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2008年8月31日

太陽光発電「10兆市場へ」 その1

地球温暖化対策温暖化太陽光発電への期待が高まり、世界市場も急拡大し始めた。日本の太陽電池実用化を先導した桑野・太陽光発電技術研究所組合理事長に、太陽光利用の利点や技術課題などを聞いた。

 太陽電池が期待される理由は

京都議定書温暖化ガス削減目標を達成しなければならず、二酸化炭素の排出にカネがかかるようになった。原油高もあり、太陽光発電の割高感は薄れつつある。太陽電池の性能もあがった。

 地球に一時間に降り注ぐ分の太陽エネルギーで世界の年間消費分を賄える。住宅用の出力3キロワット級の太陽電池で、年間630リットルの石油相当の電気を作れる。太陽光発電システムの世界市場規模は2015年ごろに10兆円に届くだろう。

 太陽電池の利用で日本の温暖化ガス排出はどれだけ減らせるか。

「住宅の屋根や事業所の8割と主要公共施設などに設置したと仮定すると、年間発電量は国内総電力需要の約3割。原油5,000万キロリットルの燃焼分にあたり、CO2の年間排出量が1.3億トン減る。

京都議定書によると日本は2006年時点と比べ、約1.6億トンの温暖化ガス削減が必要。かなりの部分を太陽電池の普及で達成できる可能性がある」

太陽光発電システムの製造に必要なエネルギーを取り戻すのに、シリコン系の太陽電池で1、2年で済む。約20年というシステムの寿命に比べてはるかに短い。

2008年8月30日

緑化のCO2削減量予測

鹿島とソフト開発のジェーエフピーは、企業の緑地整備で二酸化炭素をどれだけ削減できるか予測するソフトを開発した。植物の成長モデルを使い、一年単位で将来CO2削減効果を示す。工場や事務所の緑化整備では今後、CO2削減効果が重視されるとみて、鹿島は緑地整備ビジネスに役立てる。

まず、緑化する場所の地形や建物など風景を立体画像化して示す。植える樹木を70種類の中から選び、コンピューター画面に再現した土地に植えていく。植栽時の樹齢や土壌の水はけの良さ、日当たりなども設定する。

樹木の成長は、科学研究をもとに種類別に作られた成長モデルに従ってシミュレーションする。一年ごとの成長量から一本一本の木がCO2をどれだけ吸収したかを計算し、CO2固定量を割り出す。

実際に225平方メートルの土地に高さ約3-6メートルの比較的大きなケヤキやクヌギなど23本を植えた場合を試算した。最初の一年間で150キログラム、次の一年間で180キログラム、CO2を固定できた。

政府が今秋からCO2排出量取引を試験的に導入するほか、東京都は大規模事業所にCO2の排出削減を義務付ける条例を制定するなど、企業は温暖化対策の強化に迫られている。

2008年8月29日

CO2から石化製品量産

三井化学は25日、工場排ガスや大気中の二酸化炭素を原料に使って、合成樹脂など石油化学製品を量産する実証設備を大阪工場に建設すると発表した。

2009年2月に設備を稼動し、10年3月をめどに量産技術を確立する考え。原油価格が高値で推移するなか、原料多様化を進め、地球温暖化防止にも役立てる。

地球環境産業技術研究機構との共同研究成果を生かし、工場から排出されたCO2を効率的に分離・濃縮し、水素と反応させて合成樹脂・繊維の原料になるメタノールを合成する。

実証設備の年産能力は約100トンで、10月に建設を始めある。投資額は15億円。

現時点では量産コストがいくらで、製造に必要なエネルギーがどれぐらいかかるかなど不透明な面も多い。不純物も混じった大気中からCO2を効率的に回収する必要もある。三井化学はこうした課題を実証設備で検証して、事業性を見極める考えだ。

 

福岡に大規模太陽光発電所

九州電力は25日、福岡県大牟田市に太陽光発電所を建設すると発表した。九電にとっての初の本格的な太陽光発電所で、2010年末に稼動する予定。出力は3,000キロワットで総事業費は約25億円。新発電所を足がかりに二酸化炭素排出の少ない太陽光発電の拡大を目指す。昼間の発電時には一般家庭約2,200戸分の電気を賄う規模となる。

2008年8月28日

高効率太陽電池を増産

三菱電機は2011年度末までに高性能太陽電池の生産能力を約3倍に引き上げる。国内工場に100億円以上を投じ、発電効率が世界最高水準の太陽電池を量産、発電施設や家庭向けに出荷する。資源価格高騰や地球温暖化ガス排出削減の動きが強まるなか、中国や欧州の新興メーカーがシェアを高めている。シャープや三洋電機、三菱など日本の太陽電池大手は最先端製品の量産によって世界市場で巻き返しを図る。

三菱電機の太陽電池の量産拠点である飯田工場に新棟を建設、年間生産能力を60万キロワットに引き上げる。同社の10月時点での年産能力は22万キロワットの予定で、増強後の能力は3倍近くになる。

同社が生産するのはシリコンウエアーを使う「結晶型」と呼ぶ太陽電池太陽光エネルギーを効率よく電力に変える独自技術を駆使し、変換効率は世界最高水準の18.6%を達成している。新工場ではこの技術を活用して高性能の太陽電池を量産する。

欧州などでは太陽電池を使う大規模な発電設備の建設が増えており、同社の電池も変換効率の高さから海外向けを中心に需要が拡大している。

2008年8月27日

太陽光発電、船の動力源に

日本郵船は26日、新日本石油と共同で、船を動かすために必要な電力を太陽光発電でまかなう実験を始めると発表した。新日石が開発する太陽光発電装置を大型の自動車運搬船の甲板に搭載し、エンジン制御や補助推進装置の電源に活用する。太陽光発電を乗員の生活用電源に使うことはあったが、船の動力用としては世界初という。新日石は船舶用発電システムとして3-5年後の商品化を目指す。

12月に完成する6,400台積みの自動車運搬船に発電量40キロワットの太陽光発電装置を搭載する。船全体が消費するエネルギーの0.2%をまかなえる計算という。実験期間は2009年から1-2年程度。二酸化炭素の排出量削減効果に加え、天候による発電量の変化や潮風、船の揺れによる影響などを調べる。

2008年8月26日

地球温暖化や大気汚染 数値を予測

環境省は2009年度から、地球温暖化や廃棄物、大気汚染など、様々な環境問題の経済的被害や対策コストの分析に乗り出す。将来の被害額や対策の費用対効果を試算し、実効性の高い環境政策の立案・導入につなげる。地球温暖化対策で先行する欧州には、英国人学者が地球温暖化の将来被害を経済的に分析した「スターン報告」がある。同省は同報告も参考にし、地球温暖化に限らず環境問題全般を分析する。

2009年度予算の概算要求に約5億円を盛り込む。「環境経済研究調査室」を新たに設置。国内外の研究機関や大学とも協力する方針だ。

地球温暖化が及ぼす経済的な影響については、英国の経済学者ニコラス・スターン氏がまとめた報告が有名。「地球温暖化対策を講じない場合、世界全体の国内総生産の5-20%に相当する損失が発生する」と指摘し、欧州の温暖化政策などに影響を与えた。

国内で環境問題への関心は急速に高まっているが、経済的被害の分析は遅れ気味。例えば地球温暖化が進行した場合、洪水や高潮の増加、農産物の収穫減、感染症の拡大などが予想されているが、きちんとした被害額は把握できていない。

2008年8月25日

省エネ分、排出量取引企業に売却

東京都は太陽熱給湯器などの利用で一般家庭がエネルギー使用で一般家庭がエネルギー使用を節約すれば、その節約分に応じた金額を家庭に支払う制度を2009年度に創設する。買い取った都は二酸化炭素排出量に換算して、排出量取引制度の中で企業に売却する。家庭と企業双方の環境対策促進を狙った制度で、地方自治体では初の試みという。

都の計画では、住宅やマンションに設置した太陽熱利用の暖房・給湯器などが対象となる。化石燃料との比較で節約できたエネルギー量について都が「グリーン熱証書」を発行。証書は都が買い上げる。買い上げる金額などについては今後検討を進める。

都は10年度から都内の大規模事業所にCO2削減を義務づける。削減義務量をできるよう、11年度からは排出量取引制度もスタートさせ、都は買い上げた証書をCO2の排出削減量に換算。この制度の中で企業に売却する。

ソーラーシステム振興協会によると、太陽熱を利用する住設機器を備えた戸建て住宅は、1980年代半ばには年間3万件以上建設されたが、06年度は5,000件台にとどまった。都は認証制度を通じて一般家庭への太陽熱利用機器導入を促す考えだ。

2008年8月24日

東京のCO2 高知が「削減」    

森林面積が84%を占める高知県。同県中部のい須崎市でスギやヒノキが生い茂る森から切り出した間伐材がセメント工場に運ばれてゆく。木くず状にしたバイオマス燃料で自家発電し、石炭発電からの転換で減った分に相当する二酸化炭素の排出量を県が取得。企業に販売し、森林整備などに充てる。そんな「地域発」の温暖化対策が東京のファッションビルに波及した。

購入を決めたのはルミネ。8月から新宿の店舗で社員一人ひとりが目標を設定して温暖化ガスの削減運動を開始、未達分を高知から調達した排出量で相殺する「カーボンオフセット」を実施する。

環境対策に地域社会の動きも活発化している。政府が選出した「環境モデル都市」には89の自治体が手を挙げた。7月に選定されたのは代替燃料として牛糞を利用する北海道帯広市など6自治体。地域の特色を生かした温暖化対策が評価された。

自治体には削減の潜在力がある。例えば大量の電力を使う下水処理施設。国土交通省の試算によると全国に約2,000ヶ所ある処理場で太陽光風力など自然エネルギーを活用すれば年間43万世帯の家庭で消費する電力を生む出せる。

家庭で出る天ぷら油からバイオディーゼル燃料を生産し、市バスやゴミ収集車を走らせる京都市。インドネシアのボゴール市に回収や生産の手法を伝授している。ボゴールでは主婦や学生らが飲食店や家庭から古い料理油を集め、工場で燃料に変える活動がスタートした。バイオ燃料が世界へひらがる。

2008年8月23日

CO2国内で地下貯留

政府は電力会社や石油会社などと共同で、国内の火力発電所が排出するCO2を分離・回収し、地下貯留(CCS)を実現するための大規模な実験に乗り出す。29企業の出資会社で調査を開始する。2011年度をメドに実用化し、石炭火力発電所から出るCO2を福島県沖の天然ガス田跡に封じ込める計画だ。CO2の分離・回収から貯留までを一体的に扱うのは日本では初めて。地下貯留の普及に向けた動きが加速しそうだ。

地球温暖化対策としては、環境税や排出量取引などの経済的な手法も有効だとされる。地下貯留は新技術の開発で問題を解決する際の切り札になるとの期待が大きい。

電力10社が出資するクリーンコールパワー研究所の石炭火力発電所から出るCO2を分離・回収し、パイプラインで輸送。液体と気体の性質を併せ持つ特殊な状態にしたうえで、約70キロメートル離れた沖合いの天然ガス田跡に閉じ込める案が有力だ。ガス田は帝国石油が昨年まで操業し、ほぼ枯渇したため稼動停止している。

この発電所の発電能力は25万キロワットでCO2を年間約100万トン排出する。ガス田は2,000万トン以上のCO2を貯留できるという。

日本の発電量の約四分の一を占める石炭火力発電は、中小規模の水力発電の80倍以上、天然ガス火力発電の1.5倍以上のCO2を排出する。その排出量を実質ゼロにできるCCSの効果はおおきいとみている。

地球環境産業技術研究機構(RITE)によると、日本の地中や海底をフル活用すれば、理論的には最大約1,500億トンの貯留が可能。日本の排出量の100年分以上に当たる計算で、CCSの実用化が目標の達成も左右しそうだ。

IPCCは、全世界のCO2排出量の80年分に当たる約2兆トンを貯留できると試算。

ただ現在の技術ではCO2の回収に一トンあたり4,200円の費用がかかり、ほぼ半分に減らさないと採算が取れないといわれる。

2008年8月22日

温暖化ガス排出量表示 経産省、指針案を提示

経産省は20日、加工食品や生活雑貨など商品をつくる過程で発生する温暖化ガスの排出量を表示する「カーボンプリント(炭素の足跡)」制度の仕組みに関するし指針案をまとめ、有識者で構成する検討会に提示した。消費者がスーパーなどで商品に表示された排出量を見比べながら、商品を選べるようにする取り組み。2009年度からの試行に向けた制度の骨格になる。

指針案によると、温暖化ガスの排出量は商品の原材料調達、製造、流通・販売、使用、廃棄・リサイクルの5段階で算定。それらを合算して「二酸化炭素の排出量の絶対値」を商品に明記する。表示には制度の運用団体が定める共通のマークを使う。

カーボンフットプリント制度は経産省が旗振り役となり、大手スーパー、食品メーカーが導入を目指してきた。指針案は9月の次回検討会で決定する。

今回、制度の骨格が固まったことで、今後は排出量表示に必要な算定手法などを詰める段階に入る。

このほかの課題としてはメーカーが排出量を偽って表示していなか、第三者による検証が不可欠。排出量を算定する際、原材料を輸入していればCO2は海外でも発生するが、この排出量の取扱も未定だ。

2008年8月21日

次世代燃料メタンハイドレート

経済産業省は19日、次世代エネルギーとして期待されるメタンハイドレートを巡る「開発実施検討会」を開いた。2012年度に日本近海での海洋産出試験に初めて乗り出し、18年度以降の商業化をめざすことを確認した。海洋試験では周辺の環境に与える影響についても調査する。

メタンハイドレートは天然ガスの成分にあたるメタンが低温・高圧の状態で、水の分子にシャーベットのように閉じ込められている。原油価格が高止まりするなかで石油製品の代替燃料として注目されており、この先の開発計画をまとめた。

主な調査対象としている「静岡県沖ー和歌山県沖」の海域だけでも天然ガス換算で、国内消費量の14年分弱の埋蔵量があると見込む。09年度からの3年間は米アラスカなどで陸上産出試験を実施する。

同時に海洋産出試験に向けた技術的な課題を整理し、12年度にも日本近海での試験に踏み切る予定だ。海洋試験の水深は1,000メートル前後とみられ、生態系や地層などに影響がないかどうかも調べる。

18年度には研究開発を終え、民間企業による商業化につなげる。現在は石油天然ガス・金属鉱物資源機構など産学を中心に200人以上の研究者が技術開発にあたっている。日本は原油などの資源が少ないため、世界に先駆けてメタンハイドレートの海洋産出にめどをつけたいとしている。

2008年8月20日

英 排出量取引 自治体・学校に参加義務

英国が温暖化ガス削減の取り組みを強化する。

地方自治体や大学、小売サービス業がガス排出削減を競う排出量取引市場を2010年に新設。自治体枠に学校を加え、各校に排出量報告を義務付ける。自治体や大学に排出量取引を義務付けるのは主要国で初めて。エネルギー供給者だけではなく消費側にも省エネを徹底する狙いがある。

今年10月から不動産の売買・貸借時に、建物のエネルギー効率を格付けし基準を満たすことを示す省エネ証明書の取得を義務付ける。

英政府は新設する排出量取引で20年までに毎年400万トンの二酸化炭素を削減する計画。10年から3年間は試行期間とし、排出枠を超えた事業者はCO2一トンあたり12ポンドを払って政府から排出枠を購入するよう義務付けられる。13年以降は枠を下回った事業者が超過企業に排出枠を売却する仕組みに切り替える。排出枠価格は入札で決める。

2008年8月19日

世界最大のCO2回収設備

三菱重工業は20日、ノルウェーの国営会社から世界最大の二酸化炭素回収・貯留設備の初期設計業務を受注したと発表した。CO2回収能力は一日あたり約3,000トンと世界最大。現在世界で稼動している大型設備の10倍規模に相当する。今後、性能や建設・運営コストの評価を受けたうえで、設備本体の供給から建設工事までを担う本工事の受注を狙う。

ノルウェーのガスノバ社から受注した。ガスタービンによる発電排熱を利用して蒸気タービンも回して電気を取り出す「ガスタービン・コンバインドサイクル」方式の火力発電所に設置する。設備の総投資額は500億ー1,000億円で、2011年末から12年初期の稼動を計画している。

2008年8月18日

CO2排出量表示統一指針へ原案

経済産業省は、加工食品や衣料品などをつくる際に発生した温暖化ガス排出量を表示する「カーボンフットプリント(炭素の足跡)」に関する指針(ガイドライン)の原案をまとめた。排出量は商品の原材料調達製造流通・販売使用廃棄・リサイクルの5段階で算定し、合算する。新たにつくる共通のマークを用いて商品に表す。

カーボンフットプリントは経済省や大手スーパー、食品メーカーが2009年度からの施行を目指す。法律を伴う制度ではないが、メーカー各社がバラバラの表示をすると消費者を混乱させる恐れがあるため、学識経験者らによる経産省検討会が表示に関するルールを検討してきた。

原案によると、カーボンフットプリントで表示するのは「二酸化炭素(CO2)排出量の絶対値」。原則として商品一個当たりの製造から廃棄までの総排出量を、制度の運用団体が定める統一マークを用いて表示する。例えば、容量350ミリリットルのビールに「CO2排出量は150グラム」といったラベルを張る。

マークを表示する企業には、排出量削減に向けた努力を継続するよう求める。企業が虚偽の表示をしていないかどうかを第三者が検証する仕組みもつくる。

カーボンフットプリントはイオン、セブン&アイ・ホールディングスなどの大手スーパー、コンビニのほか、カゴメやサッポロビールなども導入を検討している。

2008年8月17日

石油代替燃料の研究で協力合意

米ゼネラル・モーターズ(GM)は14日、石油代替燃料の研究開発でタイ政府やタイ石油公社、タイ自動車産業協会と合意し、覚書を交わした。

原油高で自動車燃料も多様化が進む中、代替燃料ではタイをアジアの中心開発拠点として育成する。

タイ側と協力するのは圧縮天然ガス(CNG)や植物由来のバイオエタノール、バイオディーゼル燃料など。燃料電池でも研究を進める方針だ。

2008年8月16日

生ゴミからエネルギー  

パーティーの食べ残しや、厨房の野菜クズなど、レストランなどから排出される大量の食品ゴミ。水分が多く燃えにくいため、処分が最も難しい廃棄物の一つだが、家庭用電力としてリサイクルする試みが始まっている。

バイオエネルギージーが東京湾岸の埋立地に設置する処理工場には24時間体制で都心から食品ゴミが運ばれてくる。一日に処理する食品ゴミは50万人の排出量に相当する110トン。発酵によって発生する可燃性ガスを燃やして発電する仕組みで、一日に電力会社を通じ1400世帯が利用する電力を送電する。今年度中にガスの一部を、工場まで食品ゴミを運ぶトラックの燃料にも使う方針だ。

食品を扱う小売業や外食産業から出る食品ゴミのリサイクル率はまだ2-3割にとどまる。昨年12月に施行した改正食品リサイクル法は40-45%の厳しい目標を課し、リサイクルを促す。

イオンは6月から店舗で売れ残った総菜や野菜クズなどを飼料化し、その飼料で育てた豚の肉を関東の55店舗で販売し始めた。自社の食品ゴミから新たな商品を作る環境を築く。イオングループではこのような循環網を北海道から沖縄まで地域ごとに作り、リサイクル率を向上する。

2008年8月15日

温度差利用しクリーン発電

慶応大学の武藤教授は10度以上の温度差があれば電気を起こせる発電装置を開発した。小型冷蔵庫などに使う半導体素子を利用し、二酸化炭素を全く出さずに発電できる。今後は温泉街などで実証実験し、新しいクリーンエネルギーとして実用化を目指す。

「温度差発電」はワインクーラーなどに使われている半導体「ペルチェ素子」を利用した。ペルチェ素子は直流の電圧を加えると発熱したり吸熱する。逆に温度差を与えると発電する性質を利用して、ペルチェ素子の両面に温度差のあるものを触れさせることで発電する仕組みだ。

ヒートパイプを使ってペルチェ素子の片面で室温を感知し、半対面の面に保温剤などを置いて温度差をつくり発電する。装置にはモーターを接続してあり、手のひらでペルチェ素子を温めるだけでもモーターが回り、発電が確認できた。これまでの実験では、セ氏30度の温度差で0.5ワット程度発電したという。

ヒートアイランド現象も影響か

過去100年当たりの年平均気温の上昇
都市 データ開始年 気温の上昇
札幌 1901 +2.3
仙台 1927 +2.2
東京 1901 +3.0
名古屋 1923 +2.7
京都 1914 +2.6
福岡 1901 +2.6

中小都市平均

1901 +1.1

(注)データ開始年

から2004年までの

観測値をもとに気象

庁作成、中小都市

は17地点の平均

 

東京など大都市の局地的豪雨には、郊外などに比べて気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が一役買っているとの見方が強まっている。過去100年間に東京の平均気温は3度上昇した。これは中小都市の平均上昇気温の約3倍。帝京大学の三上教授は「前線や寒気の影響で不安定になった大気は、ヒートアイランド現象によって一層不安定さを増し豪雨が起きやすくなる」とみる。

2008年8月14日

ヒートアイランド現象も影響か

過去100年当たりの年平均気温の上昇
都市 データ開始年 気温の上昇
札幌 1901 +2.3
仙台 1927 +2.2
東京 1901 +3.0
名古屋 1923 +2.7
京都 1914 +2.6
福岡 1901 +2.6

中小都市平均

1901 +1.1

(注)データ開始年

から2004年までの

観測値をもとに気象

庁作成、中小都市

は17地点の平均

 

東京など大都市の局地的豪雨には、郊外などに比べて気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が一役買っているとの見方が強まっている。過去100年間に東京の平均気温は3度上昇した。これは中小都市の平均上昇気温の約3倍。帝京大学の三上教授は「前線や寒気の影響で不安定になった大気は、ヒートアイランド現象によって一層不安定さを増し豪雨が起きやすくなる」とみる。

2008年8月13日

リチウムイオン電池

東京工業大学の山田准教授らは、電気自動車リチウムイオン電池の性能向上につながる手がかりを見つけた。電池の電極内を走るリチウムイオンの動きを解明、高速充電出来る電池の開発に役立つという。

東北大学との共同研究で、成果は11日付けの英科学誌「ネイチャーマテリアルズ」に発表した。車用リチウムイオン電池を巡り世界の自動車メーカーによる開発競争が激しくなっており、今回の研究成果は関心を呼びそうだ。

イオンの動きを調べた材料は、電池の電極として有望視されるリン酸鉄。イオンの動きをとらえる中性子線を当てたところ、イオンが一定の方向にまっすぐ動いていた。

携帯電話用リチウムイオン電池の電極とはイオンの動きが違った。教授は「素早い充電や高出力の電池開発につながる」と話す。

局地的豪雨 シベリアの高温など原因

国内で局地的豪雨が相次いでいる。安定した夏型の気圧配置にならず、上空に寒気が入りやすいのが一因。シベリアの高温やインド洋西部の高い海水温の影響で大気の流れが変化、日本付近に寒気と湿った暖気がそれぞれ入り込み大気が不安定になった結果とみられる。都市型の熱が、積乱雲の発達を加速している可能性もあるという。豪雨が起きやすい状況は8月下旬まで続く見通しだ。

今年の夏の特徴の一つが、ジェット気流が運んだ上空の寒気だ。気流の動きを把握できる上空約5,500メートルの天気図によると7月以降、シベリア上空を流れる「寒気団「寒帯ジェット気流」と呼ばれる強風帯が日本付近で盛り上がるように蛇行。日本の東側で南に向かう流れ生じ、寒気が南下した。さらに8月初めには蛇行部分の一部が切り離され、寒気の塊が日本の東から南に向けて移動した。

もう一つの特徴が、地表近くの下層における湿った暖気の流入だ。寒気の移動に対応して日本の南東海上を低気圧が西よりに進み、その周りを反時計回りに吹く風によって運び込まれた。

この結果、上空に重くて冷たい空気、下層に軽くて暖かい空気が入る不安定な状態になり上昇気流が発生、相次ぐ豪雨をもたらした。通常の暑い夏は日本付近には夏の高気圧が腰を据え、天気は比較的安定している。

大気の流れがこのようなパターンになったのは「春以降のシベリアの高温が一因ではないか」と東京大学気候システム研究センターの木本教授は指摘する。

東大の山形教授は「インド洋の状態も関係している」とみる。インド洋西部で海水温の上昇と対流の活発化が起き東部で水温が下がる「インド洋ダイポール現象」が顕著で、大気の流れを変えたと分析している。

2008年8月12日

燃料電池車、より安く

九州大学未来化学創造センターの小江教授らの研究チームは8日までに、ニッケル化合物を触媒にして常温・常圧で水素から電子を取り出す基礎技術を開発したと発表した。安価なニッケルを触媒に使うことで、二酸化炭素を排出しない燃料電池車の大幅なコスト削減につながるという。

燃料電池は通常、水素から電子を取り出す際には高価な白金を利用していた。

研究チームは自然界に存在する酵素「ヒドロゲナーゼ」が水素を活性化する仕組みを研究。同酵素を組成するニッケルを使って水素をイオン化する触媒を昨年4月に開発した。

今回、その触媒を使って発生した水素イオンから電子を取り出す仕組みを解明した。

燃料電池クリーンエネルギーとして次世代自動車などへの導入に向けた研究が進んでいる。ただ、従来の燃料電池では水素から電子を取り出す触媒として希少な白金が用いられていた。そのため、白金を触媒にした燃料電池車では一台一億円程度のコストがかかっていた。

研究チームによると安価なニッケルを使った燃料電池車のコストは白金を利用した場合の数十分の一程度になるという。研究成果は9日、日本化学会の「ケミストトリーレターズ」電子版で公開する。

2008年8月11日

インド洋の海水温上昇 

7月の西日本の記録的な高温と少雨の原因について気象庁は8日、「インド洋の海水上昇が原因」との見解を示した。地球温暖化も原因の一つという。今後二週間は西日本で気温が高い日がつづくといい、四国の早明浦ダムなどで深刻な水不足が懸念されるほか、局地的豪雨が今後も続く可能性があるとして注意を呼びかけた。

7月の西日本は高気圧に覆われて統計を始めた1946年以来、三番目に高温を記録。梅雨前線の活動が弱く降水量も過去最小だった。インド洋の海面水温が平年より高く強い上昇気流が発生。これにより日本に吹き込む偏西風が弱められたとみられ、西日本に高気圧が張り出した。

太平洋西部で海面水温が高かったことも、西日本上空の高気圧を強める一因となったという。

分析をまとめた同庁の「異常気象分析検討会」の会長を務める木本東京大学教授は「西日本の高温、少雨はここ30年の長期的データにも見られる。今年だけの傾向ではなく、地球温暖化が背景要因の一つと考えられる」と指摘。

全国で相次いだ局地的豪雨も増加傾向が見られるといい「気温が上昇すると大気中の水蒸気の量が増え、強い雨が多くなる」と温暖化の影響を示唆している。

2008年8月10日

米、バイオ燃料 義務量削減の要請却下

米環境保護局(EPA)は7日、米エネルギー法で定められたエタノールなどバイオ燃料の使用義務量の削減をテキサス州が求めていた問題で、同州の要請を却下したと発表した。トウモロコシなどバイオ燃料向けの穀物価格の高騰で、使用義務量の削減への支持が一部で広がっていたが、連邦政府としてバイオ燃料の利用促進を堅持する姿勢を明確にした。

これを受け、同日のシカゴ商品取引所ではトウモロコシの先物相場が上昇。取引の中心の12月物は前日比3%高で取引を終えた。

テキサス州が求めていたのは「再生可能燃料基準(RFS)」の緩和。今の基準では、ガソリンに混合するエタノールなどバイオ燃料の使用義務量を2008年に90億ガロン、09年には111億ガロンとし、その後も順次引き上げる内容となっている。

同州はこの基準が穀物価格高騰の要因と指摘。今年4月に使用義務量を50%削減するよう、政府に求めていた。

石油産業が立地する同州では、石油利用の減少につながるバイオ燃料の利用促進への反発が根強い。連邦政府としてはバイオ燃料向けの穀物需要が農家や市場で既に織り込まれていることもあり、方針変更は難しい情勢だ。

2008年8月 9日

空気電池 

トヨタ自動車がリチウム電池の性能を上回る次世代電池の開発に乗り出した。6月に専門の電池研究部を立ち上げ、「空気電池」と呼ばれる新しい電池の実現に挑む。将来の電気自動車にはリチウムイオン電池が有望とされるが、トヨタはあえて次世代電池を投入して開発競争で先頭を走る狙いがありそうだ。

空気電池は負極に亜鉛などを使い、空気中の酸素と反応して電気を生む。可燃性の液体は不要で、燃えやすい液体を使うリチウムイオン電池のような発火事故を起こす恐れはない。また、リチウムイオン電池に比べて、同じ大きさの電池なら5倍以上の電気を蓄えることができる。

空気電池は実用化には時間がかかるが、安全性と将来性を併せ持つ次世代電池に位置づけている。ただ、自動車向けのような大型の充電池として実用化できるかは未知数だ。現在では大型化すると性能が落ちてしまう欠点があるためだ。

空気電池

空気中の酸素と反応して電気を得る電池。酸素の作用で負極に使う亜鉛から電子が生まれ、それを電気として取り出す。現在、補聴器などに製品化しているのは使い捨てタイプの一次電池で、充電が可能な二次電池は開発されていない。

電池としての将来性は大きい。どれだけ電気を蓄えられるかを表すエネルギー密度は、理論的には電池1キログラム当たり1350ワット時。リチウムイオン電池の250ワット時を大きく上回る。二次電池が実用化されれば、一回の充電でガソリン自動車と同等の500キロメートルの走行が可能になるとされる。

2008年8月 8日

バイオ燃料原則を策定

東南アジア諸国連合と日本、中国、インドなど東アジアサミット参加16ヶ国のエネルギー相会合が7日、バンコクで開かれた。中印を含めた全参加国が分野別の省エネルギー目標を定めて来年開く次期会合で報告することで一致。

バイオ燃料の普及拡大によって食料価格高騰などの弊害をもたらさないよう定める。「アジアバイオマス燃料原則」でも合意した。

バイオ燃料について、適切な品質確保と技術開発分野での相互協力が東アジアのエネルギー安全保障に重要との認識で一致した。ただ、バイオ燃料の原料となる穀物などの価格高騰によって食料の安定供給や環境保全を脅かすとの懸念から、「農業との共生」「環境との調和」など6項目からなる原則を定め、持続可能なバイオ燃料利用を目指す。

16ヶ国会合に先立ち開かれたASEANプラス3のエネルギー担当相会合では、地域の資源確保の安定に向け、石油備蓄推進のためのロードマップを2009年から2年間で策定することを決めた。

2008年8月 7日

経団連 排出権取引に反対論噴出

日本経団連の東富士夏季フォーラが開かれ初日は資源高や温暖化対策を議論。排出量取引をめぐって王子製紙の会長が「技術革新が起きれば取引価格が暴落する」と指摘。

新日本石油も「百害あって一利無し。経団連として反対すべきだ」と訴え、反対論が噴出した。

新日本製鉄は「国別の目標設定が公平でないと産業競争力に重大な影響を与える。唯一の解決手段はセクター別アプローチだ」と述べるなど、排出枠を強制的に割り当てる「キャップ&トレード」手法には大半が反対。大和証券グループ本社は「意味があるやり方」と擁護したが同調者はいなかった。

御手洗会長はこれまで排出量取引について「議論は妨げない」と発言してきた。洞爺湖サミットが終わり、排出量取引に対する経済界の姿勢も実利を踏まえたものへと変調しつつあるようだ。

2008年8月 6日

日産 燃料電池の出力倍増

日産自動車は6日、出力を大幅に高めた新型燃料電池を開発したと発表した。小型化と同時に発電性能を高め、2005年に開発した従来の燃料電池に比べ2倍の高出力を確保。電極を改良することで触媒となる白金の使用量も半分に減らし、課題だった低コスト化を実現した。長距離走行が可能な次世代の燃料電池車への技術応用を進める。

電気化学反応で発電する燃料電池の基幹部品を改良、出力を高めた。電池内の燃料と空気を分ける隔壁をカーボン製から金属製に変え、電池の体積を68リットルと従来に比べ4分の3に小型化した。10年代半ばにも実用化する。

日産は同日、開発中の電気自動車の実験車両を公開した。NECと共同開発した新世代の高性能リチウムイオン電池を搭載。走行可能距離や加速性能を向上させた。

2008年8月 5日

農作物 温暖化じわり影響

農作物に地球温暖化の影響とみられる被害が広がっている。日経新聞の調査では、コメの品質低下が西日本を中心に深刻化。リンゴやミカンなどにも影響が出ていた。一方、関東地方では南国特産果物の栽培研究も始まっており、地球温暖化が農業地図を変えることになりそうだ。

調査は地球温暖化に伴うとみられる被害状況や対策などを中心に、都道府県の農業関係試験研究機関を対象に実施。全都道府県から回答を得た。

影響が顕著なのはコメ。穂を出した直後に気温が高くなると、玄米の粒が白濁し減収や品質低下につながる「白未熟粒」が発生するが、8割近い37府県で発生。九州や四国などで近年「多発」「頻発」していた。

果物でも影響がみられる。北日本では越冬傾向でリンゴの開花時期が早まり、4月から5月にかけて霜の被害を受けることが多くなった。西日本では夏の高温などでミカンの品質が劣化する。「浮き皮症」がほとんどの産地で発生していた。

一方、地球温暖化を逆手にとって新たな特産品を育てようという動きもある。千葉では熱帯・亜熱帯果樹のパッションフルーツの栽培研究が進み、埼玉でもマンゴーや観賞用パイアップルなどの栽培研究が始まった。

2008年8月 4日

環境ブログ ドイツ 原発活用論議が再燃

温暖化ガスの排出量を削減するため、ドイツで原子力発電所の活用論議が再燃し始めた。メルケル首相はこのほど記者会見で「原発を巡る議論は終わったわけではない」と発言した。「脱原発」を掲げるドイツ政府が原子力利用へと姿勢を転じれば、欧州の原発政策にも大きな影響を与えることにんまる。

ドイツではシュレーダー前政権が原発の段階的な廃止を決定し2021年をめどに発電所の稼動を停止する段取りになっている。

今回のメルケル首相の発言は廃止時期の延長を念頭に置いたものと受け止められている。

原発の廃止に伴う電力供給の減少を風力太陽光など再生可能エネルギーで十分に補えるか不透明なことに加え、最近の原油価格の高騰が議論の背景にある。

2008年8月 3日

環境ブログ 新日石 バイオ燃料開発

新日本石油は1日、東大大学院農学生命科学研究科とバイオエタノール開発で共同研究の乗り出すと発表した。バイオエタノールの原料となる独自作物の栽培技術の確立やセルロースを効率的にエタノールに変える技術開発などに取り組む。

農学生命科学研究科から20人、新日石から10人の計30人が参加する。契約期間は3年。バイオエタノールの生産コストは現在1リットルあたり約200円で、政府は同40円に下げる目標を掲げる。

2008年8月 2日

世界の食料危機 緑の革命

1960年代に世界は深刻な食糧危機に見舞われていた。生産性を大幅に向上させた「緑の革命」によって乗り切った。しかし、その慢心と原油高により世界は再び新たな危機に直面している。

1960年代、世界は飢餓の危機に瀕し、全人類に食料を行き渡らせる戦いにには既に敗れたという悲観論が広がっていた。だが、人類の知恵が土壇場で勝利した。米国が熱心に農業研究開発や農業インフラへの大規模投資を支援したことで、農業生産性が劇的に向上した。自給自足など夢にも思っていなかった国々が食料純輸出国に変貌した。

しかし、他の革命と同様、緑の革命も勢いを失った。農産物価格が高騰し、ハイチ、バングラディッシュなどで食料を求める暴動が起きている今、世界は再び危機に瀕している。記録的な原油高で肥料価格が上昇し、生産性向上はより困難になっている。

農業関連の政府関係者や専門家は異口同音に、本質的な原因は緑の革命の後退にあると話す。国連の国際農業開発基金のレナート・ボーケ総裁は「原因は農業生産性の伸びの鈍化にある」と言う。これには安価な食料が豊富になったせいで慢心生まれたと指摘する。

農業研究の援助の後退、研究開発やインフラ整備への投資の激減。投資が減れば生産性の伸びも鈍る。米農務省によると、穀物収穫量の伸びは1990~2007年は年間平均1.1%で、1907~1990年の同2%より低い。小麦やコメなど主食となる穀物の収穫量増加への影響は大きく、60年代初頭の年10%増から1%増まで下がっている。

2008年8月 1日

バイオ燃料 深刻な調達不足

トウモロコシやサトウキビなどから作るバイオ燃料は、自動車用のガソリン代替燃料として世界的に普及している。環境負荷が低いとの理由なぢから、2001年に約3000万キロリットルだった生産量は、2007年には約6200万キロリットルに達した。

各国首脳は食料不足の一因となっているバイオ燃料を規制すべきとの声が上がっている。

既に日本の発電所や工場などでは、石炭代替燃料として木材を裁断した木くずを使ったバイオマス発電事業の苦戦ぶりがセルロース系バイオマス活用の難しさを予兆しているのである。

1997年設立のファーストエスコは工場やオフィースの省エネ支援事業を柱に成長。2006年にはバイオマス発電事業に参入。だが目論見は外れた。2006年1月に稼動した岩国ウッドパワーは年間9万トンの木くずを調達する予定だったが、2008年2月から予定の60-80%しか集まらず、稼働率をおとしている。

全国的に木くずが不足している原因は

1つは、重油や石炭などの価格高騰。安価な燃料として木くずへの代替が進んだ。

二つ目は温暖化対策。木材などのバイオマスはCO2を吸収して育つため、バイオ発電はCO2を排出しないグリー電力とみなされる。2002年に電力会社に対して環境価値を上乗せしてグリーン電力を一定量買い取らせる制度ができた。