2012年5月17日

ユーラス 豪で風力発電 参入

豊田通商と東京電力が出資する風力発電最大手、ユーラスエナジーホールディングスはオーストラリアで風力発電に参入する。豪電力ガス小売り最大手のAGLエナジーが豪州南部で開発した風力発電事業を自己資金などを使って約150億円で買収することで合意した。豪州の風力発電市場を開拓する足掛かりにする。

買収するのは豪州南部の南オーストラリア州に建設された風力発電所風力発電機25基を設置し、3月に完成した。総出力は5万2500キロワット。つくった電力はAGLの子会社に24年間の長期にわたって売電する契約だ。約2万7000世帯分の電力を賄える。

ユーラスは世界7ヶ国で風力を中心に発電事業を手掛ける。運転中の発電所の総出力は210万キロワットで、欧州が82万kw、米国が63万kw、日本が53万kw。

日本では7月からの再生可能エネルギーの全量買い取り制度を受けて開発を積極化する方針だが、同時に一部地域に事業が集中するリスクを分散するため北半球以外の市場参入を探っていた。買収で豪州の電力会社への売電実績をつくり、今後は風力発電所を新たに設けて市場を開拓する。

2012年5月16日

再生可能エネルギー

太陽光風力など自然の力を利用するエネルギーのこと。資源の枯渇を招かず、半永久的に使うことができる。石油や天然ガスなどと異なり、二酸化炭素をほどんと排出しない。全量買い取り制度は地熱、中小水力、バイオマスを加えた5種類が対象となる。

日本の発電量全体に占める再生可能エネルギーの比率は約9%(2009年度)。このうち8%を水力発電が占める。太陽光風力などは発電コストが比較的高く、普及の足かせとなってきた。国内の原発の新設が難しくなるなk、日本でも普及を目指す機運が高まっている。

2012年5月15日

富士電機 米で地熱発電

富士電機は米国で地熱発電所の開発運営事業に参入する。カリフォルニア州で建設予定の地熱発電所の開発運営会社に約1割を出資し、経営に参加する。富士電機は蒸気タービンや発電機など地熱発電設備の世界シェア最大手。地熱発電事業への参加で最先端の開発技術やニーズを蓄積し、米国や新興国での今後の設備受注拡大につなげる。

米国の独立系発電事業者(IPP)であるエナジーソースLLDに資本参加する。エネルギー社は総事業費300億円を投じてカリフォルニア州のインペリアル・バレーに「ハドソンランチⅡ地熱発電所」を建設する計画。富士電機は運営会社の資本金のうち、1千万ドル(約8億円)を出資する。

米国は環境負荷が小さい再生可能エネルギーに対する税制優遇措置を背景に地熱発電所の新設や設備の入れ替えが進む。
資源エネルギー庁が11年11月にまとめた統計によると、米国の地熱発電設備容量は2015年に10年比7割増の540万キロワットに拡大する見通し。

富士電機は世界10ヶ国で地熱発電設備を納入しており、世界シェア約4割を占める最大手。資本参加を機に今後、地熱発電設備の世界シェアを5割まで高める方針だ。

2012年5月14日

自家発電力 通年で外販

キリンビールは横浜工場で使用する自家発電余剰電力売却を通年に拡大する。昨年は東日本大震災後の電力不足に対応して、夏場などに限定して東京電力に売電した。今年も電力供給の懸念が続いており、大口需要家に電気を小売りする特定規模電気事業者(PPS)に継続的に売電する。同工場の約1万8000キロワットの発電能力のうち最大1万キロワットを売電する。

同工場は2007年から都市ガスを使う自家発電装置を3基設置。うち2基で工場の使用電力を賄えるが、3基とも動かし余剰分を売電する。消費財メーカーが自家発電装置を使い継続的に売電する例は珍しい。

2012年5月13日

レアアース使わぬモーター

中国によるレアアースの輸出制限を受け、日本は官民を挙げてレアアース使用の代替・削減技術やリサイクルなどの研究開発を進めている。中国の輸出制限をめぐる世界貿易機関(WTO)への提訴は結論が下るまでに1~2年かかる可能性がある。また輸出制限が撤廃されても資源枯渇の懸念は残るため、技術開発は喫緊の課題だ。

レアアースをできるだけ使わない技術開発に対し、国としてバックアップをさらに進めないといけない」。

経産省は来年度予算案で20億円を投じ、10年間の予定でレアアースを使わない自動車向けモーターを開発するための官民共同のプロジェクトを立ち上げる。

民間の動きも加速している。三菱電機は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、レアアースを使わない電磁石の原理を応用した車載用モーターを開発。TDKはジスプロシウムの使用をゼロにできる永久磁石を開発した。日本電産もレアアースを使わない次世代モーターを量産し、2013年にも国内外の自動車メーカーに供給する計画を明らかにしている。

2012年5月12日

レアアース

日本は米国、欧州連合(EU)とともに、ハイテク製品に使うレアアース(希土類)の輸出規制を続ける中国を3月13日にWTOに提訴した。日本が中国の交易を巡りWTOに訴えるのは初めて。仮に主張が認められもても中国が規制を解除するには時間がかかるとみられる。それでも提訴に踏み切った背景には、新興国に広がる資源囲い込みの動きをけん制する狙いもある。

レアアースはハイブリット車向けのモーターに不可欠なネオジムやジスプロシウムなど17種類の元素の総称。今回の提訴ではほかにタングステンとモリブデンもも対象に含まれる。世界シェアの9割を占める中国は2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件をきっかけにレアアースを外交カードとして使い始め、輸出枠の削減に踏み切った。その後の交渉でも解決の糸口が見えず、消費国側の日米欧は不満を強めている。

2012年5月11日

サウジ・中国の太陽熱発電

東京工業大学はサウジアラビアと中国で、現地の太陽熱発電プロジェクトに参画する。従来より2~5割効率のよい中核技術を提供、2013年にも実証プラントを稼働させ、14~15年の商業運転を目指す。日照量の豊富な南欧や中東では太陽熱発電の事業化が相次ぐ。国産技術の優位性を検証、産業界と協力し新たなインフラ輸出につなげる。

東工大の玉浦教授らは、太陽熱を効率よく集める技術を開発した。鏡の設置方法や動かし方を工夫し、従来に比べて同じ面積で夏は約20%、冬は約50%多く電気を作れるようにした。

サウジアラビアでは太陽熱発電で作ったエネルギーの活用法を探るプロジェクトに参画する。海水から1日60トンの淡水を作る実証プラントを建設する。投資額は約20億円。

中国では日中の中小企業約100社や、天津市など9都市と連携、太陽熱発電で石炭を液化する事業に取り組む。まず、発電能力換算で約5千キロワットの実証プラントを建設し、15年から稼働させる。20年までには中国政府が数千億円を投じ、原子力発電所30基分を代替えできる太陽熱発電所を作る計画だ。

太陽熱発電の中核技術は欧米勢が主導している。

2012年5月10日

火力で代替えできる?

原子力に代わる電源として火力発電の存在感が増している。東京電力の火力発電の比率は、東日本大震災前の2010年夏の65%から、今夏は80%にまで上昇する見込みだ。ただ、燃料費の増加が家計や企業の負担増につながる負の側面も見逃せない。

政府の需給検証委員会が原発の停止に伴う影響を試算したところ、燃料価格が横ばいで推移しても、12年度の燃料費は前年度実績より0.8兆円増えることがわかった。原油価格が2割上昇すると、増加額は1.5兆円に膨らむ。これは日本全体の電気料金の約1割に達する。

燃料費の増加は電力会社各社の経営を圧迫する。政府の試算では、電力9社合計の最終赤字は13年3月期で約2.6兆円に上がる見込み。電気料金の引き上げを示唆する声が出る。

火力発電には別の弱点もある。設備の故障などのリスクがつきまとうことだ。
東電も深刻な電力不足に直面していた昨年7月末、予定外の運転停止により約400万頃ワット分の供給力が落ちた。ボイラー設備から燃焼ガスが漏れた鹿島火力発電所4号機が急きょ点検に入るなどしたためだ。

主力のガス火力は通常に稼働しても、夏場は10~20%の出力が下がってしまう。気温の上昇で空気の密度が下がると発電するタービンの出力が落ち、発電量が細る。原発の不足を補える機動性は火力の魅力だが、安定性を欠く面もある。

2012年5月 9日

予知より減災重視

想定の科学的根拠について、海洋研究開発機構の小平秀一上席研究員は「モデルの確かさの議論はこれから」と指摘。想定外の大地震に見舞われた地震学者らのたじろぎが厳しい予測につながった面を否まない。

それでも一連の新想定により、「東海地震だけは予知可能」との前提に立つ現行の地震対策の見直しは不可避になった。

国は、78年成立の大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づき、予知研究などに資金をつぎ込んできた。最近10年間の気象庁の地震調査研究関係費の大半は東海地震向け。強化地域に指定された静岡、山梨両県などの施設整備費は、同法で国が手厚く補助している。

他の地域でも大きな被害の可能性が明らかになったことを受け、中川正春防災担当相は「東海と東南海、南海に関する法律を一本化する」と大震法の見直しに言及した。

地震予知に批判的なロバート・ゲラー東大教授は「津波でも命だけは守るソフト面の減災対策が重要だ」と強調する

国民に広がる不安を払拭するには、新想定にどう対処するかという明確なメッセージが不可欠だが、国の動きは遅い。大災害で都内が壊滅した場合、代替え拠点をどこに置くかは「実際に起こったら決めるしかない」のが実情だ。

2012年5月 8日

福島 ホットスポット26ヵ所

福島県郡山市の市民団体「安全・安心・アクションin郡山」などは7日までに、郡山市教育委員会への情報開示請求などの結果、市内の少なくても14小学校と7中学校、5保育所で、年間被曝線量で20ミリシーベルトに相当する毎時3.8マイクロシーベルトを超える「ホットスポット」があったと発表した。

開示資料によると、市教委は1月、市内の小中学校に対し、定期的に測定している校庭や教室を除く、側溝や生け垣、雨水の排水口など敷地内8ヵ所の空間放射線量の測定を依頼した。

4月に市教委に提出された測定結果では、地上1㎝の高さで、中学校では側溝で毎時20.4マイクロシーベルト、小学校では体育館裏で5マイクロシーベルト、排水口で8.1マイクロシーベルトなどを計測した。保育所では側溝7.7マイクロシーベルト排水口で8.1マイクロシーベルトなどだった。

市教委は原発事故以降、校庭での活動を3時間以内に制限してきたが、新学期からは「校庭の線量の平均が0.2マイクロシーベルト以下になった」として解除。同団体の代表は「校内に線量が高い所がたくさんある。保護者に説明もなく実施された3時間ルールを撤廃を、撤回してほしい」と話した。

文部科学省は原発事故後、中学校は高さ1メートル、そのほかは高さ50㌢で、毎時3.8マイクロシーベルトを基準に学校での屋外活動を制限したが、昨年8月に基準を廃止した。

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