド(約2,300億円)で、出力は50万キロワット。このほど英国政府から事業許可を得た。国内企業が本格的な洋上風力発電事業に取り組むのは初めて。欧州では各国政府の補助政策が後押しする形で再生可能エネルギーの需要が高まっており、収益が期待できると判断した。

ユーラスが英国、デンマークの大手電力会社と3社で設立した事業会社が建設、管理を担当する。建設地は英国中西部の沖合い。37万世帯が使用する電力をまかなうことができる。総事業費のほとんどをプロジェクトファイナンスで調達する計画だ。稼動は2012年以降の見通し。

完成後に、英国内の電力会社と電力供給の長期契約をする。英国では電力会社に再生可能エネルギーから作った電力を一定の割合で使うことが義務付けられている。現在は9.1%だが、2015年度までに15.4%に拡大する。このため、再生可能エネルギーの需要は今後さらに増える。

2008年9月 5日

排出枠取引が変える景色

金融不安で停滞ムードの欧米銀行のディーリングルームで活況の続く一角がる。欧州連合(EU)排出枠取引モデル。昨年の取引額は約500億ドルと前年比で倍増し、世界全体の排出枠取引の7割弱を占めた。もともと京都議定書温暖化ガス削減目標を達成するためにEUが2005年に設立した地域限定市場だが、この取引価格は世界中の排出枠価格を左右する。

EUは域内の1万1千の事業所に温暖化ガスの排出枠を定めている。排出削減責任を負う企業は、排出枠より実際の排出量が超えたら枠を買い、排出量が少なければ余った枠を売ることができる。最終的に排出枠を超えた場合は1トンあたり100ユーロの罰金が課される。

欧州市場の取引参加者の中心は電力・ガス会社。

英電力会社ドラックスは8月上旬、石炭火力発電所の燃料の1割強を2年以内に、藁玉に切り替える計画を打ち出した。上期に大幅減益となったことがきっかけだ。

最終的な排出削減コストは消費者に価格転嫁される。英国では過去1年に年間の世帯平均のガス・電力料金が286ポンド(約57,000円)上昇したが、その28%が温暖化対策コスト。省エネ型電球に取り替えたり不要な明かりを消すなど節約のため省エネに取り組む人が増えている。

排出枠設定を前提とする欧州型市場に、日本の産業界では「自助努力を放棄するごまかし」「マネーゲームになる」と警戒する声が多い。確かにすげての企業が自主的に削減し、日本全体の削減目標を達成できれば排出枠取引は必要ない。

しかし強制的な排出枠もなく、枠を超えた場合の罰金もなければ、企業努力をアピールする以外に排出量を削減する経済的動機はない。枠を買ってくれる企業がなければ、費用をかけてまで自主目標以上に削減しようという意欲も出てこない。日本でも秋から試行的に排出枠取引が始まるが、中途半端な制度では排出量削減が進む保障はない。

2008年9月 4日

温暖化防止技術1000億円

経済産業省は来年度予算の概算要求で、地球温暖化を防止する革新技術の開発に1000億円超を要求する。来年度から大規模な実証実験を始める二酸化炭素の地下貯留(CCS)には40億円を充てる。同省分のエネルギー特別会計の要求額は今年度当初予算比14.6%増の8,267億円。資源高や地球温暖化に対応するため拡充をはかる。

政府は50年までに世界の温暖化ガスの排出量を半減させる目標の達成へ有力な21の技術を選び「クールアース・エネルギー革新技術計画」を策定。今後10年間で約1兆円を投じる方針だ。

経産省は初年度となる来年度に1,047億円を計上したい考え。CCSのほか、高効率の石炭火力発電に47億円、燃料電池自動車の研究開発に80億円の確保を目指す。

2008年9月 3日

CO2排出量計算

野菜や肉、魚、加工食品などが食卓に届くまでの二酸化炭素排出量を計算したのが「フードマイレージ」。普段の食生活がどれだけ環境に負荷を与えているかを示す指標で、「カロリー」のように食品表示を目指す団体もある。

フードマイレージの解説は有機農産物を宅配する「フードマイレージ・キャンペーンfood mileage.com」がわかりやすい。農林水産政策研究所が2001年に発表したフードマイレージアレンジ。食べ物の重さと輸送距離だけでなく、船や飛行機など輸送手段も加味して数値をはじき出す。

CO2排出量100グラムに相当するマイルを「1poco(ポコ)」と呼ぶ。国産小麦の食パン1斤のマイルは0.35ポコだが、輸入小麦を原料とする食パンとなると1.45ポコに跳ね上がる。2つの差の1.1ポコはデスクトップパソコンの使用を約10時間やめたのと同じ効果があるという。

日常生活にどう生かすかを勉強するに、公害地域などの再生を手がける「あおぞら財団」(大阪市西淀川区)が運営する「フードマイレージ教材化委員会 食と交通と環境」が便利。サイトから申し込むと、マイレージを考えた食材選びを模擬体験する教材を貸し出してくれる。

究極の「マイレージゼロ」は家庭菜園。今野さんが運営する個人サイト「コンさんの家庭菜園~初心者でもできる~」は、自身の体験に基づいた栽培法や基礎知識がまとめてある。野菜を育てながら環境を考えてみるのもどうだろうか。

2008年9月 2日

燃料電池が家庭に

松下電器産業、新日本石油が2009年春から家庭用燃料電池を量産さると発表した。荏原、東芝なども量産に向けて準備を進めています。経済産業省が2009年度から家庭用燃料電池の購入に補助金を出す方針のため、それに合わせて発売を計画しているのです。

燃料電池は「電池」の名前がついていますが、電気をためておく装置ではありません。水素と酸素を化学反応させて電気を作り出す小型の発電装置です。発電する際に発生する熱でお湯を沸かし、台所や風呂などに給湯に使います。

酸素を空気中から取り込み、水素は都市ガスやLPガス(液化石油ガス)、灯油などから取り出します。ガス代や灯油代はかかりますが、電気代は節約できます。メーカーなどの試算では、4人家族の場合、ガスや電気など光熱費を年間5万円程度削減できるとみられます。

また、燃料電池は、電力会社の発電所と違って石油や石炭などの化石燃料を燃やすわけではないので、二酸化炭素の排出量は少なくなります。されに発電の際に発生する熱も利用するためエネルギー効率が高くなります。電力会社の発電所でも熱は発生しますが、需要地と離れているため、ほどんと利用されていません。こうした特長を評価し、経産省も補助金を出すことにしたのです。

2008年9月 1日

太陽光発電「10兆円市場へ」 その2

地球温暖化対策温暖化太陽光発電への期待が高まり、世界市場も急拡大し始めた。日本の太陽電池実用化を先導した桑野・太陽光発電技術研究所組合理事長に、太陽光利用の利点や技術課題などを聞いた。

 設置コストや普及策に問題はないか

「仮に1.6億トンの温暖化ガス削減をすべて排出量取引で賄うと、4,800億円かかるとの試算がある。京都議定書で削減すべき全量に罰金を払うと約2.5兆円。国内の太陽電池の普及策にお金を使った方がよい」

「日本では1992年、世界に先駆けて住宅の屋根の太陽電池で発電した電力を電力会社に売れるようになった。94年には設置費の政府補助も始まった。ところが、いまではドイツの方が普及が進んでいる。電力会社に対し、高い価格で太陽光発電の電力買い取りを義務付けたのが効果を上げた。日本も再び、ドイツをしのぐような制度を考えるべきだ」

 今後の技術動向と日本の実力は

「商品化されている単結晶シリコン型の(光を電気に変える)変換効率は約20%だが、研究段階ではこれを上回っている。理論的には30%、材料の組み合わせなどでさらに高い効率も可能だ」

「寿命はいっそうの長期化が望まれる。現在の性能と価格では寿命20年だと出力1キロワット時あたりの発電コストは33円で、家庭用電力料金を上回る」

「日本は材料から完成品まで、産業基盤がしっかりしている。太陽電池の年間生産量ではドイツ企業に一位の座を譲ったが、巻き返せる」