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2008年5月31日

太陽光を照明に

省エネルギーでも中小ユニークな技術に注目が集まる。例えば家電販売の井之商(大津市)が事業化した太陽光照明装置太陽光そのものを照明にする装置で、遮断性に優れるドーム状のガラスを屋根に設置し、太陽光を反射率95%強の鏡面板を通すことで屋内に光を行きわたらせる。蛍光灯と同等の明るさが保てる。

一般住宅向けの装置に改良を加え、このほど企業工場向けにも提案を始めた。コスト低減を急ぐ地元企業から引き合いが増加。採用した特殊機械開発のシステマックの工場では、一角の約120平方メートルで夜間を除き蛍光灯が不要になった。雨の日でも十分明るいと話す。

耐圧ホースを製造するトヨックスはスイスのMWHバコール・エア社と技術提携し、天井と一体型の輻射式空調システムを開発した。

2008年5月30日

EUで原発回帰論

大幅な原油高や地球温暖化対策をにらみ、欧州連合で原子力発電への回帰論が広がってきた。EUのぺテリング欧州議会議長は26日、二酸化炭素の排出抑制などで「原発利用が必要になる」と語った。英国やイタリアは原発凍結政策の転換に踏み切っており、7月からEU議長国なるフランスは原発の活用をEU各国に訴える構えだ。

ぺテリング議長は原発をエネルギー調達の重要な手段と位置づけたうえで、利用拡大を検討する考えを示した。バローゾ欧州委員長は「原発利用は温暖化対策での有効な手段」と表明。

加盟国が個別に決める政策としながらも、EUとして原発利用に制作の軸足を移す方針を示唆した。

原発制作は加盟国の主権が強い上、国によって政策対応が大きく番うため、EUの欧州委員会や欧州議会はこれまでは明確な制作スタンスを示さなかった。

だが温暖化対策を進めるには、風力太陽光など再生可能なエネルギー利用には限界があり、原発の投資拡大を促す制作を強めつつある。

食料高騰からバイオ燃料を活用しにくいという事情もある。

EUはエネルギーの約50%を域外からの輸入に頼る。原油高で「世界の不安定地域から輸入される石油や天然ガスへの依存度が高すぎる」という意見も強まっており、英国やイタリアは相次いで原発の新設を再開する方針を決めた。

 

2008年5月29日

アフリカ各国 日本の温暖化対策 支持

28日から横浜市で始まったアフリカ開発会議(TICAD)で、アフリカ各国が日本の温暖化対策に支持を打ち出す見通しになった。日本が資金・技術面で温暖化防止を支援する一方、アフリカ側はその見返りに、産業・分野別に温暖化ガスを削減する「セクター別アプローチ」を含め、日本の提唱する対策の支持を表明する。30日に採択する合意文書の「横浜宣言」に盛より込む。

28日午後に開いた地球温暖化問題を話し合う全体会合では、ジブチやセ-シェル、チュニジアなどの首脳から、こうした日本の支援策を支持する声が相次いだ。

2012年に期限が切れる京都議定書の次の枠組みは決まっておらず、国際交渉が続いている。

日本には50ヶ国を越すアフリカ諸国の大半から支持を得て、交渉を有利に進める狙いがある。アフリカ側には、排出の絶対量が少ないうえ大規模な産業が育っていないため、排出抑制を求められセクター別アプローチを支持しやすい背景があるとみられる。

2008年5月28日

高炉CO2 大幅削減手法

新日鐵は地球環境産業技術研究機構(RITE)と共同で、高炉の排出ガスから二酸化炭素を分離する試験設備を2009年に建設する。化学物質を使ってCO2を一日30トン吸収、分離する。この規模の本格的な試験設備は世界でも例がないという。温暖化ガスの排出企業ランキングで上位に名を連ねる鉄鋼会社の取り組みが、日本の温暖化対策の成否を大きく左右すると言われており、早期の実用化を目指す。

新日鐵は06年度に5,930万トンの温暖化ガスを排出し、このうち約7割は高炉から排出した。試験設備はCO2を有機化合物のアミン液に吸収させる。

現時点ではCO2を分離して地中に貯留するには一トンあたり一万円前後の費用が掛かる見込みで、実用化に向けてコスト削減が課題。

鉄鋼メーカーが取り組む主な温暖化対策

企業 内容
新日本製鉄 高炉ガスからCO2を分離、将来は地中に貯留
新日鉄など

鉄鉱石の還元材料としてコークスの変わりに水素を使用

コークス炉の排出ガスから水素を抽出

鉄鋼各社 高炉などの廃熱をエネルギー源に活用
住友金属 植林したユーカリが原料の木炭をコークスの代わりに使用
JFEスチールなど 原料として鉄スクラップの使用を拡大


2008年5月27日

バイオ燃料巡り対立鮮明に

26日に閉幕した主要八カ国環境相会合で、食料高騰の一因とされるバイオ燃料を巡って議論が交わされた。フランスや国連の代表らは日本経済新聞との会見で米国のバイオ燃料振興策を批判。米国側は「食料価格への影響はほとんどない」などと反論した。

穀物などを原料とするバイオ燃料は植物が育つ際に二酸化炭素を吸収するため、燃やしてもCO2を増やさないとされ、米国が生産を奨励している。ただ国際社会には食料高騰の一因との声もあり、今回の会合でも意見が分かれた。

コシュスコモリゼ仏エコロジー担当相は「先進国の燃料と途上国の食料が競合するのは絶対に受け入れられない」と発言。米国とブラジルが二分するバイオ燃料の生産に疑問を呈した。

国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長は、バイオ燃料の原料にサトウキビを使う場合、トウモロコシより生産効率が高い点を指摘。「バイオ燃料には「良い」ものと「悪い」ものがある」と述べ、トウモロコシを主原料にすr米国を暗に批判した。

米国務省で環境を担当するハーニッシュ大使は「バイオ燃料用のトウモロコシは世界の食料の中でわずかな割合でしかない」と反論。バイオ燃料に前向きなドイツのマクニク環境事務次官は「食料でない植物を使う第二世代への移行が必要だ」と語った。

2008年5月26日

排出削減 途上国も数値目標

主要8ヶ国環境相会合のため来日した国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長は25日、記者会見し、温暖化ガス排出の削減義務について「将来は途上国も数値目標を持つべきだ」と述べた。

ただ数値目標を課すべき時期には言及しなかった。

事務局長は「中国やインド、ブラジルなどが排出削減に向け国内対策を強化している」と評価。

その上で「気候変動枠組み条約が締結された1992年には先進国も数値目標がなかったが、京都議定書で先進国に課された」と語り、将来は途上国も免れないとの考えを示した。

2008年5月25日

小売大手、CO2削減加速

小売大手が二酸化炭素排出量の削減対策を拡充する。

イオン グループ1000店でレジ袋の無料配布を廃止。太陽光なお自然エネルギーの利用促進
イズミヤ コージェネレーション(熱電供給)システム導入。カーボンオフセットを組み込んだPB発売
高島屋 08年度から5年間で100億円投入し、全店の空調や照明、ボイラーなどを省エネ型に切り替える
セブンイレブン 複数の省エネ機器を導入した環境配慮型の実験店舗を長野県に出店
ローソン 会員カードにたまったポイントを使って消費者が排出量取引に参加できる仕組み導入
カワチ薬品 大型店25店舗で照明器具を入れ替え、09年度に05ー07年度の平均排出量から約9%削減
ファミリーマート 2008年度中に空調向けなどの新設設備を800の店舗に導入、年間5,000トン強を削減
西武百貨店 改装する池袋店で2010年までに変電設備や冷却設備を改修
松屋 23日から店内の緑化を始めた。屋上約152平方メートルに菜園や花壇、芝生を設置
コープネット事業連合

26日から2ヶ月間、CO2削減につながるとされる電球型蛍光灯を市価の2割引で販売

京急百貨店 中元ギフトに、購入したCO2排出枠で送り先への商品配送などで生じるCO2を相殺する


2008年5月24日

温暖化対策の国際基金

日米英が提唱する地球温暖化対策のための多国間基金が、世界銀行を母体に年内にも設立される見通しとなった。

21日、22日に独ポツダムで開いた関係国、国際機関による設立交渉で大筋合意した。

世銀は7月初旬の理事会で基金設立を正式に承認する方向。

気候変動対策としては最大規模な国際基金が正式に動き出す。

関係筋によると、新基金は森林保全などに充てる「戦略的気候基金」と、風力や太陽光など環境負荷の小さい発電技術などを途上国に普及させる「クリーン技術基金」の二本立てとする方向で調整。

世界銀行が管理する枠組みが固まった。

今後参加国と資金規模の拡大が焦点となる。

2008年5月23日

太陽電池生産を倍増

三菱重工業は22日、太陽電池を増産するため今後3年間で約300億円を投資する計画を明らかにした。2010年度には生産量を、今年度見込みの2倍強の年120メガワット程度に引き上げる。同社はシリコン使用量の少ない薄幕型太陽電池を手掛けるが、歩留まりなどの問題から量産が遅れていた。積極投資に踏み切り、薄型でシェア10%を目指す。

長崎造船所の諫早工場で生産能力を増強する。今年初めに第二工場を稼動、発電効率の高い「微結晶タンデム型」の薄幕太陽電池の量産を本格的に始めた。

すでに建物だけ建設済みの第三工場も09年度には稼動させ、年100メガワットの生産体制を整える。

第四、第五の工場新設も検討しており、12年度には生産能力を年約250メガワットに引き上げる考え。12年度までの総投資額は600億円程度に達する見通しだ。太陽光発電の需要が世界規模で高まると判断、積極投資に踏み出す。

2008年5月22日

インドネシア環境省17%削減

インドネシアのウィトゥラル環境相は同国の発電分野での温暖化ガス排出量を2025年までに17%削減する計画を明らかにした。途上国が自発的に削減目標を決めるのは珍しいが、環境相は「途上国は排出量全体の削減義務を課されるのは難しいが、何もしないわけにはいかない」と強調。

経済成長を優先して排出削減に消極的な中国やインドの取り組みを促す構えをにじませた。

ポスト京都議定書を巡る国際枠組みの協議などもにらみ「一部の分野でも数値目標を設定することで途上国jの努力を示し、先進国に一層の削減を迫りたい」とも語った。

インドネシアの2005年の排出量は二酸化炭素換算で約3億5000万トン。世界全体の約1.3%を占め、アジアでは中国、日本、インド、韓国に次ぐ。

2008年5月21日

太陽電池出荷22%減

太陽電池協会は20日、2007年度の太陽電池の国内出荷量が前年度比で22%減ったことを明らかにした。国内市場の縮小は2年連続。国内出荷の8割を占める住宅向けが同25%減ったのが響いた。

一方、新エネルギーの普及に力を入れる欧州などへの輸出は前年度より16%増えており、国内太陽電池メーカーの海外シフトが鮮明になっている。

2007年度の輸出量は発電能力換算で701、700キロワットと、国内出荷(299、900キロワット)の3.3倍になった。地域別では欧州向けが24%、米国向けは15%増えた。

ドイツやスペインなどでは政府の補助金などにより、太陽光など新エネルギーでつくった電気を長期間割高で買ってもらえる制度がある。これによりドイツ、スペインでは10年程度で初期投資の回収ができる。

一方、日本では20-25年かかるとみられ、利用者の経済負担が大きいことが、市場の伸び低迷につながっているようだ。

2008年5月20日

次世代燃料メタンハイドレート

政府は17日、石油などに代わる次世代エネルギーといわれるメタンハイドレートの商業化に向け、米政府と共同で研究開発を進める方針を固めた。2009年度からの研究開始を目指し、日米の実務者が非公式協議を始めた。政府は18年ごろの商業化を目標に掲げている。米国と連携することで生産技術の確立を急ぐとともに、生産コストの低減も狙う。

共同研究は米エネルギー省など米国側からの非公式な打診による。日本側は経済産業省などが窓口となり協議を進める。今年の夏ごろまでに正式合意する考えだ。

中国など世界各国が将来のエネルギー不足や原油高などをにらみ、メタンハイドレートの早期商業化を競っている。政府は米国とこれまでの研究成果を持ち寄ることで、研究スピードを加速するとともに、日米で生産技術のデファクトスタンダード(事実上の標準)を確立する思惑がある。

共同研究の対象となる採掘地には日本近海や、米国のオレゴン州沖やアラスカ州にある既存採掘地が上がっている。新たな採掘地の開発も検討する。

商業生産する場合は地層中でメタンハイドレートをメタンガスと水に分解し、メタンガスを回収する。回収した後は天然ガスと同じような生産・販売ルートに乗せることを想定している。

最大の課題は採掘技術の確立だ。地中深くで固定になっているため、採掘が難しくコストも高い。海底下で埋蔵されることが多いので、海底環境に悪影響を与えない技術も必要だ。日米共同研究の狙いも、商業生産に見合うような安くて安全な採掘技術の確立にある。

政府は3月に策定した海洋基本計画の中で、10年後のメタンハイドレートの商業生産を目標に掲げた。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構は3月、メタンハイドレートを地中から連続して産出する実験に世界で初めて成功している。

2008年5月19日

自動車税にCO2基準

環境対応で世界に先行する欧州で、二酸化炭素排出量を基準にした新たな自動車税制の導入が相次いでいる。

ドイツは2009年からエンジン排気量を基準にした税制をCO2基準に変更する。

フランスなどはCO2排出量が少ない自動車購入への優遇税制を設けた。

いずれも環境対応車の税額が少なくて済む。消費者の購買意欲が高まる可能性があり、自動車メーカーの開発競争を促しそうだ。

 

自動車税

  英国、スウェーデン、オランダ、ルクセンブルク、ポルトガル、キプロス、アイルランド、ドイツ、ベルギー
車両登録税
  フランス、スペイン、オランダ、アイルランド
売上税
  フィンランド、ノルウェー、スロベニア
所得税
  ベルギー
新車買い替え奨励金
  イタリア、スウェーデン


2008年5月18日

メタンハイドレート

天然ガスの主成分であるメタンガスが低温、高圧の状態で水の分子に閉じ込められ、シャーベットのような固体になっっているもの。「燃える氷」の異名を持つ。

日本近海には天然ガス約100年分にあたる7.4兆立方㍍と、世界最大規模のメタンハイドレートが埋蔵されていると推定されている。

メタンガスは石油や石炭などに比べ、燃焼した際の二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少ないため、次世代エネルギーとして期待される。

海底の下の地層や永久凍土の下にあるため、生産コストの高さが課題だった。

近年では技術開発や、原油高による相対的なコスト競争力の向上により、各国が商業化に取り組んでいる。

2008年5月17日

温暖化対策に低利円借款

政府はアフリカやアジアなどの途上国が進める地球温暖化対策を支援するため、金利が通常の半分程度の新しい円借款制度を創設する方針だ。今後5年で5,000億円を上限に、温暖化対策に積極的に取り組む途上国に供与する。7月の主要国首脳会議でも支援策を公表し、日本が世界各国の温暖化防止対策に積極的に取り組んでいる姿勢をアピールする。

創設するのは「気候変動対策円借款」。一般の円借款の金利を供与国によって異なるものの、償還期限が40年間の場合、年1-1.2%程度。気候変動対策円借款はこれを同0.4-0.5%程度引き下げる。金利を引き下げることで、途上国の負担を減らし、温暖化ガスの排出削減に積極的に取り組むよう促す。

円借款供与の対象とする事業は、温暖化防止に役立つ風力や太陽光など代替エネルギーの普及のほか、発電所への省エネルギー施設の導入や植林などを想定している。貯水池の建設なども対象にする方針だ。

2008年5月16日

風力発電 東電 伊豆に

東京電力は15日、静岡県東伊豆に風力発電所を建設すると発表した。風力発電機11基を設置し、総出力は18,370キロワット。

東電本体が風力発電所を建設するのは初めて。2011年10月に営業運転を開始する予定で、年間13,000トンの二酸化炭素削減効果を見込む。

同日に建設予定地である東伊豆町と河津町から同意を得た。2009年4月に着工する。投資額は明らかにしていないが、50億ー100億と見られる。東電グループで風力発電事業を手掛けるユーラスエナジーホールディングズも隣接地に総出力16,700キロワットの風力発電所を建設する。

電力各社は新エネルギー等電気利用法(RPS)に基き風力発電所建設に力を入れており、国内の風力発電設備は2006年度末で155万キロワット。2010年度には倍増を見込んでいる。風力発電で最大手のユーラスエナジーは国内で32万キロワットの設備容量を保有し、さらに12万キロワット分の設備を建設中。風力発電開発が加速している。b」¥

2008年5月15日

温暖化ガス削減 排出量取引を活用

政府は7月の主要国首脳会議を前に2050年までの温暖化ガスの国内排出量の削減目標を設定する方針を固めた。削減幅は6-8割を軸に調整している。温暖化ガス排出の過不足分を企業間で取引する国内排出量取引制度の導入に前向きな方針も打ち出す。地球温暖化問題が主要議題となるサミット議長国として、自国に高い目標を課すことで、国際交渉を主導する狙いだが、達成に向けたハードルは高そうだ。

各国の温暖化ガス削減に対する姿勢

日本 2050年までに国内排出量を現状60-80%削減で調整
EU 2050年までに先進国全体で1990年比60-80%削減
米国 2025年までに国内排出量の伸び率ゼロに
中国 2050年までに世界全体で排出量半減に一定の理解。自国への削減目標の義務づけには反対
インド 経済成長を優先。削減目標の設定には反対
カナダ 2050年までに国内排出量を06年比60-70%削減


2008年5月14日

新エネルギー海外に照準

二酸化炭素の排出量がゼロの新エネルギー太陽光発電風力発電に取り組む企業が海外に事業の主軸を移している。国内の太陽電池メーカーは輸出の拡大を進め、2007年には輸出量が国内出荷の3倍に達した。

風力に関しては発電事業者が欧米を中心に新規の発電所立地を進めている。欧米は新エネルギー導入の優遇を強化しており、市場の伸びは国内を大きく上回る。

今後も新エネ関連装置メーカーや発電事業者の海外展開が加速しそうだ。

太陽電池で国内最大手のシャープは07年の製品の輸出量が全生産量の8割程度に達した。10年中にも海外に工場を建設する。生産能力は出力換算で100万キロワットと07年の生産量の3倍に拡大。

三菱電機は07年の輸出比率が80%に達した。

2008年5月13日

農産物のCO2排出量表示

農林水産省はスーパーなどの店頭に並ぶ農産物を対象に、生産や流通の過程でどれだけの二酸化炭素が排出されたかを表示する仕組みづくりの検討に入る。

測定や表示の方法について有識者会議で月内に議論を開始。農家や企業の負担になるため義務化はしないものの、測定方法を示すことで企業が自主的に取り組みやすくし、農産物のCO2排出量を消費者の選択肢の一つにできるようにする。

CO2測定は、温室栽培や農業機械でどれだけ燃料を使ったかなどを調べる方法を軸に検討する。課題を今夏にも整理し、農家や企業、地域を限定した調査や実験に着手する考え。農産物の表示では、どれくらいの距離を運ばれたか示す「フードマイレージ」もあるが、農水省は輸送手段によって排出量が変わる例を含め、包括的な表示を目指す。

2008年5月12日

温暖化ガス 国が削減目標  その1

政府が6月にも2050年までの温暖化ガスの国内排出量の削減目標を公表する方針を固めた。削減幅は6-8割を軸に調整する。日本が提唱した「50年までに世界全体の排出量を半減する」との目標達成に向け、大幅削減を国際公約する形となる。実現の可能性などを探った。

低炭素社会 の具体例

都市

  輸送手段は自転車や公共交通が中心

  風の通り道を確保し、緑化を進展

  下水汚泥など都市で発生する未利用エネルギーを活用

  業務・商業施設や居住地域を集約

農村漁村

  森林の保全・整備

  廃棄物バイオマス(生物資源)や稲わら、間伐材などを活用

  自動車はバイオ燃料などを利用

家庭

  省エネルギー家電を使用

  高効率のヒートポンプや照明を導入

  断熱性を高めて暖房使用を抑制



2008年5月11日

首相「インドの同意望む」

福田首相は10日首相官邸で米紙ワシントン・ポストと会見し、産業・分野別に温暖化ガス削減を進める「セクター別アプローチ」について、「インドの同意も得たい」と強調した。

欧州連合、ロシア、中国に加え、アジア経済のけん引役であるインドを取り込み、温暖化ガス削減の新たな枠組みづくりで主導権を握ることに意欲を示した。

2008年5月10日

住商・欧州で太陽光発電

住友商事は欧州で太陽光発電事業に乗り出す。太陽電池パネルを敷き詰めた大規模な発電設備をスペインに建設し、年内にも独立系発電事業者として電力を地元の電力会社に卸売りする。

日本企業による本格的な太陽光発電事業は初めて。欧州各国では同発電への助成策を拡充しており、通常の火力発電などより高い価格で電力を買い取る制度が増えている。

石油など資源価格の高騰が続くなか住商はイタリアなどでの事業展開も進める。

スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で地元自治体などと組立み、出力9メガワットの発電施設を建設する。

住商の年間売上高は13億程度と見られる。

2008年5月 9日

商品にCO2排出量表示

消費者が店頭で買う商品をつくる過程で排出した温暖化ガスの量を商品ごとに表示する制度の普及に向け、経済産業省と民間企業が取り組みを始める。イオンやセブン&アイなど小売り大手と今年度中に指針をつくり、各社が来年度にもまず自主企画商品に採用する。温暖化ガスの排出量表示で企業に地球温暖化対策を競うよう促すとともに、将来、温暖化ガスの削減費用を商品に課金するといった基盤にもつながる。

二酸化炭素など温暖化ガスの排出量表示は「カーボンフットプリント」(炭素の足跡)と呼ばれ、欧州で普及しつつある。経産省は温暖化対策に有効と判断。

英国ではスーパー最大手のテスコが洗濯用洗剤や果汁飲料などの一部商品で採用済み。一つの商品の製造、配送、販売の過程で生んだ温暖化ガス排出量を「CO2300グラム」などの形で商品上にラベル表示する。

2008年5月 8日

東南アジアの穀物生産半減

アジア開発銀行(ADB)は温暖化がアジア地域に深刻な影響を与えるとの試算をまとめた。東南アジアの穀物生産は2050年までに半減する恐れがあるほか、水不足に苦しむ人は約12億人の増加。また温暖化による海面上昇でバンコクや上海、ジャカルタなどで洪水被害が頻発し、バングラディッシュ沿岸部などでは気候変動難民が生まれるとしている。

試算は黒田ADB総裁が総会で明らかにした。世界の温暖化ガス排出に占めるアジアの比率は現在29%だが、試算によると30年には42%まで増え、食料生産や生活基盤に重大な悪影響を及ぼすという。

温暖化ガス排出の少ない発電所の増設など気候変動問題に対して必要な投資額は30年までで総額6兆4千億ドル(約670兆円)に上ると試算。アジア地域は規制緩和などを通じて欧米など先進国に流れている環境関連の投資資金を呼び込むべきだと強調。

2008年5月 7日

温暖化「当面は小休止」

地球温暖化は今後10年近く「小休止」し、平均気温は上昇しない-。ドイツの研究チームがこんな予測をまとめ、英科学誌ネイチャー最新号に発表した。気候の自然変動が影響し、二酸化炭素増などによる温暖化が当分の間は打ち消されるため。北米など地域によってはわずかながら寒冷化するという。

ライプニッツ海洋科学研究所などのチームはコンピュータの模擬実験で今後10年から20年の気温などの推移を予測。温暖化ガスの排出が続くものの、海洋の数十年周期の自然変動などが寒冷化を促す方向に働くため、2010年代半ばまでは平均気温はほとんど上がらないとの結果が出た。

地域別には北米や西欧でやや気温が下がる。その後は、自然変動による影響は温暖化を促す方向に反転し、平均気温は急ピッチで上昇するとみている。

国連の気候変動に関する政府間パネルは21世紀末までに最大6.4度の気温上昇を予測。ただ、どのように温度が上がるかや、変動の地域差についての詳しい研究はこれから。今回の結果はその先駆けとなる。

地表の平均気温は第2次世界大戦後の寒冷期を経て1970~90年代にかけて上昇したが、最近の約10年間はほぼ横ばい。今回の予測通りに進めば、人間活動によるとされる温暖化の進行がみかけ上、通算20年近く停止することになる。

2008年5月 6日

CO2削減へ農地活用    

農林水産省は農地を二酸化炭素の吸収源とする地球温暖化防止策について、国際的なルール作りを国連に提案する方針だ。

堆肥や稲わらなどの有機物を肥料として使うことで土壌のCO2蓄積を増やす案が軸になる見通し。

同省はCO2換算で年間800万トン程度の削減につながると試算。温暖化防止の手法や分析方法を詰め、6月にも開く国連の作業部会で新ルール案の提示を目指す。現在国際的に統一されたルールはない。

農地を活用した削減策は具体的には

①堆肥などの有機物の農地への使用量を増やす

②土壌を改良させる木炭などの使用を促進する。

農水省の試算では、全国の農地で堆肥を使用するとメタンガスの発生も増えるものの、その分を差し引いても、化学肥料だけを使う場合に比べ温暖化ガスの排出は減る。

2008年5月 5日

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)     

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)

温暖化ガス排出に伴う環境変化や経済・社会生活への影響を科学的に評価する専門家組織。

米国のゴア前副大統領とともにノーベル平和賞を受賞した。昨年11月の第4次報告で地球温暖化は人間活動によってもたらされたと指摘。

温暖化ガスの排出量を半減させ、気温の上昇幅を2~3度に抑えないと損失が拡大すると訴えた。

産業分野別の排出削減方式

日本が提唱する温暖化ガスの排出削減方式。

鉄鋼や電力など主要産業別の排出削減可能量を積み上げ、各国で定める排出量の数値目標を反映させる。世界規模で産業部門別の削

減可能量を精査でき、日本のように省エネルギーが進んだ国にとっては数値目標の設定で公平さが高まるとされる。

国際炭素取引協定(ICAP)

排出量取引の国際市場整備を目指す協定。2007年10月にEUと米カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュー

ジーランドなどが締結した。協定国・地域の取引制度導入をEUが支援していく。日本では東京都が08年中に参加する方針をしめした。

2008年5月 4日

EU独自の数値目標

ポスト京都議定書をにらんで加盟27ヶ国が合意した削減目標。温暖化ガス排出量を2020年までに1990年比で20%以上削減すると定めた。

目標達成に向けてEUは排出量取引制度を拡充。現在は事業所に無償で割り当てる排出上限枠を、13年からはオークションでの有償配分に切り替える。

温暖化対策でEU企業は年600億ユーロのコスト負担をさまられる。

2008年5月 3日

再生可能なエネルギー

石油や石炭と違って二酸化炭素を出さず、資源枯渇の恐れもないエネルギー資源。

風力や太陽光、水力のほか、生育時にCO2を吸収する植物原料とするバイオ燃料も含まれる。消費量全体に占める割合は現在9%弱だが、EUは20年までに20%を目標に設定。

とくに風力発電を推進、2007年に仏は発電能力を57%、スペインは30%増強した。

2008年5月 2日

温暖化防止 日中が特別文書

日中両政府は7日の福田首相と中国の国家主席の首脳会談で、地球温暖化防止の協力に関する特別文書をまとめる方針を固めた。日本が提唱する産業・分野別に温暖化ガス削減を進める「セクター別アプローチ」に中国側が支持を表明、2013年以降の新たな枠組み(ポスト京都議定書)づくりでの連携を打ち出す。省エネルギー技術協力の推進なども盛り込む。

中国国家主席の来日は10年ぶり。会談では日中関係の新たな指針となる共同文書も発表する方向だが、温暖化防止に関する文書はこれとは別。日本政府には、温暖化対策が主要テーマとなる7月の主要国首脳会議の議長国として、中国に積極的な取り組みを促す狙いがある。

2008年5月 1日

ガソリン代替のバイオエタノール   

ホンダと独立行政法人の地球環境産業技術研究機構(RITE)はガソリン代替燃料のバイオエタノールを低コストで量産できる技術を開発した。稲わらなどの植物廃材を原料に、1リットル当たりの生産コストを国際競争力のある30円程度に抑えられる。原油価格の高騰でトウモロコシなどを使うバイオ燃料の需要が拡大し食料価格を押し上げている。省資源と温暖化ガス削減につながる技術として2010年をメドに実用化を目指す。

実用化に向け、植物を分解して糖にする技術を持つ米ジェネンコア・インターナショナルと協力。年内にも本田技研の本社敷地内に年産125~250キロリットル規模の実証プラントを建設する。

北米で年産20万klの設備を建設した場合、生産コストは1リットル当たり30円程度と試算。現在の国内のバイオエタノール生産コストは1リットル当たり100円を超えている。